外務大臣会見記録(平成22年7月16日)
外務大臣会見記録(平成22年7月16日(金曜日)15時50分~ 於:本省会見室)
○冒頭発言
(1)フィヨン仏首相表敬について
(2)ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動の継続について
(3)外交日程について
○カブール会議
○ASEAN地域フォーラム(ARF)
○米軍再編問題
○北朝鮮情勢(日韓併合100周年)
○国家戦略室
○東アジア共同体構想
○閣僚の資産公開
○スーダンへのPKO部隊の派遣
○薮中事務次官の訪中
冒頭発言
(1)フィヨン仏首相表敬について
【岡田大臣】まず、フィヨン首相を私(大臣)が表敬したわけですけれども、約30分間非常に有意義な意見交換ができたと思っております。それに先立って、菅首相と非常に充実した、特に経済の問題を中心に意見交換をされたと聞いておりますが、私(大臣)に対して、これは昨日のイギリスのヘイグ外相も同じなのですが、日本に対する関心がやや薄れていたかもしれないが、日本とフランスの重要性ということを改めて認識をし、しっかりとした関係を作っていきたいと仰っていただきまして、私(大臣)からは、それは日本が、総理大臣、外務大臣が毎年のように替わってきたということもその一因ではないかということも申し上げ、首相ご自身は日本に対して非常にご関心の深い方でありますので、日仏間のいろいろなレベルでの交流というものをしっかりと深めていきたいと申し上げたところであります。その他、アフガニスタンの支援の問題でありますとか、イラン、アフリカの開発問題、その関係で革新的資金調達、フランスは大変関心の深い問題でありますが、そういったことについて意見交換をしたところであります。
(2)ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動の継続について
【大臣】本日の閣議でソマリア沖やアデン湾における海賊対処行動の継続について閣議決定されたわけであります。今回の閣議決定は、7月23日で期限が切れる現行の海賊対処行動を更に1年間延長するものであります。私(大臣)からも発言をいたしましたが、ソマリア沖やアデン湾における海賊事案というのは、我が国だけではなく、国際社会にとって引き続き大きな脅威であるということで、海洋国家、貿易国家である日本にとって、海上航行の安全確保は極めて重要な課題であり、我々も参議院のマニフェストにおいても、自衛隊などの海賊対処行動を継続すると書いたわけでありますが、各国からも高い評価を受けている自衛隊による海賊対処行動について、日本国民の生命、財産の保護、海上輸送の安全確保の観点から極めて重要であるということを、私(大臣)の方からも発言をさせていただきました。閣議で異論なく決まったところでございます。
(3)外交日程について
【大臣】私(大臣)自身の来週の日程でありますが、7月20日(火曜日)から25日(日曜日)までの日程で、アフガニスタン、ベトナム及びラオスを訪問するということにしております。アフガニスタンでは、カブール会議への出席、ここにおいてはアフガニスタン政府が表明してきた国づくりの方針の進捗状況、あるいは今後の目標、国際社会の関与のあり方について議論をする見通しであります。
そして、その後、ベトナムで日ASEAN外相会議、ASEAN+3外相会議、EAS参加国非公式外相会議、日メコン外相会議、ARF閣僚会合といった一連のASEAN関連の会議に出席いたします。そして、同時に、バイの会談といいますか、各国の外務大臣が集まっておりますので、かなり数多くの外相会談を行う予定にしております。
併せてベトナムには、単に会議に出るというだけではなくて訪問するということで、ベトナムの首脳との会談、それから、ラオスも同じでありますが、有益な意見交換をしてきたいと考えているところでございます。
カブール会議
【NHK 禰津記者】先ほどの外遊の件ですけれども、アフガニスタンのカブール会議の出席についてですが、これまでアフガニスタンの復興支援会合はなかなか国会の日程などもあって、大臣は出席できなかったこともあると思いますが、今回はご出席されて、改めて、どういった日本としての立場を直接ご説明されたいか。その意気込みなどについて、お伺いできますでしょうか。
【大臣】先般もカルザイ大統領は日本にお見えになりまして、さまざまな意見交換をしておりますが、今回のカブール会議は、もちろんアフガニスタン政府から国際社会に向けて、自分たちがどういったことを行うのかという発信であるとともに、多くの国の外務大臣が参加をしておりますので、そのことを受けて、国際社会がしっかりとアフガニスタンを支えるということを内外に明らかにするという会議だと認識をしております。したがって、私(大臣)からもそういう観点に立って、日本の具体的支援についてお話をしたいと思っております。5年間最大50億ドルというのがありますけれども、例えばタリバン兵士の社会復帰の問題などについても日本政府として積極的に取り組んでいくことを申し上げたいと思います。やはりガバナンスとか、腐敗防止とか、そういうことも重要ですけれども、これは先般、カルザイ大統領以下、財務大臣や外務大臣がお見えになったときに申し上げたのですが、そういうことはもちろん国民の税金ですから大事なことですが、同時にやはり今のアフガニスタンの政権を信頼し、そして、しっかり我々が支援するということをメッセージとして発信したいと思います。あまりに手足を縛るようなことばかり言っていても仕方がないといいますか、もちろん、いつまでも国際社会は寛容であるということはないと思いますが、今のこの厳しい時期にしっかりと我々が支援するということを明確に発信することが非常に重要なことではないかと思っております。
ASEAN地域フォーラム(ARF)
【共同通信 斎藤記者】外遊というくくりでお伺いします。
【大臣】外遊という言葉はあまり好きではないので、なるべく使わないでください。
【共同通信 斎藤記者】では、出張にしましょうか。アフガニスタンではなくて、ARFの方ですが、お話の中にもARFに出席した際に、さまざまなバイ会談があるだろうという話でしたが、その中で、今回、北朝鮮の外相、朴宣春も出席するということを既に先方も表明していると記憶しておりますが、現地で日朝外相会談を開催するという希望を大臣はお持ちかどうか、呼びかけるご意思があるかどうか、この点をお聞かせください。
【大臣】今、具体的なことは何も決まっておりません。
【共同通信 斎藤記者】決まっていないとは思うのですが、岡田大臣の今のご自身のお気持ち、機会があれば、朴宣春外相と話したいのかどうか、お気持ちについてお伺いしたいと思います。
【大臣】これは、どこの国と話をしたいとか、したくないとか、そういうことは事前には言わない方がいいと思います。それは、相手もあることですし、周りの国々もあるわけですから、決まったときにお話ししたいと思います。
【NHK 別府記者】斎藤さんの質問の関連ですが、朴宣春外相と同じ部屋にいることになるわけですけれども。
【大臣】同じ部屋。
【NHK 別府記者】同じ会議場になりますけれども。
【大臣】それは、そうでしょうね。同じところに泊まるのかと思った。
【NHK 別府記者】同じ会議場にいることになりますが、それで、ARFというのはご存じのように、北朝鮮が唯一参加している多国間の枠組みですけれども、接触ということの際に、当然すれ違ったり、人と話しているときに、話の輪に入ってくるということも想定されますが、その場合の対処の方針というのは何かございますか。
【大臣】自然体です。あとは結果をお伝えしたいと思います。
【共同通信 斎藤記者】同じ関連の質問で恐縮ですが、実は今、大臣のご発言を聞いて、若干、私は意外に思ったのですが、つまり、この状況の中で北朝鮮と接触するということは、核実験、そして韓国の哨戒艦沈没、さまざまなことを起こしてきた北朝鮮に対して、日本は追加制裁、厳しい姿勢を示してきました。そうした中で、北朝鮮の外相と会うという前提そのものが、私はないのではないかと(思っておりましたので)、したがって、大臣はそうした可能性はないとお答えになるかと、私は予測していたのですが、若干違うので、そうするとその可能性は完全に否定できないのではないかと、私はそういう意識を持ったのですが、その点でもう一回確認してお伺いするのですけれども、会わないという考えはないのですか。
【大臣】これはどなたであれ、絶対に会わないと事前に公言するのは、私(大臣)は失礼だと思いますので、先ほどのお答えで尽きていると思います。
【NHK 別府記者】ちょっと観点は違いますけれども、ARFの場及びその前の各種ASEANの会合で、先の哨戒艦の沈没事件を受けて、日本としては北朝鮮の攻撃という立場ですので、各国にどのようなメッセージを大臣として呼びかけ、どのようなメッセージに対して同調を求めたいとお考えでしょうか。
【大臣】基本的に、これはある種、妥協の産物ではありますが、国連安保理における議長声明も出たわけでありますので、そのことを基本に議論することになると思います。もちろん、直接の当事者である韓国もいるわけですので、韓国がどのように言われるかということもあると思います。ただ一方で、ここが非難合戦だけになってしまってもいかがかと思っております。つまり、この問題以外にも議論すべきことはたくさんあるわけなので、基本的には我々、今回も天安号事件というのは誠にひどい話だと思いますけれども、しかし、それだけで年に1回の機会を非難するだけで終わってしまうということもいかがなものかとも思っております。
【共同通信 西野記者】バイ会談の関係ですけれども、北朝鮮という話に集中していますが、クリントン米国務長官や韓国や中国の外相も来るのですけれども、こういったところとも外相会談をやっていく方向だと考えてよろしいのですか。
【大臣】今、さまざま調整を行っているところであります。決まった段階でお話したいと思います。ほかにもASEANの国々からも外相が来られますし、そういった機会を最大限に生かしたいと思っております。
【共同通信 西野記者】米国の当局者は、クリントン米国務長官のアジア歴訪に関連して、日米外相会談が行われると、普天間問題も含めて幅広く議論が行われるだろうという見方を示しているのですけれども、日本政府の方はまだ調整中ということで、なかなかうまく調整が進んでないということなのでしょうか。
【大臣】米国は、よくお喋りになるなとは思いますが、まだ時間が設定できないのです。ですから、決まり次第ご連絡したいと思います。基本的にやる方向であることは間違いありません。
【NHK 別府記者】ARFの関係で、天安号の事件に関して日本のメッセージというのがあると思うのですが、ARFという場はどうしても数も多いですし、日本とは違うスタンスの中国もいますし、ASEANの国を見てみましても10ヶ国とも北朝鮮と国交もあります。この会合の中で北朝鮮に対する日本の立場というのに同調を得ていくというのは、なかなか簡単ではないと、なかなか全員が「そうだ、そうだ」と、「日本、米国や韓国の言うとおりだ」ということにならない会議だなという認識はお持ちでしょうか。
【大臣】それはどのレベルのことを求めていくのかということにもよると思います。ですから、議長声明がなされたということ、これは安保理で決まったことに基づいて議長声明が出されている訳ですから、その線のことであれば、これは多くの国が当然賛同されると思います。
米軍再編問題
【共同通信 比嘉記者】クリントン米国務長官との会談の見通しがあるということですが、今の時点で普天間問題について日米の外相でお話になるとすれば、どのような内容になるのでしょうか。
【大臣】現状について、日米の合意がある訳ですから、その状況についてお話することになるかもしれませんが、非常にまだ実務的な議論ですので、あまり中身に深く立ち入った話をすることにはならないのではないかと思っています。
【フリーランス 上杉氏】普天間問題について質問します。5月28日の日米合意では、8月末日までに、いわゆる工法決定、代替施設の位置、配置及び工法に関する決定を行うと、検討の完了を行うとなっているのですが、何をもって完了とするのかというのをもう少し具体的にお聞かせいただけますか。
【大臣】まず、8月末までというのは専門家の検討です。それ以上でもそれ以下でもございません。専門家がその専門性に基づいて技術的可能性を検討するということです。その結果としての工法とか場所というものが出てくるということです。実際に決まるのは2+2の場ですから、それまでにはさまざまな政治的なことも含めて、あるいは沖縄の受け入れ可能性とか、そういうことも勘案しながら政府としての決定になっていく訳ですが、あくまでも8月末は専門家としての結論というように考えて頂きたいと思います。
【フリーランス 上杉氏】その専門家の決定というのは複数案という可能性はあるのでしょうか。
【大臣】まだ議論している最中ですから、あまりいろいろなことを申し上げない方がいいと思います。ただ、複数案の可能性について、私(大臣)はかつてこの場で言及をしたことがございます。
【琉球新報 滝本記者】8月末までの専門家の方々の検討完了の内容は公表されるのでしょうか。
【大臣】まだ、そこも含めて、予め決めたものはございません。
【共同通信 井上記者】専門家の協議の内容を踏まえて2+2で決めるということですが、この2+2の開催時期、オバマ大統領が11月に来日する見通しという中で、その前までには2+2を開くというお考えでしょうか。見通しをお聞かせ下さい。
【大臣】そのことについては、まだ決めておりません。総理とも官房長官とも十分相談できておりませんので、今お答えするのは避けた方がいいと思います。
【共同通信社 西野記者】専門家間の交渉に関して、それを公表するのかも決めていないということでしたが、政治的な決定や沖縄の理解を得るためには何らかの段階で公表されないと、どういった形で決まったのかとか、理解の取り付けや政治的な判断の基準とか材料がないということになってしまいまして、ちょっと理解に苦しむのですが、今、2+2の時間の関係もまだ決まっていないところですが、もう少し整理していただけないでしょうか。大臣が考えている段取りについて11月もまだ決まっていないというような話になっているのでお願いします。
【大臣】それは私(大臣)が勝手に決めていいならいくらでも決めますが、新しい政権もスタートしましたので、よく相談しなくてはいけないと思います。まだそこまで至っていないということです。常識的には専門家で検討したものは結論が出れば、当然沖縄県側とも協議をしていくことになると思いますが、具体的に、大々的に公表するのか、それともそもそも専門家での検討という性格からしても、それを公表するという形にするのか、事実上それが明らかになるとしても公表するという形をあえて採らないのか、そういったことについてもこれからよく検討していきたいと思います。日米合意の中ではそういったことについて何も触れていないということであります。「公表しない」とは言っていません、「決めていない」と言っています。
【日経新聞 山内記者】普天間問題について、米国上院の歳出委員会が、グアム移転経費のうち、政府原案の7割削減を含む予算法案を可決したという報道がありますが、グアム移転が米国の議会の事情によって一層不透明になっているという見方がありますが、大臣はこれについてどう考えられていますか。
【大臣】米国の上院というのは最近の話ですか。ちょっと私(大臣)は、そのニュースを聞いておりません。理由もはっきりしておりませんので、確かに現在のグアムの状況から見て、今のスケジュールで物事を進めていくのは、環境負荷の問題とか、困難さもあるとの指摘もありますので、そういったことも踏まえての結論かもしれません。まだ、よく情報収集をしておりませんので、コメントは差し控えたいと思います。
【共同通信 西野記者】先ほどの質問の関連ですけれども、日米外相会談が調整中という段階で、日米合意に関連した今後の段取りとか、その運び方について日本政府の考え方が、選挙とかいろいろとあったことを分かった上ですが、まだ決まっていないというのは、あまりにもまずいのじゃないでしょうか。当然、日米外交の間で非常に懸案であることは間違いないわけで、政権交代があろうが、選挙があろうがそこら辺の段取りを一緒に確認していく作業の方が重要なことであって、何かまだ決まっていないというのは、そのまま訪米に出発されるということになるのでしょうか。決まらないままで。
【大臣】ですから、8月末に大々的に公表するかしないかとか、2+2も含めて、そういうことは決めておりませんけれども、物事は進捗状況を見ないといけません。しかも沖縄の皆さんの理解も得つつ、進めていかなければなりませんので、皆全てをかちんと事前に決めてやるというよりは、走りながら考えなければいけないところも多いということです。別に何も決まっていないとかそういうことではなくて、そこは緊密に連絡を取りながら、今の課長レベルでの専門家による議論を行っている、それは政府としての対処方針に基づいて行われているということであります。
北朝鮮情勢(日韓併合100周年)
【フリーランス 安積氏】朝鮮日報紙が韓国併合100周年に合わせまして、「日本政府が談話を発表する。その談話の内容は1995年の村山談話よりも踏み込んだ内容になるかもしれない」との報道がありましたけれども、それについてお考えをお聞かせ下さい。
【大臣】一つの憶測に基づいてお書きになった記事だと思いますが、そういったことについて、いちいちコメントする必要はないと思います。この100年にあたってどうするかということは、今、政府の中で検討中でございます。
【共同通信 斎藤記者】今の関連です。今の関連と申し上げるのは、日韓併合100年に向けた政府対話という意味であって、朝鮮日報とは無関係です。韓国側では、日韓併合100年に合わせて、日本の総理による新たな談話の発表というものに対する期待感が高まっていると仄聞しております。日本は既に村山富市総理の時代に村山談話が出ている訳ですが、これに新たに上乗せするというか、新たに総理の談話を韓国向けにメッセージとして発信するべきなのかどうか、この点について、外務大臣としても結構ですし、個人としても結構ですので、岡田大臣のご見解をお聞かせください。
【大臣】私(大臣)は外務大臣ですので、こういうものに個人の意見はないと思います。そして、政府の中で今、検討をさまざま行っているということです。この100年という一つのくくりの年について、どのような政府としての対応を行うかということを現在検討を行っているということで、その中身についてコメントすることは差し控えたいと思います。そして、50年で村山談話の話がありましたが、自民党の小泉総理も60年に同様の談話を出しているということを申し上げておきます。
【共同通信 斎藤記者】誤解を生まないために、今の大臣の話の確認ですが、検討しているというのは、将来出すであろう談話の案文について検討しているのか、それとも、出すか出さないのかを含めて検討しているのか、そこのところを整理して頂けると助かるのですが。
【大臣】「どういう対話を行うか」検討しているということです。
国家戦略室
【朝日新聞 鵜飼記者】国家戦略室についてお伺いします。役割を見直して、総理に対する意見具申機関というか、アドバイスをするような機関にするというようなことですが、そもそもの構想としては、外交・内政の両面に渡って政策立案をするという発想だったと思うのですが、国家戦略室というのは、今後、外交に関してはどのような役割を担っていくべきだとお考えでしょうか。
【大臣】まず、国家戦略室の位置付けについては、総理によって異なってもいいのだろうと思います。何らかの法律が成立したということであれば別ですが、現状ではそういうことではない訳であります。総理がやり易い形というものがあるのだろうと思います。そもそもの発想は、省官房長官。調整はそれに代わって国家戦略室の長たる国務大臣ということだった訳でありますが、いろいろな試行錯誤があっていいと思います。そして、新しい今回の位置付けの中で外交というものが、どういう扱いを受けるのかということは、これはまだ我々も意見交換をしておりません。相互調整は官房長官がやられるということです。それは、本来的にそういう権限をお持ちな訳ですから、総理大臣の持っている相互調整権限というものを、官房長官がいわば代行するというか、現実に実施するということであります。一般論として言えば、全てのものについて相互調整というものは当然関わることであります。しかし、外交というのは、やはり二元外交になってはいけないというのが、私(大臣)の信念でありまして、そこの兼ね合いというものをどのように調和させていくかということです。そういう問題はどこの国でも実はある訳です。幸いにして、仙谷大臣と私(大臣)との間にコミュニケーションというのは、非常にしっかり取れる関係が出来ていると思っておりますので、よく相談しながら進めていきたいと思っています。
東アジア共同体構想
【ニコニコ動画 七尾記者】視聴者の質問を代読いたします。国家戦略室、鳩山政権の大きな特徴の一つだったと思うのですが、もう一つ特徴としまして、これに関連しまして、東アジア共同体構想というのがあったと思います。現政権におきまして、今後、東アジア共同体構想について、具体的に発展、展開していくことはあるのでしょうかという質問です。
【大臣】基本的に、それは「イエス」とお答えしたいと思います。これは、鳩山総理だけではなく、菅総理においても、東アジア共同体というものに対して、非常にご関心をお持ちであるというように、私(大臣)は理解しております。したがって、この構想を更にふくらませていくということは、菅政権にとっても非常に重要なことだと、私(大臣)は認識しております。
閣僚の資産公開
【朝日新聞 石塚記者】資産公開に関連してお伺いします。今回、子供二人への預金についてなのですけれども、昨年の資産公開と比べてそれぞれ114万、110万というように増えているのですけれども、一方で贈与税というのは対象にならない額は年110万以下というようにされているのですけれども、今回の増額分は節税対策の一環ということなのでしょうか、それともたまたまということなのでしょうか。
【大臣】その質問は前回も出たのですけれども、私(大臣)というより、私(大臣)の父親が孫に対して、法律の認められた範囲でお金を贈与しているということであります。
【朝日新聞 石塚記者】増額分については。前回は額についてだけだったのですけれども、今回その1年間の増額分についてそれは節税対策なのでしょうか。
【大臣】節税対策という意味が良くわかりませんが、法律の認められた範囲で贈与を行っているということです。私(大臣)ではありませんので、誰に対する節税対策なのかと、もし節税対策という言葉をお取りになりたいのであれば。
【共同 土屋記者】関連で資産公開についてお尋ねします。まず発表されたご自身の資産についてどのように捉えられているかという点が一つ、もう一つは2度目の公開ですけれども、制度上の問題点や戸惑いとかそういったものを感じることがありましたらお尋ねしたいと思うのですが。
【大臣】今回はこれは閣僚としての公開だった、国務大臣としてのですね。家族も含めてということですが、それは当然のことだというように思います。本来、国会議員全体について同じような制度があってもいいのではないかと思っております。国会議員の方もそうですが、罰則とかそのようなものはあまりないのですね。もちろんうっかりということはままありますけれども、悪質な場合に対してそのようなことを許さないという仕組みというのはあって良いのではないかと私(大臣)はかねがね思っております。今回、私(大臣)の方もだいぶ借金を返すことができて大変うれしく思っております。議員年金がなくなったことは非常に悲しいことですが。
スーダンへのPKO部隊の派遣
【北海道新聞 島田記者】PKOについて改めてお伺いしたいのですが、スーダンのPKOが派遣見送りとなりましたけれども、国際貢献の立場から外務省は派遣したいということがおありだったと思うのですけれども、今回の見送りをについて改めてお考えというか、ご感想を聞かせて下さい。
【大臣】一般論として言えば残念なことですけれども、しかし、やはりこれは関係省庁がきちんと合意をした上で送り出すべきものであって、さまざまな理由でそれが叶わないことであれば、それはやむを得ないというように思います。またチャンスがあればハイチに続いて是非日本のPKOがさらに活躍できるように期待をしております。
薮中事務次官の訪中
【日本テレビ 野口記者】現在、事務次官が中国を訪問してらっしゃいますが、その訪中の目的と、出発されるにあたって事前に大臣から何か指示をされたのかということ、鳩山前総理と温家宝総理との間でガス田の共同開発について協議を行うという合意ができておりますが、まだスタートしていないのですけど、何か障害になっていることがあるのかということと、その見通しをお願いします。
【大臣】まずガス田の共同開発に関する議論ですが、これは特に障害があるわけではございません。日程をしっかりセットして、そして議論を進めていきたいというように思います。それが滞っているとかそういうことはございません。双方の日程が、これは局長クラスですけれども、折り合うようなそういう日程を調整しているということであります。今回、次官は、中国政府や党関係者と意見交換のために行かれたということであります。私(大臣)も楊潔チ外相との会談というものを現時点では予定をしておりますけれども、それに先だって、さまざまな有意義な意見交換がなされることを期待しております。そういうものを踏まえて外相同士の会談ということになると思います。