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2010.05.25|記者会見

外務大臣会見記録(平成22年5月25日)

外務大臣会見記録(平成22年5月25日(火曜日)16時50分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
(1)NGOアドバイザリー・グループの設置について
(2)NPT運用検討会議について
(3)外交記録公開・文書管理対策本部について
(4)ハーグ条約に関するアンケートの実施について
○報償費
○米軍再編問題
○韓国哨戒艦の沈没事案
○外交記録公開・文書管理

冒頭発言
(1)NGOアドバイザリー・グループの設置について

【岡田大臣】まず第1に、NGOアドバイザリー・グループの設置についてということで、実は今、まさしく第1回の開催をしていたところですが、私(大臣)の下に日本の国際協力の在り方に関するNGOアドバイザリー・グループを設置いたしました。国際協力に関わる知見、経験が特に豊富なNGO関係者6名の方に常任メンバーに就いていただきました。今後、福山副大臣、西村政務官も含めて、常任メンバーとして2か月に一度ほどお集まりいただいて、さまざまなテーマについてご意見をいただきたいと考えております。もちろん、テーマによっては、そのテーマごとに追加的な参加者を得ることも考えております。
 本日、今、まさしくやっていた訳ですが、第1回会合ではODAの見直しについてご意見をいただいたところであります。国際協力の分野におけるNGOの役割は、非常に大きなものがあるというのが、私(大臣)の持論でありまして、野党時代には民主党NGO海外活動推進議連を立ち上げて活動してきた訳であります。そして大臣就任後も、非公式にNGOの皆さんのご意見をいただいてきた訳すが、今後、定期協議会という形で、より密度の濃い提携強化を図っていきたいと考えております。

(2)NPT運用検討会議について

【大臣】2番目に、NPT運用検討会議について、今朝、ニューヨークにおいてNPT日本政府代表団長を務める須田軍縮代表部大使と電話で会談をいたしました。最近の現場における交渉の最新状況について報告を受けた訳であります。核軍縮・不拡散、原子力の平和利用、それぞれを扱う主要委員会の議長報告書案はコンセンサスが得られず、今後はカバクチュラン議長から全体報告書案が提示されると、そして議論がされるということであります。まだまだ交渉は最後まで予断を許さないという状況でございます。私(大臣)からは、前回のように結果がまとまらないということがあってはならないということで、更に日本政府としても須田大使に努力をしてもらいたいということを申し上げたところであります。そういう中で、今、核軍縮の部分についても、核保有国とそうではない国々との間の対立もある訳でありますが、核保有国に対しても、もう少し、将来の核軍縮に対するある程度のコミットも視野に置いて、よく現場で話をしてもらいたいということを申し上げたところであります。

(3)外交記録公開・文書管理対策本部について

【大臣】3番目、外交記録公開・文書管理対策本部でありますが、3月16日に第1回を開催して以降、5回開催をいたしました。昨日の会合で、一連の対応策がとりまとめられましたので、その概要を説明したいと考えております。詳細は、別途配付する資料をご参照いただきたいと思います。
 4つ申し上げますが、第1点は、国家行政組織法14条に基づく外務大臣訓令として、外交記録公開に関する規則を制定することにいたしました。本日付で施行であります。いわゆる密約問題に関する有識者委員会の報告書も踏まえ、「30年自動公開原則の徹底」、「政務レベルの関与」ということを明確化いたしました。そして、例外的に非公開とする場合について、具体的にその規則の中に明記する。例えば、「現在または将来にわたって具体的に国の安全が害される場合」、或いは「他国との信頼関係が損なわれる」といった具体的に最小限のものを列挙して、それに当たらない場合には自動的に公開するということにしたものであります。しかし、最終的に公開しないという場合には、或いは文書を30年経って廃棄するという判断をする場合には、政務レベルの了承を必要とするということも明記をいたしました。今後はこのルールに則って定期的に対外公表し、外交史料館で閲覧できるようにするということでございます。
 第2は、福山副大臣を長とする外交記録公開推進委員会を新たに設置することにいたしました。ここで、膨大な30年を超えた資料の公開審査の優先順位、或いは非公開部分の是非などについて総合的に判断し、最終的に外務大臣の了承を得るという形にしたものであります。この外交記録公開推進委員会には、外部の有識者も加えて意見を得ることにしております。第1回が6月中旬に開催予定であります。ここで、まず、何から公開していくかということを決めてもらい、最終的には私(大臣)のところで判断するということであります。恐らく日米安全保障に関わる部分を、まず集中的に公開していくことになるのではと思っております。
 第3に、こういった文書管理部門について、体制を人員、組織面で強化をするということで、外務省OBを活用するなどして順次増員することにいたします。現在70人体制を100人体制ということにしたいと考えております。本年夏をめどに文書管理部門の組織を再編し、新たに外交記録情報公開室を設置したいと考えております。
 4番目、最後ですが、文書の作成管理の改善のために、既存の文書管理規則を一部改定する予定であります。また、具体的な文書管理のためのマニュアルの整備や省員の意識改革のための研修の強化、そして、外交史料館の設備の整備などを行う予定であります。こういったことを昨日決めまして、今後、順次実施をしていくということでございます。

(4)ハーグ条約に関するアンケートの実施について

【大臣】最後に、国際的な子の奪取の民事面に関する条約、いわゆるハーグ条約に関するアンケートの実施についてということであります。
 現在、外務省と法務省が中心になりまして、国際的な子の奪取の民事面に関する条約の締結の可能性について検討を進めているところであります。総理からも次期通常国会を1つの目標にして検討を急ぐようにという指示をいただいているところでもあります。
 今般、この条約の締結の可能性を検討する一環として国境を越えた子の移動に関する問題の当事者となった経験のある方からご意見をいただくためのアンケートを実施することにいたしました。この問題に関し、ご意見のある方は、是非、外務省及び関係在外公館のホームページをご覧いただきたいと思います。お寄せいただいた意見を検討の参考にさせていただきたいと考えております。25日に、本日ですが、本省のホームページにアンケートを掲載いたします。それから、関係在外公館、25日以降に随時掲載予定であります。対象となる公館は、ハーグ条約締結国、または在留邦人が1000名以上滞在する国・地域の在外公館で、かつホームページを開設している計121公館であります。

報償費
【フリーランス 上杉氏】外務報償費についてお尋ねします。先月、野中元官房長官が官房機密費、いわゆる内閣報償費に関して「マスコミ陣に渡していた」とTBSの番組で暴露しました。ちなみに野中さんの在任期間は98年~99年ですが、以前、岡田大臣は2000年以前の外務報償費については官邸上納したということについてお認めになって、調査報告をされましたが、その際、マスコミに流れたという点は調査されたのか。そして、また今後、そういう部分での報償費の扱いについての過去に遡っての調査をされる用意はあるのか、お聞かせください。

【大臣】この場で申し上げたと思いますが、「外務省の報償費が外交用務に使われていたことが判明した」と申し上げました。ですから、野中元官房長官がお話になったような、そういったことに使われたとは承知しておりません。外交用務ということであります。

【フリーランス 上杉氏】今後、調査の予定は。

【大臣】ございません。官房報償費の話かと思います。

【ビデオニュース 竹内記者】外交記録に関連してですが、報償費というのも実際に30年後には公開できるように逐一記録を取ってあるのかということと、もし記録をきちんと取ってあって、かつ30年経って他国との信頼関係が損なわれない場合というのは、報償費というのも公開の対象になるのか、お教え下さい。

【大臣】報償費の場合は、個人のプライバシーにも関わりますので、原則公開しないというのが今のルールです。

【ビデオニュース 竹内記者】記録というのは、とってあるのでしょうか。

【大臣】記録はあります。

米軍再編問題
【朝日新聞 鵜飼記者】本日は社民党の福島党首が沖縄を訪問されていますけれども、辺野古に反対ということで、先日、鳩山首相が沖縄に行かれて、辺野古周辺でお願いしたいということを仰っている訳ですけれども、閣内に大きな不一致があるかと思いますが、岡田大臣はどのようにご覧になっていらっしゃいますでしょうか。

【大臣】社民党の考え方というのは、以前から承知しております。ただ、内閣で今、総理が自ら沖縄に行かれて方向性を口にされた訳であります。もちろん、正式に閣内で社民党と調整をしたという訳では必ずしもないと思いますが、内閣の一員として、総理は大変厳しい決断をされたと思いますが、そのことについて、一定の配慮があって然るべきではないかと思っております。

【フリーランス 岩上氏】普天間の移設問題に関連してご質問させていただきます。今朝の亀井大臣の会見の中で、この問題について質問をさせていただいたところ、詳しくご回答いただいたのですが、この問題はまだ完全な決着を見ている訳ではないと、最終決着として、そういうことを言った訳ではなく、まだ、国外或いは県外ということの可能性も含めて追及していく可能性はあるのだということでした。また、連立を組んでいる国民新党、とりわけ社民党の立場は重視されなければならないといった内容の回答を得ました。今、連立を組んでいる社民党の立場についてのご質問がありましたけれども、もう一度その連立を組んでいる2党の見解、首相の言われたことと今、大臣の言われたことと距離があるように思います。この点について、まだ、辺野古以外でのオプションといいますか、可能性といいますか、今後もそれを追及していくのだという言い方との間の開き、この辺についてご回答いただきたいと思います。

【大臣】もちろん、内閣として何か確認をしたり、決定したということは、まだございません。したがって、そういう亀井党首のご意見も出てくるのだと思いますが、いずれにしても、これは月末までは明確になることだと思っています。

【NHK 梶原記者】これから月末になると思うのですけれども、日米間で合意文書を取り交わすということがあると思うのですが、一方で、閣内で明確に反対している閣僚がいるという段階で、日本国政府が他国と合意文書を交わすということは、一見するとできないのかなとも見えるのですが、その辺りのご見解をお願いします。

【大臣】ですから、月内には内閣として一定の結論を得るということは、当然だと思います。

【NHK 梶原記者】そうしますと、月内までに閣内が一致した状況で合意を交わすということが必要だという見解でしょうか。

【大臣】日米の合意文書というものは、現在の方向は2+2です。ですから、私(大臣)と北澤防衛大臣、クリントン国務長官とゲイツ国防長官ということになります。ただ、その文書を内閣として受け入れるということを前提に議論してきている訳ですから、それは内閣が全く関係のないところで、2+2の文書として存在するということは、それは非常に考えにくいことだと常識論として思います。

【時事通信 高橋記者】先週、クリントン国務長官が来られたときに、「米軍の運用上有効で、しかも政治的に持続可能な解決策を見出したい」とクリントン国務長官は仰いました。総理が沖縄に行かれて、辺野古の付近と仰って、それに対して、名護市長ははっきり反対と仰いましたし、知事も厳しいと仰っています。それから、先ほどの質問にもありましたように、連立内の状況もありますけれども、総理が仰った辺野古近辺というのは、本気で日本政府として、政治的に持続可能と考えているのか。そして、それを米側にそのように説明していらっしゃるのでしょうか。

【大臣】もちろん、現時点で沖縄の状況というのは、そういう状況ではないというのは、今、お話になったとおりであります。ですから、政府として、案を決定して、そしてそれをもって沖縄の皆さんのご理解を得る努力を行っていくということだと思っています。

【琉球新報 滝本記者】与党三党の中で、与党国対委員長の間で覚書というものを、まさに午前中の与党国対委員長会議で話をされていて、その覚書の中で県外、国外を引き続き三党連立を固めながら引き続き追及していくのだという内容のようなのですけれども、その辺の与党内での国対委員長会議の中でそういう議論になっているということについては、どのようにお考えなのでしょうか。

【大臣】何か決定的な結論が出たということではないと思いますので、私(大臣)はコメントを控えたいと思います。今、仰ったことも、どのぐらいのタイムスパンで物を考えているのかということもありますし、私(大臣)がそれについてコメントする話ではないと思います。

【琉球新報 滝本記者】嘉手納基地に関連してですけれども、以前にお伺いしたクラスター爆弾の件がありましたけれども、昨日はナパーム弾の改良型の焼夷弾MK77という種類の爆弾が積まれようとして、結局積まれなかったのですが、それは滑走路まで積もうとするような段階まで運ばれていたというようなものが目撃されています。このナパーム弾についても世界的に禁止しようという形の流れの爆弾兵器だと思うのですが、クラスター弾の件も含めて、運用の件で米軍はその使用について明らかにしないということが従来ありますけれども、前回もお伺いましたが、更にその一歩進んで、それを確認できない、向こうは答えないということはありますけれども、そこをどうにか日本政府として、日本の国内で使われている、少なくとも疑いがあるというようなことについてなので、外務省の対応ということで更にお伺いしたいのです。

【大臣】この前、申し上げましたのは、使われているというのは訓練で使われているのであって、実施に使われている訳ではありません。クラスター爆弾にしても、禁止条約というのは実際にそれを使うことを禁止しているということですから、そこは状況は必ずしも同じではありません。ただ、ナパーム爆弾とクラスター爆弾を同一に論ずることは私(大臣)できないと思いますけれども、いずれにしても、一定のセンシビリティを持って米軍には活動してもらいたいと考えています。

【読売新聞 川崎記者】先程、大臣は日米で合意して、その後、沖縄の方の理解を何とか得たいというお考えだと思うのですが、ご存じのとおり、1996年以来14年間、なかなか前に進まない状態が続いてまして、これからまた更に沖縄の合意を得るとなりますと、更に長期化する懸念もある訳ですが、大臣ご自身は、何故ここまで14年かかっても前に進まないのかということと、更に長期化する懸念がないかということについて、現時点での大臣のお考えをお聞かせ下さい。

【大臣】間もなく明らかになることですが、今回の合意案というのは、沖縄の負担を軽減するために、様々な措置が盛り込まれたものであります。そういうことも含めてきちんと説明させていただき、同時に沖縄に基地があることの抑止力としての観点からの必要性ということについても、国民的理解を得る中で、是非前に進めていきたいと考えるところであります。あまり今まで「何のために米軍が存在するのか」という議論も国民的には殆どなされないまま、少なくとも国民の理解を得ないまま来たということだと思います。そういったことも、今回のこの一連のことをきっかけに、国民の理解も大分深まったと思いますので、そういったこともしっかり理解を得ながら、進めていきたいと思っています。

【日本インターネット新聞社 田中記者】普天間についてお伺いいたします。岡田大臣は当初、嘉手納への統合案を仰っておられましたが、辺野古がこれだけこじれにこじれて、普天間が1ミリも動かない可能性も出てきた今、当初の嘉手納統合案、「俺の言った嘉手納統合案の方が正しいではないか」というのは、心をかすめませんでしょうか。

【大臣】1ミリも動かないとは思っておりませんので、なんとか総理の言われた考え方でしっかりとご理解を得たいと思っております。

【フリーランス 上出氏】普天間の関連でお伺いします。今、大変大事なことを言われましたが、国民的論議もないまま、ここまで来てしまったということでした。時間的にそれを遡ってやるというのは難しいですが、どういう合意になるか分からないにしても、これで全て上手くいくということはない訳です。岡田大臣自身がどういう形で国民的な議論をしたり、世論調査の結果をこの前言っていましたが、安保を認めているという前提で言ったと思うのですが、どういう形で国民的理解を得ようと、そういう議論に持っていこうと思っておられるのでしょうか。

【大臣】すでに私(大臣)は、国民的な議論はかなりあちこちでなされていると思います。自衛隊だけでは日本の安全は確保できないと説明している訳ですが、そのことに対していろいろなご意見があると思いますが、私(大臣)は多くの国民の理解は進んだと思います。したがって、米軍の存在というものは必要であるということです。この数ヶ月でそういう議論はかなりなされるようになったということは、私(大臣)は前進だと思っております。

韓国哨戒艦の沈没事案
【NHK 別府記者】北朝鮮情勢ですが、総理が日本独自の制裁ということを言及されていますけれども、実際、なかなか今まで日本がいろいろ制裁をやっているので、メニューが考えにくいのかなとも思うのですが、どこら辺を強化できるのかということと、スピード感ということも必要な問題かと思いますが、どのようにお考えになっていますでしょうか。

【大臣】いつまでにということは、特に決めた訳ではありません。しかし、やはりタイミング等がありますから、そう長く時間をかけて議論することではないと思っています。中身については、今、検討中でありますので、私(大臣)から余り先取りして物は言わない方がいいと思います。

【毎日新聞 西岡記者】哨戒艦事件に関連して、日本政府から北朝鮮に対して、地域の平和と安定を損なうような処置をとらないようにというような北京の大使館ルートを通じた申し入れをされるご予定というのはあるのでしょうか。

【大臣】私(大臣)は聞いておりません。しかし、日本政府の主張というのは、日本政府の発表を見ておれば明らかであります。

【時事通信 水島記者】国連安保理での対応について確認ですけれども、韓国は恐らく制裁決議を目指して、これから行動するのではないかと思うのですが、日本としては、共同提案国になる用意というのは、現時点ではあると考えていてよろしいのでしょうか。

【大臣】韓国もどういうことを目指すのかということをきちんと見極めた上で考えていきたいと思います。まだ、共同提案国とか具体的なことを言うのは時期尚早だと思います。安保理での議論ということになっても、イランの問題もありますから、どのような順番をつけてやっていくかということもあります。メンバー国の状況も見極めなければなりません。余り議論を先走りしない方がいいなと思っています。

【フラーランス 小山氏】米軍と韓国軍の対北朝鮮軍事行動は100%ないと見てよろしいのでしょうか。

【大臣】私(大臣)は予想屋ではありませんので、断言するつもりはありませんが、韓国政府は軍事的なことは考えていないということは明確に言えると思います。

外交記録公開・文書管理

【共同通信 西野記者】外交記録の公開についてお伺いいたします。密約も踏まえてということだったのですけれども、改めて今回、自動的に30年で公開していくことになったことについて、外交と国民の関係や、日本の情報公開や民主主義という観点から、まず、その意義を改めて指摘していただきたいと思います。

【大臣】外交には機密というものは付きものであります。しかし、それがそういった外交機密が必要であるという大義名分の下で、本来行ってはならないことが行われたりすることもあります。一定の年月を経たところでそれを公開することで、そのときの判断が果たして適切だったのかどうかということを検証する、そういうきっかけを与えるのが、私(大臣)は文書公開であると思っております。そして、それは民主主義にとって非常に根幹にわたる重要なことであると思っております。今までも30年ルールはあったのですが、実際には官僚組織の保守性のなせる技といいますか、なるべく出さないという傾向があったことは事実で、それを原則公開ということにしたことで、そして、外部の第三者、或いは政務レベルでの判断ということを挟むことで、飛躍的に公開の範囲は高まったと考えております。この方針をしっかり維持して、後世、検証に耐え得る外交政策というものを是非実現していきたいと思います。

【共同通信 西野記者】普天間問題を巡る昨年以来の経緯なども非常に30年後は楽しみにしておるのですけれども、それはそれとして、

【大臣】その前に手記でも書きますか。

【共同通信 西野記者】その前に、今もあったのですが、官僚の裁量を排して、政務が判断する。その中で、文書の廃棄や非公開について政務レベルで判断する。そういったことを政務レベルで判断したということも情報公開の対象になるのでしょうか。何となれば、いわゆる国会議員がリスクを取るということで制度の信頼を担保していると思うのですけれども、その部分が明らかにならなければ、制度として画竜点睛を書くような気がするのですが、いかがでしょうか。

【大臣】まず、これは政務だけではなくて第三者もかむということも申し上げておきたいと思います。そして、廃棄をするということは、どういうものを廃棄したかということは明確になるようにしなければならないと思います。もちろん、事後的に廃棄したものをチェックすることはできませんけれども、廃棄するのは残す価値がない、保存する価値がないということで廃棄する訳でありますので、そのことが誰のときにどういう文書を廃棄したかということが分かるようにするということは当然のことであります。それから、公開しないということを決めた場合ですが、5年ごとに見直しをしていきます。つまり、30年経って、そのときには公開しないということを決めたとしても、35年には、つまり5年後にはもう一回、そのときの政務なり第三者が判断をするということです。5年ごとにそのことを判断していくということでありますので、当然、実際に35年経って開いてみたら、5年前に何でこんなものを公開しなかったのかということになる訳ですから、そういう意味では公開しなかったこと、或いは廃棄したことの責任ということを当然明示的に負うことになります。

【毎日新聞 吉永記者】政務レベルで判断するということですが、それではその時に役についている人によって、非公開の基準というものが変わってしまうという可能性があると思うのですが、その辺りについては、どのようにお考えでしょうか。

【大臣】「人が変われば多少の変化があるではないか」と言われればそうかも知れませんが、まず、規則に基づいて原則的にはそれは委員会で判断する訳です。その上で政務に諮るということですから、仰ることは論理的には分からない訳ではありませんが、それを言ったら全てのことについて、人間が判断すること全てについて、その人によって違いがあると言えるかもしれません。しかし、「どのような場合に公開しないのか」というのは、ルール上はっきりしているということです。
 もう一度申し上げますと、「規則の第7条、次に各号に掲げる情報が行政文書全部又は一部に含まれる場合は、当該情報の一般の利用を制限することができる。ただし、情報の一般の利用の制限は、必要最小限のものでなければならない。
 一、行政機関情報公開法第五条第一号に掲げる情報(いわゆる個人に関する情報)
 二、行政機関情報公開法第五条第二号又は第六号イ若しくはホに掲げる情報(いわゆる法人等に関する情報、事務又は事業に関する情報)
 三、公にすることにより現在又は将来にわたって具体的に国の安全が害され、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれる又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被ると外務大臣が認めることにつき相当の理由がある情報」ということです。

【朝日新聞 鵜飼記者】外交文書の廃棄についてですが、廃棄をするということは要は保管場所もなかなか足りなくなって、ずっと置いておくのも無理だということで、これまで廃棄の規定、保存期間が何年というのが定められていたのだと思うのですが、最近は電子データでの保存とかいろいろな形での保存が可能になってきていると思うのですが、そういうところを見直されるお考えはないのでしょうか。

【大臣】そういう議論はあり得ると思います。ただ、それにしてもあまり大量にあると、検索するだけでも大変です。ですから、現在も確か3年、5年といくつか内容によって分類しています、単なる連絡事項であるとか、そういうものは30年経たずに廃棄するものもあります。それは、皆さんの会社を考えていただいても、お分かりいただけると思います。全てを保存するというのは非現実的だと思います。




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