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2010.06.18|記者会見

外務大臣会見記録(平成22年6月18日)

外務大臣会見記録(平成22年6月18日(金曜日)16時55分~ 於:本省会見室)

○冒頭発言
(1)キルギスに対する緊急無償資金協力について
(2)カルザイ・アフガニスタン大統領一行の訪日について
(3)外交記録公開推進委員会の第1回会合について
○米軍再編問題
○自衛隊の認識
○カルザイ・アフガニスタン大統領一行の訪日
○民主党の参院選マニフェスト
○スーダンへのPKO部隊の派遣
○エネルギー支援協定
○エネルギー基本計画と核開発
○イランへの制裁
○韓国の哨戒艦沈没事案
○参議院議員選挙
○アフガニスタンにおける邦人誘拐事案

冒頭発言
(1)キルギスに対する緊急無償資金協力について

【岡田大臣】私(大臣)からは3点申し上げます。
第一点はキルギスに対する緊急無償支援についてであります。本日閣議でお決めをいただいたわけでありますが、我が国政府はキルギス南部における民族衝突により発生した難民・国内避難民に対して、50万ドルを上限とする緊急無償資金協力を行うことを決定いたしました。我が国としては赤十字、国際委員会及び国連難民高等弁務官事務所と協力をしながら、支援を早急に実施する予定でございます。各国がそれぞれ行っている中で、我が国としても支援を決めたところでございます。

(2)カルザイ・アフガニスタン大統領一行の訪日について

【大臣】2番目はカルザイ・アフガニスタン大統領一行の訪日に関してであります。昨日は総理と会談を持ち、そして、良い意見交換が行われたと思います。私(大臣)も昨日は蔵相、大統領に対する表敬を行い、その後、総理との首脳会談に同席をいたしました。本日はラスール外相と外相会談を行ったところであります。アフガニスタンに対する支援は、昨年、鳩山総理の下で5年間最大50億ドルという大きな金額を決定させていただきました。大きな金額だけに、それがしっかりとアフガニスタン国民のために使われ、国の再建に役に立つということが極めて重要であります。そういう観点で外務大臣にも申し上げ、そしてアフガニスタン政府の治安とかガバナンスといったことが非常に重要な段階を迎えている中で、是非今後アフガニスタン政府が中心になって、国の再建について具体的なプランを示してもらいたいし、7月20日のカブール会議に向けて、より具体的なとりまとめに当たってもらいたいと申し上げました。ラスール外相からは頻繁に連絡をよくとり合っていきたいと私(大臣)にお話があったところであります。

(3)外交記録公開推進委員会の第1回会合について

【大臣】3番目は、昨日発表いたしました外交記録公開推進委員会の第1回会合でありますが、それを受けまして、私(大臣)のところで昨日の委員会を踏まえて確認をいたしました。沖縄返還交渉、日米安全保障条約改定交渉について38冊の行政文書ファイルについて、近々これを発表するといいますか、外交史料館に移管し公開する予定であります。若干の実務的な作業が残っているということですが、そう日を置かずに移管、公開したいと考えております。
30年以上経過をしたものが約2万2,000冊あります。これについて、順次優先順位を付けて作業を行っていくわけであります。そういった作業を昨日も第三者も入れて検討していただいたわけでありますが、大まかな目途としては年間6,000~7,000冊の作業を完了し、順次公開していきます。それを考えますと、3~4年ということで今までの在庫といいますか、30年以上経っているというものが大体完了するわけで、それ以降は毎年30年目を迎えるものについて公開していくということで、3~4年でそういった本来の正常な姿に持っていきたいと思っているところでございます。

米軍再編問題
【NHK 禰津記者】先ほど大臣は官邸で菅総理大臣、北澤防衛大臣とお会いになってお話になっていらっしゃったと思うのですけれども、お話になれる範囲でどのようなことをお話しされていたのでしょうか。

【大臣】普天間の問題について、状況の説明、今までの経緯の説明を中心にいたしました。それ以上のことは申し上げられません。

【琉球新報 滝本記者】前回、お伺いした中で、普天間に関連して、関係閣僚との話し合いはまだ始めていないと大臣は仰られたと思うのですが、その意味では本日、北澤防衛大臣と総理とお会いになられたというのは、そういう意味での意思疎通のスタートという受け止めでよろしいのでしょうか。

【大臣】今までの状況について、経緯についてお話をしたということであります。それ以上のことは、私(大臣)は申し上げておりません。

【朝日新聞 鵜飼記者】菅総理大臣は、普天間に関して新しい体制をつくって取組んでいかれるというお話をされていますけれども、今日の会合ではそういったお話し合いはされたのでしょうか。或いは目途が立ってきたようなことはあるのでしょうか。

【大臣】先ほど申し上げたとおりです。それ以上のことを私(大臣)は申し上げるつもりはございません。

【琉球新報 滝本記者】本日閣議決定されました答弁書の中で、高市早苗さんの普天間に関連するものですけれども、その中でのお話で普天間移設について、「共同発表に基づき普天間飛行場の移設計画の検証及び確認を進めていくとすることにしている」と書かれてあるのですけれども、移設計画の検証と確認というのが少し具体的なイメージがというか、そもそも8月末まで工法の具体的な検討とかは、これから進めていくことだと思うのですけれども、移設計画の検証と確認というのはどういうことになるのでしょうか。

【大臣】文書を覚えておりませんけれども、共同宣言の線に沿って書かれているものであります。

【時事通信 高橋記者】8月末までに工法や施設の具体的位置を決めるという検討ですけれども、昨日今日とキャンベル次官補も来られましたし、それから今週は総理と沖縄の知事が会ったりしていますけれども、こういう節目を踏まえて、この技術的な検討がどのように進むか、今のところでの段取りはどうなっていますでしょうか。

【大臣】これは専門家による技術的な検討ということでありますので、まさしく専門家による検討で、書かれたとおりであります。

【時事通信社 高橋記者】専門家の今のスケジュール的なことをお尋ねしているのですが。

【大臣】それは特に申し上げるべきではないと思います。そこに書かれたとおり8月末ということが、一つの目標とされている期限でありますけれども、それ以上のことは私(大臣)から特に申し上げることはありません。これから追々、政府の中で相談してやっていくということになると思います。

自衛隊の認識
【週刊金曜日 伊田記者】自衛隊の認識についてご質問いたします。カルザイ大統領の件に絡んだ火曜日の記者会見で、岡田大臣は、そういう中で、「今、日本は軍を出しておりませんし」というように、「軍を出していない」という表現をされました。現行憲法の中で日本国家は軍を持っていないと思いますけれども、この発言の真意についてお聞かせください。

【大臣】日本に軍隊はないわけですから、軍隊を出してないことは間違いないですね。

【週刊金曜日 伊田記者】今、出してないということは、かつて出していたと解釈するのが通常だと思いますけれども、これは単に自衛隊のことを言い間違っただけなのか、それだったら、そういうように訂正していただければ済むだけの話だと思いますけれども、これがこのまま例えば外務省の公式ホームページにずっと残っていると、岡田大臣は自衛隊というのは軍というように認識をしているのかといぶかる声というのが強まる可能性もあると思いますけれども、いかがでしょうか。

【大臣】ご親切にありがとうございます。もちろん、自衛隊は軍隊ではありません。ただ、実力組織という意味で申し上げました。

カルザイ・アフガニスタン大統領一行の訪日
【共同通信 斎藤記者】アフガニスタン支援の関係でお伺いします。前回の記者会見のときにも質問させていただいたのですが、50億ドル支援、かなり規模が大きくなりますが、これは国民の税金から出ているわけですから、納税者の立場からすれば、透明で、しかも適切な使われ方をしているという確認が欲しいと思うのは当然のことではないかと思うのですが、そこをどう担保していくか。この点について今回一連の外相、財務相の会談で、何か具体的な枠組みづくり、或いは現地の受け入れ体制づくり等々について、何か合意、前進があったとすれば、その部分について解説願いたいと思います。

【大臣】もちろん、アフガニスタンにお金を出すときには、それぞれ外務省としてその旨発表するというのは当然そういったことになるわけであります。そういったこと以外に何かもう一段踏み込んだものができないかどうか。本日もラスール外相の方から、むしろ彼の方から日本国民にわかりやすい説明の方法というのがないのか、自分としてはいろいろ考えていて是非相談したいというお話もありました。私(大臣)は、それはいいお話だねと、まずお互い事務方によく検討させようとお答え申し上げたのですが、アフガニスタン側も、我々が何度も何度も言ったこともあると思いますけれども、それがきちんと使われていると、有効に役に立っているということを日本国民に説明しなければいけないのではないかという気持ちを持っているということは本日、改めて確認できましたので、その上でどういうことがあり得るのかよく考えてみたいと思います。

【オンライン・インターナショナル・パキスタンニュース  ムハマド記者】カルザイ大統領と具体的に何をお話ししたのか。それから、場合によって、自衛隊をアフガニスタンに送る可能性はあるかどうか。もしくはインド洋に送る可能性はあるかどうかを教えてください。

【大臣】カルザイ大統領と何をお話ししたかということは、外務省として発表しておりますので、それを是非ごらんいただきたいと思います。それ以上のことを私(大臣)は申し上げるつもりはございません。自衛隊を今アフガニスタンに送るという話は考えておりません。アフガニスタン側からも、むしろ日本の民生支援ということに対して、感謝の言葉を述べられたわけでありまして、日本として自衛隊をアフガニスタン本土に送るということは考えておりません。インド洋に送るということについても、今そういう話は具体的にございません。むしろ我々はそれを止めたわけでございますので、そういった話が政府の中で議論をされているということは、今はございません。

【オンライン・インターナショナル・パキスタンニュース ムハマド記者】カルザイ大統領の訪日についてですが、発表の中に「グッド・ガバナンス」という言葉がありますが、実際具体的に「グッド・ガバナンス」はどういう意味で、何を話したかということを知りたいのですが。それから、近い内に岡田外務大臣は、パキスタンやアフガニスタンを訪問する予定があるかどうか、それについても話をしたかどうか教えて下さい。

【大臣】「グッド・ガバナンス」というのは、我々が支援していく中で、「国民、そのタックスペイヤーが納得できるような使い方をしてもらいたい」という議論の中で「グッド・ガバナンス」ということも出たと思います。それから、もう一つは、やはり和平ジルガがあって、これから国家の再建に向かう訳ですが、そういう中で治安の問題、汚職の問題とかいったことについて、きちんとやっていただきたいと我々は思っておりますので、そうい議論の脈絡の中で出てきた言葉であります。私(大臣)がパキスタン・アフガニスタンに近々行く予定があるかと言われれば、先のことはわかりません。ただ、カブール会議が7月20日に開催をされますので、国会とかいろいろなことが考えられますが、日程的にうまく合うのであれば、私(大臣)自身がカブール会議に出席をしたいと思っているところです。具体的なことははまだ決まっておりません。

民主党の参院選マニフェスト
【読売新聞 石川記者】外交の話ではないのですけれども、消費税に関してですが、昨日、総理がマニフェスト発表会で消費税について言及されまして、自民党の公約にある10%を念頭に、税率について今年度中にとりまとめたいというようなお考えを示されましたけれども、参院選の直前にこういったお話をされたことの受け止めと、参院選への影響についてお聞かせください。

【大臣】それは総理がお考えになった上でお述べになったわけですから、私(大臣)からそのことについて何か異論を述べるつもりは全くございません。それから、私(大臣)の持論は、もちろん、歳出削減の努力は不可欠だけれども、それだけではやっていけないということです。したがって、将来的には増税ということを考えるべきで、その増税というときに、私(大臣)は炭素税と消費税ということを具体的に申し上げているわけではあります。もちろん我々の公約もありますので、総選挙を経ずに上げるということになると、これはいろいろな議論が出ると思いますが、総理はそこまで言っておられないと、総理の発言を見て思っております。今年中に検討すべきかどうかは、いろいろな議論があると思いますが、具体的に消費税の中身について議論するということは、私(大臣)は必要なことだと思います。1年前の党首選挙を思い出していただければ、私(大臣)はそういったことを主張したわけでございます。

【フリーランス 安積氏】昨日、発表されましたマニフェストについてお聞きしたいのですけれども、マニフェストの中で領土問題についての記載がございません。これまで竹島問題とか領土問題につきまして、政府答弁で平和的解決を図るために粘り強い外交努力を行っているというように大臣の方で決裁されていると思いますけれども、民主党政権の外務大臣としまして、マニフェストに記載されていない領土問題のことにつきまして、お考えをお聞きしたいのですけれども。

【大臣】マニフェストは限られたボリュームの中で、ある程度、重点を置いてつくられているものでありますので、領土問題がそこに書かれていなかったとしても、領土問題の重要性について、後ろ向きであるということは、もちろんありません。

【フリーランス 安積氏】それでは、重ねて質問しますけれども、そうしましたら、マニフェストに書かれているものが優先順位が高いものであって、領土問題はそれよりも低いものということになりますでしょうか。

【大臣】必ずしもそういうように考える必要はないと思います。

【フリーランス 安積氏】そうしましたら、マニフェストの中で外交・安全保障についての一覧があるのですけれども、この中で「菅直人HISTORY」という、菅直人首相の写真つきの「初当選。政界へ」というようなものがありますが、これの優先順位がどういうようになっているのか。

【大臣】それは、マニフェストは、レイアウトとかそういうことも含めて、最終的に党が作ったものなので、ですから、この写真がいいかどうかというのは人によるわけですから、党としては、これが適切であると判断したということです。

【フリーランス 安積氏】それでは、党としてはこちらの方を優先して、少なくとも優先順位が上かどうかはわかりませんが、掲載の上の優先順位は上であるということなのですか。

【大臣】領土問題と比べてですか。そういう比較は、私(大臣)は余り望ましくないと思います。全体のレイアウトで、こういう形でほかの場所もなっているのですね。この写真が、これは②ですから、たしか4つぐらいの写真があったと思うのです。ですから、これは最初からそれなりのスペースに、前提として残ったスペースの中で何を書くかということだと思います。

スーダンへのPKO部隊の派遣
【朝日新聞 山尾記者】スーダンへのPKO部隊の派遣を検討するための調査団を5月に派遣されましたけれども、検討の結果、結論は出たのでしょうか。また、一部報道では、防衛省が治安の悪化などを理由に、派遣は困難であると関係各省庁に伝えたという報道もありますけれども、事実関係はいかがでしょうか。

【大臣】まだ検討中です。結論を出しておりません。

【朝日新聞 山尾記者】防衛省から通達があったかどうかという点についてはいかがでしょうか。

【大臣】政府としては検討中です。それ以上のことを私(大臣)が申し上げるべきではないと思います。

【朝日新聞 山尾記者】スーダン南部の住民投票については国際的な関心も高いと思われますが、大臣としてはスーダンへPKO部隊を派遣する意義についてはどのようにお考えでしょうか。

【大臣】ですから、今、政府の中で検討しているときに、余り個々の大臣がいろいろなことを言わない方がいいと思います。ですから、PKOの派遣について、私(大臣)は申し上げるつもりはありません。ただ、今回のスーダン南部における、これは独立の可否を問うような選挙になってくる訳でありますので、スーダン自身にとっても、それから、アフリカにとっても非常に重要な選挙であることは間違いないと思います。

エネルギー支援協定
【琉球新報 滝本記者】昨日、沖縄の県知事が上京されて、ハワイとの間のエネルギー支援の関連で協定を結ぶ式典がありましたけれども、そのことと、日米共同声明の中で「緑の同盟」でエネルギーの問題に触れられた箇所がありましたが、それは何かリンクしたような、関係したような意味合いのものなのでしょうか。

【大臣】すみません。私(大臣)、そこまでは気が回っていないので、わかりません。そういうように考えれば考えられないわけでもありませんが、即答できません。大きく言えば、そういうことは言えるかもしれません。

【琉球新報 滝本記者】それを意図して共同声明に盛り込んだということではないのでしょうか。

【大臣】それは、必ずしもそういうことではありません。ただ、これからそういった温暖化問題といいますか、エネルギー問題に関して、日米間でさまざまな局面で協力していくということは非常に大事なことでありますので、今回のことも、そういうことの一環であると言えなくもありませんが、特に意識して、日米合意と余り結び付けない方が私(大臣)はいいのではないかと思います。

エネルギー基本計画と核開発
【週刊金曜日 伊田記者】先ほどの温暖化防止、エネルギーとの関係もあるのですけれども、本日の閣議で、原発の増設計画が決められたと思います。現在、日本は核燃料サイクル政策を取っておりますので、使用済核燃料からプロトニウムを抽出しております。そうなると、原発が増えれば増えるほど余剰プロトニウムができます。そうなるときに、プロトニウムは容易に核兵器に転換できますので、諸外国から日本はひょっとしたら核武装する気があるのではないかというような疑いをより持たれることが危惧されるのですけれども、日本政府として、そういった危険性はないという説明をどういったように努力されていくおつもりなのか、お聞かせください。

【大臣】それは、厳しいIAEAの監視下にあるということでありますので、今、そういう疑いを持っている国があるというように私(大臣)は認識をしておりません。非常にオープンに監視を受けているということであります。

イランへの制裁
【NHK 禰津記者】イランへの制裁についてお伺いしたいのですけれども、国連の安保理の決議の制裁が出た後、米国とEUがそれぞれ単独での制裁を出して、こうした単独での制裁に対しては、反対の立場を唱えている国もあると思うのですけれども、日本としてどのような対応を取るのか、その辺についてお伺いできますでしょうか。

【大臣】EUの方は、まだ具体的にというところまでいってないと思います。それが明らかになったところで、日本政府としても、米国、EUのそれぞれの追加的制裁の中身をよく精査して、日本として何か追加的にやるべきことがあるのかどうか判断したいと思っています。現時点では、何も決めていません。

韓国の哨戒艦沈没事案
【共同通信 斎藤記者】哨戒艦沈没の関係ですが、調査結果が発表されてから相当時間が経っているわけですが、当の被害国である韓国の方から安保理に対して具体的にどのような文面といいますか、どういったメッセージを安保理から出してもらえばいいかという点において、まだ、具体的な方針というものが出てきていないように、少なくともメディア、或いは韓国の当局者の発言を見ると、明確なものはまだ出てきていないというように受け止められます。そうした中で、日本は韓国をしっかり支援していくということですが、ざっくり言って、いわゆる拘束力のある決議案を基本的には求めていった方がいいのか、それともやはり常任理事国、ロシア、中国もあるので、その辺も配慮しながら、全体としてもう少し穏やかなところで落としどころを探っていくべきなのかどうか。大きな方向性について、今、仰られる部分があれば、ひとつお示しいただきたいと思います。

【大臣】何か申し上げることはございません。韓国政府とは緊密に連絡を取りながら、それは両国政府間もありますし、ニューヨークの国連の場においてということもありますが、緊密に連携を取りながら、どういったことが最も望ましいのか、日々いろんな状況が変わりますから、そういったことを踏まえながら、極めて緊密に連絡を取り合っているという状況です。

【共同通信 斎藤記者】大臣は前回の記者会見でも、こうしたことが起きないようにと、再発防止について触れられたと思うのですが、もし、仮に国連安全保障理事会で、再発防止を担保するような成果物を出すとすれば、それは一定の拘束力を持つものになると、必然的に考えられるわけなのですが、個人的には、そうしたものをお考えなのでしょうか。再発防止という観点から。

【大臣】前回申し上げたことがぎりぎりです。それ以上のことを申し上げるつもりはありません。それから、拘束力がある、ないというのも、それは別に再発防止ということでは、どちらも可能だと思いますからと言うと、では拘束力がないものを目指しているのかというように勘繰られても困りますので、私(大臣)はこれ以上申し上げませんが、いずれにしても与えられた状況の中で、ベストのものを目指すという考え方だと思います。

参議院議員選挙
【フリーランス 上出氏】先ほどの参院選と少し関係があるのですが、自民党が今度国民投票法が成立したことを受けて、憲法改正ということを打ち出しております。主要閣僚として、この辺についてどのように見ておられるか。民主党はその辺踏み出すというようなことはないのかどうかお聞かせ下さい。

【大臣】憲法改正というのは国にとって非常に重要なテーマでありますので、日々議論を行っていくことは必要だと思います。ただ、今この参議院選挙で中心のテーマにすべきかどうかというと、私(大臣)は必ずしもそうとは思っておりません。民主党の中でもさらに議論は必要ですし、私(大臣)は、憲法改正の方向性、中身について、自民党も一つにまとまとまっているというようには思えない訳であります。もちろん問題提起をされるのは意味のあることだと思いますが、私(大臣)は今回の参議院選挙で議論されるべきことは他にもたくさんあるというように考えております。

【週刊金曜日 伊田記者】「参院選で他に議論すべきことはたくさんある」と言われたことに関連してお聞きします。特に外交面でどういったことが議論になり、国民の間で議論が深まることを期待されているか、お聞かせ下さい。

【大臣】外交というのは、なかなか選挙でテーマになりにくいのです。私(大臣)も外務大臣ですので、この前も五つの選挙区を週末に回りまして、いろいろ話をしてみました。日米同盟の話をした場合もありますし、その他いろいろ試みて反応をみて、これから選挙戦の最中に訴える外交テーマを決めようと思っている訳ですが、なかなか反応が今一歩なものですから、やはり外交というものは街頭演説で訴えるテーマとしてはどうなのかなという感じはしています。しかし、外務大臣ですから、必ず一つは外交をテーマとして取り上げようと思います。争点として、各政党間で、例えば自民党と民主党の間で外交が大きな争点になるかというと、もちろん普天間の今日についての批判とか、そういうことは自民党から当然出るのだと思いますが、残念ですが、前向きに何か具体的な争点として議論されるようなテーマがなかなか思い当たらない感じです。

【NHK 別府記者】「緊密で対等な日米関係」というのが、昨年注目をされたことだと思いますが、今回の参院選では、その部分はどう位置付けられていくのでしょうか。

【大臣】今回は「緊密で対等な日米関係」というのは、「日米地位協定の改定を提起します」というところで、「緊密で対等な日米関係を構築するため」ということで出てくるので、見出しとしては出てきていない訳です。これは鳩山前総理の下で作られたマニフェストで、「緊密で対等」という表現が使われたと思います。今回も全く使っていない訳ではありませんが、実は、私(大臣)自身が鳩山政権の外務大臣ということを離れて、過去に「対等な日米関係」という言葉を使ったことはほとんどないと思います。それを言うということは「今、対等ではない」というように認識されかねないので、私(大臣)としてはあまり使いたい言葉では、実はございません。もちろん、総理がそういったことを言われるのであれば、閣僚としてそれに従うのは当然でありますが。

アフガニスタンにおける邦人誘拐事案
【フリーランス 畠山氏】3月末からアフガニスタンで行方不明になっている常岡浩介さんの件についてお伺いします。先日、毎日新聞が常岡さん本人に電話取材をして、常岡さんが無事であるという報道がなされました。また、本日、都内で講演した、アフガニスタンのカルザイ大統領が常岡さんの安否について、「詳細は話せない」としつつも、「良いニュースがあると強く期待している」と述べられたと、MSN産経ニュースが報じています。これまで外務省はこの件について一切コメントしないという立場を取られてきましたけれども、常岡さんの安否について外務省で確認できているのか、いないのか。現在も一切コメントしないという立場なのか、もし何か話せることが出てきているのだとすれば、お話しを頂けないのでしょうか。

【大臣】コメントはございません。




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