民主党幹事長としての定例記者会見(09年5月22日)
2009年5月22日(金)
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○鳩山代表を支え、政権交代を成し遂げるために全力を尽くす
○連立政権視野に野党間の政策協議を進める、会期延長はまず説得力ある説明を
○核政策、普天間移設、国連の軍事的活動に関わる民主党の安保政策について
○自民党の世襲制限の方向は正しい/代表選見直しは議論してよい
○裁判員制度-実際動き出して問題が出て来たらきちんと議論
○憲法審査会について-まず政調でよくこなしてもらう
○マニフェスト検討準備委員会でたたき台を、300日プランなどはこれから議論
○党首討論では新代表が思いをしっかりと示すこと/選挙実務は小沢代行が担当
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■鳩山代表を支え、政権交代を成し遂げるために全力を尽くす
【幹事長】記者会見を始めさせていただきます。これから原則、金曜日の3時ということにさせていただきたいと思いますが、今日は私の以前からの予定があるので1時間繰り上げて2時からということにさせていただきました。週に1回定例で記者会見を開催させていただきたいと思います。私が幹事長代理の時に、基本的に記者クラブに属していないメディアの皆さんも含めてオープンにさせていただき、その後幹事長、代表の時もそのことを踏襲させていただきましたので、この場もそういうことであらかじめの届出などはあるいは必要かもしれませんが、基本的にオープンで開催させていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
幹事長になってまだ日にちが経っていませんで、ならし運転で状況が完全には把握できていませんので、今日皆さんの質問にどこまでお答えできるかわかりませんが、とにかく残された時間はあまりない、解散総選挙までそうたくさんの日数があるわけではありません。したがって、その選挙で勝利をして政権交代を成し遂げる、そのために力を尽くすのが私の幹事長としての役割と認識しています。なかなか大変な役割かと思いますが、鳩山代表を支え重い3人の代行の皆さんも支えながらしっかりと党の中みんなが力を合わせて政権交代ができるように、頑張っていきたいと思っております。私から申し上げることは以上です。
<質疑応答>
■連立政権視野に野党間の政策協議を進める、会期延長はまず説得力ある説明を
【記者】国会対応について補正予算案への民主党側の対応を理由にしながら、政府与党としては会期延長を検討しているわけですが、補正予算への対応と会期延長についての姿勢をお聞かせいただきたい。また3党で政策協議をおこなっていくということですが、政権交代後の枠組み、そのためには政策協議においては選挙の前に外交や安全保障を含めてすり合わせをしておくべきとのお考えでしょうか。
【幹事長】あとの話から言うと、各党幹事長・国対委員長の会議、あるいは今日の国民新党との会議など、様々な場で国民新党、社民党との関係について議論する機会がありました。私が申し上げてきたことは、選挙も、候補者がバッティングしているところもありますが、基本的には協力をしながら選挙戦を戦って、ともに政権交代を目指すという関係にあります。したがって選挙が終われば、社民党や国民新党とは基本的に連立政権を作ると私は考えています。そうであればあらかじめつめられる政策に
ついて協議をしておくということは意味のあることなので、もちろん全部一致するわけではありません。全部一致するなら同じ党になればいいわけですから、それぞれ政党の立場をふまえて意見の違いはあるわけですが、なるべくそういった違いは少なくしておいたほうがいいと考えています。選挙にあたって共通の政策を文書で示すかどうかは現時点でまだそこまでは決めていません。それはこれからの状況次第だと思います。まずはわが党のマニフェストをしっかり作るということだと思っています。
国会の状況ですが、延長を言うならなぜ延長したいかということをちゃんと言うべきだと思います。延長した結果、何を議論したいのかということが伝わってきません。単に大幅延長ということだけが聞こえていますので、そこは説得力のある説明をまずしていただきたいと考えています。補正への対応については昨日申し上げました。我々はいたずらに審議を引き延ばすことはしません。ただ、非常に大きな予算でもありますので、しっかりとした議論が必要だと考えています。まだ議論が実質的には一昨日スタートしたばかりですから、いまの時点で出口の議論をするのはいかがかなものかと思っています。
■核政策、普天間移転、国連の軍事的活動に関わる民主党の安保政策について
【記者】民主党の安保政策について、先日幹事長の日本記者クラブでの発言にあった、アメリカに対しての核兵器の先制不使用を求めるとか、また普天間の県外移転および将来の国外移転という方針、さらに国連の要請があれば軍事的行動にも参加できるとした2006年のマグナカルタの見直し、こういった以上3点について今度のマニフェストに盛り込まれるお考えでしょうか。
【幹事長】核の問題は私の意見ということで申し上げました。私としてはぜひ盛り込みたいと思いますが、党の議論はこれからです。ただ北東アジア非核地帯構想については、私だけではなくて鳩山候補(代表選当時)の文書の中にも出ておりましたので、そういう意味では両候補がそのことを言ったということは盛り込まれる可能性は非常に高いと期待しています。
普天間の話は私が申し上げたことは、いままでの民主党のマニフェストの線に沿って申し上げたつもりです。したがってとくにコメントすることはありません。
国連については、マグナカルタでどのような表現をしていたか正確には覚えておりませんが、そこでも国連の要請があれば武力行使するとまでは裸では書いてなかったのではないかと思うのですが、もし違っているのでしたら教えていただきたいと思います。国連の決議があるからといって何でもできるというふうには、私もまた民主党も従来言っていなかったように思います。鳩山さんも代表選挙の中でかなり抑制的に言っておられましたので、そこも何か齟齬があるとは思っていません。
■世襲制限は正しい方向。代表選見直しは議論してよい。
【記者】世襲制限について自民党が次期衆院選から適用することを考えているようですが、適用してもそこには対立候補を立てないというのでは骨抜きになるのではないかと言われていますが、こうした対応についてどのように思われるか。また代表選について先般の代表選で地方組織が事前調査を独自におこなう動きがあったと思いますが、こうした動きについてどう思われますか。また代表選を見直すべきだとの声についてどう思われるかお聞かせ下さい。
【幹事長】世襲の話は他党のことですからあまりとやかく言う話ではありませんが、私は自民党の10年20年先を見れば、民主党と同じようなことはやられたほうがいいですよと申し上げたいと思います。そういう意味で、世襲制限についてマニフェストに盛り込むとすれば、それは正しい方向だと思います。ただそれを次の選挙からやると言いながら、実質的に小泉さんや臼井さんのところで候補者を立てないということがあらかじめ決まっているとしたら、次回からやるという言葉とは裏腹に実質的にはやらないと言っているようなものですから、それなら正直に次々回からとおっしゃったらどうかと思います。ただ、方向としては私は正しい方向に民主党を見習って目指されているなと思います。
代表選挙の規程については選挙管理委員長の古川さんから鳩山代表あてに文書をいただき、私も鳩山代表からいただきました。見直しが必要であるということなので、そのことについて決めるのは常任幹事会なので、そこでも見直しの申し入れがあったことはご報告して皆さんのご意見も聞いてみたいと思います。私は見直しの議論はしたらいいと思いますが、ただそれを2から3ヶ月後に総選挙を控えたいまやるべきなのか、もう少し落ち着いた状況でやるべきなのかというのは議論が分かれるところではないかと思います。
■裁判員制度は実際動き出して問題が出て来たらきちんと議論
【記者】裁判員制度について、超党派の議連が直前まで裁判員制度の施行を遅らせる法案を準備していたが、民主党議員の議連に対する説明として民主党内がまとまらなくて提出に至らなかったとの説明がなされています。この動きに対して民主党の正式な見解をお聞かせ下さい。また始まってしまったので中身を少し修正すべきではないか、具体的には守秘義務の緩和とか死刑を全会一致にすべきとかという修正案をいま議連は議論しているようですが、こうした動きについて幹事長の見解をお聞かせ下さい。
【幹事長】一般論として言わせていただくと党として党議拘束をかけないと決定しない限りは党議拘束はかかります。臓器移植などは前回法律を作ったときには党議拘束を外して、自由に採決をするということにしました。今回も暗黙の前提としてそうなると思いますが、それ以外のものは基本的に党議拘束がかかるということです。そのことは最初から分かっていたはずだと私は思っています。今後のことは実際制度が動き出して様々な問題が出てきたら、これだけ大きな制度ですから具体的な問題は出てくると思います。そのときにきちんきちんと党の中で議論すればいいのではないかと思っています。
■憲法審査会問題はまず政調でよくこなしてもらう
【記者】憲法審査会について、国民投票法が2年前に成立してから施行まで1年を切りました。ただ審査会規程が未整備で実質的な始動はしていません。この状態を違法状態だと話されている方もいますが、小沢民主党下ではこれについてかなり消極的でした。鳩山新体制では憲法審査会規程に対する姿勢は変わるのか。また一昨日幹事長を代表選で支援された皆さんが会合を開かれましたが、今後は党内の横断的グループとして活動していこうという動きについてどう見ておられるか、伺います。
【幹事長】第一の点については先般の幹事長会議でも問題提起されました。私が申し上げたのは、まずは現場でよく話し合ってくださいということです。その後直嶋政調会長とも話をしましたが、まず政調でこなしてもらいたいと思います。私が頭越しに今のタイミングで何か言う話ではないと考えています。
私を支持していただいた皆さんに集まっていただいて、一種の慰労会という形で会合をもったのは一昨日のことで、大変良い会だったと思います。今後のことについて私はまだ聞いていません。ただ、私自身は民主党と自民党は違うと、だから自民党の派閥ごっこのようなことをして何の意味があるのかということをずっと言ってきていますので、そういうことにはならないようにしたいと思います。
■マニフェスト検討準備委員会でたたき台。300日プランなどはこれから議論。
【記者】300日プランについて策定する方向で進めるのか、進めるのであれば前回の500日プランを踏襲した形になるのか。またマニフェスト準備委員会ができることになりましたが、それとは別に何か委員会を設置するという話になるかどうかお聞かせ下さい。
【幹事長】マニフェスト準備委員会というのは政調の下に設置されると理解しています。そこでたたき台的なものを作ってもらって、もちろん政調会長が委員長ですから政調としてのプラン、案を見せていただいて、代表なり私なりが様々意見を申し上げることもあるということで、そのためのたたき台を作る場と考えています。もちろん最終的には全党的な議論が必要です。2005年の選挙で掲げた500日プラン的なものを作るかどうかもまだ決めてはいません。ただ私は300日プランという名前が良いかどうかは別として何らかの政権交代をしたときの最初の期間をどう進めていくのかということは入れたほうが分かりやすいのではないかと思います。500日プランというのはなぜ500日だったかというと、2005年の選挙が終わったあとも、参議院ではまだ自公が多数である。その後の参院選で我々が多数をとるまでの間は、参議院で少数与党でいなければならないという状況を前提で、何ができるかを考えて参院選までの500
日をどう過ごすかということで作ったわけです。今回は最初の100日をどうするかということで考えたほうがいいという人もいますし、次の参院選までの300日までどうすごすかということで300日にすべきだという意見もあり、そういうことを含めて、これはこれからの議論です。
■党首討論では新代表が思いをしっかりと示すこと。選挙実務は小沢代表代行が担当。
【記者】27日に党首討論が予定されていますが、新代表になって初めての党首討論となりますがどのような議論を期待されるか。また今日から小沢代行が地方行脚を再開されましたが、かねてより幹事長は代行との役割分担はできるとおっしゃっていましたが、改めて代行にどのような役割を期待されるかお聞かせ下さい。
【幹事長】党首討論は多くの国民の皆さんに期待していただいていると思います。新しい民主党の代表が鳩山さんになって、どういった主張をされるのかという国民の大きな期待にしっかり答えていただきたいと思います。ただ中身については、私があまり何か言わないほうがいいと思います。それは私の代表の時の経験で、いろいろな人がいろいろなことを言うとだんだん色が褪せてきて訳が分からなくなってきますので、代表の思いをしっかり述べられる。したがってテーマ選択とか内容については代表が中心にお決めになればいいので、あまり幹事長がものを言わないほうがいいと考えています。今日も副幹事長に集まっていだいたときに若干の意見が出ましたので、そういうことは紙にでも書いてお届けしておくべきとは思いますが、最終的には代表ご自身の判断でやっていただきたいと考えています。
小沢代表代行は選挙について担当していただくということになっています。したがって選挙の実務について小沢代表代行にやっていただくということは鳩山代表とも確認していることですので、そういう役割分担で進めていきたいと思います。もちろん私も応援に行ったりはしますし、明日は石川候補のところにお邪魔するわけですが、週末なるべく多くの候補者のところをしっかりまわって応援していきたいと考えています。