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2009.10.16|記者会見

外務大臣会見記録(平成21年10月16日)

外務大臣会見記録(平成21年10月16日(金曜日)15時50分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
(1)スーダン共和国における選挙プロセスに対する無償資金協力
(2)政務三役会議
(3)福山副大臣の訪米
○核不拡散・核軍縮に関する国際委員会
○国連平和維持活動(PKO)
○アフガニスタン支援
○東アジア共同体
○国連での核軍縮決議
○北朝鮮問題(貨物検査法、拉致問題)
○和歌山県太地町のイルカ漁
○大臣就任1ヶ月後の印象
○ハーグ条約
○会見のオープン化
○米軍再編問題
○日中歴史共同研究
○国会対応
○その他

冒頭発言
(1)スーダン共和国における選挙プロセスに対する無償資金協力

(外務大臣)まず私(大臣)の方から二点だけ申し上げます。第一点目は、本日の閣議において申し上げたことですが、スーダン共和国における選挙プロセスに対する無償資金協力についてです。来年4月にスーダン共和国において行われる総選挙の実施を支援するため、国連開発計画(UNDP)を通じて、約1000万ドル(10億3千万円)の支援を実施するということを閣議で発言させて頂きました。これは我が国によるアフリカにおける選挙支援としてはこれまでで最大規模のものです。
 スーダンは南北和平合意の履行、極めて重要な段階に入りつつありますので、我が国はこれまでも同和平合意の着実な履行のために、積極的な役割を果たしてきましたが、今回の選挙支援もその一環です。

(2)政務三役会議

(外務大臣)もう一点は政務三役会議が本日行われましたので、そのポイントだけお話をしたいと思います。先ず私(大臣)からこの間、日中韓首脳会議、或いはその間行われた私(大臣)と中国側とのバイの会談、アフガニスタン・パキスタン・インドネシアへの訪問について報告をしました。それから、本日の閣議の私(大臣)の発言として、概算要求の取りまとめをした訳ですが、公務員人件費の抑制についてはやはり、内閣としての統一ポジションを出して欲しい。人数の問題、或いは一人あたりの人件費の問題ということを発言致しましたので、仙谷大臣の方でお答えをいただいた訳ですけれども、そのことも合わせて三役会議で報告をしました。
 武正副大臣の方からは、日曜日にキャンベル国務次官補と会談をしたその結果を、それから福山副大臣からは政策会議、或いは温暖化中期目標達成チーム、補正予算の報告を頂きました。その中で私(大臣)の方から武正副大臣に対して、概算要求は取りまとめした訳ですが、今後の課題として在外勤務手当、或いは国際交流基金を始めとする外務省の関連団体について更に精査をするようにと指示を致しました。それから、来週19日月曜日に、外務省内では初めてですが、第四回外務省政策会議を開催をすることに致しました。
 本日の閣議決定で設置されました緊急雇用対策本部の事務局員、各省副大臣か政務官となっておりますが、西村政務官を任命致しました。

(3)福山副大臣の訪米

(外務大臣)福山副大臣が10月20日(火曜日)から23日(金曜日)までの日程で、環境・気候変動分野の関係者と意見交換を行うため、米国ワシントンDCを訪問する予定です。 ワシントンDCにおいては、トッド・スターン気候変動特使、あるいは議会関係者など要人との意見交換を行う予定です。

核不拡散・核軍縮に関する国際委員会
(問)先程、川口順子元外務大臣とエバンズ元豪外相とお会いになったと思いますが、エバンズさんの方から核の先制不使用宣言について提言があったと思うのですが、岡田大臣は幹事長時代に米国に対して核の先制不使用を呼びかけるべきだという考え方を表明されておりましたけれども、先ず一点は川口さんとエバンズさんとの会談の中で、それについてどのようなやりとりがあったのか、岡田大臣の方から申し上げたのかというのが一点です。もしなかったとすれば、今の岡田大臣としての立場で核の先制不使用を、米国が宣言するということについてどのようなお考えをお持ちなのか、この二点をお話しください。

(外務大臣)「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」の最終的な報告書が、どのような形になるか決まっておりませんが、私(大臣)の理解するところ、第一段階、第二段階に分けて、第一段階としては核を持たない国に対する核使用ということに対して一定のたがをはめていこうということだと理解をしております。第二段階で先制不使用とステップを踏んでやっていこうと、基本的にはそのような考え方だと理解をしております。私(大臣)からはこの問題について、従来から核の非保有国に対する核の使用の問題でありますとか、核の先制不使用の問題でありますとか、このような問題は従来から私(大臣)は関心持ってきたということを申し上げました。エバンズさんもよくご存知な訳ですけれども、その上で今後政府として、或いは外務省としてこの問題について更に議論をしていきたい。何れにしても、今回の報告書は政府を離れて提出されるものなので、是非一歩二歩先を行く積極的なものを出してもらいたいと申し上げました。本日は核の先制不使用について申し上げなかったのですが、核を保有しない国に対する核使用というのは倫理的にも、或いは将来核のない社会を目指していこうという考え方からいっても、個人的には核の非保有国に対して核を使用しないというのは個人的には当然のことと思うと申し上げました。

(問)今の段階で、核の先制不使用についてはどのようなお考えなのかについては話されなかったのでしょうか。

(外務大臣)ステップを踏んでいく話なので、本日、私(大臣)が核の先制不使用について外務大臣として申し上げることは特にありません。中でよく議論をしている段階です。

国連平和維持活動(PKO)
(問)国連PKOについてお伺いしたいのですが、月曜日から幹部要員の養成コースというのを日米共同で外務省で開催されると思いますが、これはシーアイランド・サミットで決めたものであるということですが、民主党もPKOについて積極姿勢をマニフェストで出しているのですが、岡田大臣としてPKO参加についてどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)現状を言えばかなり残念な状況です。PKO法を作った時から見ても、カンボジアのPKOではかなり成功を収めたと私(大臣)は思いますが、現状は人数も非常に少なくなっておりますし、もう少し積極的に日本も参加をするという方向に持っていくべきではないかと思っています。

(問)先程PKOの話が出ましたので、その関連です。スーダンの選挙支援もお金ということで、ダルフールにおける人道危機においても、司令部や首都には数人いますけれども、結局日本はPKOを派遣していません。今後スーダンの選挙支援活動で、例えば選挙監視団等を派遣するお考えがあるのかと、国連で、アフガニスタンでPKOではありませんが、ISAF(アフガン国際治安支援部隊)というのは、「不朽の自由作戦」とは異なって、国連の安保理決議に基づいた平和維持に近い活動をしていますが、そちらへの人的支援というのは非常に難しいというお考えをされているようにTV等で聞いていますが、何故アフガニスタンには陸上自衛隊も含めて人的貢献をすることは難しいとお考えなのでしょうか。

(外務大臣)ISAFというのは、それほど従来のPKOと変わらないような活動をしているというご認識でしょうか。かなり亡くなる人も出るという状況で、私(大臣)はかなり踏み込んだ活動をしていると思うのですが。

(問)勿論、PKOにもいろいろな種類があると思いますが、PKOの中でコンゴなどではたくさんの隊員が死んでるようなPKO活動も行われております。

(外務大臣)先ず、PKOの定義を議論した上で、議論した方がよいと思います。私(大臣)の言っているPKOは日本のPKO法に基づくPKOです。ISAFの活動はそれに当てはまるとはとても思いません。

(問)ISAFへの日本の派遣が難しいのは危険だからということでしょうか。

(外務大臣)法律がありません。PKO五原則に当てはまるとお考えなのでしょうか。

アフガニスタン支援
(問)アフガン訪問についてお伺いします。大臣がご提案された職業訓練は、2003年の国連のDDRで一度失敗をしています。にも関わらずもう一度それをご提案されたということはどういうことでしょうか。仮に国連のDDRは失敗ではなかったという認識が仮に大臣になかったにしても、先週末、大臣の出発直前に専門家が外務省に来て、「今となっては職業訓練は遅すぎた」と忠告しているはずなのですが、それにも関わらず、ご提案された理由をお願いします。

(外務大臣)遅すぎたと言われた方がどのような立場の方で、どういう理由で言われたのか私(大臣)は承知しておりません。やはりアフガニスタンで武力でもってタリバンと対峙するだけではなくて、専門性を身につけて、職業に就ける仕組みを作るということはかなり意味のあることだと思っていますので、提案させて頂きました。

(問)アフガン支援の具体策の肉付けのスケジュール感覚ですが、オバマ大統領が来月に来日しますが、そういうものをにらんで具体化していくというスケジュール感覚でよろしいのでしょうか。

(外務大臣)なるべくそうしたいと思います。他方、日本だけで作る訳ではありませんので、相手の感触も踏まえながらやっていかなければなりませんので、どこまで詰められるかという問題もありますが、オバマ大統領の訪日に合わせて作る訳ではありませんが、その時に有益な意見交換ができるようなある程度纏まったものにしておきたいと思っております。

(問)アフガンの支援策について、来月のオバマ大統領の訪日までにはある程度の具体策をとりたいということですけれども、今カルザイ大統領にご提案された、元タリバン兵士の職業訓練プログラムについては日本政府としてはほぼ行っていくという方針で検討されているのでしょうか。もう一点、今月にゲイツ米国防長官がいらっしゃいますけれども、ここではインド洋での給油活動をどうするかということもテーマになろうかと思いますが、大臣はそこでも1月15日で一旦撤退させると、給油活動をストップさせるということをお伝えするご予定でしょうか。

(外務大臣)前者は相手もある話ですので、どこまで話が煮詰まるかということはまだ現時点では申し上げられない状況です。2番目の話は、いろいろな報道があるのですが、私(大臣)がパキスタンで記者の皆さんから質問を受けて申し上げたことは「単純延長はないと言う方針は全く変わってない」ということを申し上げた上で、しかし、「次の国会に法案を出すということはなかなか難しい状況だと認識している」と、それ以上のことは言っておりませんので、今ご質問の前提となったことも含めてお答えするつもりはありません。「単純延長はしない。次の国会に(法案を)出すのは難しい」この二つだけを申し上げておきたいと思います。これ以上のことは私(大臣)は言っておりませんし、いろんな記事や社説を想像力逞しくして書かれた新聞社もありますけれども、私(大臣)が言ったのはこの二つだけです。

東アジア共同体
(問)キャンベル国務次官補が北京で東アジア共同体に関して「米国は外されるべきではない」というコメントをされたのですが、大臣のお考えをお願いします。

(外務大臣)いろいろな議論がありますが、東アジア共同体で固まったものがある訳ではありません。将来のビジョン的な考え方でありますので、あまり国(名)を固定的に言う必要は必ずしもないのかもしれませんが、米国の心配は私(大臣)にはやや杞憂にすぎないと思います。例えばAPECもある訳ですし、いろんな形で或いは日米同盟もあるわけですから、今の段階で米国が入っているか入ってないのかということを心配するのは過剰なような気が致します。

(問)具体的な構想を発表する目安はあるのでしょうか。

(外務大臣)具体的にいろいろな協力を積み上げていく中で出来上がっていくものですから、最初からあまり固定的なものを作る必要がないと思います。例えば、今のEUが最初にスタートした時に今のEUの姿を想像した、或いはそれが先ずあって、それを目指していくということになった訳ではありません。個々に協力して行く中で出来上がってきたものなので、メディアの中でも具体性が乏しいとか、もっとはっきりさせろという声もありますが、それは一つのやり方かもしれませんが、これだけ大きく変わっている状況の中であまり固定的な絵は書かない方がいいと私(大臣)は思っています。

(問)東アジア共同体についてですが、先週末の日中韓首脳会議の共同声明で、三カ国の安全保障の対応を強化して防衛当局者の交流を強化するいう文言が盛り込まれていますが、おそらく二国間で防衛の関係を強化するというのはこれまでもあると思いますが、三カ国で強化するというのは初めてではないかと思われるのですが、東アジア共同体について、経済だけでなく安全保障についても地域の安全保障というのを想定されているのかどうかについてお願いします。

(外務大臣)対話をするということですから、そのこと自身は今の二国間でやっていることを3カ国やるということなので、何か今までと全く違うことをやる訳ではありません。

(問)東アジア共同体について、経済協力だけでなく安全保障についても東アジアでの独自の安全保障というのを将来的にはするということですか。

(外務大臣)お互いに意思疎通を良くするというレベルでは可能だと思いますが、何かNATOのような条約を作るとか、そういうことは現状では非常に考えにくいことだと思います。

国連での核軍縮決議
(問)日本が国連総会に提出した核軍縮決議に米国が初めて共同提案国として加わりました。また同時に核保有量を2012年までに2001年水準で半減させることも政府の代表が述べました。このようなオバマ政権の核軍縮への積極性について改めてどのように評価されるのかをお聞かせ願いたいのと、米国が加わった軍縮の決議について、各国に与える影響についてどのような期待を持っているのかお聞かせください。

(外務大臣)米国が半減させるというのは規定路線の中で言われたことで、何か新しい話が必ずしもある訳ではないと認識をしております。日本提案の決議案に賛成をして加わって頂けたことは、今までにそうではなかった訳ですから、意味のあることだと思っています。何れにしても、オバマ大統領のプラハ演説以降、核のない世界に向かって協力していこうという雰囲気が出ておりますので、今回のこの決議の件もこの大きな流れを更に強くしていく役割は果たせたのではないかと思います。

北朝鮮問題(貨物検査法、拉致問題)
(問)北朝鮮問題ですが、鳩山政権は貨物検査法案について、北朝鮮の情勢を見極める必要があるということで臨時国会に提出しないということですが、大臣はこれまで核、拉致、ミサイル問題に前進がなければしっかりとした制裁を続けていくべきだというお考えでしたが、今はどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)この件では官房長官と話をしました。伝えられているような、北朝鮮が今融和的な態度を見せるかもしれないからという理由は外務省としては「ノー」だと、これは国連で決まったことを実施することに過ぎないので、それ以前の問題として考えてもらいたいと申し上げました。最終的には官邸の判断でこの法案を今国会で先送りするといういうことは官邸の判断として尊重されるべきだと思いますが、理由として今の北朝鮮が云々という理由をあげるのはやめてもらいたいと申し上げました。

(問)前政権では全閣僚が出席されていた拉致対策本部ですけれども、先日の閣議で外務大臣を含む4人の大臣に改組されたということですが、この改組の狙いと、今後拉致問題の解決に向けてどういったことが期待できるかということと、中井大臣が訪韓するという話がありますが、どういった前進に向けた話し合いができるのか、どういったことを期待されるのかをお聞かせください。

(外務大臣)中井大臣(国家公安委員長)は積極的に動かれていますし、拉致対策本部の構成もよりコンパクトで自主的な議論をできるようにしようとご提案されましたので、私(大臣)も了承をさせて頂きました。韓国に行かれていろいろな関係者と意見交換をされて、拉致問題の解決に少しでも前進が見られるのであれば、それは非常に幸いなことだと思います。何れにしても中井大臣には少しでも前進できるように是非頑張って頂きたいし、外務省としても私(大臣)としても、それに対して協力していきたいと思っています。

和歌山県太地町のイルカ漁
(問)和歌山県太地町のイルカ猟についてお伺いしたいのですが、大臣は「The Cove」という映画をご覧になったかどうかというのを聞きたかったのです。ご存じだと思いますが、今話題になっており、今度は来週にも東京国際映画祭で上映することになっていますし、外国では、特にヨーロッパでは日本の評判が少し悪くなっていますが、それについて、大臣は個人的、私(大臣)的意見は持っていますか。

(外務大臣)まず映画そのものは見ていませんけれども、若干事実と違う所も散見されるようですので、東京国際映画祭で上映されるということであれば、その後に何か意見を申し上げることはあるかもしれません。現時点ではまだ決めていません。それから中身も私(大臣)は承知していませんが、いろんな議論があると思います。それぞれの国の文化ということもやはり考えて頂かないといけないと思います。国によって様々なものが食糧になる訳で、日本の中の一部の地域ですけれども、イルカを食べるという習慣があるということそのものを批判されるとしたら、それはもう少し多様な文化があるということも理解して貰いたいと思っています。鯨と共通した議論があると思います。

(問)では例えばイタリアでは、マタンサというマグロ漁のやり方が同じになりますが、食文化であれば、マグロとイルカは別に違わないという意見ですか。

(外務大臣)いや。ですから、いろんな国にいろんな文化があるということです。そういうことはある程度尊重されるべきだと私(大臣)は思います。

大臣就任1ヶ月後の印象
(問)鳩山政権成立から1ヶ月が経ちます。この1ヶ月のご自分の仕事ぶりだとかいろんなものを振り返られて、どのような感想をお持ちでしょうか。

(外務大臣)あっという間に1ヶ月経ったのか、もうそんなに経ったのかという思いです。日本にいることも少なかったので余計そう思うのかもしれません。やるべき事は沢山ありますので、当面、全力でしっかりとやっていきたいと思います。今日までは自分なりには全力でやってきたつもりですが、足らなかった所が沢山あるのだろうと思います。

(問)大臣に就任される前とされた後での印象の違いだとか、新たな発見だとか、そういったものは何かありましたでしょうか。

(外務大臣)少し海外に行くことが思っていたより多いなという、つまり、こちらにいることが少ないという印象はあります。

ハーグ条約
(問)国際的な子供の奪取、連れ去りに関するハーグ条約について、福岡でアメリカ人男性が拘束されたという事件もありまして、国際的に日本も加盟をしてもらいたいという声が高まっていますが、大臣のご見解を教えて下さい。

(外務大臣)今、ハーグ条約については検討中です。日本も同じような立場に立つ事もこれから増えて来るだろうと思います。今問題になっているのは、多くは国際結婚したカップルが破綻して、そして日本人女性が日本に子供を連れて帰ってくる、その事が問題になってしまうということですが、これからは同じようなケースで子供が日本からいなくなってしまう、親の片方が取り残されてしまうと、アクセスもできないというようなことが、これから増えて来る可能性もあります。しかし一方で、子供を育てるということについて国毎のいろんな事情もありますので、そういうことも含めて、どうすべきかということを今検討している状況です。

(問)ハーグ条約についてもう少しお聞かせ下さい。鳩山総理が政権をとられる前の7月の段階でこの条約の加盟に関して積極的な発言をされていますが、新政権として検討中というのは前向きに検討中という理解でよろしいでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)の思いとしては 前向きに検討したいと思っています。ただ、日本全体の受け止め方かどうかということもあると思います。例えば、アジアの国々がこの条約に加盟していない中で、日本が加盟した時に世論がどう受け止めるかということもあると思います。逆に日本が加盟することでアジアの国々も加盟することに繋がるという見方もあると思います。そういった事も含めて、先ずしっかり政治レベルで議論していきたいと思っています。

会見のオープン化
(問)内閣発足から1ヶ月ということで、9月18日にオープン化された最初の会見で、私が大臣に他省庁の大臣会見がオープンにされていないことについての見解を伺ったところ、大臣は「私(大臣)が全ての省庁の大臣になればオープンになるのではないか。」とにこやかに仰っていましたが、同時に、「この取り組みで問題がなければ、他省庁にも広がっていくのでは。」とも仰っていました。実際に1ヶ月間オープンにしてみて、何か問題を感じてらっしゃる所はございますでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)自身は感じておりません。ただ、日本にいなくてやっていないこともありますから。まだ4回目くらいではないですか? もう少し試運転をした上で、例えば副大臣会見を話題にするとか、いろいろな事が考えられると思います。

(問)他省庁に広がっていないというのは、まだ大臣の発信力が弱いということですか。

(外務大臣)他省庁に特に今話をしているということはありません。もう少し試運転をした上で、そういうことも場合によっては必要かと思います。

(問)海外の取材に関して、(フリーランスの)私がコペンハーゲンで開かれた先般のIOC総会で、そこに申し込んで出席して取材をしたのですが、海外では個人で申し込んでも、国連総会もそうなのですが、取材することは可能なのですが、不思議なことにそこで日本の政治家に接触することはできません。端的に言えば、例えば、岡田外務大臣はずっと外遊に出られていましたが、今後外遊等にフリーランスとか雑誌とか、それからネット、海外メディアが同行して取材することは可能になるのかどうなのかということを現時点でお考えをお聞かせ下さい。

(外務大臣)この前のアフガニスタンの場合は、行くこと自身が極めて秘密といいますか、広がっては困るということでありましたので、特に霞クラブの皆さんも人数を限定して抽選で行ってもらったという現実でした。もう少し一般的に普通に行く場合にどうするかということは、検討課題だろうと思います。あまり増えすぎても困るということもあるかもしれませんが、既に登録されたメンバーに広く声をかけるということは私(大臣)はあってもいいのではないかと思っていますので、少し検討してみたいと思います。

(問)その登録ですが、現時点でこのような形で登録証を下(一階)で入館証を書いて入ることができる訳ですが、非常に煩雑で何度もチェックを受けて、そして下から30分前に集合して囚人のように連れられてくる訳ですが、そのような形だと確かにあまり気分は良くないので、海外のように登録証のパスとか、個人でのセキュリティチェックを受けた人間に対しては徐々に普通の世界のジャーナリズムと同じ形でのオープン化というのを検討して頂くということをあわせてお考え願えればと思うのですが如何でしょうか。

(外務大臣)まだ試行段階ですので、もう少し簡易な手続きで登録された方が一定の期間後に、例えば簡易な手続きで入れるような工夫はしてみたいと思います。

米軍再編問題
(問)米軍普天間飛行場について、大臣就任から1ヶ月経ったということで改めて伺いたいのですが、就任からこれまで米国との話し合い等を度々されていると思いますが、現時点でこの問題への解決への道筋、感触というのは、どのように受けていらっしゃいますでしょうか。県外・国外を目指すというのはマニフェストには書いていないけれども気持ちとしては変わらないという発言をずっとされてきていますが、それへの思いも含めて伺いたいと思います。

(外務大臣)私(大臣)が申し上げているのは、沖縄の負担を減らすためにはどうしたらよいかという気持ちを常に持ちながらこの問題に取り組んでいるつもりです。そういう中で今やっていることは、過去にどういう経過で現在の案になったのかということを日米双方がそれぞれ検証するという作業を今進めているところです。その検証作業を進めていく中で今の案以外の答えがあるのかないのかということについて、米国側と話をするという機会が来るかもしれませんが、まだそこまで話はいっていません。まずは検証という段階にあります。

(問)普天間問題ですが、オバマ大統領来日の地ならしという意味もあると思いますが、ゲイツ米国防長官が21日及び22日と訪日して岡田外相と会談されると思います。向こうは普天間を含めた米軍再編の話が当然テーマになると思うのですが、日本の政府の中で確固たる具体案がない中で、ゲイツ長官に対してこの問題に対してどのような姿勢で会談に臨まれるのでしょうか。

(外務大臣)日米がそれぞれ検証作業を行っているわけですから、そのことを踏まえながら意見交換をすることになると思っています。

(問)具体案はない訳ですけども、当然、いつまでにとかは議題になるのでしょうか。

(外務大臣)検証作業をやっている最中ですので、先の話にはならないだろうと思います。私(大臣)としては、今のプランを進めていく時にどのような問題があるのかと、また(どのような問題が)あると我々が考えているのかと、例えば政治状況とか、環境問題とか、或いはコストの話とか、そのようなことはきちんと伝えたいと思います。

日中歴史共同研究
(問)日中歴史共同研究に関してお伺いします。大臣は外国人特派員協会の講演で、将来的には日中韓歴史教科書を作ってもいいのではないかと仰っていたのですが、2006年に始まった日中共同研究は何回か延期されて、最終報告が出されていない状況です。大臣はこの状況をどのように見ていらっしゃって、そして、最終報告を発表できるような時期はいつ頃だとお考えでしょうか。

(外務大臣)これは早く出してもらいたいと思います。中国側にもそういう話は致しました。政府が出すものではなくて学者の研究の成果ですので、発表して困るような話ではないと考えております。ある程度まとまっている訳ですから早く明らかにした方がいいと思っています。中国側にはその旨を、なお働きかけていきたいと思います。

(問)日本側として年内に発表する可能性はあるとお考えでしょうか。

(外務大臣)年内に発表しなければ、むしろおかしいと思います。まとまっている訳ですから。

国会対応
(問)国会の質問取りのことでお伺いしたいのですけれども、民主党政権になっても従来どおり野党議員から質問を官僚たちに取ってきてもらうことのようですけれども、質問取りをすることで、役所の人たちの労力もかさむし、或いは残業がふえて残業代もかさみ、深夜のタクシー料金もかかってくるような場面が出てくると思いますが、外務省としてはこれは従来通り続けるというお考えでしょうか。それとも、そういうことはもう出来るだけ省力化してその場その場で直球勝負していくというお考えをお持ちでしょうか。

(外務大臣)今議論されているのは、質問取りを役所の人間がするのか、政治家がするのかということだと思います。質問取りそのものをなくすという話はあまりないだろうと思います。あらかじめ、何を聞くかと知らせることで、より深い議論ができる場合もありますので、質問取りそのものがダメだということではないと思います。ただ、そういうことをしないとか、項目しか教えないとか、質問者によって違いますので、そのような考え方については尊重されるべきです。もう一つはあまり遅くならないようにするという、お互い良識をもって進めていくべきだと考えております。政治家がやるのがいいか、役人がやるのがいいかという話は、質問取りですから、私(大臣)はどちらでもいいと思います。但し、政務官がやるとなったら人数が限られてしまうので、逆に遅くなってしまい、深夜残業が増えるという結果にもなりかねないので、私(大臣)は官僚がやっていいのではないかと思います。

その他
(問)今日はスポーツについてお伺いしたいのですが、楽天についてブログに書かれていたと思いますが、今日からクライマックスシリーズが始まりますが、野村監督に対して何かメッセージをいただけないでしょうか。もう一点は折角クライマックスシリーズまで出たのですが、解任ということで酷いじゃないかという意見もありますが、どう思われますか。

(外務大臣)解任ではなくて、契約期限が切れる訳です。再任しない、再々任しないということだと思います。それぞれの球団には球団のお考えがあると思いますが、私(大臣)も残念に思っている者の一人です。本日は夕食会がありますので、リアルタイムで試合が見れないのは残念に思っています。

(問)野村監督に何かありますか。

(外務大臣)巨人と戦って優勝して下さい。




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