民主党幹事長としての記者会見(3月10日)
岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年3月10日(木)16時01分~16時33分
編集・発行/民主党幹事長室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○本日の与野党国対委員長会談について
○土肥隆一衆議院議員の問題について
○ケビン・メア前米国務省日本部長の発言について
■質疑
○メア氏の発言について
○土肥議員の問題について
○つなぎ法案について
○東京都知事選挙について
○ホストネーションサポート(在日米軍駐留経費負担)について
○地方選挙について
○マニフェストの検証について
○消費税の増税について
○愛知6区の補選について
○政務三役の人事について
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■冒頭発言
○本日の与野党国対委員長会談について
【幹事長】今日、国対委員長会談を開きまして、予算関連法案の取り扱いについて、
各党にわが党の考え方を説明させていただきました。中身は皆さんご案内のとおりで
ありますが、国民生活に影響が出ないよう、ぜひ各党にはご協力をいただきたいと
思っております。
子ども手当法案につきましては、6ヵ月のつなぎ法案ということを提案させていた
だきました。先般も父子家庭・母子家庭、あるいは交通遺児の皆さんの関係のNPO
の皆さんがお見えになりまして、児童手当に戻ってしまうということであれば中学生
に対して支給されませんし、基本は5000円ということで大幅に減額されますの
で、所得が100万円台、あるいは平均200万円という母子家庭にとってこれは極
めて大きな影響があると。政争の具にしないでもらいたい、子どもを政治に巻き込ま
ないでほしいと、こう訴えられました。
まさしくそれはそういうことでありまして、ここは新しいものが各党で合意されれ
ば一番いいわけですが、時間的にも非常に切迫しておりますので、3月末日までに、
とりあえず、つなぎ法案を成立させて、その後6ヵ月間かけてしっかり各党で合意
し、恒久法の形で安定的に手当が出ると、こういうことにぜひご協力いただきたいと
思っております。各党に対して、子どもの立場に立った、良識ある対応をお願いした
いと考えております。
その他、国税、地方税についても、3月末日で切れてしまいますと、これまた様々
な深刻な影響が生じます。われわれも、本来であれば税制改革全体について何とかご
審議いただきたいと思ったわけですが、こういう限られた残された時間の中で、最小
限に絞って、ぜひ3ヵ月間つないだ上で、その間に税制改革全体についてご議論して
いただきたいと、こう思っているところであります。
そういった形で今日、一つのわが党としての考え方を示させていただきましたの
で、いいお答えをいただくことを期待したいと思っております。
○土肥隆一衆議院議員の問題について
【幹事長】次に土肥隆一衆議院議員の昨日から報道されている問題ですけれども、私
が聞いておりますところでは、今日17時半からご本人が記者会見をされるというこ
とでありますので、現時点であまり私から申し上げるつもりはありません。ご本人の
説明をぜひ聞いていただきたいと思います。
土肥さんは、皆さんもご存じの方が多いと思いますが、キリスト教の牧師も務めて
おられる方で、かつご本人が子どものときは朝鮮半島で生活をしたと、そういう経歴
の方であります。私も、党は違ったのですが、平成2年初当選同期でありまして、彼
の人柄はよく承知をしております。それだけに、今回のこの出来事は大変残念なこと
であり、遺憾なことだと思っております。ご本人としてもしっかりけじめをつけて、
皆さんにご説明されると思いますので、それをぜひ聞いていただきたいと思っており
ます。
○ケビン・メア前米国務省日本部長の発言について
【幹事長】最後に沖縄におけるメア前日本部長の発言でありますが、これは極めて遺
憾であります。伝えられる発言のどこまでが事実かということは確認するすべがあり
ませんが、しかしそれに近いものが発言されたであろうことは予想できるわけであり
ます。こういう発言が、まさしく沖縄の人々の気持ちを傷つけ、そして沖縄とアメリ
カとの間の信頼関係を損なうことになりかねないということで、まことに遺憾なこと
だと思っております。
後任も決まったということでありますが、ぜひここは信頼関係回復のためにラス
ト・デミングさん、デミングさんも東京の大使館にも勤務されましたし、たしか日本
部長の経験者でもあったと思いますが、しっかりと対応していただきたいと思ってお
ります。
■質疑
○メア氏の発言について
【フリーランス・安積記者】沖縄の人を傷つけたということがクローズアップされて
いるが、発言の全文を読んでみると民主党政権について不信感を抱いているところが
散見される。これについていかがお考えか。
【幹事長】私は発言の詳細を承知しておりません。はたして民主党政権について言っ
たものなのかどうかということも私、承知しておりませんので、ちょっとコメントは
控えたいと思います。
鳩山政権時代のことについて触れられていると思いますが、それだけなのかどう
か。むしろメアさんが沖縄におられたころというのは、必ずしも民主党政権というよ
りは、その前も含めてでありますので、一概に言えないのではないかと思っていま
す。
【共同通信・中久木記者】この発言が普天間飛行場移設問題に与える影響はどのよう
にお考えか。
【幹事長】悪い影響を及ぼさないように、日米両国政府は懸命な努力をしなければい
けないと思います。
【世界日報・山本記者】本人の直接の説明もなく、このような形で出て、一方的に非
難という構造になっている。本人がどのような趣旨で言ったかを政府・与党として確
かめる手だてはお考えか。
【幹事長】詳細はわかりません、これは。ご本人が、しかし責任をとってお辞めに
なったということは、やはりそれなりの発言はあったのだと理解をしております。伝
えられるものが正確かどうかはわかりません。しかし、それに近いことがあったと思
われます。そうでなければ、まさしくお辞めにならずにきちっと説明されるはずだと
思っております。
○土肥議員の問題について
【フリーランス・安積記者】昨年の民主党の参議院選挙のマニフェストでも、領土問
題については項目に入っていなかったと思う。それに加えて、外相時代の幹事長も、
前外相の前原さんも、竹島について「不法占拠」という言葉は使わなかった。そう
いったところのあいまいさが、土肥議員のこういった判断を許してしまった土壌に
なったとお考えではないか。
【幹事長】考えておりません。竹島は日本の領土であるということは、私は重ねて申
し上げております。
【産経新聞・宮下記者】与党の一員としてこういった行為をされていることについ
て、外交上の影響とか、そういったものをどのようにご認識されているか。
【幹事長】これから土肥議員が自ら説明されますので、それを踏まえた上で申し上げ
たほうがいいと思います。
【産経新聞・宮下記者】今回の件について総理は「党のほうに対応を任せる」と指示
されたと。党としての対応、例えば倫理規範等に照らし合わせて、どういった対応を
現時点でお考えか。
【幹事長】まず記者会見を聞いた上で、判断しなければならないと思います。
【読売新聞・中島記者】この件について、土肥議員ご本人と話をされたか。昼の役員
会で何か報告をされたか。
【幹事長】役員会では「本人が記者会見をするので、それを見守っていただきたい」
ということを申し上げました。土肥議員とは、電話では話はしております。
【朝日新聞・南記者】土肥さんご本人と話をされる中で、土肥さんから役職の辞意に
ついてコメントはあったか。
【幹事長】中身は、記者会見で本人が語ると思います。
【毎日新聞・野口記者】土肥議員は菅総理に非常に近い方で菅グループの幹部をやら
れている。そういう方が、この時期にこういう問題を起こしたことについて、政権運
営に与える影響など、どのようにお考えか。
【幹事長】私は、党内のグループというものをあまり認めておりません。土肥さんと
菅さんが近いかどうかというのも、それは考え方の問題だと思います。あまりそうい
う視点でこの問題を考えないほうがいいと思っております。
○つなぎ法案について
【フリーランス・宮崎記者】子ども手当、6ヵ月つなぐということは、6月のほかに
10月の支給は、この法案でどうなるのか。
【幹事長】6ヵ月となりますと、4月1日からですから非常に微妙ですね。ただ、基
本的に6ヵ月、目いっぱいというよりは、それまでに新しい恒久法的なものを合意で
きればと考えております。
【読売新聞・中島記者】つなぎ法案の期間だが、子ども手当が6ヵ月で、税制は3ヵ
月と。この期間を決めたのは何か理由があるか。
【幹事長】税制のほうは既に法案がありますので、それに基づいて議論をすればいい
ということです。
子ども手当のほうは、制度を新たに議論しなければいけないと。もちろんわれわれ
の法案がベースになるとわれわれは考えますが、他党の意見もそれぞれあるでしょう
から、そういう意味で少し時間をかけてしっかりと議論する必要があると、こう考え
たものであります。
【フリーランス・宮崎記者】子ども手当、児童手当に関して、6ヵ月のつなぎ法の
後、恒久法化ということになると、民主党が出している平成23年度の子ども手当法
案がベースになるのか、それとも現在ある児童手当法がベースになるのか。
【幹事長】それも含めて議論されるということだと思います。われわれは法案を取り
下げるという予定は、現時点ではありません。しかし、一方でつなぎ法案が切れれ
ば、児童手当法が復活することにもなるわけで、どちらをより重視するかというの
は、現時点ではまさしくそういったことも含めて議論していくことになるのだと思い
ます。
【フリーランス・宮崎記者】子ども手当てつなぎ法案だが、昨日、共産党の市田書記
局長とお会いになって、市田さんは「前向きに検討する」と。社民党の福島党首は、
記者会見で「賛成」と。これで、あと無所属で2人賛成になれば、参議院は過半数と
なる。民・共・社というのは耳なれない感じもするが、自公政権時代の野党共闘とい
えばそうだが、共産党との件に関して、1ヵ月ほど前の記者会見で「あらゆる可能性
を追求していきたい」と。児童手当の改正もあり得べしということを、幹事長から
ボールを公明党に投げたが、児童手当をベースにするというのは公明党からいい返事
はなかった。1ヵ月ほど前の「日曜討論」でおっしゃったかと思う。共産党との今回
の連携は、今後どういった形で、他の法案にもやっていくのか。
【幹事長】共産党との連携は、現時点ではありません、特に。もちろん、これからあ
らゆる可能性はありますので、そのことについて否定するつもりはありませんが、具
体的にあるのはこの子ども手当について協議をしているということです。
ただ、社民党・共産党だけではなくて、他党にも、自民党や公明党にも、ぜひこれ
は子どもの視点に立って賛成してもらいたいと考えておりまして、引き続きそのため
の努力を行ってまいりたいと考えております。
【朝日新聞・南記者】子ども手当のつなぎ法案に関しては6ヵ月という期間を置い
た。これは、各党間の協議を妨げる要因と思われる統一地方選挙が終わると恒久法に
向けた協議もかなり活発に進んでいくという認識は幹事長の中にあるか。
【幹事長】子どもの視点に立てば、私はそんなに大きな差はないんじゃないかと。ま
あ自民党さんの場合には、この前の組み替えでも1兆8000億削減して児童手当に
1000億乗せる、結局1兆7000億削減するということですので、ちょっと開き
はあるかなという感じはしないわけではありませんが、他党はそれぞれ、子どもに対
して現金給付することについてかなり共通点がありますので。つまり社民、共産、公
明、民主。ですから、しっかりと恒久法の名に値する、そういう制度を議論していく
ということです。
「日曜討論」でも申し上げましたが、地方の負担をどうするのかということとか、
「つなぎ」ということになりますと、地方負担は、とりあえずは発生する。少なくと
も1回は発生することになりますが、恒久法の中で地方の扱いをどうするのか。それ
から中学生をどう扱うのか。中学生については、おそらく対象にしないという考え方
は、私はないだろうと思います。それから、具体的な水準をどうするのかというよう
なことについて真摯に話し合う。3ヵ月ではちょっと時間がありませんので、6ヵ月
の期間をとってしっかりと話し合って、いい制度をつくり上げる、こういうことだと
思います。
○東京都知事選挙について
【テレビ朝日・川村コメンテーター】民主党としての独自候補の擁立が難しいような
情報が伝わってきている。その場合に、既に立候補している方たちを民主党として推
薦する可能性もあると考えてよろしいか。
【幹事長】今、立候補を表明しておられる方が何人かいらっしゃいますが、推薦を求
めている方はいらっしゃらないと理解しています。「政党の推薦は要らない」と言っ
ておられる方々だと承知しております。
【テレビ朝日・川村コメンテーター】これからも独自候補をぎりぎりまで追求して、
候補者を出したいというお考えに変わりないか。
【幹事長】限られた時間の中でどうするかということは、これから考えなければなら
ない問題だと思います。今から、今名前が上がっている人以外でというのは、なかな
か厳しい状況かなとは思っています。そして今名前が上がっている方々は、政党の推
薦を求めないと言っておられますので、党としての関与の仕方というものは、推薦と
いう形ではない形にならざるを得ないのかなと思っています。
今申し上げたのは、党本部の話です。
【TOKYO MX・富田記者】党内からは新党改革の舛添代表を推す声も上がって
いるようだが、舛添氏の評価と、擁立の可能性について伺いたい。
【幹事長】今、具体的にご本人が出ると表明されていないのに、何かこちらからコメ
ントすることはありません。
【朝日新聞・南記者】「今名前が上がっている方以外では厳しいのかなと思う」と
おっしゃったが、既に立候補の名乗りを上げた方以外で、民主党として独自に立てる
ことも難しいという認識を示されたと理解してよろしいか。
【幹事長】私が申し上げたとおりです。
○ホストネーションサポート(在日米軍駐留経費負担)について
【世界日報・早川記者】米軍へのホストネーションサポートの件は時限性があり、早
急に詰めていかなければいけない問題だ。昨日、自民党の石破政調会長は会見の中で
「民主党は3年前には反対したが、今回、審議を急いでもらいたいというのはなぜな
のか。その理由を説明してもらいたい」と語られた。その「理由」は何か。
【幹事長】それは国会の中で政府がまたお答えになることだと思います。ただ、いず
れにしても穴があくようなことがあってはいけないと思いますね。
○地方選挙について
【毎日新聞・野口記者】名古屋市議選はこの週末に投開票があり、「減税日本」が大
幅に議席を伸ばして、民主党は苦戦している状況だが、こうした地域政党が伸びて、
民主党など既存の政党が苦戦するというのは、これからの統一地方選にも波及すると
見ているか。
【幹事長】これは、わかりません。地域政党にもよると思います。地域政党にもそれ
ぞれ違いがありますし。名古屋は確かに、なかなか厳しい状況であると認識しており
ます。
【フリーランス・安積記者】神奈川県知事選挙だが、神奈川県連で元キャスターの黒
岩祐治さんに接触しているということだが、それについて所見をお伺いしたい。
【幹事長】まだ私のほうには上がってきておりません。県連がどういう対応をしてい
るのか、報告が上がってきておりませんので、現時点ではコメントできません。
○マニフェストの検証について
【フリーランス・宮崎記者】マニフェストの検証委員会が始まった。この国会が始
まってから、総理や閣僚、党幹部はマニフェストの「見直し」とか「修正」ではな
く、マニフェストの「検証」という用語で統一されている。党大会でも特にそういっ
た報告はなかったと思うが、これは幹部間で何か意思決定をしたのか、あるいは菅総
理から指示があったのか。
【幹事長】マニフェストの検証については、私が党大会でお話をいたしました。それ
がスタートで、このたび検証委員会の設置が決まりましたので、速やかに第1回を開
催したいと考えております。
まず、検証することからスタートするわけで、検証の結果、それが適切でない、あ
るいは見直しが必要だとなれば、見直すということです。当面はまず検証するという
ことです。
○消費税の増税について
【朝日新聞・南記者】基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げる財源確保の関係
で、新年度の財源としては鉄建公団の剰余金を充てるという形で、予算関連法案で近
く国民年金法の改正案が審議される予定になっている。その中で、平成24年度から
は必要な法制上・財政上の措置を講じて財源に充てる形に変わっており、従来の「臨
時の財源」を「必要な法制上・財政上の措置」と書き換えたことが、党内で消費増税
の根拠法にされるのではないかという声が上がっているが。
【幹事長】少なくとも消費税の増税に関して言えば、それは総理が何度も述べておら
れるとおりですから。再来年度、それは解散が今あればわかりませんが、基本的に再
来年度に消費税が上がっていることは、私はあり得ないことだと思っています。
○愛知6区の補選について
【レスポンス・中島記者】愛知6区でも候補、公認が決まっていない。いつごろまで
に決めるつもりでいるか。あるいはこれだけ長引いているのは、何か秘策があるの
か。
【幹事長】(愛知)6区は、今日も石井一選対委員長に早く人選を進めるようお願い
しました。選対委員長もご努力いただいていまして、基本的には県連が候補者を決め
るということですので、県連は今、市議会議員選挙にかかりきりになっていると、そ
ういう状況はあります。速やかに決めたいと思っています。
○政務三役の人事について
【フリーランス・宮崎記者】徳永久志外務政務官がニュージーランド・クライスト
チャーチの現地に行かれた。今、山花郁夫外務政務官にかわられているが、そこでは
野党時代には経験したことのない大変な経験をされていると思う。外務省では松本剛
明外務大臣、副大臣には経産政務官の経験がある高橋千秋さんが起用された。政府外
議員の中で、与党でありながら責任ある振る舞いをしていないような人も中にはいる
のではないかと思うが、政務三役の人事で今回政務官経験のある人が起用されたとい
うことで、与党になって政務三役と政府外議員のあり方、あらためて今どういうふう
にお感じになるか。
【幹事長】ちょっと質問の趣旨がよくわからないのですが、いずれにしろ副大臣人事
は総理がお決めになることですので、総理は松本新大臣はじめ関係者と協議されて人
選されたと理解しております。