外務大臣会見記録(平成22年5月14日)
外務大臣会見記録(平成22年5月14日(金曜日)15時05分~ 於:本省会見室)
○冒頭発言
(1)第3回日豪外務・防衛閣僚協議の開催について
○韓国の哨戒艦の沈没問題
○六者協議
○北方領土ビザなし交流
○米軍再編問題
○日中関係
○日米実務者会議
○口蹄疫への対応
○アフガニスタンにおける邦人誘拐疑い事案
○クリントン米国務長官の訪中
○日韓関係
○内閣支持率
○小沢幹事長の政治倫理審査会
冒頭発言
(1)第3回日豪外務・防衛閣僚協議の開催について
【岡田大臣】それでは、私(大臣)の方から1点だけ。5月19日(水曜日)、第3回日豪外務・防衛閣僚会議、2+2が東京で開催されます。また、これに先立ち、日豪外相会談も予定をされております。2+2には、言うまでもなく日本側から北澤防衛大臣と私(大臣)が、豪州側からはフォークナー国防相とスミス外相が出席する予定であります
今回の協議では、日豪間の安全保障上の協力、核軍縮・不拡散、地域的枠組みあるいは現下の地域情勢などについて議論を行いたいと考えております。この協議を通じて、日豪両国の戦略的パートナーシップを一層強化させていきたいと考えているところです。
韓国の哨戒艦の沈没問題
【日経新聞 山本記者】韓国の哨戒艦の沈没問題についてお伺いします。韓国政府は近く調査結果を公表する見通しですが、韓国内等で北朝鮮の関与を疑う声も高まっております。この問題に関して、週末の日中韓外相会議の中で、もしくはバイの会談の中で意見交換すると思いますけれども、日米の間では、政治レベルでどのような意見交換がなされているのでしょうか。そして、今後、どのように連携を図っていくお考えでしょうか。
【大臣】まず、韓国の船の沈没の問題について、現在、ご指摘のように韓国政府を中心にいくつかの国の協力を得て調査を行っているところであります。調査結果は間もなく出るだろうと思いますけれども、いつ出るかということは明確には決まっておりません。その調査結果が出るまであまり一定の予断といいますか、そういうものを持って議論しない方がいいと考えてはおります。ただ、事態が事態だけに、これは非常に深刻な事態であります。多くの方がお亡くなりになったわけであります。そして、どうも事故ではないらしいということも言われております。したがって、日本としては、韓国とともに、もちろん、韓国というのは隣国であり日本にとって非常に重要なパートナーでありますので、この問題について意思疎通をよくして、そして対応を図っていきたい、バックアップもしていかなければいけないと思っております。
ご質問にお答えしますと、日韓のバイの外相会談でこの問題を取り上げるかということについては、事前にこれを言い出しますと、先ほども国会でいろいろ聞かれたのですが、この件以外のことですが、これは取り上げるのか、これは取り上げるのかと聞かれてしまいますと、これは全部お話をせざるを得なくなりますので、この場ではお話し申し上げませんが、話した結果については、事後的に国民の皆さんに対して説明をしたいと思います。
日米間もこの件については緊密に連絡・連携を取り合っているところであります。ですから、米国と韓国と日本と、その3か国がきちんと連携をとってこの問題に対応していかなければいけないと考えているところでありますし、現にそういうようにしているということであります。
【テレビ朝日 山本記者】それに関連して、週末の日中韓の協議で韓国側の調査結果はまだ出ていませんけれども、3か国でこの問題について、何らかのメッセージを出すという考えはおありでしょうか。
【大臣】調査結果が出る前に一定の予断を持って物事を言うことは避けるべきだと考えております。もちろん、亡くなった方に対して哀悼の意は、既に総理からも私(大臣)からも述べているところでありますが、そういったことについては、当然改めて私(大臣)は韓国国民に対して、犠牲になられた方々のご家族に対して、哀悼の意は述べたいと思いますが、一定の仮定に基づくそういったメッセージというものは、私(大臣)は慎重に避けるべきだと考えております。
六者協議
【共同通信 斎藤記者】大臣は先日の会見で、六者協議との絡みの中で、「もちろん、予断を持ってはいけないけれども、調査結果の内容によっては六者協議どころではなくなる」と、このように間違いなく仰っております。このスタンス、結果はまだ出ていませんけれども、結果次第によっては六者協議どころではなくなると、すなわち、まずは真相究明が大事だというスタンスについては、現在も変わりないでしょうか。
【大臣】そこは全く変わっておりません。前回、私(大臣)が発言したことも変わっておりません。
北方領土ビザなし交流
【北海道新聞 島田記者】今朝、ビザなし交流の第一陣が国後島に向けて出発しましたが、その中でロシア側がロシア運輸省の入港申請書の提出を求めているという情報があります。その点、外務省として確認しているかという点をまず教えてください。それと、入港が14時の予定なのですけれども、無事に入港、上陸しているかという点を確認させてください。
【大臣】そういう事実は確認をしておりません。いずれにしても、(北方四島が)ロシア政府の下にあるということを前提にしたさまざまなことについては、日本側として協力するということにはなりません。
【北海道新聞 島田記者】ビザなし渡航の関係ですけれども、先日、外務省側が同行記者に対して、ビデオカメラでの動画撮影の禁止とか、自由なインタビューとかの独自取材の自粛を呼びかけておりますけれども、この点に関して、今後再考とか見直す考えがあるかという点を教えてください。
【大臣】これは、外務省側が見直すか見直さないかというよりは、そういう事実の前で記者の皆さんがどう判断するかという問題でもあると思います。そもそも四島交流の枠組み上、同行記者の取材活動が了解されているわけではございません。そして、そういう中で特にロシア側は、動画の撮影を問題視しているということでございます。
不測の事態回避、或いは四島交流の円滑な実施のために、記者の活動は一般団員と同様の活動に留める必要があると判断しております。もし、そうでないということで活動する記者が来られた場合に、それは当然そのことによって四島交流そのものが困難になるという事態も想定し得ることで、そういう意味で我々は申し上げているわけでございます。
【共同通信 西野記者】同じ関係なのですけれども、他方、理屈は理屈としてあるかもしれませんけれども、北方領土の日本への帰属をめぐっていろいろと見解の相違がある中で、自由な取材活動というのは、これまでは事実上認められてきたということがあり、それが今回制限されていると、ロシア側に押し込まれているということです。記者と外務省の間の関係ということではなくて、日本全体としてロシア側から押し込まれているといった認識は大臣にはないのでしょうか。
【大臣】もともと取材活動について、これが了解されていたわけではないということであります。自由な取材活動が認められるべきだというご趣旨は理解し得るところでありますが、しかし、今は実効支配をしているのはロシアであります。そういう下で自由な取材活動を行った結果、四島交流そのものが妨げられるということは避けるべきだと、私(大臣)は考えております。
米軍再編問題
【フリーランス 岩上氏】13日に北マリアナの知事とグアムの知事が日本に来日して、鳩山首相にお会いするという段取りになっていたそうなのですが、それが直前で官邸の方がお断りして、外務省の武正副大臣がお会いするという運びになって、結局、面会そのものがキャンセルになってしまった、もしくは延期なのかわかりませんが、そういうことがあったそうです。海兵隊の移転先であるグアム及び北マリアナの両知事が、その問題を含めて首相にお会いするという話だったのに、これは少し無礼なのではないかという批判も上がっておりますが、これはどういう経緯で官邸が断り、外務省の方が出てきて話をするということになったのか、その点をご説明いただけないでしょうか。
【大臣】官邸がどういう対応だったのかということは、私(大臣)は承知しておりません。そもそも一旦会うというお約束をされたのか、それとも条件付きだったのか、現実はどうだったのかということは全く承知しておりませんので、コメントは控えさせていただきたいと思います。外務省に関して言えば、私(大臣)は、知事でありますので、副大臣に応対してもらおうと思って、武正副大臣にお願いをしたところでございます。
【フリーランス 岩上氏】1点確認なのですけれども、鳩山総理自身はお会いする気であったというご希望を持っていたのだけれども、官邸側がそれをお断りしたと聞いております。これはいかがなのでしょうか。
【大臣】私(大臣)は全く存じ上げておりませんので、そもそも総理が会う予定があったかどうかということについても、私(大臣)は承知しておりません。それは是非、官邸の方にご確認いただきたいと思いま
す。
【琉球新報 滝本記者】グアムと北マリアナ両知事の件に関連して、民主党の川内議員が現地に沖縄基地問題議員懇談会で行かれて、両知事の総理あての親書を受けてこられて、官邸に手渡しされていますけれども、まだその内容はつまびらかにはされていませんけれども、概要としては、海兵隊が来るということについてはウエルカムだよということとか、基本的に8,000名のグアムの移転ということ、プラスαがあってもウエルカムという趣旨と私は少なくとも理解しているのですけれども、まず大臣として、親書の内容とかいうことについて把握されていらっしゃるか、あるいは親書の中身について、大臣としてはどのようにお考えかということです。
【大臣】そういった親書があるのであれば、私(大臣)のところにコピーが届くだろうと思いますが、現時点ではまだ見ておりません。
【ドイツテレビ 西里記者】北マリアナ政府は随分早々とウエルカムという議決などをしたと聞いておりますが、日本のメディアも余り反応も鈍かったし、日本国政府としてもどのようにその点については判断されているわけなのでしょうか。アメリカの賛成が得られないということなのでしょうか。国外であるとか、沖縄の負担を減らすとか、そういうものに一応当てはまる場所だと思うのですけれども、どういうわけでその話が進まないのでしょうか。
【大臣】まず、この普天間の移転の問題ですけれども、これはどこでもいいというものではございません。日本における米軍の抑止力、そのことが維持されるということが前提の議論であります。ですから、既に決定されている8,000名のグアムの移転ということについては、これは司令部機能を中心に移転するということで、日本政府としてはそのことは納得をしているわけでありますけれども、それ以上についてグアムに移すとか、私(大臣)はたしかグアムの知事は8,000名以上は無理だということをかつて言われていたのではないかと思うのですけれども、いずれにしても8,000名以上について、グアムやその近隣の北マリアナとか、そういったところに移転をするということは、私(大臣)は抑止力維持の点から問題があると考えております。
【フリーランス 岩上氏】今、グアムの知事が8,000名以上は無理だと言っているのではないかと記憶しているというお話でしたが、先立って議員懇談会のメンバーがサイパン、テニアンの視察に行って帰られたときの帰国報告で、8,000名だから無理とかいうことではなく、インフラが未整備であるということでした。インフラの整備ができれば、そのキャパシティーは十分あるのだというようなことをお話しなさっていたというご報告でした。そうしたことも含めて、まだコミュニケーションが不十分なのではないかなという印象を受けたのですけれども、この点はいかがでしょうか。
【大臣】いずれにしろ、抑止力の観点というものはあるわけであります。もちろん、それに加えて、私(大臣)の理解している限りは、それはグアム全体の人口の対比において、8,000名が限度であると知事は言っておられたと私(大臣)は記憶しております。別にインフラの問題だけではなくて、狭い地域にそれだけの多くの、8,000名だけではなくても今、既に米軍は存在するわけですから、それだけのボリュームのものが来るということについて、それは限界があると知事は言われていたと理解しております。ただ、最近どう言っておられるかということは、私(大臣)は承知しておりません。
【琉球新報 滝本記者】いつも毎回、抑止力のことでお伺いしますが、そもそも大臣の中での抑止力というものの定義はどのようにお考えかというのを、まず定義していただきたいと思います。
【大臣】抑止力というのは、ここで何回も言ったような気がしますが、攻撃をしたときに、その相手国から反撃を受けて、それと同じ、あるいはそれ以上の損害を受けるということが予想されることから、その相手国に対する攻撃を控えると、これが基本的な抑止の考え方であると思います。
【琉球新報 滝本記者】ということは、相手がどう考えるかということをこちらが推測するということになるわけだと思うのですが、では、具体的にどこがということはなかなか言わない方がいいということは常に仰っていらっしゃいますが、当然いくつかの想定の部分があって、その想定のあちら側がこの持っている軍事力なり、いわゆる抑止力の見積りがどういうものなのかということを、こちら側で相手がどのように見積もっているということを計算した上で、だから抑止力が保たれている、あるいは保たれていないという議論が成り立つのかなと思うのですけれども、その部分で海兵隊がどういう相手に対して、どういう脅威というか、相手が攻撃をすれば反撃を食らうなと思っているのだということが、海兵隊がどういう機能として相手が見積もっているのだと大臣は思っていらっしゃいますか。
【大臣】相手がというか、どの国がどのように海兵隊を見積もっているかということは、それは想像の域を出ないわけであります。ただ、海兵隊自身、非常に即応力がありますし、打撃力も持っておりますので、非常に強力な存在であると一般には認識されていると思います。
【フリーランス 岩上氏】海兵隊の抑止力について御質問させていただきます。防衛省防衛研究所の特別研究員である柳沢協二さんという専門家の方が、今年に入って「朝日新聞」と「毎日新聞」、「毎日新聞」の方は森本敏さんとの対談だったと記憶していますけれども、朝日新聞の方は寄稿だったと思いますが、専門家の立場から、この海兵隊の抑止力についてお書きになられていて、「海兵隊というものは世界中どこへでも動いていける部隊であって、どこに位置するかというのは軍事的な合理性の問題ではなく、政治が決めることであって、沖縄にある、グアムにあるということは重要な問題ではない。それは政治が決めることである」ということを主張されたりとか、あるいは「即応性というようなことでも、島嶼部については即座に海兵隊を出動して、反撃のために第1撃を最初に加えるという展開はあり得ない、まず考えられない」ということです。それは前回も質問させていただきましたけれども、そこには書いてありませんでしたが、恐らくは日米同盟の変革と再編の中に、島嶼部の防衛は第一義的に自衛隊がやることという取り極めがあって、そのときに大臣も先立って、「第一義的には自衛隊が応ずる」ということを仰られていました。
ということは、即応ということは少なくとも起きたらすぐ挑みかかるというような、部隊として海兵隊が動くということは絶対にあり得ないわけですから、どこに位置していてもいいとは言いませんけれども、最前線に近いところに位置する必要性が考えられない。この抑止力ということの説明が非常にあいまいで、あいまいな抑止力のまま説明されているのではないか。もう少し軍事的な合理性、あるいは政治的な理由でここに置くんだということの説明をするべきではないかという御提案でした。
その点を含めて、もう一度、その抑止力の中身というものを区分けして教えていただきたいと思います。
【大臣】柳沢さんは私(大臣)も15年来の友人でありますので、彼がそういう考え方を持っているというのは最近まで私(大臣)は知りませんでした。もし、そういう考え方を持っておられるのであれば、政府の中で安全保障問題担当の内閣官房副長官補ということで長くおられたわけで、もちろん、防衛省でも重職をこなしてこられたわけですから、そのときに是非、議論すべきだったのではないかと思うわけであります。
しかし、私(大臣)の尊敬する柳沢さんがそういう議論を展開しているということは、抑止力についていろんな意見があるんだということを表していると思います。今日も随分、自民党の議員から、抑止力は自明ではないかという趣旨の質問を受けましたので、そのとき、私(大臣)は柳沢さんのことを持ち出して、そういう議論もあるんだと、私(大臣)は支持しないけれども、そういう議論もある。つまり、だれが見ても明々白々の議論ではなくて、そこはさまざまな議論もあるんだということを、むしろ私から申し上げたところであります。
そこで、島嶼部というのは一つの例でありますが、今の自衛隊でどこまでできるかということは問題があるのではないかと思います。だからこそ防衛大綱の中で、もっと自衛隊の能力を高めるべきだという議論が、恐らくこれから年末にかけて出てくるんだろうと思います。自衛隊が対処できなければ、それは海兵隊が代わって行うということは当然考えられ、手をこまねいてほうっておくというわけにはいかないわけであります。
グアムとかサイパンということになりますと、少し距離的に離れます。これだけ北朝鮮の問題もあり、あるいは周辺国の軍事能力が高まっているという中で、やはり沖縄に海兵隊を置いておくということは、私(大臣)は日本の安全にとって非常に重要なことではないか。そういうふうに私(大臣)としては思っているところです。
【共同通信 比嘉記者】大臣は、抑止力の質問のところですけれども、沖縄に海兵隊を置くことは、日本の安全にとって非常に重要ではないかと仰いましたが、これは、大臣個人のお考えということなのでしょうか、それとも政府としてそのような結論を得ているということなのでしょうか。
【大臣】私(大臣)はずっと日本に置くことが必要であるということは一貫して申し上げてまいりました。やはり、沖縄の負担軽減ということを議論しているわけですから、抑止力として必要であるとしても、最初から沖縄だと言うことは避けたいと思ったので、日本にとって必要であるということを申し上げてきたところでございます。現実に沖縄以外、まとまって訓練地も含めて、それを移設するということは、今、そういう具体的な動きがあるわけではない以上、そのことは5月末までにというのは困難なことであると思うわけであります。そういったことも含めての話でありますが、沖縄に海兵隊の存在というものは、日本にとって、日本の安全のためにも必要であると申し上げておきたいと思います。
【週刊金曜日 伊田記者】先ほど大臣の方からも、5月末の決着が困難であると。
【大臣】いや、沖縄以外のところにということです。
【週刊金曜日 伊田記者】一連の報道で5月末困難ということで、日米関係の信頼関係が揺らぐとか、さまざまな報道が出ておりますけれども、前政権下、自民党政権下でも、場所は決まっても14年間動かなかった問題でありますし、このことによって私自身は、普天間飛行場の早期返還、移設が遅れている問題1点において、日米関係全体への影響というのが、私の方はちょっと腑に落ちないような面もあるのですが、大臣の方としてオバマ大統領が日米関係全体の中で一番重視されていることについてはどういうようにお考えでしょうか。
【大臣】オバマ大統領がどういうようにお感じなのかというのは、私(大臣)はわかりませんが、今までクリントン国務長官を始め、米側の外交当局と議論をしてまいりまして、やはり日米同盟そのものが非常に重要であると、いうように考えていると思います。グローバルな問題、北朝鮮、イラン、あるいは温暖化の問題とか、さまざまな問題についての対応、それからアジア太平洋地域における問題、そういうことも含めて日米同盟というものがあるからこそ、地域の安定が保たれているし、米国もそのことによって利益を得ている、裨益しているというように当然、米国も考えているということは、私(大臣)は確信を持っております。
ただ、だからといって、この普天間の問題について先送りしていいということではなくて、この問題の問題として、きちんと答えを出していく必要があると考えているところであります。
【週刊金曜日 伊田記者】ということは、米国の方としても普天間飛行場の問題で、日米同盟全体が揺らぐようなことがあっては、逆に地域の安定、米国にとってもメリットがなくなる、そこで交渉の余地があると、さまざまな条件があると思いますけれども、日本の主張、米国の主張を組み合わせる中で、現行案だけに限らず、交渉の余地があるという理解でよろしいでしょうか。
【大臣】これは、ちょっと言い方が難しいのですが、日米同盟というのは、日本にとっても米国にとっても必要であるという中で、しっかりとした議論というのが行われてきたし、今後もそういう議論を行わなければならないと思います。同時に、日本を取り巻く環境、先ほど中国の海軍の話が出ましたけれども、中国の軍事的な能力の高まりということは、これは明らかであります。或いは北朝鮮がミサイル実験を繰り返し、核実験まで行ったということも事実であります。そういう周辺の環境の中で、やはり日本自身の安全と同時に米国にとっても、この地域で責任を果たしていくために、やはり日米同盟をしっかり運営していかなければいけないという思いは非常に強く米国も持っていると私(大臣)は実感をしております。
【フリーランス 上出氏】関連ですが、「抑止力」のお話を聞いていますと、素朴で、国会でもいろいろ議論されている問題ではありますけれども、新政権として、自民党政権、自公政権と何が違うのだということで考えると、岡田外相のご説明では、より米国への思いを、配慮といいますか、してしまっているようにも聞き取れなくはないのです。
逆に、米軍があるために、この極東の緊張を高めているという議論も国会なんかでもあると思うのですけれども、中国や北朝鮮に刺激するという議論も一方であるわけです。国民にとって本当に「抑止力とは何か」ということを、どういう形で議論してきたかというと、マスコミを含めてですけれども、根本的にはあまりやられていないのではないかという中で、今の沖縄の普天間の問題がいろいろ迷走しているということです。
そういうことを考えると、どういうところで国民に向けて、そういう抑止力の大切さを深いところで考えてもらおうと、先ほど岡田大臣自身のことなのか、政府全体のことなのかという点もありますので、それも含めてご説明いただきたいと思います。
【大臣】少なくともこの問題を担当している5閣僚の間で認識は共有されていると思います。「米軍がいるから緊張が高まる」という議論は、私(大臣)はあまり聞いたことがないのですが、中にはそういう人もいらっしゃるかもしれませんが、我々はそういう考え方には立っておりません。やはり「日本自身の、日本国民の命をしっかりと守っていく、安全を確保する」ということは政府の最大の責任の一つであります。それが専守防衛という自衛隊だけではできないことは明らかでありますので、米軍の力を借りながらそういったものをしっかりと確保していく、これは、私(大臣)は政治にとって最も重要な役割の一つではないかと思います。その基本的な考え方において、つまり、「日米同盟が重要である」ということ、或いは「日米安保が必要である」という点において、前政権と比べて、民主党がどこが違っているのかという問いだとすると、そこの部分については同じだとお考えいただいていいと思います。
【ドイツテレビ 西里記者】「海兵隊の抑止力」というお言葉を使われていますが、日本全体、沖縄に米軍の基地があるということは、もちろん抑止力になっていると思いますが、海兵隊というのは「陸戦部隊」というように理解しておりますので、その「抑止力」という意味は、先ほどの説明ですと、「攻撃してきた国に対して反撃に出て行く」という仰り方だったのですが、逆に「攻撃してきたところと沖縄で戦う」ということも含めて仰っておられるのでしょうか。もう一つ、世界一危険な空港と言われている普天間を解消するという当面の問題が14年間放置されているという中で、海兵隊だけの問題を抑止力として討論するのは少しフォーカスがずれているのではないかと感じがします。岡田外相は「嘉手納の方に統合させる」というような案を提案されたと伺っていますが、そういう形で新しい空港を建てずに維持するというような方向はもう撤回されてしまわれたのでしょうか。
【大臣】「沖縄で戦うのか」と言いますか、侵略を受ければ沖縄であっても、東京であってもどこであっても、その侵略に対してそれを止めるということは当然行わなければならない。「侵略されっぱなし」という訳にはいかないと私(大臣)は思います。それから、嘉手納統合の問題を私(大臣)はそれを検証すべきだと申し上げたことがあります。検証作業は日米で行いました。その結果として、今、私(大臣)は嘉手納統合ということについて、特にこれが具体的な案として最適であるとは思っておりません。
【フリーランス 岩上氏】柳沢さんのお言葉を引いてご質問させていただいた続きになります。官房副長官補だった時代の話ですが、柳沢さん自身が先ほど引いた記事の中でコーストガードを出すか出すまいか、中国の艦船が領海侵犯したのかどうか、おそらくそういうケースだったと思うのですが、非常に緊張した事態が自分が官房副長補官だった時代にもあったと。その時に米軍が出てくれるかどうかということに関しては、果たして出てくれるかどうかに関しては非常に不安だった。つまり本当に政府の中枢にいて重大な責務を負っているときに「現実には米軍が頼りになるかどうかということに関しては疑問である」ということをご発言になっております。ということは、やはり非常に生々しい重大な証言であり、これは米軍がいざという時に頼りになるかならないかというのは同盟を結んでるからというだけでは保証されるものではないだろうと思います。連休の前と連休の後で大臣に「自主防衛をするべきではないか」、或いは「米軍がどこまで頼りになるか」という似たような質問させていただいた時に、連休前の時には「自主防衛となるとコストかかりすぎる。GDP2~3%いってしまうのではないか」と自主防衛の努力というものに対して、やや否定的なご回答でした。そして連休の後にリフレッシュされたかどうかわかりませんが、今度は「第一義的に自衛隊が守るのである」と、むしろ自主防衛の努力に対して前向きなご発言だったと思います。このあたり少しニュアンスやトーンだけの問題かもしれませんが、先ほどの尊敬される柳沢さんのお言葉というものも受けた上で、リアルな防衛の現実というもののお考えを聞かせていただければと思います。
【大臣】まず、柳沢さんが仰るような意味で仰ったのかということは、私(大臣)は確認できていませんので、コメントいたしません。ただ、同盟というのは紙に書いたものだけではなくて、その実効性を高めるために双方の不断の努力を要するということは間違いないことだと思います。そして私(大臣)は一義的に日本を守るのはやはり自衛隊がそれに当たると思います。もちろん日米共同対処ということもありますが、盾と矛、盾の部分は自衛隊が、矛の部分は米軍がという、一応そういう整理です。もし自主防衛で全部まかなうということになりますと、前回も申し上げた一つはコストの問題というのが当然あります。NATOという集団安全保障の枠組みに入っている国ですら、GDPの2%、3%、或いはそれ以上を費やしているというのが通常です。もう一つは、自主防衛でいくということであれば憲法を変えて、そして「攻撃能力」というものを持つということを明確にしなくては、今の憲法の下でそこまでというのは、私(大臣)は非常に憲法九条の解釈としては無理があると思っています。
【フリーランス 岩上氏】最後のところだけ確認したいのですが、想定しているのは例えば、尖閣諸島に中国の海軍が侵略するような事態があった場合、それが米軍の抑止力といわれる海兵隊を使うのではなくて、日本の自衛隊がそれを守ることができるかどうかということだろうと思います。この場合、仮に明白な侵略があった場合それを守るというのは、これは憲法上で許される自衛権の発動ではないのでしょうか。それともこれは憲法上否定されている交戦権の問題に引っかかるのでしょうか。
【大臣】日本が侵略を受けた場合に、その侵略を止めるということは今の憲法上認められています。それは国家としての自衛権として認められることだと思います。しかし、外に出て相手を叩くということになると、それは憲法上の疑義というものが出てきます。全てだめかどうかというのは、今まで国会でもさまざまな議論が行われてきたところですので、そのことを細かくは申し上げません。しかし、普通の国がやっている攻撃能力を持ち、そして相手に対して攻撃を加えるということに関しては、やはり憲法上の制約があるということは言えると思います。
【琉球新報 滝本記者】前回も外来機の飛来についてお伺いしましたが、嘉手納基地の方に、岩国基地から海兵隊のホーネットという戦闘機が20数機飛来して訓練している訳ですが、その中の1機がクラスター爆弾と思われる武器を装着して嘉手納基地を離陸して、その同型機が帰還したときにその武器がなくなっていて、どこかに投下したと思われるという状況ですが、そのことについて外務省の皆さんの方では米側に照会をされているやに聞いていたのですが、米側から回答があったのか、或いはそれに対する対応はいかがでしょうか。
【大臣】ご指摘の件は、先程国会でも議論になりました。我々が米側に確認をしたところ、米軍は「日米安全保障条約の目的の達成のために必要な訓練を定期的に行っているが、訓練内容、使用弾種、訓練実施場所などの詳細については運用上の理由から明らかにできない」との答えがあったところです。
【フリーランス 岩上氏】昨日、衆議院で来日したジョージ・パッカードさんが民主党の議員を前にして講演を行いました。この内容は、それに先だってフォーリン・アフェアーズに書かれた論文「日米安保50周年」という中で、「現在の日米関係の非常にギクシャクした関係というのは、第一に米国の軍部がかなりごり押しのやり方で普天間の問題を悪化させていることにある」というように、むしろ米側の方の落ち度を批判して、「この問題は日米関係の中で非常に小さな問題で、このようにギクシャクするべき問題ではない。むしろ米軍は段階的に基地を縮小するべきである」とか、「日本側の言い分をもっと聞くべきである」、更には「沖縄という領土を血をもって奪い取った封建領土のように米軍部が思いなしていることがけしからん」というような、非常にリベラルな立場で講演されたと聞いております。この後、防衛省の方にも行って学会か何かで講演もするそうです。この時期、このタイミングで来日されて、こういうメッセージを送られるということは非常に何か意味があることではないかと思いますが、こうした米国のエスタブリッシュメントにある学者の発言について、大臣はどうお考えになるか、お聞かせ下さい。
【大臣】ジョージ・パッカード氏はライシャワー大使の伝記を書かれた方だと記憶をしております。私(大臣)は、あの本は非常に優れた、日米関係の認識を深める上で非常に重要な書物だと思っております。しかし、今政府の人間でない一個人がいろいろな見解を述べていただく、それは当然自由ですし、そういういろいろな意見が米国にもあるということの一つの表れであると思いますが、政府の立場として外務大臣がその一つ一つの発言についてコメントするということは控えるべきだと思っております。
日中関係
【共同通信 斎藤記者】日中韓外相会議と並行して楊潔箎さんとの会談、日中外相会談も予定されると思います。それで、課題はいろいろあると思います。東シナ海、ガス田、食の安全、いろいろあると思いますが、これについても事前にはお答えしないということでしたので質問しない方がいいと思うのですけれども、会談をやられる以上は何をテーマに、何を抱負に臨むのか、ご意見を聞かせていただきたいと思います。
【大臣】これは国会でも聞かれて、既にそれは事前に言うことではないだろうと、事後にはこういうことについて話し合ったということは明らかにするわけですけれども、そういうことで、さまざまな重要な課題があることは事実でありますので、しっかりと時間の限り議論したいと思っております。
【共同通信 斎藤記者】会談と切り離して、日中の懸案ということでお伺いしたいのですが、東シナ海の例の中国海軍の艦艇10隻が航行した部分に限ってお伺いします。ヘリは含みません。この10隻が航行した場所はいずれも日本の領海に当たらないわけですから、公海とEEZ、EEZはどの船もそこを通行する権利があるということで、これは私も承知しております。一方で、そうした状況も踏まえてだと思うのですが、中国側は今後も、これは正常な訓練の一環であって、周辺国は慣れるべきだと言っております。私は、この発言は必ずしもヘリを指してはいないと思います。
これは繰り返しですけれども、公海、そして、EEZをこれからも通りますということではないかと思うのですが、今後、中国が今年、来年、再来年と同じような訓練を続けていく。頻度も上がる。ボリュームも上がる。これは我が国として、これは国際法上、問題がないということで、やはり受け入れることにならざるを得ないのでしょうか。これは法律的な部分だけではなくて、安全保障面、あるいは国民感情、いろいろ、ほかにも問題があると思います。この点についてお伺いしたいと思います。
【大臣】国民感情というものは感情の問題ですので、なかなか断定的に言うことは難しいわけですが、国際法上認め得るものは認めざるを得ないと思います。ただ、そういう場合もお互い連絡をよくした方がいいという議論はあり得ます。もし事前に通知をすべきだということであれば、日本側の訓練についても通知をするということになると思います。そこは双務性の問題で、どこまで、どうすべきかということは政府の中でもよく検討したいと思います。
もちろん、相手のある話ですから、こちらがいくら何を主張しても、それは国際法上の根拠がないということになると、最終的にはお互いが納得し合うという解決しかないわけでありますが、通ることそのものというよりは、やはり訓練に伴って、それが非常に何らかの手違いで緊張感が高まるような事態を招かないようにするためにどうしたらいいかということは、よく考えてみる必要がある問題だと思っております。
【朝日新聞 鵜飼記者】日中関係の現状をどのように見ていらっしゃるかというのをお伺いしたいのですけれども、民主党政権になって、中国側からは関係がもっと進むのではないかという期待感が当初はあったかと思うのですが、最近では東シナ海の話とかいろいろ問題も出ていますし、ガス田の協議も局長級に格上げになったとはいえ、なかなか進んでいないという現状があるかと思うのですけれども、今、外相の立場から見られて、日中関係というものは順調に進んでいるのか、少し停滞しているのか、その辺りをどういうふうに見ていらっしゃるか、お話をお伺いできますか。
【大臣】基本的には、日中関係は、両国首脳の交流も含めて、私(大臣)は深まっていると思います。だからこそ中国の首相も日本に来られるわけで、一時はそういう首脳間の交流すらないという時代もあったわけであります。そう昔の話ではございません。ただ、そういう中で懸案事項というものはいくつかあります。そういうことについて、一つひとつしっかりと議論をし、そして、お互い乗り越えていくということが重要ではないかと思っているところであります。
したがって、外務大臣としては、今、いい関係が継続しているとか、関係が深まっているということに甘んじるのではなくて、将来のさらなる両国関係の深まり、そのために、今ある問題について一つひとつきちんと解決をしていくという姿勢で臨みたいと思っているところです。
日米実務者会議
【NHK 別府記者】ワシントンでやった普天間関連の実務者レベルでの意見交換なのですが、結果等、大臣の受け止めで想定の範囲内だったとか満足いくものだったとか、また、今回の(結果)を受けて、今後どういうような進め方を考えていらっしゃるのか、お願いします。
【大臣】なかなか個別の話はしないということになっておりますので、余り申し上げることはございません。ただ、今回は普天間の問題を中心に意見交換をしたということは事実であります。非常に困難な課題ですから、簡単に結論が得られるものではありませんが、話し合いとしては非常にしっかりとした話し合いが行われたし、進んでいると考えております。今後、また、そういった話し合いというものは、これからも必要であると考えているところです。
【時事通信 高橋記者】個別のお話はなかなか申し上げにくいというお立場は理解しているのですけれども、日本政府の立場として鳩山総理が沖縄に引き続き負担をお願いするという点と、それから、徳之島に普天間の機能の一部をお願いしたいと、この2つの大きな方針ということは、日本国民に向かって公に総理自らの口から仰っているわけなのですけれども、この2点について、それぞれ進展があったというご認識なのでしょうか。
【大臣】まさしく個別の中身は申し上げるつもりはございません。相手方との関係もございます。しかし、総理が述べられたことは、当然その現場で問題提起もされております。それから、そういうことについて、むしろ実務者間で議論する話と、それから外交ルートで基本的にはルース駐日米大使と私(大臣)の間で議論することと両方あるということでございます。
口蹄疫への対応
【ニコニコ動画 七尾記者】視聴者の質問を代読致します。宮崎県で拡大している口蹄疫の感染などによって処分する豚や牛が8万頭を超えています。さまざまな情報がネット上を駆け巡りまして,不安もかなり広がっております。農林水産省は,感染の有る無しに関わらず,全ての牛肉の輸出停止を決定したとの報道がありまして,このまま国内はもとより海外での風評が拡大されるとの指摘もございます。こうした点におきまして,外務省として海外に対して何らかの対応を考えていらっしゃいますでしょうか。
【大臣】何らかの何ですか。
【ニコニコ動画 七尾記者】例えば,風評リスクを防ぐため,海外へのアプローチなど考えてらっしゃいますでしょうか。
【大臣】私(大臣)のレベルまで,まだそういった話はあがってきておりません。口蹄疫というのは,そう珍しいことでは必ずしもない,世界で見れば,そういったことは起こっているわけであります。いずれにしても,早く被害の拡大を食い止める,そのために迅速に行動しなければいけないと思っております。宮崎県と,そして政府が協力して行っていかなければいけないというように思っております。
アフガニスタンにおける邦人誘拐疑い事案
【フリーランス 畠山氏】アフガニスタンで行方不明になっているフリージャーナリストの常岡浩介さんの件でお尋ねします。連絡が取れなくなって1ヶ月半が経つわけですけれども,この間,安全を確保するために刑務所に入れられているとか,身柄を拘束していると名乗るグループが出ているなど,さまざまな情報が流れております。現時点で,外務省として常岡さんの安否,所在などについて確認はできているのでしょうか。
【大臣】この問題については,従来から一貫して申し述べておりますが,その具体的な内容についてコメントは差し控えたいと思っております。
クリントン米国務長官の訪中
【日経新聞 山内記者】大臣のカウンターパートである、クリントン米国務長官が今月の24日と25日に北京で米中戦略対話のために訪中する予定と聞いております。この後に、日本に寄って大臣と幅広い課題について話し合ったりする予定はあるのでしょうか。それとも、検討はされているのでしょうか。
【大臣】現在、そのような予定が何か決まっているということはありません。
日韓関係
【共同通信 斎藤記者】日韓会談の絡みでお伺いします。日韓会談の見通しについてはお伺いしません。日韓関係の全体を見た場合、政権発足当時から現在まで、いろいろなことがありましたが、トータルとして前進しているのかどうか、具体的に言えば首脳間の信頼関係、或いは経済連携交渉、そして領土問題、竹島もあります。いろいろプラスの面、マイナスの面がありますが、総じてここまで、どのような進展を遂げているのか、総括的なご見解をお伺いしたいと思います。
【大臣】日韓関係は鳩山政権になって、私(大臣)は首脳間の信頼関係も含めて、深まっていると考えております。そういう中で、今、経済の問題と言われましたが、日韓でFTA、これはかなり長い間中断しております。それを何とかもう一度再開したいと考えておりまして、さまざまな努力を行っているところです。全体として、そういうことで日韓関係は深まっていると思います。ただ、今年は日韓併合100年という非常にセンシティブな年でありますので、より両国関係を深めるために慎重、かつ従来以上の努力が求められる年であろうと考えております。
内閣支持率
【時事通信 高橋記者】時事通信が7日から10日にかけて実施しました世論調査の結果で、「鳩山内閣を支持する」が19.1%、「支持しない」が64.1%という数字がでました。政権発足して初めて2割を切りまして、俗に2割を切ると危険水域に入ったなどと、従来からもよく言われますが、率直な受け止めをお願いします。
【大臣】大分ずっと下がってきましたので、下がることは予想しておりましたが、少しショックを受けているところです。いろいろな鳩山政権として取り組んできた、前向きのことがあまり伝わっていないと思っておりまして、その点について、それぞれ政府としてしっかりと伝える努力というものが求められています。そろそろ、底を打って反転していくことを期待したいと思います。
小沢幹事長の政治倫理審査会
【フリーランス 安積氏】今朝の閣議後の記者会見で、仙谷大臣と前原大臣がそれぞれ「小沢幹事長の政治倫理審査会は公開すべきだ」という発言がありました。大臣はいかがお考えでしょうか。
【大臣】私の理解では、政治倫理審査会ということについて、小沢幹事長がそこに出るということを明確に言われたかどうか、私(大臣)は確認しておりません。報道はいろいろありますが。そういう段階で更にその先の話というのは、コメントは控えた方がいいと思います。