外務大臣会見記録(平成21年12月4日)
外務大臣会見記録(平成21年12月4日(金曜日)14時50分~ 於:本省会見室)
○冒頭発言
(1)政務三役会議
(2)「記者会見用アクセス・パス」の発給その他について
○米軍再編問題
○上海総領事館における旅券の無断更新
○アフガニスタン支援
○いわゆる「密約」に関する調査
○記者会見のオープン化
冒頭発言
(1)政務三役会議
(外務大臣)政務三役会議のご報告を申し上げたいと思います。
まず、私の方から閣議の報告をした後、朝刊各紙が報じております普天間の問題について政務三役の皆さんに少しお話を致しました。一部の報道では新たな候補地の検討するようにと外務大臣、或いは防衛大臣に総理から指示があったという報道がありましたが、私(大臣)はそういう指示をもらった覚えがありませんでしたので、念のため、今日の閣議の後で総理にもう一度確認をいたしましたが、「そういうことはない。新たな指示をしていない」ということを確認致しました。ただ、昨日の総理官邸での話し合いの中で言われたことは「今日予定されているワーキング・グループでしっかり対応してもらいたい」ということでありましたので、そのことも総理にもう一度確認したところであります。
それから、武正副大臣のところで行われておりました在勤手当プロジェクトチームの検討結果について報告を受けまして、来週の政策会議で議員の皆さんにも報告をするということを確認いたしました。
行政刷新会議の事業仕分けへの対処方針について了承を致しました。それについて若干説明したいというように考えております。事業仕分けは国民的な大きな関心を呼んだわけでありますが、その結果を十分尊重しつつ、外交に必要な予算を確保すべく、予算編成作業に臨む必要があるというように考えております。具体的に何点かご質疑を頂きましたが、無償資金協力、JICAの運営費交付金につきましては、より効率的かつ効果的な援助を行うべきだという視点から必要な見直しを求められていると認識しております。したがって、そういったご指摘を踏まえて、具体的な予算案を作って参りたいというように考えております。同時に、ODA全体のあり方について、再来年度の概算要求、つまり来年の夏までを目途に省内の関係者、或いはJICAや民間NGOの関係者の皆さんも含めて大いに議論をし、そのあり方について見直しをしていきたいと考えております。今度の予算要求ではそこまで間に合いませんが、再来年度の予算要求においてはそういった検討結果を踏まえた新しいODA政策のあり方というものに基づいて、再来年度の予算要求を行っていきたいと確認致しました。
それから、国際機関等への任意拠出金の問題ですが、これも色々ご指摘を頂きましたが、実はすでに概算要求レベル段階で15%削減をしております。その上で、適切な水準を維持していきたいと考えております。ただ、今回はともかく、行政刷新会議の方でも公益法人の見直しというのが来年以降の大きな課題であります。外務省としても、外務省関連公益法人について、これも武正副大臣のところでヒアリング等を行っておりますが、全面的な見直し作業というものを、これも12月一杯ということでは間に合いませんが、もう少し時間をかけて行っていきたいと考えているところであります。
国際問題研究所補助金、或いは国際交流基金運用資金の国庫返納、外交フォーラムを含む広報や招へいについて様々なご指摘を頂きました。私は国民に理解される外交というのが非常に重要だと思っておりますので、こういった部分についてどう考えるべきかいろいろ苦慮するところもある訳ですけれども、国際問題研究所を直ちに廃止するというのは、私(大臣)にはやや乱暴に思えます。したがって、予算を合理化することで少し時間を頂き、今後、研究機関やシンクタンクというべき機関のあり方について、一年ぐらいかけてしっかりした議論を行っていくということではないかと思っております。よくわからないから直ちに全部廃止をしてしまうというのは少し乱暴な議論のように思います。
外交フォーラムにつきましても、買い取りが非常に多いというのは事実であります。しかし、国民に対して外交を説明する有力な媒体でありますので、これも直ちに廃止、わずか1か月の間に買い取りをやめて一般に市販できるようなものに変えろというのはやや乱暴な議論でありますので、少し時間を頂いてその間、どういった読者層に対してこの雑誌を位置づけるのか、そして外交政策を国民に伝えていくためのツールとしてどういう形がいいのかということをきちんと一年間議論をして参りたいと思っております。いきなり全部やめるということが適切だとは必ずしも思っておりません。この辺はこれから財務省とも議論をしていきたいと考えております。
国際交流基金の国庫返納につきましては、かなりの額を返納したいというように考えております。ただ、こういったものにつきまして国際交流基金についてのみ行政刷新会議の事業仕分けの中で外交問題に悪影響を及ぼさないようにという条件を頂いておりますので、他の公益法人がお金を貯め込んでいるというものとは性格も異なるところがあると思いますので、外交に悪影響を及ぼさない範囲で、しかしかなり思い切って国庫に返納していきたいと考えているところであります。
最後に運営経費につきまして、人員の配置の見直しなど、それから在外職員の手当については、省内で立ち上げた在勤手当プロジェクトチームの結論を予算の縮減に反映させていきたいと考えているところでございます。
以上が事業仕分けに対する外務省としての政務三役で決定をした対応であります。具体的な金額等はこれから予算の編成作業の中で決まっていくことでございます。
(2)記者会見用アクセス・パスの発給その他について
(外務大臣)記者会見用のアクセス・パスの発給その他についてお話を申し上げたいと思います。
第一点は「記者会見用のアクセス・パス」の発給についてであります。来年の1月から外務省の定例記者会見への参加手続きの簡素化を目的として記者会見用アクセス・パスを発給することにいたします。発給申請の受付対象者は現在、毎週5回行っております定例記者会見(大臣2回・副大臣2回、外務報道官)に関して、直近3か月以内に平均週1回以上参加をしている方々に対して12月中旬を目途に申請を受付け、来年1月からパスを発給したいと考えております。
第二点は、ご質問を頂きました不定期な記者会見のオープン化であります。基本的に定例記者会見と同様の参加資格と手続きでオープン化したいと考えております。その際、アクセス・パスを受領された方については不定期の会見にも同じパスで参加できるということも申し添えておきたいと思います。
三点目は外国出張時の同行取材です。この件に関しましては、アクセス・パスの発給を受けた方々の中で、同行取材参加の条件をきちんと守るということを前提に新たに同行取材を認めることにしたいと考えております。
以上、三点を申し上げましたが、ご質問がある場合には、今ここでご質問を頂いても結構ですし、報道課の方にご質問を頂きたいと考えております。
米軍再編問題
(朝日新聞 内田記者)普天間飛行場の移設問題について伺います。総理から、「今日のワーキング・グループでしっかり話し合ってもらいたい」と言われたというご紹介がありましたが、年内に方向性を出すという大臣の目標を考えると、ワーキング・グループの検証作業も大詰めだと思いますが、本日は米国側にどのような話をするお考えでしょうか。
(外務大臣)ワーキング・グループの中身については従来もお話しておりません。終わった後、事務方から若干の説明を行わせようと思っております。今詳しく申し上げることは避けるべきだと思っております。
(毎日新聞 野口記者)ワーキング・グループについてですが、総理は普天間問題の結論を年明けに先送りするような意向を示しています。このワーキング・グループでは前回の会合で「迅速に結論を出す」と日米で合意していると思いますが、この「迅速に結論を出す」という方針は変わらないのでしょうか。それとも、年明けに結論を出すのを先送りするお考えでしょうか。
(外務大臣)「出来るだけ早く迅速に」というワーキング・グループの考え方は変わっておりません。総理も同じお考えだと思います。それが年を越すのか越さないのかということについては、私(大臣)はコメントいたしません。
(NHK 梶原記者)昨日だと思いますが、社民党の福島大臣が今回の普天間飛行場の移設問題に関連して、キャンプ・シュワブ沖への移設を決めた場合には連立政権の離脱を検討せざるを得ないという考えを示しました。今の検討状況にも影響を与える発言だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
(外務大臣)従来、社民党はかなり普天間基地の移設問題について強いお考えをお持ちですから、そのような発言になったのではないかと思っております。
(毎日新聞 須藤記者)総理が年内(決着)を見送るかどうか別として、岡田外相は以前から予算の問題であるとか、或いは嘉手納(基地)統合案も時間がかからないということを一つの理由にして検討すべき対象とされていたと思います。そういう意味で言えば外相は「年内に結論を出すべきだ。年内が望ましい」と仰ったこともありますし、年内に結論を出すべきだという考えを持っていらっしゃると思います。一方で米国の方も岡田外相のそのような考えを聞かれて、「年内に(結論を)出して欲しい。出すべきだ」と思っていたと(私は)思いますが、そのようなことを受けて、今でも岡田外相は年内の結論を出したいと思っていらっしゃるかどうか、お聞かせ下さい。
(外務大臣)質問をされる時には正確に言われた方が良いと思います。私(大臣)は「年内が望ましい。しかし、最後は総理が決めることである。」と言っており、年内に出すべきだという表現は使っていないと思います。また、米国側が年内に出すべきだと思っていると仰いましたが、そのような話は聞いたことがありません。もちろん、早い方が望ましいということはお互い合意している訳です。
(TBS 樋口記者)大臣は今も仰いましたとおり、これまでも「最後は総理が決めることだ」と繰り返し仰ってきました。そうした中でワーキング・グループはどういった役割の位置づけなのでしょうか。或いは岡田大臣自身の役割というのはどういったものだとお考えでしょうか。
(外務大臣)ワーキング・グループで一定の結論が得られた場合に、総理も重く考えると仰っていると思います。しかし、ワーキング・グループというのは両大臣(外務・防衛)が参加をして米国側と協議をしている訳です。最終的に総理が決め、内閣として受け入れるかどうかということです。それに先だって両大臣が交渉しているということは、何らおかしなことではないと思います。
(朝日新聞 鵜飼記者)社民党の福島党首のご発言ですが、民主党は参議院で過半数を得ていないために、連立政権を組んで過半数を維持されていると思いますが、このような政治状況の中で、社民党の立場というものには最大限配慮しなければいけないと思われますか。或いは外交交渉であるので、日米の大臣を中心とした交渉の中で結論を出していくお考えなのか。大臣のお考えはいかがでしょうか。
(外務大臣)両立する答えを見つけなければいけないということです。連立政権が壊れるということは避けなければなりません。少数与党政権ということでは、物事を決めることはできません。したがって両立が如何にして可能かということが問題で、その問題があるからこそ、これだけ様々な試行錯誤を繰り返しながらやってきている訳です。
(NHK 別府記者)外交を進めている中で、日本国内の連立の枠組み、その連立の中には強い立場を持っている政党もあって連立を組まれていることが、米国と外交する中で周囲にも説明していることなのでしょうか。日本の国内問題であるからということで、何らかの理解というか、感触を得ているというように理解してよろしいでしょうか。
(外務大臣)米国に説明をしているかという質問に対しては、説明をしております。最初から「こういう難しい状況にある」と、私(大臣)はキャンベル米国務次官補にも、ゲイツ米国防長官にも申し上げました。もちろん、ルース駐日米国大使にも申し上げております。クリントン米国務長官に言ったかどうか記憶にありませんが、常にそのような難しい状況の中で答えを見いださなければいけないと言ってまいりました。
(日本インターネット新聞 田中記者)水面下でも水面上でもグアム(移転)への動きが伝わってくるのですが、大臣は如何思われますか。
(外務大臣)そのような話は聞いておりません。北澤防衛大臣が(米国に)行くという話は聞いておりますが、それは以前から決まっていたことです。
(日本インターネット新聞 田中記者)グアムに基地を移転するという話ですが。
(外務大臣)そのような話は聞いておりません。
(時事通信 高橋記者)ワーキング・グループの位置付けについて、お尋ねしたいのですが、これまで大臣は「なぜ現行案に決まったか、過去に検討された案でなぜダメになったか」、つまり今までの経緯の検証を中心に作業をされていると思います。日々状況がいろいろ変わってきておりますし、総理も「現行案以外の選択肢もあるのであれば検討して欲しい」というような考え方をにじませているように我々も受け取っています。今までの過去の検証だけではなく、今まで検討されていないような新しい案やこれから何をするのかということをワーキング・グループできちんと取り上げていくのか、ここを確認したいのですが。
(外務大臣)総理がそういうようににじませておられるという発言がありましたが、私(大臣)の理解は異なります。先程申し上げたとおりです。ワーキング・グループというのは、今お話しになったように、現在の案になった経緯の検証であります。新しい候補地があるのか、ないのかといったことは明らかにこのワーキング・グループの範囲を超える問題です。
(日本テレビ 小栗記者)連立政権と外交交渉を両立させないといけないと、そうした中で出来るだけ早く迅速に結論を出したいというお話でした。その場合、年を越したときに具体的にどのようなデメリットが発生するというように大臣はお考えでしょうか。
(外務大臣)あまり考えたくありません。しかし、外務大臣として非常に懸念はしています。
(琉球新報 滝本記者)本日、午前中の前原沖縄担当大臣の閣議後の会見で、普天間基地移設について、「辺野古が最善か、普天間の危険性を取り除くために最短かと言えば、決してそうではない」というようにお話されました。常々岡田大臣は「普天間の危険性除去のためには辺野古に移設を早期にして進めるべきだ」と仰っていますが、前原大臣は少し違うことを仰っているようにも私は受け取ったのですが、その前原大臣の発言について、岡田大臣はどのようにお考えでしょうか。
(外務大臣)どこが違いますか。
(琉球新報 滝本記者)辺野古にというのは最短ではないという部分です。
(外務大臣)我々も辺野古を前提に議論しているのではないので、私(大臣)は今聞いた範囲では違和感はありませんでした。そのような意見があっても不思議ではないと思います。
(共同通信社 上西河原記者)数日前まで外務省と防衛省のワーキング・チームは年内決着に向けて非常に大きな流れが出来ていたと私は受け取っていましたが、ここ数日で風向きがかなり変わって、社民党のあのような動きが出てきました。それに対して政府の中で何か事前にきちんと準備していたのか、調整していたのか、想定されていた事態なのかについてお考えをお聞かせ下さい。
(外務大臣)社民党がかなり厳しい意見を持っているということは、従来から分かっていたことだと思います。どこ迄それを明らかにするかは別にしてですね。
(西日本新聞 斉田記者)普天間問題について、年を越した場合、懸念をされていると仰られていましたが、どういう懸念をされているのでしょうか。
(外務大臣)今まさしく議論をしているところですので、あまりこと細かく言うつもりはありませんが、もちろん、米国の議会の問題もあります。年を越したことで、総理ご自身も仰っていますが、時間をかけることが移転実現を遠のかせることになるのではないかということです。つまり、今の普天間の危険な状況が長く続くことになるということです。
(フリーランス 岩上氏)グアムにおける米軍基地増設についてのアセスメントの最終的な評価書が出たということで、それについて、宜野湾市の伊波市長が「グアムに現在ある施設で、沖縄のヘリ部隊、海兵隊の受け入れが十分可能なのではないか」、また「これは、沖縄基地負担の受け入れ先として十分候補に上がるのではないか」と仰られております。これについて、ご見解をお示しください。
(外務大臣) 伊波さんには、沖縄で少し時間を取って、お話を聞いてみたいと思いますが、私(大臣)の理解では、グアムが受け入れようとしているヘリというのは、一つは岩国からということでございます。沖縄からというのは、私(大臣)は承知しておりません。その他、他の地域からも、例えば、ハワイなどからの受け入れも考えているかもしれません。沖縄からというのは、私(大臣)の知る限り承知しておりません。
(テレビ朝日 新堀記者)その関係ですが、先ほど大臣がワーキング・グループでは、今までと同じ検証を続けるということで仰ったのですが、そうしますと、新しい候補地を考える時には、ワーキング・グループ以外で何か検討していくことはあり得るのでしょうか。それともワーキング・グループだけでやっていく、絞るということになるのでしょうか。
(外務大臣)日米間の話し合いの場としては、このワーキング・グループ、そして、それは検証ということで行っているということになります。その他、日本政府の中でその他の検討を行うのかどうかということは、現時点では考えておりません。そういった必要があるのかないのかということの議論がなされるのではないかと思っています。ワーキング・グループというのは、現在の普天間の案に対して検証しているということですから、前提が大きく異なることになってしまいます。その時には、ワーキング・グループが必要なのかという議論までに及びかねない問題だと思います。
(共同通信 西野記者)この記者会見で普天間の話がたくさん出たのですが、沖縄にまた行かれる訳ですが、住民の方々とも対話をすると聞いています。改めて沖縄入りする抱負、それから、どういったことを沖縄の人たちと話をしていきたいのか、どういう理解を作っていきたいのか、そのあたりのことについて改めてお聞かせください。
(外務大臣)基本的には、沖縄の皆さんの話に耳を傾けたいと考えております。政府として何か決まったことがある訳ではなく、方針の決定があった訳ではありませんから、そこは一定の範囲の中で申し上げるに留まるだろうというように考えております。この記者会見で申し上げているようなことを沖縄でもそのまま申し上げていきたいと思っております。
(沖縄タイムス 吉田記者)普天間の話ですが、仮に結論が延びた場合、普天間の移設を2014年までに完了するというロードマップの合意に影響が出るという可能性があると思うのですが、大臣はこの2014年という期限を、例えば2015年や2016年にすることが可能かなど、そういう交渉をする必要があると思われますか。
(外務大臣)あまり、(先に)延びたことを前提にお答えすべきではないと思います。
(フリーランス 岩上氏)月曜日に大阪府知事に質問したのに対し、「もし、政府から正式な要請があれば、大阪の方で沖縄の基地負担を前向きに検討することを考えている」というご発言があったことを、こちら(記者会見)でも申し上げました。その後、知事がいろいろな記者団の質問に答えて、繰り返し同じ発言をなされて、全国知事会でも「全国でこの沖縄の基地負担を受け入れよう、検討をしようじゃないか」と呼びかけるとまで仰っているような状況です。火曜日の記者会見の時点で岡田大臣は、「機会があれば橋下知事のお考えを聞いてみたい」というように仰られておりました。知事は政府からの働きかけを待っているような状態ですので、外相として知事に働きかけをする用意があるのか、或いは予定があるのか。「ある」とするならば、話を聞きにいくということであっても、いつ頃になりそうなのか、そのあたりのお考えをお聞かせ下さい。
(外務大臣)基本的には、これは国内の基地移転の問題ですので、防衛省です。したがって、私(大臣)から先般の記者会見の後、北澤(防衛)大臣に電話をして防衛省として対応してもらいたいと、また、防衛大臣ないし副大臣がお聞きになるのがいいのではないかと申し上げたところです。その他に下地議員とか阿部議員のお話をお聞きになったというように聞いております。必ずしも関西空港だけの話ではなくて、神戸という話も出たやにも聞いています。いずれにしても、何を持って行くかにもよりますが、飛行機だけではなくて2、3千人の海兵隊員とか、空軍の人も伴う話で、どこまで現実可能なのかというように漠然と私(大臣)は今思っております。
(毎日新聞 野口記者)大臣が検証している嘉手納(基地)統合案について、普天間問題の結論を先延ばしする可能性が出てきて、嘉手納(基地)統合案について時間が出来たので実現の可能性が出てきたと考えるのか。それとも逆に、沖縄県内で沖縄県外移転の期待が高まったことで厳しくなったのか、現時点での現状認識はどうでしょうか。
(外務大臣)中身のことはコメントしない方が良いと思います。
上海総領事館における旅券の無断更新
(毎日新聞 工藤記者)上海の日本総領事館で、2004年に親権者である母親の同意も取らずに子供の旅券を更新していたということが報じられていますが、このことに関する認識と今後の対応についてお願いします。
(外務大臣)どのような事実があったのかを現在調査中です。親権者であった母親が意見を外務省に述べていたことは事実です。にも関わらず、同意なくして旅券が発給されたことも事実です。ですから、その間に何があったのかということを調査中です。
アフガニスタン支援
(ニコニコ動画 七尾記者)視聴者からの質問を代読させていただきます。オバマ大統領が先日、アフガニスタン新戦略として、「戦争終結に向けて新たに米軍3万人を増派する」と発表しました。併せて、追加派兵を欧州主要国に要請するなど、アフガニスタン安定化の責任分担を国際社会に求める考えを明らかにしております。これを受けて日本は、50億ドルの民生支援の他に人的貢献を新たにお考えになる可能性はあるのでしょうか。
(外務大臣)現時点ではありません。50億ドルの新たな支援というのは、国際社会の中で米国も含めて、高く評価されております。
いわゆる「密約」調査委員会
(朝日新聞 倉重記者)密約に関してなのですが、今朝、藤井財務大臣が閣議後の会見で、「外務省がいろいろ努力していることを財務省としてもやっていく」と密約の調査をするという考えを示したのですが、これは岡田大臣の方から協力を要請したのでしょうか。また、これに対する受け止めをお願いいたします。
(外務大臣)特に協力は要請しておりません。藤井(財務)大臣が言われたのは、何に関して言われたのか、私(大臣)は理解ができないのですが、それは我々がやっている4つの密約に関して協力していくと仰ったのですか。
(朝日新聞 倉重記者)すいません。質問がわからないのですが、少なくとも4つの大臣命令の中には、財務省の方で記録が残っているであろうものがあるので、それについて関連しているのかと思いまして。
(外務大臣)そういう趣旨ですか。それとも「財務省は財務省で別の密約があるから、しっかりと調べる」という意味ではないのですか。
(朝日新聞 倉重記者)外務省です。
(外務大臣)外務省に関してですか。確認してみたいと思います。
記者会見のオープン化
(J-CASTニュース 亀松氏)記者会見のオープン化についてお尋ねします。アクセス・パスの発行と不定期の会見の参加をフリーランス記者等にも認めていただき、ありがとうございます。この件について、このように拡大というか、さらに前進されたということは、記者会見をオープン化されてから2か月が経っておりますが、特に運営について問題がないというご認識なのでしょうか。
(外務大臣)現時点では問題は生じておりません。
(J-CASTニュース 亀松氏)もう一点なのですが、外務省の会見がオープン化されてから、金融庁ではオープン化しているのですが、他の省庁にはそのような動きはまだ残念ながら広まっておりません。それについてはなぜであるか、ご認識をお伺いしたいと思います。
(外務大臣)それについては、私(大臣)が言う話ではないと思います。基本的にどうするかは各省庁、各大臣がお考えになることだというように思いますので、私(大臣)が外務大臣の立場でものを言うべきではないと思います。