夕刊フジコラム「ズバリ直球」09年11月18日号
夕刊フジ 09年11月18日号
民主党屈指の政策通として知られる岡田克也外相(56)が、18日から新連載「ズバリ直球」をスタートさせた。第1回は特別版。オバマ米大統領の来日秘話や、注目の普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題、自民党外交と民主党外交の違い、外相就任の意外性と苦労、鳩山由紀夫内閣の実情など、岡田節が炸裂した。
–連載の意気込みを
「外交は国民にとって遠い存在かもしれない。しかし、国民の理解と支持がなければ弱い外交になってしまう。このコラムを通じて、みなさんに外交を身近に感じてもらいたい。外交以外でも本音で伝えていきたい」
–先週、オバマ大統領が来日し、鳩山首相と日米首脳会談を行った。普天間問題で、日米間のきしみが報じられた
「メディアは『普天間問題が最大のテーマ』と報じたが、間違いだ。世界一、二の経済大国のリーダーが会うのだから、2国間の話だけでなく、地球温暖化や核軍縮、アフガニスタンや北朝鮮など、世界全体の問題が議論になった」
–直前、岡田外相とクリントン国務長官がシンガポールで会談したが、それも同じか
「その通りだ。事前に『普天間問題は日米閣僚級の作業部会で検証する』と合意していた。長官とは60分間会談したが、普天間問題は10分だけだった」
–日米首脳会談の雰囲気はどうだった
「基本的に温かい雰囲気だった。会談後、日米双方から7、8人が出席して夕食会もあった。それぞれの子供たちの話や食事の好物、スポーツの話などで盛り上がった。私が『ホワイトハウスにはスポーツジムがあるのか?』と聞くと、大統領は『ある。テニスコートもあるが、私はバスケットコートにしている』といい、バスケの話をしていた。今回の外遊にも、ボールを持ってきているようだった」
–大統領の印象は
「気さくな人だった。羽田空港まで見送りに行ったとき、大統領が『あなたはシンガポール(APEC首脳会議)に行かないのか?』と聞くので、『エアフォースワン(大統領専用機)に乗せてくれたら行く』と答えたら、笑っていた」
–普天間問題をめぐり、閣僚間の足並みがバラバラな印象がある
「内閣としての最終的な意思決定までは、閣僚が発言することはおかしくない。自民党時代は官僚がお膳立てをしていたから、閣僚の発言は同じだった。民主党は政治家主導で物事を進めている。閣僚同士の連絡は取り合っている。意思決定がされれば一致結束する」
–外相就任して2カ月だが、感想は
「どういう立場でも受けるつもりだったが、外相は予想外だった。私は『現場主義』を重視しており、海外にどんどん出かけるようにしている。米国や中国、インドネシア、アフガニスタン、パキスタン、インドネシアなど、かなり回った。ただ時差がキツイ。特に米国は2週間ほど残る」
–克服法は
「いろんな人からアドバイスをもらった。『飛行機では食事しない』とか『到着したら太陽を浴びる』とか。私は体を動かすようにしている。9月末、ニューヨークでの日米首脳会談と日ロ首脳会談の間に2時間ほど空いた。首相に内緒でジムで走っていた(笑)」
–今後の決意は
「外相は『1年やると7歳老ける』といわれる激務だが、全力投球でやりたい。日本の顔が見え、考え方が伝わる外交をしたい。主要国の外相と信頼関係を築き、もし許されるなら、じっくり2年は取り組みたい」
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