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2009.09.04|記者会見

民主党幹事長としての定例記者会見(09年9月4日)

岡田 克也幹事長/定例記者会見要旨
2009年9月4日(金)
編集・発行/民主党役員室

★会見の模様は民主党ウェブサイトでもご覧になれます。
300k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090904okada_v300.asx
 56k⇒ http://asx.pod.tv/dpj/free/2009/20090904okada_v56.asx

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○政権運営、政策調整:どういう形がいいのか知恵を絞って3党間で協議する
○記者会見:党としてはすでに幅広く開放、政府についてはノーコメント
○二重権力について:政府内で一元的に政策決定できる仕組みを作る
○人事について:前倒ししてやることもありうるのではないかとは代表には申し上げた
○グループ活動:中身次第ではないか
○政府の予算執行の駆け込み決定:慎重にと申し入れた。説明責任を求めたい
○イタリア国家元首:出来る限りの努力を
○配偶者控除の見直し:あまり拙速に実施するという問題ではないと思う
○内閣一元化の趣旨:党と内閣で違う力学で違う決定が出て調整するのは普通でない
○党本部移転:中長期的に考えること
○北朝鮮の安保理議長宛書簡:極めて遺憾。しっかりと安保理で協議すべき
○政権移行準備:順調に進んでいる
○日中関係:中国かアメリカかの二者択一の議論は不毛。首脳とはなるべく早く会ったほうがいいが、具体的な外交日程については言及しない
○予算編成日程:時間が惜しい、無駄にしたくないという気持ち
○政権移行準備:実際の協議は今、職にあるものがその責任の限りでやっていく
○各省庁の情報提供:よく協力してもらっていると思う
○北朝鮮:強く出ることは話し合いのテーブルに着かせることが目的。まず安保理で議論されるべきこと。そのあと日本独自のオプションもある
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■政権運営、政策調整:政府内で一元化。どういう形がいいのか知恵を絞って3党間で協議する

【幹事長】この定例会見は選挙が終わってから初めてということであります。いつまで続くか分かりませんが週一回というお約束は果たしていきたいと思います。国会の日程も定まり、そういう中で政権移行のための様々な準備をいま進めているところです。政調会長間で政策の協議も進めていますし、私は今日、政権の運営というか政策の調整というべきか、少し3党間で話をしたところです。その時のぶら下がりでも申し上げたのですが、私たちはマニフェストの中で政府の中で政策については一元化して、党と政府ではなくて政府の中で決めていくということをお約束しております。そのことと連立政権になって政党の存在というものが出てくる、ここをどのように矛盾なく調整していくかということで知恵を絞っているわけです。憶測というかいろいろな話が出ています。協議機関を作るべきだという主張もあるようですし、国家戦略局をそういう場として活用したらいいという意見もあります。私の意見はそのいずれでもないわけですが、どういう形がいいのかということについて、もう少し知恵を絞った上でよく3党間で来週になりますが協議したいと考えているところです。

<質疑応答>

■記者会見:党としてはすでに幅広く開放、政府についてはノーコメント

【記者】情報公開ということで、記者会見を小さいメディアにも開放すると代表は明言しているが、どこまで進んでいるのか。

【幹事長】党本部における代表あるいは役員の会見については、幅広く開放するという方針で私が幹事長のときから進んできて、いまやそのことは党として各記者会見についてそういう扱いがなされていると思います。政府については政府が決めることなので、まだ政府がスタートしていない段階で党の幹事長である私が何か申し上げることはとくにありません。

■二重権力について:政府内で一元的に政策決定できる仕組みを作る

【記者】昨夜代表が小沢代行を幹事長に起用され代行も受諾されたが、現幹事長としての受け止めと一部報道などでは二重権力になるのではないかとの指摘が出ているが、そういったことを防ぐためにもどのような形で臨むべきだとお考えか。

【幹事長】人事は代表が決めることなので、代表がそういう決定をされたということであれば私はそれに対して異論はありませんと申し上げました。二重権力の話は確かに細川政権のときにそういう議論はあったと思います。村山政権のときにもなきにしもあらずですが、非常に難しい問題ですが最初に申し上げたようなことで、何とか政府の中で一元的に政策決定ができる仕組みを作り出していきたいと思っているところです。

■人事について:前倒ししてやることもありうるのではないかとは代表には申し上げた

【記者】官房長官に平野役員室長が内定したとの報道があるがその件について把握しているか。また鳩山代表は人事については首班指名後に一気にやると言っていたが、それは党役員人事も含めてと思っていたが、幹事長人事が先に決まったことに対する受け止めについて。

【幹事長】最初のご質問については私はまったく承知していません。憶測の類だと思っています。それから人事については確かに30日の段階で鳩山代表のほうからはまず首班指名ありきで、その上で一気にやると言われたのは事実でできれば7日の週と思っていましたがそれより1週間遅れた、当初の予定からはそれほど遅れてはいませんがそういうこともあり、1週間、2週間という時間は非常に貴重である。12月末までに予算編成を終えなければならないと考えると、そうたくさんの時間があるわけではないのでそういう意味では首班指名の後、一気にやるというのもひとつの考えですが、もう少し前倒ししてやるということもあり得るのではないかと私は代表にここ数日申し上げてきましたので、私が申し上げたことの結果かどうかは別にして早い段階で幹事長が内定したということについて別に驚きはありません。

■グループ活動:中身次第ではないか

【記者】小沢代行の党内のグループが今後100人を超えるのではないかと言われており、党内で絶大な力を持つと指摘されているが、幹事長は派閥集めという自民党のようなことはすべきではないというのが持論だが今後のグループ活動はどうあるべきとお考えか。  

【幹事長】それはグループ活動の中身です。かつての自民党の派閥のように今はどうか知りませんが、金も握り人事権も持ちということになるとそれは望ましくないと思います。もう少し緩やかな例えば出入り自由とか複数に所属することが認められているとかまさに緩やかなものであれば様々な勉強会というのはあるわけですし、かまわないと思います。中身次第ではないでしょうか。人事などもそのグループ単位にやるということになると、それはやはり民主党の目指すものとは違うと私は思います。ですからそういうことはないようにしていったほうがいいと考えています。

■政府の予算執行の駆け込み決定:慎重にと申し入れた。説明責任を求めたい

【記者】今日も2700億円の研究基金が文科省で駆け込みで決まったが、今後の見直しの方針などのお考えについて。

【幹事長】詳細は承知していませんが、この時期に決まるということに対して違和感を覚えないわけではありません。十分な審議が尽くされたものかどうかもよく分かりません。したがって河村官房長官のところに行ったときに、予算の執行については慎重にして欲しいと申し上げました。つまり事実上政権移行期にありますから、そういう時に駆け込み的にやるということについては様々な問題があると思います。したがって政権がスタートすればそのようなことも当然、精査の対象にして、場合によっては凍結するということは当然あると思います。意思決定は確か総理もそのメンバーですよね。ということはある意味説明責任は事務当局に求めたい。なぜその段階で決めたのか、中身は合意性があるのか、しっかり説明する責任が事務当局も含めてあるということは申し上げておきたいと思います。

■イタリア国家元首:出来る限りの努力を

【記者】今月16日にイタリアの国家元首が来日するが、そのときの民主党の対応について。

【幹事長】タイミングが非常に微妙ですが、お見えになることは承知しています。具体的にどのようになるかというのは、いま党の中で検討しているところで答えをまだ出しているわけではありません。しかし国家元首がお見えになるのでできる限りの努力はしたいと考えています。ただ申し訳ありませんが結論をいま申し上げるわけにはいかないということです。

■配偶者控除の見直し:あまり拙速に実施するという問題ではないと思う

【記者】マニフェストの子ども手当てについて財源が話題になるが、それの元となる配偶者控除、扶養者控除を実際に見直す時期について。

【幹事長】正式に決めているわけではありませんが、常識的に考えて来年度から実施するということになればそれは、かなり税法自身も変えなければいけませんし、たぶん初年度からそういうことにはならないと思います。とくに扶養者控除のほうは手当てでカバーされますので、事実上あまり議論はないと思いますが、配偶者控除のほうはちょっと考え方が違う問題です。我々は専業主婦であるという生き方、共働きという生き方、いずれもそれぞれ個人の問題であって、国が関与すべきではない。そういう観点からすると専業主婦を、とくに優遇している今の税制は問題である、それを是正したほうがいいと考えているわけです。しかし、そのこと自身もかなり国民的な議論や理解というものが必要なので、あまり拙速に実施しますという問題ではないのではないかなと思います。いろいろな誤解もあるようですし、きちんと国民の皆さんに我々の考え方を理解していただいて、その上で前に進めていく話ではないかと思っています。

■内閣一元化の趣旨:党と内閣で違う力学で違う決定が出て調整するのは普通でない

【記者】政権の意思決定のあり方について、党で議論して決めたことを内閣でオーソライズして政府で実行するという従来のやり方の弊害について、どういう弊害があるから一元化を打ち出しているのか。

【幹事長】党で決めて内閣で決めるというのは我々の話ではなくて今の与党の話ですから、やはり政府というのはまさしく日本の政府であるので、それと違う力学が働いて違う決定が出て、そして二つの間で調整しなければならないということは私も普通ではないと思います。

■ 党本部移転は中長期的に考えること
■ 北朝鮮の安保理議長宛書簡:極めて遺憾。しっかりと安保理で協議すべき

【記者】党本部の引越しについて聞きたい。また、北朝鮮のウラン濃縮について最終段階に達したという新たな段階と出てきた。日本の新たな政権が出来たのでこうしたメッセージを送ってきたのではないかという受け止めがあるが、その点についてどう見ているか。また政権移行までの間こうした北朝鮮の問題について民主党としては何らかの対応をするお考えはあるのか。

【幹事長】引越しの話はそれを望んでいる議員もけっこういます。引越しがあったほうがいいかといえばあったほうがいいでしょうが、そのためにはお金がかかります。それだけの蓄えが党にあるかというと来年参院選がありますし、そんなにいま余裕がある状況ではないと幹事長としては申し上げておきたいと思います。もう少し中長期的に考えるべき問題かなということです。

北朝鮮のことは安保理議長あての書簡なので、別に日本の政権移行期だからということを念頭に置いておこなわれたものではないと思います。ただ安保理で決めたことをまったく無視して挑発するかのような北朝鮮の姿勢はきわめて遺憾であって、安保理においてその書簡について取り上げて対応をきちんと協議すべきだと思います。基本的に強硬路線に出てもいいことはないということをしっかり分からせるためにも制裁をしっかり続けていくことが必要だと思います。政権移行期にいろいろ動きが出る可能性は否定できませんが、そういうときにしっかりと我々の基本的なスタンス、つまり現在の核実験やミサイル発射などについては厳しくそれに対して制裁で、そういったことがメリットがないことを知らしめていく基本的なスタンスの下で対応していきたいと考えています。

■政権移行準備:順調に進んでいる

【記者】衆院選が終わって最初の週が終わろうとしているが、政権移行の準備について幹事長の評価について。

【幹事長】基本的には順調に進んでいると考えています。政権政策についても政調会長の下で協議していただいているし、すんなりもめることなく最終的には着地するだろうと見通しています。したがって順調に進んでいると思います。ただ時期がかなり長いものですから、先ほど言いましたように、ちょっともったいないなという感じがしないでもありません。国会の開会時期が決まってしまいましたので、この間有効に使おうとすれば事実上の引継ぎみたいなものを進めていったほうがいいのかもしれません。今もそれはやっているのですが、今は私なり政調会長を中心にしてやっているということなのでそれもいいのかどうかこれも代表の判断です。

■日中関係:中国かアメリカかの二者択一の議論は不毛。首脳とはなるべく早く会ったほうがいいが、具体的な外交日程については言及しない

【記者】マニフェストの中でアジアを重視、中国でも歴史認識の問題など民主党政権になったら日中関係が進むのではないかと期待しているが、民主党の対中政策の位置づけと、アメリカと比べて中国とどのように付き合っていくのか。また鳩山代表の訪中について検討しているのか。

【幹事長】今のご質問ですが中国かアメリカかという二者択一の議論は不毛だと私は思います。日中関係、日米関係全部が重要ですのでどちらが大事かという議論には陥らないようにしたほうがいいと思っています。日中関係について民主党はかねてから重視してきたわけで、非常に経済的にも政治的にも重要だと認識しています。政権交代によってその関係がさらに前進するように努力したいと考えています。胡錦濤主席あるいは温家宝首相といった中国首脳と鳩山代表が総理になったあと、なるべく早く会ったほうがいいと思いますが、具体的なことは様々これから調整されていくことだと思います。いろいろな国際会議もありますし具体的にそれ以上のことは私がいま申し上げないほうがいいと思います。

■予算編成日程:時間が惜しい、無駄にしたくないという気持ち

【記者】人事のところで12月末の予算編成を考えると時間がないと発言していたが、一部ではこれから来年度の予算編成に関連して民主党がいろいろな見直しをすると、年内の編成は難しいのではないかとの声がある。その意気込みについて。

【幹事長】難しいと誰が言っているかですが、それはやればできるわけです。ただボリュームとしては、補正予算の見直しの話もあり、来年度予算編成もあり、その間外交日程もかなり目白押しです。政と官の関係について、あるいは行政刷新委員会について立ち上げたり国家戦略局を作ったりと、かなりのことを一気にやらないといけないのでそういう意味で時間が惜しい、あまり無駄にしたくないという気持ちは非常にあります。

■政権移行準備:実際の協議は今、職にあるものがその責任の限りでやっていく

【記者】小沢代行の幹事長就任が決まったことについて、政権移行の準備に関して新執行部でやるべきだという考えをお持ちか。また行政刷新会議を立ち上げたり、国家戦略局など一気にやらなければならないと言ったが、立ち上げの時期について。

【幹事長】それは具体的な中身になるので私が言わないほうがいいと思います。いろいろと報じられていますが、法律で出すには少し先になってしまうので法律にしなくても早めに手当てできるものについては、早めに手当していけばいいと思います。移行期について閣僚の予定者が将来首班指名の前に決まるとすると、その人たちを中心に移行の準備をするというのは事実行為ですからまったくかまわないでしょう。しかし、いろいろな移行にとっての様々な協議は事実行為ではなくて職にあるものがやらなければならないので、そういう意味で我々がいま責任を負ってやっている。もちろん両院議員総会を開いて新しく早く選ぶという選択はあると思いますが、いまそういう話は私の耳に届いていません。私が幹事長である限りは私の仕事はその限りではやっていかなくてはいけないと思っているところです。

■各省庁の情報提供:よく協力してもらっていると思う

【記者】各省庁の情報提供の協力状況について。

【幹事長】政調会長に聞いていただいたらいいと思います。個別の話でどれぐらい来ているのか、とくにいま問題があるとは私は聞いていません。わが党がむしろ逆にバラバラにいろいろ聞いている部分があったので、これは直嶋政調会長の名前で一元化するようにと党の中で要請したところです。私のところにも普段なら来ないような情報提供、主として内閣官房ですがそういうところからも来ているので、河村官房長官はじめ皆さんによくご協力していただいていると思っています。

■三重選挙区:よくとれたという感じがする

【記者】三重の選挙区について、5区が負けたりして幹事長のお膝元であるにしては自民党の議員が健闘されたと思うが分析について。

【幹事長】今まで5つの選挙区で2つしかとれてなかったのが4つとれたわけですから、よくとれたという感じがします。5区の藤田さんは若いですし急遽決まりましたので、それで接戦までいったということは私は非常に頑張ったと思っています。ヘリコプターで2回ぐらい入れば良かったのですが、1回しか入りませんでした。

■北朝鮮:強く出ることは話し合いのテーブルに着かせることが目的。まず安保理で議論されるべきこと。そのあと日本独自のオプションもある

【記者】北朝鮮について幹事長は、強硬路線が出てもいいことはないということを知らしめるとのことだが、民主党になった場合に具体的にどう変わるのか。

【幹事長】なかなか難しいご質問だと思います。つまり自公路線というのも一定ではなかったので、過去においては、例えば安倍さんの頃にはむしろ体制を転換するという話も随分されました。ブッシュ政権でそうでした。一貫した政策が果たして自公政権にあったのかどうかも分かりません。それぞれ比較でものを言うのは非常に難しい。現時点においてはやはりこれだけ核実験やミサイルを発射し拉致問題は進展しないという状況の中で、このまま放っておくと核の保有も既成事実化されかねないきわめて重要な時期なので、これは各国が努力をして制裁、強く出るということが必要な時期であると思います。ただ強く出ることで彼らに話し合いのテーブルに着かせることが目的であることは言うまでもありませんので、そういうことを踏まえながら強く出るというのが現時点での我々の考え方だと理解していただきたいと思います。

【記者】北朝鮮について強く出るということだが、今後追加制裁をおこなっていくことも含まれているか。

【幹事長】それは状況によってです。安保理での議論というのがまず成されるべきだと思います。それが十分でないというときに日本独自の制裁はオプションとしてはあるということです。ただ効果が望めなければなりませんので、そういうことも踏まえながら進めていくということになると思います。

【記者】その際の新たな追加の制裁等の意思決定はどの機関でおこなうのか。

【幹事長】最後は閣議決定です。

【記者】過程ではどういうところアイディアを出すのか。

【幹事長】どこかと言われると難しいですね。関係省庁は外務であり防衛も関係するし、内閣官房も関係します。

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