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温室効果ガス排出削減の中期目標について(談話)

民主党地球温暖化対策本部
本部長 岡田 克也

○本日、麻生総理大臣は、地球温暖化対策に関して、わが国の温室効果ガス排出削減の2020年における中期目標を発表した。今回の「2005年比15%削減」という目標では、地球温暖化対策としても全く不十分なものである。

○まず、「2005年比15%削減」は、1990年比では8%削減に過ぎず、IPCCの最新の科学的知見が求めている、先進国全体で2020年に90年比25~40%削減が必要との要請には到底及ばないものであり、国際社会に大きな失望を与えることは間違いない。

○次に、総理自らが基本原則として「主要排出国の全員参加」と言いながら、このような低い目標を打ち出せば、先進国に野心的な目標を求めている中国やインドをはじめとする途上国が強く反発することは必至であり、新たな枠組みへの参加を促すことが本当にできるのか、甚だ疑問である。

○EUの目標は90年比で20%削減であり、京都議定書の削減義務を実現した上で、さらに積み増すというものである。現状で90年比9%増と京都議定書の約束の達成が疑問視されている日本とは全くレベルが違う話である。

○また、総理の会見では、国民の負担・コストに再三言及されたが、国民負担の増加や経済の減速のみを強調することは妥当ではない。

○オバマ政権の掲げる緑のニューディールは、まさに地球温暖化対策と経済成長は両立可能であるということであり、日本でもさらなる温暖化対策を講じることによって、内需拡大や雇用創出、省エネ技術の普及によるエネルギーコストの低減、エコ製品のマーケット拡大に伴う経済効果が期待できるはずである。総理の発言は、国民に大きな誤解を与えるものである。

○さらに、総理の会見では、地球温暖化対策を遅らせれば、生態系の破壊をはじめ、洪水、土砂災害、農作物の収穫への損害など大きな被害が生じるという観点が全く見受けられない。このことに対応するためにも、民主党は、未来への責任として、温暖化対策を積極的に講じていく。

○このような観点を踏まえ、民主党は、地球温暖化対策基本法案において、温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比25%削減することを中期目標として明示した。あわせて、国内排出量取引制度や地球温暖化対策税、固定価格買取制度の創設、就業機会の拡大や新規産業への投資の促進等を行い、目標の達成をめざしている。政権交代を実現し、新たな枠組みに米国や中国、インドその他の途上国の参加を求めて、国際社会に強く働きかけていく決意である。

以 上




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