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2009.10.30|記者会見

外務大臣会見記録(平成21年10月30日)

外務大臣会見記録(平成21年10月30日(金曜日)16時30分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
(1)政務三役会議
(2)臨時国会本会議
○米軍再編問題
○アフガニスタン支援
○対北朝鮮政策(貨物検査特別措置法案)
○天皇陛下のお言葉
○日米同盟

冒頭発言
(1)政務三役会議

(外務大臣)私(大臣)から、一つは政務三役会議のご報告です。私(大臣)からは今日の閣議についての若干の報告、貨物検査特措法案の閣議決定でありますとか、あるいは独立行政法人の役員の候補に関する手続きでありますとか、そういった点について報告をいたしました。
 それから、もう一点、先般在京のアフリカ各国の大使から、アフリカ議連について配慮してもらいたいというお話がありましたので、昨日、自民党のアフリカ議連会長である森元総理をお訪ねして、今後の議連の在り方についてご相談したことを報告いたしました。ご相談した内容は、今まで自民党のアフリカ議連、民主党にも実はある訳ですけども、自民党のアフリカ議連が中心になって活動してきた訳ですが、政権交代が行われたということで、この際に超党派のアフリカ議連をつくってはどうかということで、ご相談させていただき、そういう方向で話を進めていただけるということでありました。本来、議連の話ですから、大臣とは直接関係がないのですが、各国大使からも言われ、特にアフリカ議連というのは、小さな大使館でやっておられる各国に対し、或いはアフリカの国々にとっては、かなり重要な役割を果たしますので、私(大臣)としても森元総理にご相談をさせていただいたということでございます。あとは、自民・民主両党を中心に、関係者が相談していただければ結構だと思っております。
 武正副大臣から、税制改正要望について報告がありました。特に、私(大臣)としては、国際開発連帯税の新設について、先般、政務官にパリまで行って頂いたということもありますが、是非これはしっかり大臣レベルまで上げて、最終的な交渉ができるようにしてもらいたいということを申し上げました。
 福山副大臣から、鳩山イニシアティブ、地球温暖化タスクフォースの中間報告についての報告がありました。

(2)臨時国会本会議

(外務大臣)今日で本会議の質疑が終わった訳であります。もうちょっとあるかと思っていましたけれども、私(大臣)への質問はあまり多くありませんでした。鳩山総理は非常に丁寧にお答えになっていたというように思います。その結果、時間が若干超過気味であったことは事実ですが、しっかりと丁寧にお答えになっていたというように思います。私(大臣)自身もなるべく分かりやすくということを心掛けて、かつあまり長くならないように答弁をさせていただきました。かなり野次が多くて、今日などもそうですけれども、特定の人が何度も野次っている状況ですが、もう少ししっかり冷静に議論できる状況になればいいのではないかと思っております。

米軍再編問題
(NHK 岡崎記者)普天間基地の移設問題についてです。大臣が検討されている嘉手納基地への統合案について、今日の国会の代表質問の答弁の中で、その前提条件として現在の騒音問題を軽減することが前提だという発言がありました。これは具体的に米国にどのような方法でそれを求めていくのかをお願いします。

(外務大臣)そういうことも含めて今検討しているところです。あまり途中の経過のことは申し上げるつもりはありません。ただ私(大臣)自身、嘉手納統合になった結果として騒音レベルが上がるということでは、これは(移設問題の)答えにならないと思っております。

(朝日新聞 内田記者)米軍再編について、米国側の軍の事務当局者からお話を聞かれていると思いますが、どういうご感想をお持ちでしょうか。

(外務大臣)軍の関係者、もちろん大使館の関係者を含めて、お話を聞いております。まだ、検証作業の一環として行っている訳ですけども、特に今、感想を申し上げる段階にはございません。

(朝日新聞 内田記者)嘉手納統合案が難しいというのであれば、その説明も聞きたいというお話を記者会見で大臣はされていましたけども、その部分で納得できるような材料は示されているのでしょうか。

(外務大臣)途中の経過を申し上げるつもりはありません。

(毎日新聞 須藤記者)途中経過ということだと思いますが、今の嘉手納の件ですが、既に十分に検証された結果、嘉手納(統合)案については、米側は、今までの説明でも、ゲイツ長官の来日でも難しいということを基本的には言っていると思います。従って大臣が(嘉手納統合案は)難しいということに納得された場合は、また大臣は年内ということを仰っておられるのですから、選択肢としては現行案しかなくなるのかと思いますが、そういう考え方でいいのかどうか、仮定が含まれていて申し訳ありませんが、お答えいただければと思います。

(外務大臣)まさしく仮定が含まれている訳で、そういう議論にお答えするつもりはありません。

(朝日新聞 鵜飼記者)普天間の関連なのですが、閣内で対立する意見がいろいろ表に出てきておりますけども、これが米国に対して伝わるときに、とまどいとか、混乱を引き起こしているという意識はお持ちでいらっしゃいますか。

(外務大臣)具体的に対立しているという意識はありません。もちろんそれぞれの閣僚がそのプロセスで、今どういう状況にあるかと、自分の意見が現時点でどうかということを述べるということは、これは間違っていないし、私(大臣)は当然のことだと思います。今日も野党の方からご質問いただきましたが、政府で決まるまで発言してはいけないとなると、こういう記者会見もできなくなる訳であります。ですから、そのプロセスでそれぞれの閣僚が、プロセスであるということを断った上で意見を言うことは、私(大臣)はむしろ情報公開という意味からいっても、間違った選択だとは全く思っておりません。

(共同通信 上西川原記者)普天間の関係ですが、米軍再編、普天間の移設というのは、「沖縄の負担軽減」と「抑止力維持」という難しい2つのテーマがあると思いますが、沖縄の負担軽減という趣旨から見て、大臣が今検討されている嘉手納統合に関して、仲井眞知事が本日の会見で「受け入れられない」という趣旨の発言をされておりまして、防衛技術上かなり問題があるということと、地域の人々の負担も大き過ぎると、許容限界をはるかに超えると言っております。そういう意味で、沖縄からはあまり肯定的な意見が出てきておりませんけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)知事は現行案がいいというお考えですから、そういう答えになるのではないかと思います。しかし、私(大臣)としてはもちろん負担を増やさないという前提の下で今の案より良い案として何があるか、しかも時間的な制約ということを考えたときに、今の嘉手納統合(案)というのは一つの選択肢ではないかということで、私(大臣)自身が納得するまでしっかりと検証したい。知事も含めて途中のプロセスをきちんと内容まで含めて把握しておられる方は、本日も国会で言いましたが、それは日米両国政府の限られた人であります。我々はそれを知りません。ですから、そのことを今再検証している、それは外務大臣として当然の責任であると思っています。

(共同通信 西野記者)大臣は普天間基地の現状を一刻も早く危険な状態から取り去るという観点で、事実上、県内移設と。県外移設ではなくて県内でないといけないだろうというふうに考えられたといった経緯だと思っております。

(外務大臣)「一刻も早く」という表現は使っておりません。

(共同通信 西野記者)ただ「早く」ということで。次に、嘉手納統合案というのが選択肢の一つと言われた中で、今度は地元合意がどういうことになるのかということで、負担増があるようなことでは答えにならないと今仰いました。そうなると、負担増がないような嘉手納統合案となれば、米軍の運用の問題に踏み込んで米側と話をしないと、どのような騒音とか色々な(問題が)、普天間の部隊が嘉手納に入ってくることによってどうなるのかということの答えが出てこないのではないかと思うのですけれども、プロセスというのは今度は、嘉手納における統合した場合の運用について、こうならないかというような話を今後やっていくということになるのでしょうか。

(外務大臣)日米間での話の中身を私(大臣)は申し上げるつもりはありませんが、様々なことを議論しております。

(琉球新報 仲井間記者)普天間について伺います。昨日、沖縄県選出の国会議員が北沢防衛大臣に普天間の移設先として硫黄島はどうかと提案したのですが、岡田大臣はこの硫黄島移設案について、どのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)の時もその話は出ました。私(大臣)は特にコメントしませんでした。

(琉球新報 仲井間記者)コメントしなかったのは何故ですか。

(外務大臣)それぞれ、いろいろなご意見があると思いますが、硫黄島という場所から見て、果たして米軍の要請に応えられるだけの地理的位置にあるかというと、私(大臣)には疑問だと思えたからです。

(時事通信 高橋記者)普天間問題ですが、与党の中から、嘉手納統合案に関して、嘉手納への統合は恒久的なものではなく、暫定的なもの、嘉手納に統合するのは一時的なものにして、将来的には県外・国外移設を目指したらどうか、具体的に15年にしたらどうかと、年数を仰っしゃる方もいらっしゃいますけれども、この案は検討に値すると大臣はお考えでしょうか。また、今米国と話をされているにあたって、嘉手納統合案と、今の辺野古を比較して、辺野古の案は大臣として、ここは良くないといいますか、嘉手納に比べて辺野古はここが劣るのだというような、比較の文脈でお話をされているのでしょうか。

(外務大臣)あらゆることを議論しております。ただ、そのように期限をつけるという発想は新たな発想で、私(大臣)の念頭には今までありませんでした。それから、現在の案と嘉手納の統合案と比較しているかということですが、私(大臣)は今、嘉手納統合案というのが案になるのかということを検証している段階です。それが案になるということになれば、今の案とどちらがいいか悪いかということは、より明確に比較することができると思います。ただ、一般的にそのメリット、デメリットというものについて議論したことはあります。

(読売新聞 村尾記者)昨日、総理が代表質問で、日米同盟について日米地位協定・普天間問題に加えて思いやり予算をあげて、レビュ-というお言葉を使われましたが、これも解釈によっては米国側から思いやり予算の削減という受け取られ方をされると思いますが、大臣の評価を伺えないでしょうか。

(外務大臣)思いやり予算という表現がいいかどうかという問題もあります。どんな予算であっても、米軍に関わらないものも含めて、常に効率的な使用ということは必要なことで、無駄使いをなくすということは必要なことだと思います。具体的に来年度予算にあたって、一般論として検証するということはあるかもしれませんが、一部に言われるような根っこからこれを見直すという作業に、少なくとも外務省としては入っておりません。物事には順番がありますので、まず期限が切られている問題を優先的にやっていくべきだと考えております。まだ予算の話は、一年もう一年という意味では余裕があると思っています。

(ロイタ-通信 久保田記者)一部報道で、外務大臣は訪米なさってクリントン国務長官とお会いになって普天間の件で意見調整するという話がありますが、それに関して何か決まっていることがあれば教えてください。

(外務大臣)決まっていることはございません。

(ロイタ-通信 久保田記者)今検討中でしょうか。

(外務大臣)前もここで申し上げましたが、月曜日から始まる予算委員会の日程はかなり厳しい状況です。

(日本テレビ 小栗記者)先程大臣は、嘉手納統合案は、果たして案になるのかどうか検証しているというふうに仰いましたけれども、前の会見では「私(大臣)としては、嘉手納になるのではないかと思っている」というふうに仰っていたと思います。そういう意味で、ご自身では嘉手納がいいかと思っていたけれども、政府の案としては嘉手納が案として浮上しない可能性があるということなのでしょうか。

(外務大臣)そう精緻に私(大臣)も言葉を使い分けているわけではなく、この間も言いましたように限られた時間の中で実行できるということになると嘉手納統合というのが浮上するわけで、その嘉手納統合案について、しかもそれはかなり絞り込みの段階でも残った案ですから、もう一度何故これは駄目だったのかということについて検証したいということです。その上でその検証結果について必ずしも納得できないということになれば、これは案になるということになる訳です。

(NHK 別府記者)今回の普天間の議論とマニフェストの関係を確認させてください。マニフェストでは在日米軍再編について見直しの方向で臨むということになっていますが、今行っている検証を含めた一連のエクササイズというのはそのことに当てはまると考えてよろしいのでしょうか。つまり、公約は今実行中であるというように考えられるのでしょうか。

(外務大臣)その前段階と言ってもいいかもしれません。ですから、まず事実関係を把握しなければなりません。今日の自民党の質問者で「もう嘉手納統合は案にならないことを確認している」との話がありましたが、それでは誰が確認しているのかということです。それは一部の政府関係者、或いは大臣とか事務次官とか、防衛省も含めた更に限られた人が分かっているのであって、全体にその情報が共有されている訳ではありません。しかし、今や政権が変わって、私(大臣)は外務大臣ですから、当然、前回にどういったことが行われたかをきちんと把握した上で、判断しなければいけない。それを把握するための検証作業を懸命にやっているということです。外務大臣としての責任を果たすためには、当然のことだと思います。

(朝日新聞 内田記者)今、「事実関係の把握」ということを仰いましたが、この問題で方向性を出す前に大臣自身が沖縄に行って基地の状況を見るとか、住民等関係者のお話を聞く考えは今のところおありでしょうか。

(外務大臣)なかなか日程的に難しい部分もありますが、大体の状況は、沖縄に何度か行っており、キャンプ・シュワブ沖も行きましたし、普天間にも行きましたので、ある程度分かっているつもりです。もう少し方向性がきちんとしたら、私(大臣)も沖縄に行って率直に意見交換させて頂きたいと思っています。

(朝日新聞 内田記者)方向性が決まってから、その説明に行くというお考えでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)自身の方向性が決まった上で、それがはたして沖縄の皆さんに受け入れられるのかどうかということを自ら行くことによって、確認したいということです。政府の方向性が決まるということではなく、私(大臣)自身の方向性が決まったところでということです。

(共同通信 西野記者)嘉手納統合案ということになりますと、空軍と海兵隊が一緒になるということで米軍の運用というか、米軍の中でも大きな力を持つ海兵隊と空軍がまた調整するということになると思います。対等な日米関係、いろいろな話ができる日米関係ということで、もし実現したらすごいことだと思いますが、それなりに大きな話だと思っており、嘉手納統合案と言うからには、そこまで話を持っていく、まさに再交渉に入るという位置づけだと思いますが、そういうことを視野に入れて、今、検証作業を進めているということでよろしいのでしょうか。

(外務大臣)言葉遣いを気をつけないと、再交渉に入るということに私(大臣)が「YES」と言えば新聞の見出しに直ちになりますから、私(大臣)はそういう表現は使いません。「検証をしています」です。

アフガニスタン支援
(毎日新聞 野口記者)アフガニスタン支援ですが、先日、カブールの国連施設が襲撃されるなど戦闘状態が続いておりまして、非常に治安が悪くなっております。こういう状況で、政府が打ち出そうとしている農業の支援や食糧支援といったものをするのが困難になっているのではないかと思われるのですが、そこの認識はどうなっているのかということと、今度オバマ大統領が訪日されるので、それに合わせて日本としてできる策を表明したいというお考えか、二つお願いします。

(外務大臣)アフガニスタンの復興支援ということは極めて重要なことであって、もちろん最近のカブールの状況は、私(大臣)がカブールにいた時間帯もそうだったのですが、かなり厳しい状況にあることは間違いありません。だからと言って、何もしないなどという選択はないと思っています。アフガニスタンの中でも地域によってかなり状況が異なります。活動できる分野もありますし、現に今も活動しています。ですから、アフガニスタンの復興支援を極めて重視する立場から、もちろん安全を確保した上でですが、できることはしっかりとやっていくということだと思います。

(毎日新聞 野口記者)支援を発表する時期についてはどうでしょうか。

(外務大臣)現時点では決めておりません。

(共同通信 斉藤記者)引き続きアフガニスタンについてお伺いしますが、ゲイツ国防長官は、このアフガニスタン支援を巡って、警察分野での財政支援、日本の財政支援に期待感を示したと理解しておりますが、実際に今、民主党政権はなるべく無駄を削減していくと一つの大きな課題を負っている訳ですが、そうした中でどういった角度から、一つはどういった観点から、もう一つはどの程度、この財政面での支援を推していくのか、その点についてのご見解をお伺いしたいと思います。

(外務大臣)私(大臣)の記憶では、ゲイツ国防長官は別に警察、そして財政支援に限って言った訳ではないというように思います。そして、どの程度の規模かとか、無駄との関わりで言われましたけれども、少し質問の趣旨が良く分からないのですが、もちろん無駄なことはしてはいけません。必要なことをきちんとやるということです。その規模はまだ現在決めておりません。

(時事通信 水島記者)アフガニスタンの話なのですが、オバマ大統領の訪日に向けて検討している現在の支援パッケージというのは、基本的には資金援助を中心とする民生支援が中心だというような理解で現時点ではいいのでしょうか。つまり、本日、総理もアフガニスタン本土に自衛隊を派遣することは念頭にないということを仰っていましたが、現時点での支援策は資金援助が中心だという理解でよろしいのでしょうか。

(外務大臣)自衛隊か、資金支援かという二者択一というのは、私(大臣)には良く理解できません。例えば、農業支援などは現にJICAから人が行ってやっている訳ですし、それから、日本人がやらなくても、例えばこの前のポリオなどは国際機関が活動している訳ですけれども、これに対して日本がお金を出している。それは資金支援ではないかと言われればそうかもしれませんが、私(大臣)はそれはそのお金をもって国際機関がやっている訳ですから、そのことが何か問題があるとか、そういうふうには思えない訳です。いずれにしても、自衛隊を出すかお金を出すかという問題の立て方を私(大臣)はいかがなものかと思います。

(NHK 別府記者)アフガン支援の関係でお願いします。支援が強化されれば当然支援を行うNGO関係者や援助関係者、大使館職員、それを報道するプレス等も増えていくと思うのですが、危険な地域で活動していく中で、いざという時には現地に展開している国際部隊などに頼る場面があろうかと思われますが、そうした観点から自衛隊を出す、出さないという議論とは別に、そうした人道支援にあたる人たちの安全確保という観点から、例えば連絡要員をISAF(国際治安部隊)に配置するようなことは検討されるのでしょうか。

(外務大臣)そういった具体的な話まで議論しておりません。ご存知のようにアフガニスタン政府は大統領選挙の決選投票をやっている最中です。誤解を招くといけませんので念のために申し上げますが、今、そのようなことを念頭においている訳ではありません。

(日本インターネット新聞 田中記者)アフガン支援についておうかがいします。私は、元マスード派の兵士と農業生活をしながら、向こう(アフガニスタン)の復興を見てきたのですが、米国のペースにのせられて支援すると、国民感情に火をつけるだけなのです。一番いいのは大臣が常々仰っているように日本だからできる支援が良いと思います。それは今後ゲイツ長官とかとお会いして要請があっても、日本だからできる支援という姿勢を貫かれるおつもりでしょうか。

(外務大臣)どの範囲が日本だから支援できるというのか、よくわかりません。米国自身も変わってきていますから、オバマ政権になって、従来日本が得意としてやってきたそのような分野に近づいている部分もあると思います。ですから、線引きが非常に難しいと思います。

(日本インターネット新聞 田中記者)警察支援とDDR(旧国軍兵士の武装解除・動員解除・社会復帰)はやらない方がいいです。これは向こうの怒りに火を注ぐだけですから。

(外務大臣)警察に対して、今でも給与の半分を日本政府が負担をしているという事実はあります。

(日本インターネット新聞 田中記者)アフガンでは犯罪者を刑務所に送っても、刑務所はお金を積めば、強盗殺人の犯人でも逃げられるのです。仕組み的に。

(外務大臣)今、そのような状況かどうか分かりません。だいぶ政府のカバナンスも上がってきていると、私(大臣)は理解をしております。


対北朝鮮政策(貨物検査特別措置法案)
(朝日新聞 東岡記者)本日、閣議決定されました、北朝鮮に関する貨物検査特措法案についてお尋ねします。今回政府が提出された法案には、自衛隊の関与の情報は削られています。一方で、自民党などが先日提出した法案には(自衛隊の関与の情報は)入っています。大臣として、万が一、対象船舶が銃武装するなど、自衛隊の関与が必要になった場合、或いは銃武装している対象船舶が出てきた場合、どのように対処するべきだとお考えでしょうか。

(外務大臣)状況がどのように想定されるかということですけれども、現在の海上保安庁で対応できないような重武装した艦船が現れて、今予想しているような行動をするということは考えにくいことだと思います。仮にそのようなことがあれば、自衛隊の自衛隊法に基づいて自衛隊の義務としてカバーできると考えております。


天皇陛下のお言葉
(J-CASTニュ-ス 亀松記者)お言葉問題に関連してお伺いします。2ちゃんねるに架空のやりとりが掲載されたということで削除要求をされたということであり、それをホ-ムペ-ジで公開されたということですが、そのことについてお聞きしますが、名誉毀損的なことに関しては、いわゆる対抗言論の論理ということがありまして、いわゆる政治家の方はこういう記者会見の場で反対の事実を明確に述べることもできるので、ある意味削除要求する必要がないのではないかという意見があるのですが、何故今回あえてされたのかということをお伺いしたいと思います。

(外務大臣)今のご質問については、内容によると思います。あきらかに捏造されたものをネットの世界で放置しておくということは、それを(真実であると)信じる人が出てまいります。そういった事は、私(大臣)は政治家として排除すべきだと、多くの誤解を招くと考えて削除要求をいたしました。当然のことだと思います。

(J-CASTニュ-ス 亀松記者)今後もし事態が改善されない場合は、何か他の措置も考えられるのでしょうか。

(外務大臣)今後もし、事態が改善されない場合の対応については、今後検討していきたいと思います。そういうものを放置するということになると、それだけ信頼性というものが問われるということだと思います。


日米同盟
(ニコニコ動画 七尾記者)今日もユ-ザ-の皆さんのほうから頂きましたメ-ルを代読するという形で質問させて頂きます。日米関係について、民主党のマニフェストの外交の項目に、「日本外交の基盤として緊密で対等な日米同盟関係を作るために主体的な外交戦略を構築した上で米国と役割を分担しながら日本の責任を積極的に果たす」という51番目のマニフェストがあると思いますが、現在の日米同盟は米国が攻撃を受けた場合等、日本は米国を守る義務はないため、対等な同盟関係とはいえないと思います。このような対等ではない不平等な関係はやめるということでしょうか。

(外務大臣)時々そういう議論が出ます。例えば夫婦対等と言うときに夫婦は同じでなければいけないかと、もちろん違う訳で役割分担がある訳です。ですから、日米安保条約に関して言っても、日本は基地を提供しています。そして、その基地は安保条約に定められている日本及び極東の平和と安定だけではなくて、より幅広いアジア太平洋地域、或いはさらに広い範囲でその米軍基地は活用されている訳で、その基地を日本は提供していると、米国にとっての大きなメリットだというように思います。そういう文脈で見たときに、私(大臣)は対等といいますか、お互いがきちんと役割分担しているということは言えると思います。それから、同盟関係というものを軍事的なものだけでみる必要もない訳で経済もありますし、文化もあります。例えばアジア地域においては日本はかなりの知識と経験がありますから、米国に対してさまざまな助言もできるということがあります。そういう意味で外交に関しても米国と比べて日本はより密接な関係といいますか、より深い関係を持っているのが、例えばイランとか、或いはミャンマ-とか、いろいろなご意見がありますけれども、なかなか米国にできないところを日本がカバ-していると言えると思います。全体で物事を判断しなければいけないと思います。




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