夕刊フジコラム「ズバリ直球」10年6月23日号
あす24日、参院選が公示される。わが民主党は単独過半数の獲得を目指して、全党一丸となって戦う決意だ。菅直人首相がトップに立ち、枝野幸男幹事長、玄葉光一郎政調会長、蓮舫行政刷新相といった清新な顔ぶれがそろったことで、政権交代を実現した時の期待感が国民の間に戻ってきたと感じる。
もちろん、国民新党との連立は大事にする。ただ、両党で過半数を割り込めば、新しい連立パートナーを探すことになり、民主党らしい政策があいまいになる。「今度こそは」という国民の声に応えるためにも、私も外相の公務の合間を縫って、候補者応援のため全国を駆け回るつもりだ。
一部では「政権交代しても何も変わらない」という批判も聞くが、とんでもない。誤解されている部分もあるが、政権交代から9カ月、政治は着実に変わってきている。外務省でも「外交密約の解明」「外交文書の30年自動公開ルールの導入」「記者会見のオープン化」「女性職員の勤務環境改善提言」など、次々に新しい施策を推進してきた。
選挙戦においては、外交に対する国民の関心は必ずしも高くないが、外交が極めて重要であることは言うまでもない。国民の平和と安全を確保するために、日米同盟がいかに重要か。アジア全体を平和で豊かにすることで、日本をどう豊かにするのか。みなさんに伝えていきたい。
こうした率直な思いは、この連載コラム「ズバリ直球」とともに、HP上で週2回ほどブログとして更新している。ビデオカメラに向かって話したものを文章化したものだが、2006年にスタートして約400本になる。
そのうちの85本を選んで加筆・修正し、あす24日、『岡田語り。』(武田ランダムハウスジャパン、税込1500円)として出版する。政権交代から外交、国際政治の話、地元選挙区や学生時代の話、プライベートなど盛り沢山の一冊となっている。機会があれば、ぜひ、ご一読いただきたい。
さて、注目のサッカーW杯デンマーク戦が25日未明に行われる。何としても、日本代表には決勝トーナメント進出を果たしてほしい。
特に、岡田監督は同じ名字でもあり、以前から個人的に応援してきた。政治の世界もそうだが、負けが込むとすぐ「辞任・解任論」が浮上してくる。いろいろ理由はかもしれないが、人を育てるためにも、少し長い目で見守ってほしい。
岡田ジャパンの活躍を心から期待したい。
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