民主党幹事長としての記者会見(3月14日)
岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年3月14日(月)17時13分~17時37分
編集・発行/民主党幹事長室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○東北地方太平洋沖地震について
■質疑
○補正予算について
○予算関連法案について18:44 2011/03/16
○東北地方太平洋沖地震対策本部について
○統一地方選挙の延期について
○計画停電について
○名古屋市議会議員選挙の結果について
○米軍の救援活動について
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■冒頭発言
○東北地方太平洋沖地震について
【幹事長】今回の、わが国に例を見ない大きな地震の結果について、政府が懸命に取
り組みをしているところです。党としてもそれを支えるために対策本部をつくり、先
ほども会合を開催いたしましたが、できる限りの対応をとっているところでありま
す。当初3日間は人命救助が最優先ということで、党本部としても24時間体制でこ
の3日間やってまいりましたが、もちろん人命の救助は引き続き重要でありますが、
それに加えて被災した皆さんの食料や健康の問題、そしてやがては復興支援というこ
とで様々な準備をしていかなければなりません。
今日は与野党幹事長・書記局長会談を国対委員長同席で行いまして、来年度予算の
今年度内成立についてお願いをいたしました。あわせて予算関連法案についても同様
のお願いをし、各党もいろいろご意見はありますし、例えば予算関連法案について賛
否は分かれますが、しかし審議に積極的に協力するという姿勢は示していただいてお
ります。
これだけ大きな災害に対して、これは政党の枠を超えてしっかりと対応していこ
う、そういう決意は各党から示されておりますので、そこは大変ありがたいことだと
思います。こういうときにまさしくわれわれ国政に携わる者のその姿勢、力量が問わ
れると考えております。しっかりと対応してまいりたいと考えております。
■質疑
○補正予算について
【毎日新聞・野口記者】自民党の逢沢国対委員長のブリーフによると、岡田幹事長が
「不要不急と考えるものは補正予算の中で対処していく」という発言をされて、それ
について逢沢委員長が、「これは岡田幹事長が減額の補正を考えているものだ」とい
う解釈を示した。こういった発言があったのかどうかと、その発言の真意について伺
いたい。
【幹事長】公明党からは、これは公明党の山口(那津男)代表が今日総理にお会いし
たときも出た話ではありますが、私は同席できませんでしたので聞いた話ですが、や
はり来年度の補正予算を組むにあたって、その財源の1つとして、来年度予算の中で
不要不急のものについて、それを減額して財源として使うことも考えるべきだという
主張をされたと聞いております。そういった主張を、今日は井上(義久)幹事長おら
れませんでしたので斉藤(鉄夫)幹事長代行が来られて述べられました。
そういったことについて、他党にもそういう主張がありましたので、私からは来年
度の予算はまだ成立していないと。そういう段階でそれを減額するということは、そ
れは予算修正の議論につながりかねないので、そういった議論には残念ながら賛同で
きないことを申し上げたうえで、予算成立後、そうは言っても不要不急のもの、毎年
の予算でも節約とかいろいろなことをかけたりするわけですから、補正を議論してい
く中で財源が必要であると。その財源の中にそういったものが含まれるということ
は、私の考えとして理解していただいていいと申し上げました。
【朝日新聞・南記者】つまり幹事長が「不要不急」と言われた中には、民主党がマニ
フェストで約束した案件については特に含まれていないという理解でよろしいか。
【幹事長】中身は何も議論しておりません。ただ例えば、既に法案で提案しようとし
ております国会議員の歳費の1割削減、これによって、そう額は多くありませんが、
しかし金額は確保できます。そういったことも当然含まれるし、補正を組むにあたっ
て、それを全部国債の発行で賄うというのは、私はいかがなものかと思いますので、
もう一度よく精査してみて、われわれの姿勢を示すことにつながるものとか、それか
ら優先順位の低いものについて財源に回すということは、それは当然、一般論として
あるのではないかと思っております。
【ブルームバーグ・坂巻記者】昨日、自民党の谷垣総裁が総理と会談された中で、暫
定的な増税を検討したいと。幹事長レベルで話し合っていくことで合意したと報道さ
れている。その暫定的な増税については今日話が進んだのか。また幹事長ご自身はど
うお考えか
【幹事長】谷垣総裁がそういった暫定的増税について言及されたことは事実です。た
だ、それについて何か幹事長レベルで具体的に検討するとか、そういう話にはなって
いないと私は承知しております。
補正予算の議論はこれからで、どれぐらいの規模になるのか、中身をどうするのか
ということがまず先にあるべきで、そういったものがないままに増税の話が先に来る
のは、私は順序が違うと思っております。
いずれにしても、昨日、枝野官房長官も言われておりますように、具体的に何かそ
ういうことを今、政府や与党で検討している事実はありません。また当面、そういっ
たことを検討するつもりもありません。
【毎日新聞・野口記者】不要不急のものについて、自民党や公明党などは子ども手当
について、ムダだと批判をしている、子ども手当1万3000円を減額してその分を
災害に回すとか、3歳未満の上乗せ部分を取りやめて災害関係に回すといったこと
も、今後検討対象になるのか。
【幹事長】そういう議論は、特に具体的に出ているわけではありません。そもそも子
ども手当法案について、われわれは現行のまま6ヵ月間つなぐことを提案しているわ
けで、そのことについて各党と今、議論しているところです。それ以外の、今の額を
減らすとか、そういう議論を具体的にご提案いただいたことはありません。
○予算関連法案について
【朝日新聞・南記者】予算関連法案については、参議院でも過半数を得られないと成
立しないと思うが、年度内成立について、野党各党の理解を得られたというのは、あ
る程度賛同も含めて感触があるということか。
【幹事長】いや、賛否は別です。それから今日は、前回ご提案した予算関連法案につ
いて、資料はお手元に行っていると思いますが、われわれがお願いしたわけであっ
て、特例公債法については、その中には含めておりません。
【毎日新聞・野口記者】野党に年度内の成立に理解を求めたが、賛否は別だというこ
とで、例えば子ども手当法案の場合は、今のところ野党は社民党・共産党以外は反対
の姿勢だ。このまま年度内に採決すると参議院で否決される可能性が高いが、その辺
の見通しはいかがか。
【幹事長】いろいろな議論をこれからしなければならないと思っております。
○東北地方太平洋沖地震対策本部について
【テレビ朝日・平元記者】党の対策本部、現在具体的にやっていこうというものは決
まっているのか。また、決まっていないとしたら、この先どういうことをやっていこ
うというイメージ等はあるのか。
【幹事長】党の対策本部は、今、藤村修さん(幹事長代理)、長妻昭さん(筆頭副幹
事長)を中心に各総括副幹事長や幹事長補佐、手分けしてずっと詰めて作業しており
ます。いろいろな意見や情報を党所属議員、あるいは外部からいただいております。
そういったことについて、政策的に対応が必要なものは政府のほうにそれをつなぐ。
それから物資の提供なども申し出がかなりありますので、そういったことについて
も、われわれ精査をしたうえで、これは有用だと判断できるものは政府と相談する。
これは一例ですが、そういった形で様々な外からの声を政党として集約して政府に働
きかけ、実現すると。そういう作業を今行っておりまして、何百件というそういう声
がいろいろな形で寄せられております。しばらくはそういう作業が必要かと思ってお
ります。
○統一地方選挙の延期について
【産経新聞・宮下記者】今日も与野党幹事長・書記局長会談で議論があった統一地方
選の延期について、民主党としては全国一律、もしくは東北地方のみと限定してお考
えか。
【幹事長】これは今日の幹事長会談でも意見が分かれたところですね。したがって、
明日もう一度開くことにしたわけです。
共産党やみんなの党などからは、やはりこういうときに、選挙をやっている場合で
はないのではないかと。国を挙げて東北地方に対してしっかりと支援していこうとい
うときに、選挙でエネルギーをそがれること、あるいは選挙になれば当然、相手方に
対して厳しく批判することはつきものですので、国会において与野党で協力していく
ことをやりながら、4月というのはもうすぐですから、そこで地方では選挙している
というのはあまりよくないのではないかと。そういう観点から全体を延ばすべきだと
いうお声がありました。
私からは、それは一つの見識であると。政治的な観点からいうとそういう意見もわ
かると。しかし同時に、選ぶ権利というのは国民にあるわけで、任期が来ているもの
について、それを一律延長して、ある意味では選ぶ権利というものを制限してしまう
ことが果たしてどうなのかと。そういう反論も当然あるので、そういうことを踏まえ
て各党でよく検討してもらいたいと、そう申し上げたところです。
わが党の中にも両論あります。したがって今日、役員会では最終的に私にご一任を
いただいたわけですが、政府は被災地域に限って、物理的に選挙ができないところに
限って延期しようということでありますが、わが党としてどうするかということは、
そういう政府の考え方、そして各党の考え方を踏まえて、決めていかなければいけな
いと思います。明日も、私の意見を言うのは最後にしようと。各党の意見をまず聞い
てみたいと考えております。
【朝日新聞・南記者】統一選の延期の法案は、形式としては閣法か。また、期間、延
期の幅についてはどういう形で制定することになるのか。
【幹事長】まず、閣法であります。政府の説明は、水曜日には閣議決定したいという
ことであります。そして木・金と国会で議論して、成立してもらいたいと。そうでな
いと来週木曜日が告示の日で、月曜日は休み、したがって火曜日に法律として官報に
掲載して、その上で地域の指定みたいなことが必要になると思うんですね。それが水
曜日。ギリギリのタイミングで今考えているということであります。したがって、い
ずれにせよ、今週中には決着をつけなければいけない問題であると思っています。閣
法です、今考えておられるのは。
しかし、今言ったような全国一律ということになると、これは国会における修正と
いうことになるのかなと。政府からそういうものが出てくることは、たぶんないだろ
うと思っています。
【朝日新聞・南記者】幅については。
【幹事長】幅は、それは政府の案で、まだこれから閣議決定するということですの
で、私から特に申し上ることはありません。
【毎日新聞・野口記者】今、東京を含めて関東地方はかなりの地域で節電を政府は呼
びかけている。選挙活動となると電力消費がかなり増える可能性があるが、その辺の
考慮はしておられるか。
【幹事長】節電はこれから続くことで簡単にはリカバーできない問題ではないかと思
います。少なくとも今回、海水を注入した原発などは簡単には復旧できないわけです
ので。むしろ選挙の期間を延ばして夏になれば、よりエネルギー需給は逼迫するわけ
ですから、あまり節電の件が延ばす理由になるとは考えられないのではないかと思っ
ています。両方の理由になり得るということですね。
○計画停電について
【産経新聞・宮下記者】早朝、枝野官房長官が「実施する」と明言した後に東電のほ
うで「しない」となったり、「する」「しない」が二転三転したいきさつがある。計
画停電になると国民生活に非常に大きな影響を与えるだけに、広報にあたっては慎重
にされていると思うが、的確なものが必要になってくる。今回の東電側・政府側の対
応について、幹事長としてはどのようにごらんになられたか。
【幹事長】これは、なかなか苦渋の決断だったと思いますね。ですから、それなしで
済むならいいけれども、しかし需要が増えて需給が逼迫すると、突然停電になると。
そちらのほうが影響は大きいわけでありますので、それを未然に防ごうとして計画的
に停電すると。考え方は、私はそれしかないのだろうと思います。ただ、周知徹底期
間をどう確保するかとか、突然言われてもなかなかそれに対する対応ができないとこ
ろはあるわけで、個人で電気に頼って生活されている方、生きておられる方などもた
くさんいらっしゃるわけですから、そういったところに十分な目配りをしながらやっ
ていかなければいけない話ではないかと思っております。
○名古屋市議会議員選挙の結果について
【読売新聞・中島記者】昨日投開票の名古屋市議選で、「減税日本」が第一党にな
り、民主党はかなり議席を減らしたが、その受け止めを伺いたい。
【幹事長】これは大変残念なことです。特に他党が、自民党も2議席減らしたわけで
すが、逆に言うと2議席減にとどまったわけで、公明党は候補者を絞ったことで全員
当選を果たしたということですから、民主党が最も影響を受けたと。もう1つの敗者
はみんなの党で、みんなの党はほとんど票が取れない状態でありました。従来民主党
を支持していただいていたような人々が、「減税日本」に流れたことは事実であっ
て、そこは非常に残念だと思っております。
ただ、こういった「減税日本」の主張はまさしく減税ということでありますが、そ
ういった考え方がこれからも日本国民の中に広がっていくのか、それとも全体の財政
のバランスということを考えて、違う選択をとるべきだと考えるのか。それはこれか
らの問題ではないかと思っております。
○米軍の救援活動について
【世界日報・山本記者】今回、米軍からも物資の救援活動等、自衛隊と初めての共同
活動ということで始まり、一部海兵隊も投入する申し出があると報道されている。こ
うした日米の協調的な効果的な活動がなされていけば、普天間問題等にも何らかの影
響があると思うが、その辺の見通しはいかがか。
【幹事長】あまりそういったことに直結させないほうがいいと私は思います。
ただ、私も外務大臣の折りに佐世保とか横須賀も訪れましたが、海兵隊の揚陸艦な
どを見ておりますと、手術したり治療する施設が船内に整っておりまして、戦闘の中
でけがをした人たちを救うための施設であるわけですけれども、同時に、スマトラの
地震とか、そういうときにも海兵隊の揚陸艦などが行って、被災者の救済活動に携
わったわけです。こういった施設があれば、日本自身が災害に遭ったときにもいろい
ろと助けになるなと、当時から私は思っておりましたが、今回こういう不幸な事件の
中で、米軍がその救援活動に携わっていただいたことは、私は与党の幹事長として、
米国政府及び米軍に対して心から感謝申し上げたいと思います。
ただ、それはそれとして、大変な善意と好意の結果でありますので、あまりそのこ
とを今おっしゃったようなことに結びつけないほうがいいと。善意は善意として、本
当にありがたく受け止めておきたいと思っております。