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2004.08.24|その他

民主党代表選挙出馬表明・会見要旨


  • 参院選で自らのマニフェストを掲げて政権交代を約束、その責任を果たしたい
  • 推薦人はまだ決めていないが、政策も示したうえで偏らず幅広い賛同を得たい
  • 民主党を日本政治の本流をなす政党、国民の信頼を得た国民の立場の政党に
  • 小選挙区制において世襲候補は人材の多様性、政党の活力を失わせる
  • 世襲制限はこれからの話、優秀な世襲候補は別の選挙区から立候補を
  • 直ちに定年制の導入をせず政権を取ってから具体策を検討しても遅くない
  • 代表直属の政権戦略委員会を設置して政権獲得への大局的な議論を
  • 政策では、民主党が政権を取った10年後の姿を示したい
  • 待機部隊だからといって憲法問題がなくなるわけでなく本質的な問題ではない
  • 小泉政権の評価:今この国の政治は本当に機能しているのかと感じる人は多い

代表選出馬の決意

【岡田】事実上は、参議院選挙の開票日に、次の代表選挙に出るということは表明させていただいていますが、正式な形では今日改めて、30日が締め切りということですので、この機会をとらえて、改めて表明させていただきます。

「なぜ表明するのか」というご質問はないと思いますが、私自身が参議院選挙に応じて、代表としてこの参議院選挙で勝たせていただいて、民主党政権をつくり上げるんだということを皆さんに申し上げたわけです。

その私自身の、参議院選挙におけるマニフェストを示して、政権交代ということを申し上げた以上、そして結果が自民党以上という、国民の皆さんの1つの結論を出していただいた以上、私には大きな責任が生じていると思っています。

その責任を果たしていくことが極めて重要で、その意味で、引き続き代表として、その責めを果たしていきたいと考えているところです。

もちろん、選挙ですから、他に立候補される方がいらっしゃれば当然選挙になるわけで、それは私が決めることではありません。

そういう形になれば、堂々と選挙戦を戦って、そして引き続き代表として責任を果たせるよう頑張りたいと考えているところです。

今日は、その出馬の表明とあわせて、党改革についての資料をお配りさせていただき、私が代表に就任した場合に、党改革としてどういったことをしていきたいかということを明らかにしたいと考えています。

政策に関しては、現在準備中です。明日、明後日くらいには政策を出したいと考えています。したがって、今日は政策の話はいたしません。また別の機会に改めて会見をして、ご説明したいと思っています。

<質疑応答>

推薦人の人選

【記者】代表選にあたって、推薦人20人以上が必要ですが、どういった方に推薦人をお願いしようとお考えなのか、また、前回(5月)の代表選では、小沢一郎さん他、党内の有力者の方に入っていただきましたが、そういった方々に入っていただく考えがおありなのかどうか伺えますか。

【岡田】具体的には、まだ何も考えていません。ただ、幅広く党の中で多くの方に推薦人になっていただきたいと思っています。あまり偏った形にはしたくないなとは思っています

ただ、それは政策もまだ発表していませんので、政策を見ていただいたうえで、それに賛同していただける方にご推薦いただくということだと基本的に考えています。

政策が間に合わなかった理由

【記者】出馬を表明されて、政策はあとだということですが、間に合わなかった理由は何でしょうか。

【岡田】それは同時に出す必要は必ずしもありませんので、順次作成している最中です。あまり全体が遅れてしまってもいけませんので、少し分けて発表させていただきました。普通は、政策などは選挙になってからですよね、本来は。

民主党をどういう政党にしたいか

【記者】これから代表になられて、民主党をどんな政党に引っ張っていきたいとお考えでしょうか。例えば55年体制下の「保守対革新」みたいな、岡田さん流に自民対民主、民主党はどんな政党か説明の意味も込めて表現していただくと、どういった言葉になるんでしょうか。

【岡田】まず、私は自民党との比較ということを考えていませんので、国民の皆さんとの関係で民主党はどういう政党なのかという意味で言えば、「日本の政治の本流をなす国民政党」ということだと思います。

【記者】逆に、今の自民党はどんな政党かと言うと?

【岡田】他の政党のことをコメントするのはあまり適切ではないんでしょうか。

【記者】ただ、現実には自民党から政権を奪取するということになるわけですから、「自民党あるいは自公政権はここがよくないんだ、それに対して民主党はこうなんだ」というご説明をいただくことも必要ではないかと思うんですが。

【岡田】抽象的な言い方になりますが、民主党は「国民の信頼の上に立って、国民の立場に立った政党」だということです。

自民党のことを言うと、それは批判になりますから、私はあまりそのことを対比で言うつもりはありません。

世襲候補の立候補制限

【記者】党 改革の中の、世襲候補の立候補制限のところなんですが、民主党の中にも地盤を引き継いでいる世襲候補もいますし、実際、世襲候補の中にも優秀な人もいて、 そういった方の当選機会を奪う可能性もあるわけで、世襲候補の立候補制限に難色を示す方もいると思うんですが、そういった方々にどういった説明で理解を得 るおつもりですか。

【岡田】そこに書いたと おりです。ですから、「世襲候補がいけない」と言っているわけではありません。むしろ、世襲候補の中に大変優秀な方が今までたくさんいらっしゃったという ことは前提にしながら、しかし選挙制度が中選挙区制から小選挙区制に変わりましたので、そういう中では、なかなか世襲ということを認めていくと新たな人が 出る余地がなくなって、結果的に多様な人材が政治家になる道を閉ざすことになってしまいますし、政党としてのある意味での活力も失われていきます。自民党 の今の姿は、そのことを1つ表していると私は思います。

そういう意味で、優秀なニ世、三世議員の方は、違う選挙区から出ていただければいいわけですから、別にそのことを禁じているわけではありませんので、何の問題もないと考えています。

それにこれは、これからの話でありまして、今すでに出て立派にやっておられる方についてどうこう言うものでは、もちろんありません。

定年制の導入

【記者】定年制の導入についてですが、「中長期的な検討事項」ということになっていますが、当初に比べて後退したという感じもしますが、この辺のご認識はいかがでしょうか。

【岡田】まあ、貴紙は「定年制が焦点」と書かれましたからね(笑)。その観点から言うと、ちょっと……。(笑)

まあ、定年制については、次の選挙で政権を取るということが極めて重要ですので、もともと我々が検討していた案も、定年制を直ちに導入するというものではありませんでした。

つまり、次の選挙で定年制を導入するというものではありませんでしたので、今すぐ決める必要はないと。そこは全く変わっていません。

【記者】ただ、「次々回」といった形で、当初導入の目途がはっきりと書かれていたと思うんですが、そこはどうなんでしょうか。若干後退したんでしょうか。

【岡田】まず、誤解があるといけませんので、1つ説明しておきますと、我々が言っているのは比例区における定年制です。小選挙区から出ることに関する定年制は、もともと考えていません。

自民党の場合には定年制があるじゃないかとおっしゃる方がいらっしゃいますが、自民党の場合、比例単独あるいは比例優遇という制度がありますから、定年制 の問題が論じられる意味があるんですが、民主党の場合には小選挙区で勝ち上がるか、あるいは惜敗率で上がらない限り当選できませんので、何もしなくて当選 するという人は、少なくとも次回の選挙からなくなりますが、今回は優遇された方が若干いらっしゃいますが、そういう意味で、定年制が持つ意味というのは、 自民党とは全く違うわけです。

そのことを前提として申し上げたうえで、とにかく政権を取ってから具体策は考えたらいいじゃないかと。こういうことです。あまり大きな問題ではないということです。

代表就任への思いが変わった理由

【記者】先に代表に就任した際に、「必ずしも望んでなったわけではない」とおっしゃってましたが──

【岡田】それは事実ですから。(笑)

【記者】一方で今回はそういう感じではないと思いますが、先ほどのお話の中で「参院選で大きな責任を感じた」とおっしゃいましたが、前回は望んでなかったが今回は立候補するという大きな心境の違いは、他に何か理由はあるんでしょうか。

【岡田】前回、代表になって、参議院選挙を戦ったわけです。その選挙の結果責任を負ったということです。

私自身は、マニフェストの作成をして、私のマニフェストで戦ったわけで、もちろん衆議院選挙ではありませんが、参議院選挙で民主党あるいは民主党の候補者 に投票していただいた方は、私が代表だということを前提として、もちろんそれだけで投票していただいたと言うつもりはありませんが、しかしそのことが前提 となって、投票していただいてるわけですから、それが理由なく出ないということはあまりにも無責任である、許されないことだと考えています。

むしろ、きちんと責任を果たしていくということ以外に、私が政治家として取るべき道はないと思っています。

そう言うと少し消極的に聞こえるかもしれませんが、私としては国民の皆さんにいただいた信頼というものを、現実に政権を取るという形でこれからその信頼に応えていく責任があるということです。

政策発表が遅れている理由

【記者】今回政策を発表していないことについてなんですが、これは岡田さんの中にすでにあって事務的に遅れているのか、それともこれから党内の意見が出ることを背景にして修正する余地があるのか、どちらなんでしょうか。

【岡田】単に私の能力足らずです。能力、体力の限界に挑んでいますが、まだ少し完成していません。もう1回、今晩ゆっくり見直したいと考えています。それだけです。

【記者】安全保障問題に関して、小沢さんがおっしゃっているような国連待機部隊構想をめぐっていろいろと意見が分かれている状況が影響しているということは全くないと考えてよろしいんでしょうか。

【岡田】政策は、私が候補者として自分の考えを述べるものであって、それに尽きると思います。

それから待機部隊構想、これ中身に入りますのでまた明日、ご説明したいと思いますが、国連待機部隊ということ自身が本質的な問題ではないと私は考えていますし、ここは小沢さんもどこかで同じようなことを言われていると思います。

政権戦略委員会の中身

【記者】党改革の中で、政権戦略委員会の設置ということを打ち出していらっしゃいますが、これについてもう少しご説明いただけますか。

【代表】こ れは、私が菅さんと代表選挙で争ったときに私の公約の中にすでに入っていたことですが、役員会メンバーとして政調会長以来やってきましたが、どうしても役 員会というものが、日々の物事の決定・処理に追われるわけで、より大局的な問題を議論するということが後回しになってしまうという問題があります。

しかし、代表の最も重要な役割は政権を取る、政権を交代させるということですから、そういうことについて別途党内に機関を設ける、そこで議論していくというふうにしたものです。

もちろん、党の意思決定については、役員会あるいは常任幹事会、そして政策については『次の内閣』と、それぞれの意思決定機関がありますので、意思決定そのものをするのではなくて、政権交代に向けた大づかみな方向付けを議論する場だと。

むしろ具体策となったら、さっき言った3つの決定機関で手続きを経て決定していくと。こういうものです。

【記者】メンバーは、具体的にはどういった方を想定されていますか。

【岡田】党内外、いずれもあり得るでしょうね。しかし、あんまり多くしてしまうといけませんので、数は絞ったほうがいいのではないかと、今のところは考えています。

待機部隊構想が本質的問題ではない理由

【記者】先ほど安全保障問題について、「待機部隊構想は本質的な問題ではない」とお話しされましたが、どう本質的ではないのか、もう少しお考えを伺いたいんですが。

【岡田】こ れは明日述べたほうがいいと思いますが、1つだけ申し上げると、待機部隊つまり別組織にしたから憲法上の問題がなくなり、自衛隊であれば憲法上の問題があ ると、そういう論理は成り立たないということです。そういう意味で、「本質的な問題ではない」ということです。どちらがよりベターかという話だと思いま す。

何回僕や小沢さんが言っても、待機部隊にご執心のメディアもありますから、あえて申し上げておきました。

作成中の政策における待機部隊構想の取り扱い

【記者】どういう点に留意しながら、現在政策を作成されいるのかということと、待機部隊構想について、今回書き込む余地があるのかどうか、2点についてお願いします。

【岡田】基本的に政策は、マニフェストで参議院選挙で問うてますから、それは私のマニフェストですので、それと大きく違ったものはあまり出すつもりはありません。もし、「今出せ」と言われたら、「マニフェストが私の政策です」と、こういうことになります。

しかし、それだけでは分かりにくいとも思いましたので、あえて2015年という今から10年後、今から10年後という意味は、これから数年経って民主党が 政権を取り、数年というのは1年から3年の間ですね、そして衆議院の任期でいうと2期8年民主党政権が続くとこういう日本になりますと、そういう意味での 10年ということですが、そういった2015年における日本の姿を示すというのが、今、私が考えている政策の中身です。

したがって、待機部隊の話というのは、これは明日お答えしたほうがいいかもしれませんが、10年経ってますから、いろんなことがあって2015年にはこうなってますと。そういうことについて述べるということです。

小泉政権の評価

【記者】参議院選挙から1ヵ月半経ったわけですが、改めて小泉政権への評価、なぜ駄目でなぜ民主党政権なのか、改めてお願いします。

【岡田】小泉政権と民主党政権という言い方がいいのかですけれども、あるいは民主党政権ができるときにはもう小泉政権ではないかもしれません。

したがって、民主党政権か小泉政権かということではなくて、小泉政権の評価という質問のご趣旨と理解してお答えさせていただくと、それは明らかだと思います。

すべての改革は先送りになっていると。そして、パフォーマンスはいろいろとオリンピック期間中もされていると思いますが、一方で沖縄に米軍のヘリコプターが墜落し、それに対しても当初何も反応しないと。

そういう状況を見ていれば、今この国は本当に政治が機能しているのかと、そう思う方は多いと私は思います。




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