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2006.10.31|マスコミ

人間の本質が描かれた映画

映画の見方は人それぞれだが、ひとつの切り口を設けてみれば、その魅力も増すはず。7人の映画通に、独特の切り口とお薦めの3作を紹介してもらった。

「人間の本質が描かれた映画」 岡田克也(衆議院議員)

考えさせられる映画が好きですね。中でも人間の本質が描かれた作品に感銘を受けます。

『西 部戦線異状なし』は戦争の悲惨さ、愚かしさを描き尽くした作品です。舞台は第一次世界大戦。兵士にあこがれた少年たちが従軍して非人間的な経験をする。例 えばこんな場面があります。主人公のドイツ兵が生き延びるため、飛び込んできたフランス兵を刺す。死にゆく敵兵と塹壕の中で一晩過ごすのですが、兵士のポ ケットに妻子の写真を見つけ、苦悶するのです。「銃と軍服さえなければ友人になれたのに…」と。象徴的なシーンですね。

1 人の兵士の救出劇を描いた『プライベートライアン』は、助けられた兵士が年を取って自問自答するシーンが印象的です。助けてくれた兵士が死ぬ間際に「よく 生きろ」と言い残すのですが、果たして自分の人生はどうだったろう、と。しかし彼の周りには家族がいて、平凡だけど生きた証しがある。「生きる」というこ とについて考えさせられた作品でした。

『活きる』は、1940年代から70年代までの中国の動乱期を生き抜く家族の物語。時代に翻弄されながらもたくましく生きる庶民の姿に、どこの国も同じだな、と共感しました。3作品とも極限状態に置かれたときの人間のありさまがよく描かれています。




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