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2009.11.13|記者会見

外務大臣会見記録(平成21年11月13日)

外務大臣会見記録(平成21年11月13日(金曜日)17時00分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
 (1)オバマ大統領の訪日
 (2)沖縄訪問
 (3)政務三役会議
 (4)省議の実施方針
○沖縄訪問
○東アジア共同体におけるEPA・FTA政策
○オバマ大統領の訪日
○米軍再編問題
○日朝関係
○日露首脳会談
○行政刷新会議(事業仕分けについて)
○地球温暖化対策
○省議の実施方針
○ドミニカ移住協定

冒頭発言
(1)オバマ大統領の訪日

(外務大臣)先程、オバマ大統領を羽田にお迎えをいたしました。本日、限られた時間ですけれども、日米首脳会談が行われるということで、大変楽しみにしているところです。有意義な意見交換と、そしてその結果としての成果が出ることを強く期待をしております。私(大臣)がお迎えした時に、オバマ大統領は、私(大臣)が思っていたより背が高かったです。首脳会談で外務大臣が直接話す機会は非常に少ないと思いますが、鳩山総理と大統領の間で是非、いい議論をしていただきたいというように考えております。

(2)沖縄訪問

(外務大臣)私(大臣)の沖縄訪問に関しまして、概略はすでに皆様にお知らせをした通りであります。日曜日に出発して、月曜日に帰ってくるということで、知事、或いは名護市長、それから三連協という形で嘉手納町長、沖縄市長など関係者の皆さんとお会いをし、そのあと嘉手納、キャンプ・シュワブの視察ということで、約一日かけて訪問したいというように考えております。いずれも、かつて訪れた経験のある場所ではありますけれども、外務大臣になってからは初めてということであります。

(3)政務三役会議

(外務大臣)今日の政務三役会議について、概略をご報告しておきます。私(大臣)からはAPECの閣僚会合に出席したこと、或いは日米外相会談について報告いたしました。それから、先般日米間で合意をいたしました「普天間飛行場の代替施設に関する閣僚レベルのワーキング・グループ」の設置について報告いたしました。APECでの閣僚会議に出た経験を踏まえて、来年のAPEC、それから一月にFEALAC(フェアラック:アジア中南米協力フォーラム)、中南米とアジアの会議が東京で行われる予定にしておりますが、そういった国際的な比較的大きな会議についてもう少しあらかじめ政務レベルで方向付けをしっかり議論しておいた方がいいということで、そういった議論をスタートさせようということを確認いたしました。武正副大臣からは在勤手当プロジェクトチーム検討状況について、中間報告がありました。

(4)省議の実施方針

(外務大臣)外務省には実は省議というものが事実上無いということで、臨時省議というものは、私(大臣)が大臣になってから二回開催しました。一度は私(大臣)が大臣になった日に、就任の機会に省議が開催されたことと、あとは総理の所信表明を検討するときに私(大臣)の方で臨時省議を招集をして、一時間程皆さんの意見をいただいたということであります。省議がない役所というのも、私(大臣)は非常に珍しいのではないかと思います。取締役会に社長が出ないということでありますので、もちろん個別にいろいろな決裁はしているわけですが、全体幹部が集まって議論をする、問題意識を共有化する場があった方がいいということで、来週から省議をやろうということにいたしました。重要な外交課題や対処方針について、議論を行うという場にしたいと思っております。まだ省内的に根拠規定等が整備されておりませんが、しばらくはまずやってみて、その上で規定の整備等を考えていきたいというように考えているところです。

沖縄訪問
(NHK 岡崎記者)明後日からの沖縄訪問ですが、まず改めてこの訪問の目的についてお聞きしたいのと、今後日米の閣僚レベルで作業部会(ワーキング・グループ)をする訳ですけれども、その視察をどのように活かしていきたいのか、その沖縄視察を今後の検証作業に、大臣自身どのように活かしていこうとお考えかお聞かせください。

(外務大臣)なるべく現場を見るというのが私(大臣)の基本的な考え方です。ただ国会その他土日も含めて海外出張などで、なかなか時間が取りにくい状況でありましたが、この日曜日から月曜日にかけて時間が取れるということで、沖縄を訪問させていただくということにいたしました。今回は、皆さんの意見をよくお聞きしたい、そしてこの目で見たい、ということで、何らかの予断を持って行くということでなくて、むしろ関係者の皆さんの気持ち、御意見を聞かせていただきたいという思いで参ります。

(フリーランス 上杉氏)沖縄訪問に関してですが、先月ですが、大臣に私のほうから質問させて頂いたのが、大臣の外遊等で同行取材が可能かどうか伺ったのですが、沖縄に関しては同行取材、もしくは現地での取材に応じてくれる予定はあるのでしょうか。

(外務大臣)途中の段階では、私(大臣)は話を基本的に致しません。ただ、それは手続きをして頂ければ、同行することは可能だと思います。この会見に頻繁に出て頂いている方とか、一定の条件は付くかと思いますが、同行することは可能だというように思います。それから(沖縄での)会見は日曜日の一番最後、それから月曜日の空港に向かう前、計2回行いますので、その会見に参加して頂くことは可能です。

(NHK 別府記者)沖縄訪問の目的について、確認も含めてですが、もう少しこう理解の仕方として、いま、嘉手納を統合できないかという案について検証をしたいというお考えを重ねて表明されていますが、今回の旅が、その嘉手納の案がいけるかどうか、何らかの感触を得たいための旅であると理解しても大丈夫でしょうか。

(外務大臣)いや、別にそういう予断を持っていく訳ではありません。

(ビデオ・ニュース 神保記者)今週末の沖縄訪問ですが、大臣はとにかく現地の話を聞きに行くと仰いましたが、民主党は一方で、マニフェスト、政権公約の中で県外移設ということを謳った訳です。そうしますと、今の大臣のご認識としましては、やはりあのマニフェストで「県外移設」という言葉を出したことは、十分に現地の言葉を聞かずして、あのような公約というものをしてしまったのかもしれないとのご認識を持たれていると考えて良いのでしょうか。

(外務大臣)まず、事実関係ですが、総選挙の際のマニフェストに「県外移設」という言葉は出てまいりません。そこは国会討議でも、私(大臣)はいつか申し上げたと思いますが、敢えてそういう言葉を使わなかったということです。それまでの沖縄ビジョンなどではそういう表現を使っておりましたが、敢えてそういう表現を使わずに、そして三党の政権合意でも、そういった具体名を挙げて書くべきだと主張された党もありましたが、粘り強く交渉する中で、民主党のマニフェストの線に沿った表現に留めたということであります。若干、ご質問の前提が違うように思います。よく誤解されている方がいらっしゃいますが、そこは違います。

東アジア共同体におけるEPA・FTA政策
(産経新聞 坂本記者)鳩山総理が提唱されている東アジア共同体構想のなかでEPA・FTAについての政策がどのように位置づけられているのかという点と、EPA・FTAについては小泉政権時代に外務省内でFTA戦略、政府全体でEPA基本方針をまとめられていますが、鳩山政権でこれを継承するのかどうか、また新しいものを作るお考えなのかどうかをお聞かせ下さい。

(外務大臣)東アジア共同体というのは、大きなビジョンですので、その中でEPA・FTAをどう位置づけるのかについて、具体的な議論をしている訳ではありません。EPA・FTAを東アジア共同体の地域の中で締結していく中で、それがより網の目のように張り巡らせているということになれば、それは経済的な共同体という意味ではそれを造ることに資するものだというように思います。前政権時代のさまざまな決めたことを継ぐかどうかはまだ検討していません。ご案内のように我々はEPA・WTO推進関係閣僚会議というものを、設置しておりますので、必要に応じてそこで議論していくことになると思います。

オバマ大統領の訪日
(朝日新聞 鵜飼記者)オバマ大統領が、明日、アジア外交演説をなされるわけですけれども、その場に鳩山総理が今日の夜、APECに出発されるということでいらっしゃらないわけですが、カウンターパートが先にいなくなるということは、異例な対応だと思うのですが、外交上これは礼を逸しないのかどうか大臣の考えをお伺いします。

(外務大臣)私(大臣)は、やむを得ないことだと思います。何故そうなったかというと、それは大統領の訪日が遅れることになったということで、これは一つの理由ですから、十分に米国側も理解していると思います。

(毎日新聞 須藤記者)本日の日米首脳会談についてお尋ねしたいと思います。日米同盟の重要性について、もちろん確認すると思うのですが、それはもうニューヨークとかでも既にしていることなので、それを含めて、民主党政権というのは、日米同盟について、自民党政権のやってきた日米同盟の重要性は認めつつも、それよりもっと強化していく発展していく、あるいはより対等な日米関係を作っていくという立場だと思うのですが、この首脳会談をきっかけに日米同盟あるいは日米関係というものを、重要性を確認するだけではなくて、再検証とかそういうことも含めて、より発展させて行くためにどういう形を目指しているのかということを外相の考えている範囲でお聞かせ下さい。

(外務大臣)私(大臣)が、中味について今、何かコメントをする立場にありませんが、ただ一言申し上げておきますと、ご質問が日米同盟というものをどういう意味で言っておられるか、よく分かりませんが、私(大臣)は日米同盟というのは幅広いものであるというように考えております。ですから、シンガポールでクリントン国務長官とお話しをした時も、これははっきり会見の時にも言っている訳ですが、60分の内の10分程度は、その(米軍)再編の問題は議論したと、しかし、後の50分は違うことを議論している訳で、いろいろな報道のされ方があります。私たちは、狭い意味での日米の安全保障ということも極めて大事なことではありますが、同時に日米同盟というものがアジア太平洋において果たす役割或いはグローバルな問題について果たす役割ということも非常に重要であると考えております。恐らく本日の会談でも、そういった幅広い視点から、様々な議論がなされると思っております。

(日本テレビ 小栗記者)日米首脳会談について今朝、鳩山総理が一番何に重きを置いて話をしたいかという記者団の問いに対して、「世界で一番重要なことはアフガニスタンの問題だから」というように仰ったのですが、岡田大臣は日米関係において一番重要なことというのが、何だとお考えですか。

(外務大臣)注意して答えないといけないのですが、総理が「アフガニスタン」と仰るのなら、私(大臣)も同じ答えを致します。そうでないと、また、まとまっていないとか、すぐに言われそうですから。余り言い過ぎると発言が不自由になってしまいます。もちろん、アフガニスタンは大事です。

(J-CASTニュース 亀松記者)明日のオバマ大統領のサントリーホールでの講演についてお伺いします。岡田外相も聞きに行かれると伺っておりますが、日本でも人気のあるオバマ大統領が日本の国民に向けて日本でメッセージを発するという意味で注目度も高いと思いますが、何かこんなメッセージをというか、そのような期待というか、その講演の意義というか、そういうものが何かありましたら、お願い致します。

(外務大臣)日本で行われるものですけれども、必ずしも日本の国民だけに向かって送られるものではなくて、世界に向かって米国のアジア政策を発信するものだと思っております。中身は聞いてみないとコメントのしようがないのですが、予想されることはオバマ政権になってアジアに対する関与というか、関心が高まっているということは言えると思います。先般もメコンと米国との協議が行われました。次の日曜日はオバマ大統領がシンガポールに行かれて、そこでASEANと米国との首脳会議ということも予定されていると聞いています。そういう意味で米国がアジアに対して関心を高め、関与を深めるということは、私(大臣)は素晴らしいことだと思います。先般、クリントン国務長官にお目にかかった時も、その話をしてきたところです。お互い日米で協力してやれることも多いだろうと思います。その時に具体的に上がった例はミャンマーについての日米両政府の協力ということでした。

(朝日新聞 鵜飼記者)本日の日米首脳会談で、核軍縮についてのステートメントが出るという理解をしております。中身については発言しないと思うのですが、今後、核軍縮、或いは核抑止といったものを話し合うような枠組みを閣僚レベルとか或いはハイレベルで取り組んでいかれるようなお考えはおありでしょうか。

(外務大臣)その話題のみを話すという場を今考えている訳ではありません。それ以上のことは本日の日米首脳会談を見て頂ければと思います。

(NHK 禰津記者)先程、大臣は空港でオバマ大統領のお出迎えをされましたけれども、何らかの言葉も交わされていたように見えたのですが、どのような話しをされたのかということと、オバマ大統領は幼少の頃に日本に来られたということで、久しぶりの日本で、24時間という短い時間ですが、どのようなことを楽しんでもらいたいと感じていらっしゃるかをお伺いします。

(外務大臣)オバマ大統領と私(大臣)には共通点がありまして、Oの次の母音がA、Aですね。「O・BA・MA」と「O・KA・DA」です。そう言ったらどなたかが「いや、O・ZA・WAもそうだ」と言いました。何れにしても、挨拶程度です。「よくお迎え頂きました」と大統領が仰いまして、私(大臣)は「日本によくいらっしゃいました」と、そういう会話です。
 オバマ大統領の書かれた自伝を読むと、いろいろな形で日本との関わりがあった方だと思います。ハワイでも日系人との交流について少し触れたところもありますし、日本、或いはアジア全体に対して、今までの大統領と比べても、より肌で感じることが出来る方だと思います。今回のアジアへの旅、日本も含めて、そういったアジアというものをご自身で是非感じて頂いて、これからのアジア政策、或いは外交政策全体に反映していただければ有り難いと思います。

米軍再編問題
(日本インターネット新聞 田中記者)沖縄県ですが、米国が拘っている普天間、辺野古、グアムの内、辺野古について、米軍はV型滑走路ができることを大前提にして、滑走路が通るところは、宿舎というか施設を西側に移し、米軍は住み始めています。それと、あの辺は、東アジアのジャングルを想定したトレーニング・センターがあって、どんなことがあっても、米国は譲らないと並々ならない決意を現地を見て感じたのですが、交渉は相当難しくなると思われますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)現時点で、中味についてコメントすることはありません。

(琉球新報 仲井間記者)普天間飛行場移設問題について伺いたいのですが、昨日、名護市長が記者会見をして、政府が現行の辺野古移設案以外でも、普天間飛行場の危険性をより早期に除去できる案を示せば、名護市としてはそれを歓迎するという姿勢を示しました。また、沖縄の自民党県連が、従来これまで辺野古移設案を容認する立場を取ってきたのですが、その立場を変更、県外移設も良しとするかどうかも含め検討するというような動きを始めています。こういう沖縄県内の動きについて、大臣はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。

(外務大臣)市長とは沖縄を訪れたおりに、よくお話しをしてみたいと思います。自民党県連の話は、私(大臣)はコメントする立場にありません。自民党にお聞き下さい。

(西日本新聞 斎田記者)今朝、北澤防衛大臣が、普天間の閣僚級のワーキング・グループを、来週早々にもあるのではないかという話をされていますが、その辺の日程とか見通しについて教えて下さい。

(外務大臣)現時点で具体的なことが固まっている訳ではありません。ただそう時間をおかずにやろうというのが、シンガポールでのクリントン国務長官と私(大臣)との間の会話でした。時間を何週間も作ると言うことは無いと思います。

(読売新聞 川崎記者)再び普天間のワーキング・グループの件ですが、日米の外務・防衛の閣僚級という触れ込みです、実際問題として、簡単に、日米のそれぞれの閣僚4人が、一同に会する機会というのは、なかなか難しいと思うのですが、1回目を日本側でやるとして、例えば2回目を米国側でやるために、岡田大臣と北澤大臣が、近々米国に行かれることも含めて考えていらっしゃるのでしょうか。

(外務大臣)今、具体的には予定はありません。ただ閣僚級と言っても、日本でやる場合は、やはり大使が閣僚に代わって出てもらうことに、普通で考えればなると思います。もちろん、米国からも専門家は来ると思いますが、それは閣僚であるというのは考えにくい訳であります。ただ、閣僚級をヘッドにということで位置づけてありますので、どこかでワシントンに行くこともあるかもしれません。ただ、このワーキング・チーム自身に、そう何ヶ月もかけるべきかどうかという所は議論のなすところですので、なるべく出来るだけ早くと、出来るだけ早くにと私(大臣)は申し上げているのですが、そういう中で行ったり来たりということに、あまり時間をロスするのではなくて、より効率的に話が進められた方がいいと思います。

(テレビ朝日 新堀記者)ワーキング・グループの話ですが、先週大臣が、私どものテレビ朝日の番組にご出演頂いたときに、解決の目処というか、決着の目処について「年内を目指すが、もしかしたらそれを越すかもしれない」というようなご表現をされたかと思うのですが、「出来るだけ早く」というところには、「もしかしたら年内をまたいでしまうかもしれないけれども」というニュアンスが入っていると受け止めてよろしいのでしょうか。

(外務大臣)これは、私(大臣)自身が勝手に決める話ではありません。相手もある話です。相手という意味は、米国もありますが、沖縄もありますし、それから「最後は自分が決める」と総理が仰っていることですから、私(大臣)が「この日までにしたい」と言うことはいかがなものかと思います。そういう意味で、少し幅を持たせた言い方をさせていただいております。

(テレビ朝日 新堀記者)クリントン国務長官とのお話でも、その辺のところは、詰めては話していらっしゃらないと理解してよろしいでしょうか。

(外務大臣)それは話しておりません。「出来るだけ早く」、「迅速に」ということが基本です。表現は違いますが、意味合いは同じです。

(琉球新報 仲井間記者)沖縄出張に関してですが、大臣は予断を持っていくものではないと仰っていますけれども、大臣は以前、県外は考えられないとして、嘉手納統合か、辺野古の二案、どちらがよりましかという見方だと仰っております。大臣は、嘉手納か辺野古、二案に絞っている状態だと私は理解しているのですけれども、その理解でよろしいでしょうか。

(外務大臣)私(大臣)自身がどう考えているかというよりも、政府としてどう考えているかということの方がより重要だと思います。政府としてという意味で申し上げれば、その二つに絞った訳ではありません。総理も、もう少し幅を持った言い方をされていると思います。私(大臣)の意見をあまり申し上げると、皆さんからご批判を頂きますから、私(大臣)の個人的な思いはありますけれども、それを改めて申し上げるつもりはありません。

(琉球新報 仲井間記者)大臣としての思いは変わっていないと認識してよろしいでしょうか。

(外務大臣)先程の答えに尽きていると思います。

日朝関係
(産経新聞 久保田記者)一部報道なのですが、ソウル発で、昨日、小沢幹事長にお会いしたチョン・セギョン民主党党首と小沢幹事長とのお話しの中で、拉致問題はあるが、日朝関係について、首脳会談或いは特使の派遣もいいのではないかという話を小沢幹事長がチョン・セギョン党首にしたという報道が韓国サイドから出ているようなのですが、事実関係と外務省のお立場をお聞かせください。

(外務大臣)まず、事実関係は確認していません。確認する立場にもありません。それは党のことなので、私(大臣)が何か確認する立場にはありません。しかも日本では報じられていない訳ですから。

日露首脳会談
(北海道新聞 佐藤記者)日露首脳会談についてお聞きします。総理が明日と明後日と行かれるシンガポールで、ニューヨークに続く首脳会談が行われる予定と理解しておりますが、現時点で我々は日程を聞いておりませんから、この状況についての認識と見解、そして、会談が行われた場合、大臣としてはどのような成果を期待しているかということをお聞かせ下さい。

(外務大臣)まず日程的には、いま申し上げる状況にはありません。最終的にまだ(会談の)セットには到っていないと思います。それぞれ忙しい状況の中での日程のやりくりですので。それから、中身はやってみないと分かりませんので、私(大臣)から特にコメントすることはありません。もちろん、ニューヨークで議論した様々な問題、特に我が国にとっては、領土帰属の問題は非常に重要な問題ですので、そういったことについて、議論がなされることを期待したいと思います。これも相手のある話ですから、今、あまり私(大臣)が想像でものを言わない方がいいと思います。

行政刷新会議(事業仕分けについて)
(フリーランス 上杉氏)行政刷新会議の事業仕分けについてお伺いします。今日までに2日間やっております。来週、事業仕分けの中で、思いやり予算(在日米軍駐留経費)について仕分け作業で、評価がされる予定ですが、大臣はこの思いやり予算については仕分け作業の評価になるという部分に関して、どのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)少し一般論で言わせていただきたいのですが、基本的にどれを取り上げ、どれを取り上げないということは、あまり言うべきではないと思います。この事業仕分けは、決めている訳ではなくて、役所の外部の専門家を交えて、まさしく「仕分け」をしているということですので、その仕分けの結果を採用するかどうかは、政府の決定になる訳です。そういう意味での仕分け作業が行われるということは、私(大臣)は悪いことではないということで、一般論として申し上げておきたいと思います。思いやり予算についてはコメントしません。コメントすると、その発言がまた一人歩きすると困りますので、コメントは致しません。

地球温暖化対策
(マガジンX 島田記者)地球温暖化対策に対して、環境省が11月にガソリン税を1キロ17,320円ということを提案していますけれども、これは環境省としては欧米に合わせた課税で高くはないという回答を(環境省の)広報から得ています。日本の環境政策に関して欧米等に合わせる必要というのはあるのでしょうか。

(外務大臣)事実関係を承知しておりません。そういう意味では増税ということですね。環境省がそういうことを言っているというのは承知しておりませんので、コメントしかねます。

省議の実施方針
(共同通信 西野記者)省議をやってみたいということですが、これは局長以上、もしくは部長以上ぐらい迄になるのでしょうか。官僚の力を引き出していこうと、省全体の一体性を高めようという意図があると理解してよろしいでしょうか。

(外務大臣)メンバーをどうするかという話はこれから詰めたいと思います。具体的に聞かれるとなかなか答えにくいのですが、何れにしても、例えば大臣の私(大臣)が何を考えているのかということを、個別の案件では物事を議論して決めていく訳ですけれども、全体を通しての考え方をしっかりと幹部の皆さんにも共有して頂きたいし、逆に幹部間で、大臣、政務(レベル)も含めてお互い共通の問題意識を持って問題に取り組めるようにするというのは当然のことだと思います。当然のことをやろうということです。外交も組織ですので、組織全体として力が出るようにしていきたいと思います。

ドミニカ移住協定
(南日本新聞 谷上記者)ドミニカとの移住協定についてお伺いします。52年前にドミニカへの移住が始まって以来、日本政府を訴えた裁判等がある中で、先般、海外日本日系人大会の中でも、福山副大臣がドミニカ移住についても触れた発言をされています。その中で、いわゆる日系人協会長である嶽釜さんが先日、福山副大臣ともお会いしています。皆さんが移住協定の締結を求める中で、大臣の所見をお聞かせ下さい。

(外務大臣)先日、福山副大臣がお会いして、有意義な意見交換が行われたと思っております。では、どうすべきかという政策的な問題については、現時点では詰めておりません。大変なご苦労をされた皆さんですから、国としても大変申し訳ないことだと思います。新しい政策について何か決めたということは現時点ではまだありません。




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