民主党幹事長としての定例記者会見(09年8月13日)
岡田 克也幹事長/定例記者会見要旨
2009年8月13日(木)
編集・発行/民主党役員室
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○そう簡単に政権交代など起こるはずがない、これから一日一日がまさしく戦い
○公示日第一声:代表は大阪、菅代行は東京、幹事長は……
○郵政:株式売却を凍結し4事業一体的な経営形態をもう一度検討
○参院憲法審査会規程:信頼関係の破壊、付帯決議の約束などがクリアされてから
○比例単独候補:県連からの名簿を今党本部で検討中
○温暖化税:マニフェスト以上のものはない、具体案は政権交代後に
○選挙権年齢の引き下げ:政権交代が実現すれば作業を進めたい
○野党3党政権運営協議:今の段階では慎重に考えたほうがいい
○野党3党共通「公約」:政権獲得後の公約ではなく、選挙戦に臨む共通の考え方
○国立追悼施設:政党が前面に出るのでなく、有識者で議論を
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■そう簡単に政権交代など起こるはずがない、これから一日一日がまさしく戦い
【幹事長】選挙戦は、お盆であるにもかかわらず、各地区で一生懸命活動していただいています。残すところあと2週間になるわけで、時間が経つのは非常に早いと感じています。
全国を回っていると、皆さん一生懸命やっていただいているのですが、時々気になる光景にもお目にかかるわけです。(選挙戦が)長いということもあるのでしょうが、少し緩んでいるのではないかという場面があって、思わず車の中で当事者や県連の代表者に忠告を厳しくする場面がたびたびあります。
様々な報道がありますが、これから一日一日がまさしく戦いであって、そう簡単に政権交代など起こるはずがないと私は思っています。緩みのないようにしっかりと頑張ってもらいたいし、我々もその旨しっかりと伝えていかなければならないと感じています。
もちろん、広く告知をすると、期待していた以上のたくさんの方に集まっていただく現象は続いており、先般も代表はもちろんですが、私も例えば松戸駅で1000人ぐらいの方々にお集まりいただきました。麻生さんが2時間前に来たときはもう少し少なかったと聞いていますが、今まであまりなかったような人の集まりがあったりします。
場所にもよりますが、身内だけにしか告知していないと、いつもどおりの人しか集まらないわけですが、幅広く伝えるようにすると、わざわざ来て聞いていただいている方がたくさんいらっしゃるという状況で、そのことに合った活動をしていかなかないといけないと思っています。
私も地元のスタッフと話すと、従来一生懸命応援してくださっていた方はもちろんやってくれますが、駅などで配り物などをしていると、全く今までと手ごたえが違う。そういう後援会や支持団体などを超えたところにいかに手を伸ばしていくかということが非常に重要だと私自身も実感しています。
そういう意識をみんなが持って、候補者がしっかり活動できるように指導していきたいと考えています。
<質疑応答>
■公示日第一声:代表は大阪、菅代行は東京、幹事長は……
【記者】来週いよいよ選挙戦の本番が始まり、第一声の場所が鳩山代表は大阪、菅代表代行は東京と、都市部に集中しているが、幹事長はどこを想定していて、そこを選んだ理由はどういうことか。
【幹事長】決まれば教えます。まだ言う段階にはありません。
鳩山さんと菅さんは自分で言ったわけ?
【平田幹事長代理】では他の方、どうぞ。
【幹事長】……私は福岡の予定です。
■郵政:株式売却を凍結し4事業一体的な経営形態をもう一度検討
【記者】郵政の株の売却の凍結法案について、秋の臨時国会に出すという認識で良いのか。経営形態の見直しの結論はいつ頃までに出すのか。日本郵政は「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生保」の株について事業計画の上ではまだ2010年もしくは2011年の上場を目指しているが、民主党が政権を取った場合にそれは計画どおり可能と思うか。
【幹事長】政権交代が起これば、我々はマニフェストで約束しているように(郵政株の売却を)一旦凍結することになります。
凍結したうえで、どういう経営形態が良いか、もちろん、公社に戻すとか国営に戻すということは全く考えていませんが、4事業一体的なやり方がどういう形で実現できるかということについて、もう一度検討しなければなりません。
したがって、今決めている100%民営化ということを予定どおりに進めるということはあり得ません。
【記者】株の上場自体をしないという結論に達する可能性もあるのか。
【幹事長】それ以上のことはノーコメントです。まだ検討していません。それは政権交代したあとの問題で、いま私が憶測で物を言う必要はないと思います。
■参院憲法審査会規程:信頼関係の破壊、付帯決議の約束などがクリアされてから
【記者】参議院における憲法審査会の規程について、政権を獲得した場合の対応は?
【幹事長】政権を取ったらという「たられば」の話ですので、現時点で私が申し上げることはありません。
【記者】先の国会では、強引に自民党側が採決に臨んだことに対して反対の姿勢を出したと思うが、どういう条件が整えば憲法審査会の規程を整備する環境になるのか。
【幹事長】あのときに議論されたことは、安倍政権のもとで信頼関係を破壊するようなことを自民党は衆議院においてやったということが1つ。
そしてもう1つは、にもかかわらず参議院で議論したわけですが、付帯決議で約束をした様々なことが何ら実行されていないということでした。そういうことがきちんとクリアされることが基本です。
■比例単独候補:県連からの名簿を今党本部で検討中
【記者】衆院選の比例単独候補の擁立状況、今後の手順、あるいは今後の候補者選定のねらいなどについてお聞かせください。
【幹事長】各県連から名前を出してもらって、それを基に、今それを党本部として検討しているところです。各ブロックごとにどのぐらいの人数を確保するかということもあわせて検討中です。公示のときに明らかにしなければならないので、それに合わせていま作業しているという状況です。
【記者】いまのところ、元職や自治体の長など一定の知名度のある方の名前が挙がっていますが、意図的そういう方を選ばれているのか。
【幹事長】いろいろな方の名前が挙がっています。県連によっては出していないところもありますが。ですから、そういう元職ばかり集めているということではありません。
■温暖化税:マニフェスト以上のものはない、具体案は政権交代後に
【記者】地球温暖化の対策について、自民党はガソリンの暫定税率の廃止や高速道路の無料化が民主党の掲げる環境対策の政策と矛盾するのではないかと指摘している。鳩山代表は昨日の討論の中で、環境対策の税について考えるということをおっしゃったが、具体的にどのような税制を考えているのか。
【幹事長】まだ具体的なものはマニフェストに書いた以上のことはありません。というか、個々にはありますが、マニフェストに書いた以上のことは言うべきではないと私は思います。
地球温暖化対策税については、炭素含有量に応じて課税するということになると思いますが、具体的な規模とか時期などについては政権を実現したあとの話になります。
■選挙権年齢の引き下げ:政権交代が実現すれば作業を進めたい
【記者】先月末に法政審が、選挙権の引き下げを前提に成人年齢を18歳に引き下げることが適当とまとめたことに関連して、改めて選挙権の年齢引き下げについての民主党の考え方と、それについてマニフェストに記載がない理由を。
【幹事長】どこまでマニフェストに書くかというなかで、あまり大きな争点になっていなかったので、インデックス(政策集)のほうに書いただけにしておいたということです。
ただ、これは大きな話なので、政権交代が実現すれば早急に実現に向けて、ただし国民向けには、これはある程度コンセンサスの要る話ですので、我々としてこうしたいということを明らかにして作業を進めていきたいと思っています。
国際的に見ても、実は選挙権なども20歳というのは非常に少なくて、大体18歳ということです。多くの若者に政治に関心を持ってもらうということ、そして、日本も高齢化が進んでいきますが、若い人の声を幅広く政治が取り上げていくためにも、18歳にすることは望ましいと私は思っています。
■野党3党政権運営協議:今の段階では慎重に考えたほうがいい
【記者】国民新党の亀井静香代表代行が一昨日、政権運営のやり方についても野党3党でしっかり選挙前に協議したうえで、そういったことも詰めなければ連立は組めないと発言しているが、そういった政策以外の部分についても協議するお考えはあるか。
【幹事長】連立を組むということになれば、そういうことについても議論をして、納得していただくことが連立の前提になると思います。
ただ、選挙前にということになると、連立を組むかどうかということはまだ決まっていませんので、方向性としてはあっても、正式には決まっていません。そもそも政権交代が実現するかどうかも選挙の結果次第ですので、今の段階でそういった問題について党を超えて話し合いをするということは、私は少し慎重に考えたほうがいいと思っています。
■野党3党共通「公約」:政権獲得後の公約ではなく、選挙戦に臨む共通の考え方
【記者】民主、社民、国民新党の3党共通の公約について、社民党は共通「公約」と言われることに抵抗感があるようだが、共通のものは公約なのか単なる一緒にやってきた政策の整理なのかどういう位置づけとお考えか。
【幹事長】違いが私にはよく分かりません。3党として政権を取ればこれをやるというものではなくて、共通の考え方に基づいて選挙を戦っていきますというものです。連立を組むことを前提にしているわけではありませんので。
■国立追悼施設:政党が前面に出るのでなく、有識者で議論を
【記者】国立追悼施設の建設について、代表は前向きという趣旨の発言をした。現在千鳥ヶ淵の施設があるが、新しい施設を造るのか、千鳥ヶ淵を拡充するのか、お考えをお聞かせください。
【幹事長】それも政権交代を実現したあとの検討課題で、あまり政党が前面に出るのではなくて、有識者に議論していただいて、それを尊重するという形にすべきだと思います。あまり中身について政党が前面に出るのはいかがなものかと思います。
私は千鳥ヶ淵を管理する財団の理事もしていますので、何とか千鳥ヶ淵の施設を活かしたいという思いもありますが、それは個人的なことですから、それも含めて有識者にご議論いただければいいと思います。
この問題は、私は国としてしっかり(追悼施設を)持つべきだと考えていますが、これだけで靖国の問題がクリアされるかというと必ずしもそうではなくて、やはり靖国神社に参拝したいという総理が将来出てくるかもしれません。国立追悼施設が出来たから靖国には行かないということになるかどうかは時のリーダーの判断の問題なので、靖国問題を解決するためにということではなくて、国として国家・国民のために命を落とした方々を、「祀る」と言うと宗教性が少し出てしまいますが、そういう場が不可欠だという考え方で、靖国とは切り離して考えるべき問題ではないかと私は思っています。
【記者】靖国は靖国で存在を認めたうえで、共通で追悼できるような施設を造ったほうがいいというお考えか。
【幹事長】靖国は宗教団体の神社ですから、国としてそれを認めるとか認めないとか、少なくとも認めないということは言えないわけです。我々としては、行くか行かないかという判断はできますが、宗教法人法に基づいて設立された神社について、それが良いとか駄目だとか、そういう立場にはありません。
【記者】有識者というのは具体的には、遺族会ですとか、海外で遺骨を集める活動したり、いろんな団体がありますが、どういう団体をイメージされているのか。
【幹事長】そこまで具体的に今申し上げる必要はないと思います。
【記者】具体的なイメージはありますか。
【幹事長】そういう団体も大事かと思いますが、もう少し幅広く考えてもいいのではないかと思います。