民主党幹事長としての記者会見(4月21日)
岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年4月21日(木)16時35分~17時11分
編集・発行/民主党幹事長室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○復興実施本部構想について
○第2次補正予算案での国債償還財源について
■質疑
○第2次補正予算案の財源論について
○小沢元代表の党員資格について
○沖縄訪問について
○桜井財務副大臣の首相批判について
○復興基本法について
○新人議員との懇談会について
○新しいエネルギー政策の議論について
○新しい三重県知事について
○第1次補正予算の財源に関する法案について
○民主・自民の党首会談について
○復興基本法について
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■冒頭発言
○復興実施本部構想について
【幹事長】補正予算の編成に向けていろいろな動きが出ておりますが、今日は亀井
(静香)先生とともに自民党の大島(理森)副総裁をお訪ねいたしました。これから
公明党の井上(義久)幹事長にもお会いすることになっております。
この話は、ご存じのように亀井国民新党代表と菅総理との間で直接、この問題をめ
ぐって2回会談が行われておりまして、私はそこには同席しておりませんが、その前
後、総理から報告をいただいております。亀井先生が従来から言っておられた各党の
代表者が(復興)実施本部に入ると。そういう中で、この大震災からの復興に関して
各党が、与党・野党という枠を超えて協力していくという構想であります。大連立と
は一線を画して、この大震災からの復興に関していわば協力していくということであ
ります。
今まで大変ご努力いただいておりますが、私としても総理の意を受けてできる限り
ご協力しなければならないということで、自民党・公明党の代表者の方と会談をする
にあたって同席をするということであります。
こういった形の協力ができれば、例えば法律を1本通すにしても事前に調整がされ
るわけですから、ねじれの中でそれが通らないという事態は避けられるわけで、そう
いう協力体制ができれば、復興のスピードアップには非常に資するものだと思ってお
ります。
国民が1つになっているときに、永田町あるいは政治の世界だけがいつまでも1つ
になれない、協力できないことについて、国民の皆さんからも様々なご批判があると
思います。これはもちろん与党・野党それぞれに責任があるわけですが、しっかりと
した体制を早く築くことができればと私も今まで思っていろいろな努力をしてまいり
ましたので、この亀井先生を中心にした構想が実現することを期待しているところで
あります。
○第2次補正予算案での国債償還財源について
【幹事長】もう1点、これは前回でしたか前々回でしたか、この場で明確に申し上げ
たわけですが、第2次補正にあたって国債を発行するにあたって、将来的にはそれを
税で担保しなければいけないということを申し上げました。
ただし、「どのような税で、どういうタイミングで、どの規模でやるかということ
は、全くこれからの議論である」ということを私は明確に申し上げたはずでありま
す。それは会見録を見ていただければ、はっきりしております。
にもかかわらず、幾つかのメディアでは「消費税」という言葉が躍っておりまし
て、これは少なくとも私は全くそういったことは言っておりませんし、民主党の中で
そういうことを公式に言った幹部は、私は知らないわけであります。ぜひそこは正確
に伝えていただきたい。現時点でどの税でやるということを具体的に議論はしており
ませんし、もちろん決めてもおりません。そのことは繰り返し申し上げておきたいと
思います。
これでもし「いや、民主党が消費税を考えている」というような報道をされること
になれば、それは事実に反するということをもう一度明確に申し上げておきたいと思
います。
■質疑
○第2次補正の財源論について
【フジテレビ・橋本記者】どのような税にするかまだ具体的に議論が始まっていない
ということだが、逆に、どのタイミングで具体的な議論を始めるのか、めどを教えて
いただきたい。
【幹事長】まず1次補正が成立した後でしょうね。そしてどのぐらいの額が必要かに
ついての大まかな見通しがなければ、どういった税が望ましいかという議論は出てこ
ないはずです。
【朝日新聞・南記者】消費税の場合は経済情勢に与える影響を考えなければならない
が、現段階の経済情勢を、消費税を上げるタイミングと照らし合わせた場合、幹事長
はどのように認識しておいでか。
【幹事長】そういう質問が誤解を招くんです。私は「消費税を上げる」とは言ってお
りません。今のご質問は、消費税を上げることを前提でのご質問かと思います。御社
はそうかもしれませんが、私はそういうことを申し上げておりません。
そして経済情勢を見ながらやっていかなければいけないということは、これはどのよ
うな税であっても同じであります。
【日経新聞・恩地記者】税の話が出てくるのは第2次補正予算に向けてという段階だ
と思うが、幹事長は当初、通常国会の会期中に2次補正も編成したいとおっしゃって
いた。今も、通常国会の間に第2次補正にめどをつけることに変わりはないか。
【幹事長】これは通常国会をどのぐらいやるのか、会期どおり終わるのか、延長する
のかにもかかわってくる話であります。
もう1つは、私が「この国会中に」と申し上げていたときには、第1次補正は1
兆、せいぜい2~3兆円ということで考えておりましたが、規模が現在4兆円超とい
うことで大きくなっております。そういうことの総合判断の問題だと思います。
したがって、明確なことは申し上げられないのですが、2次補正を秋まで引っ張るこ
とは、私はあり得ないことだと思っておりますので、あとは必要性に応じて考えてい
けばいいと。今何か、この月、何月、と決める必要はないと思います。
【毎日新聞・野口記者】まだ1次補正の審議も始まっていない段階から、2次補正の
考え方ということで「国債を発行する。償還は税で担保する」と明言されたことを受
けて、じゃあ税はどうなるか、消費税ではないか、所得税じゃないかという議論に
なってしまう。なぜ1次補正が審議される前から、2次補正の考え方で「税で」と表
明されたのか。
【幹事長】「なぜ」と聞かれると困りますが、当然、被災者の皆さんからすれば、今
後どういうプロセスを経て復興されていくかを早く明らかにしてもらいたいのは当然
だと思います。したがって、当面の瓦れきの処理や仮設住宅を中心にした1次補正、
そして次のステップは復興に向けての本格的な2次補正、しかしそのためにはたくさ
んの財源が要る。こういう経緯の中で申し上げたことで、「1次補正ができるまでは
復興について全く語りません」というのは、私は責任ある立場としてとるべきではな
いと考えています。
【NHK・広内記者】税の議論をしていくうえで、どれぐらいの額が必要かというめ
どが見えてくるのは、政府の復興構想会議が提言した後になるのか。党としては何か
議論する場をつくるお考えはあるのか。
【幹事長】大体固まってくるのは、復興構想会議、この最終答申は少し先になりま
す。そこまで待たなければならないと思います。ただ、オーダーとしてこのぐらいか
なということは、次第にそういった会議の場で明らかになってくると思います。それ
に合わせて様々な議論をしていくことになると思います。
【中日新聞・関口記者】震災前は、消費税を上げる場合には選挙で国民に信を問うと
言っておられた。消費税を離れて質問したいが、復興のための財源に税を充てる場合
に、いかなる税を充てるにしても、国民の信を問うて上げるというプロセスを経るの
か。
【幹事長】この大震災の最中に解散をすべきだという意見は、私は極めて少数だと思
います。もちろん、そういった復興にあたるための国債発行、その償還のための税と
いうことですから、これは当然期限を切って税をお願いすることになるのだと思って
おります。
【時事通信・近藤記者】国民に信を問うという話だが、年金財源を流用して復興財源
に充てる、その担保は12年度以降の税制の抜本改革で行うということだが、その際に
国民に信を問う必要があるとお考えか。
【幹事長】税を上げる前には、ですね。はい。
○小沢元代表の党員資格について
【フリーランス・安積記者】昨日の亀井(静香)氏の会見で、13日の夜に菅さんから
「挙国一致でやれ」と言われたので、亀井氏は「じゃあ、挙党一致でしてくれ。同じ
党なのだから小沢さんも復権させて参加させるべきだ。彼は200人の支持があるのだ
から」と言ったと。岡田幹事長は、亀井さんと協力されるのなら、小沢さんの党員資
格について考えは変わられたか。
【幹事長】その話は常任幹事会などで議論すべきことだと思います。亀井さんから何
か言われる話ではないし、現に言われてもいません。
○沖縄訪問について
【琉球新報・松堂記者】幹事長が沖縄に行かれて知事と面談する予定と聞くが、日程
と目的について伺いたい。
【幹事長】日程は最終調整中です。当初は7日、8日と考えておりましたが、防衛大
臣がその日程で行かれると聞きまして、日程を調整中です。3日、4日、5日の3連
休のどこかでということで、今5日を中心に、4日から5日にかけてということで調
整中です。知事とお会いするかどうかはまだ決まっておりません。私としては、久し
ぶりですので、できればお会いして、よく話をしたいと思っております。
行く理由は、沖縄協議会の座長として、今までも2回行っておりますが、少し時間
もあきましたし、3月11日のこの大震災以降、どうしても沖縄への関心が薄れるとい
いますか、そういう傾向がなきにしもあらずで、やはり来年度以降、沖縄の新しい、
どういう姿にしろ、法律をつくってその振興策を考えていくうえで、その準備はきち
んと進めていかなければいけないと、そういう思いで参ります。
○桜井財務副大臣の首相批判について
【産経新聞・宮下記者】桜井(充)財務副大臣がメールマガジンで、「首相は野党の
意見を聞く姿勢を示してほしい。辞めろと言いたくなるのも当然だ」という内容のも
のを発したが、この発言について幹事長はどのようにお考えか。政府の中からこうい
う声が出てくる政権の現状について、どのように認識しておいでか。
【幹事長】このことを受けて野田(佳彦)財務大臣が桜井副大臣には何か言われたと
聞いておりますので、私からあえて重ねて言うつもりはありません。
ただ、これだけの大きな震災があって、国民一丸となってそれを乗り越えようとして
いるときに、やはり内閣がしっかりまとまらなければそういうことはできないわけ
で、そこは十分心してやっていただきたいと。党・内閣、そこが一丸とならなけれ
ば、国民がこれだけ本当に一丸となって頑張っていただいている中で申し訳ないこと
だ、本当に申し訳ないことだと。被災地の皆さんに対してですけれども、私はそう
思っております。
【朝日新聞・南記者】亀井国民新党代表が「総理は首相の地位に恋々とするものでは
ない」と、進退にかかわるような発言を持ち出して与野党協力を呼びかけている。こ
の現状について幹事長としてどのようにお感じになるか。
【幹事長】今日、確かに「恋々とするものではない」と。それから「この震災を乗り
越えるために、今、全精力を傾けている」と、亀井さんは大島さんに対して言われま
した。それが何か問題があるとは、私は思いません。当然のことを言われたと。つま
り、目の前にあるこの震災を乗り越えるために総理大臣として全力を傾けていること
が、何か進退にかかわる話だとは私は思っておりません。
ただ同時に、総理が自分の延命のために何かやっているということではもちろんない
わけで、そのことを亀井さんは強調されたということだと思います。
【時事通信・近藤記者】亀井・大島会談の後、大島さんが「菅さんの権力に執着する
姿が不信を高めており、信頼の問題を払拭するにはまだだ」と言われた。野党側から
そういうふうに見られていることについて、どう受け止めているか。
【幹事長】いろいろな見方、あるいはいろいろな言い方はあると思います。特に与
党・野党で戦っているわけですから、そういう表現をされる方もいらっしゃるかもし
れませんが、私はやはり菅さんと谷垣さんが2人でしっかりと、今の国の置かれた状
況、国民生活の状況について意見交換をされ、政治家として、今何をしなければいけ
ないのかということについて、しっかりと2人でお話しになれば、おのずと答えは出
ると思っています。
○復興基本法について
【共同通信・中久木記者】基本法について、昨日の復旧・復興検討委員会の中で、幹
事長は第1次補正と切り離して、4月中の提出にはこだわらないという話をされた。
基本法は復興政策の前提となる法律でなるべく早く成立させたい、という話を前にさ
れた。いつごろまでに成立が必要だとお考えか。
【幹事長】基本的には復興会議で中間報告が出る。その受け手になる組織、現状では
それは対策本部ですが、そういうものが法的に位置づけられていたほうがいいわけで
すから、それが1つの時期的なめどかなと思っております。
与党・野党で、共同で出すときには、事前に中身を調整しなければなりません。そう
いうことで、1つは「復興庁」の中身について議論を詰めているということです。
もう1つは、亀井先生が動いておられる挙党体制、各党の協力体制を取りつけて、
そこが意思決定に関与することになれば、当然法律にそれを書き込む必要性も出てま
いりますので、この辺の話が煮詰まらないと法案の形にはできないということです。
それはまさしく中身が進行しているから、少しスローダウン、スピードを遅らせてい
るということであって、逆にいうと、それが全部セットされたら、これはあっという
間に法案の国会審議が終わってしまうわけですから、「急がば回れ」という状況だと
思います。
○新人議員との懇談会について
【フリーランス・安積記者】岡田幹事長は就任後、新人議員と昼食をともにして意見
をお聞きになった。3月から5月にかけて第2弾という感じで10名程度の国対の班に
分かれて意見を聞いておいでだそうだが、前は顔見せ・懇親の意味もあったと思う
が、今回はどういう目的か。また、その呼びかけの中に会派の離脱表明をした16名が
入っているが、この方々は参加されているのか。
【幹事長】まず、これは1回生の方だけではなくて、年が明けて最初は2回生の方
だったんですね。そして1回生、それから参議院の前回当選された1回生、そして4
年前に当選された1回生ということで、順次やってきているわけです。
週2日程度を割いて、夜8時過ぎという遅い時間ですが、ずっと開いてきておりま
す。具体的目的というか、なるべくそういった若い議員の皆さんと接点を持つという
のは、私は党の幹事長として当然のことだと思います。民間の会社でも、役員が新入
社員の皆さんと昼食をともにしたりしながら会話を継続的にやる。そういう会社は大
体いい会社だと言われているわけですが、私も初当選から20年たっていますので、若
い議員の皆さんと直接に接する機会が限られてしまいます。ですから直接お話をし
て、いろいろな、われわれにない発想も大変参考になりますし、それから今執行部が
どういう考えでやっているかについてお伝えするということで、双方向で会話をして
いるところです。
【フリーランス・安積記者】当初、たしかホテルのレストランを借りる予定だったの
が、震災の関係か、幹事長室でサンドイッチと缶コーヒーでされていると聞いてい
る。これは震災の「自粛」なのか。
【幹事長】ホテルといっても、食事をとっているというよりはおつまみ的なものだっ
たんですね、最初は。それが、やはり震災があって少し自粛をしようということで、
院内の幹事長室というよりは幹事長の会談を行う部屋(応接室)ですね、ここで当面続
けております。今後どうするかは今考えているところですが、そのほうがわりとゆっ
くり話せるんですね。そういう意味では院内か、あるいは院内があまり遅い時間でご
迷惑をかけているときは、党本部でやったほうがよりいい話ができるのかなとも思っ
ております。別に費用をケチってやっているわけではありませんが、どうしてもレス
トランとかホテルとなると外の人が入りますので、そういったものがない形のほうが
いいのかなと、今は思っております。
メディアの皆さんとの懇談もそういうことで考えてもよろしいのですが(笑)、それ
はまたご相談したいと思います。
○新しいエネルギー政策の議論について
【朝日新聞・南記者】昨日、震災復興ビジョン検討チームで孫正義さんが「脱原発」
をテーマにしてエネルギー政策について語られた。これは孫さんの個人的見解か。も
し個人的見解ということであれば、党としての新しいエネルギー政策についての議論
は、いつからどのように進めたいとお考えか。
【幹事長】まず、これは孫さんの個人的ご意見だと思います。私は別にこのビジョン
チームの運営に関与しているわけではありませんので、どういう経緯で孫さんがお見
えになったのかは必ずしも承知しておりませんが、新エネルギーの必要性について相
当強く、孫さんらしく繰り返しておっしゃっていたと思います。
民主党としては、従来から新エネルギーに対してはこれを重視する姿勢を示してま
いりました。もちろん原子力も必要だと言ってまいりましたが、同時に、地球温暖化
対策として新エネルギーについては固定価格買取制度とか、あるいは排出権取引と
か、環境税とか、こういうことを言ってまいりまして、環境税については曲がりなり
にも法案を提出するところまで行きましたが、これも国会を通っておりません。固定
価格買取制度もこれからです。こういうものは、私は急ぐべきだと思っております。
東北地方などは風力発電をもっとつくりたいという関係者の方が多いのですが、な
かなかいろいろな理由があってそれが、まだ抽選でそのうちの一部しか実現しており
ません。こういう機会にそういったところに思い切って力を入れていくのが、1つの
日本のあるべき姿を示す、方向性を示すものだと思っています。
【朝日新聞・南記者】固定価格買取制度については、法案は既に今月上旬に提出され
ているが、実際に成立を図るには与野党協議にかけないといけない。この与野党協議
にかけるタイミングはどのようにお考えか。
【幹事長】個別の法案のことまで幹事長が言及する必要はないと思いますし、私は承
知しておりません。それは委員会の理事間で協議されていることだと思います。
ただ、先ほども言いましたように、今回のこういった原発の事故が起きまして、新エ
ネルギー重視というのは1つの流れですので、ぜひ野党の皆さんのご協力もいただい
て、早期に成立できればと思っております。
○新しい三重県知事について
【伊勢新聞・中森記者】今日、鈴木英敬三重県知事が初登庁されたが、それについて
の期待があればお願いしたい。16年ぶりの自民系知事の誕生ということで、民主党と
しての対応についてのご見解があったら伺いたい。
【幹事長】「自民系」かどうかということは、私はあまり関係ないと思います。野呂
(昭彦)知事も、1回目は民主党で一生懸命出したのですが、2期目は突然「県民
党」を名乗られて(笑)、自分でやるとおっしゃって、対抗馬が出なかったから、ど
ういうやり方もあったのだろうと思いますが。あまり党派にとらわれる必要はない
と、従来私は思ってまいりました。ですから、北川(正恭)さんに対しても野呂さん
に対しても、私、何か具体的なことを頼んだことはありませんし、応援したからと
いって何か「こういう政策をとるべきだ」と言ったこともありません。そこは自然体
で、どちらが応援したかということは関係なく、接していきたいと思います。
(鈴木)知事とは近々、上京された折にお会いすることになると思いますけれど
も、県民の判断が示されたわけですから、ぜひ全国で一番若い知事として三重県のた
めに頑張っていただきたいと思っております。
○第1次補正の財源に関する法案について
【日経新聞・恩地記者】昨日、玄葉(光一郎)政調会長から自民・公明両党に対し
て、第1次補正の財源の多くをなす2.5兆円のいわゆる埋蔵金、これを従来の公債
特例法案から切り離して新たに法案を出すという説明をされたと思う。そうすると特
例公債の発行が、野党の協力を得られないまま成立にめどが立たない状況が続くと思
うが、この先いつごろまでに、どういう道筋でこの成立を図っていくお考えか。
【幹事長】まだこれは話し合い中です。切り離すことの可能性を示唆したということ
で、そのことが今回、1次補正の議論の中で特例公債法をとりあえず断念するという
ことではありません。
いずれにしても、これだけの大震災が起こり、いろいろな対策が迅速に行われなけれ
ばならないときに、その根拠になる特例公債法が成立していないことは、これは望ま
しいことだとは私は思いません。しかも特例公債法は、前から申し上げているよう
に、その中には、半分は国債費、過去の借金の利払いだったりその償還だったりする
わけで、そこは今の野党の皆さんの中にも(当時の)与党として責任を負わなければい
けない部分があるわけですから、早くこれ、成立させていただきたいと思っておりま
す。
それを先送りする理由は実はないわけです。特例公債なしで予算が組めるというなら
別ですが、そういうことは考えておられないわけですから、自民党の組み替え要求の
中にも、当然特例公債を発行しないとできない、そういう前提になっておりますか
ら、早く協力してやっていただきたいと思っています。
○民主・自民の党首会談について
【産経新聞・宮下記者】質問が戻るが、亀井さんと大島自民党副総裁の会談に関連し
て、幹事長は「谷垣総裁と総理がしっかり2人で話せば、おのずと答えは出る」と
おっしゃったが、たしか週末のテレビでも幹事長から、谷垣さんと総理の党首会談に
前向きな言及があったかと思う。その後、党首会談について幹事長から総理に、もし
くは自民党側に働きかけたりしたのか。
【幹事長】私の発言は、当然総理も了解のうえで申し上げていることであります。あ
とは自民党の谷垣総裁の決断ひとつだと思います。
ただ、いろいろなお膳立てがない中でいきなり会っても、それはお互いを理解するた
めにはいいと思いますが、いろいろな意思決定をするにはそれだけでは十分ではない
かもしれませんから、そういう意味で幹事長である私がいろいろな意味で汗をさらに
かかなければいけないと思っております。
○復興基本法について
【世界日報・山本記者】幹事長は以前、「必要最低限のものを盛り込んで成立のめど
を決めて、それから逆算してやっていくのがいい」とおっしゃっていた。今日は、復
興構想会議の結論待ち、あるいは与野党の党首・代表の会談を受けてという説明に変
わっている。情勢の変化を受けて不本意ながら幹事長の当初の考えが変えられたの
か、それとも、合わせているのではなくて、自分自身がそういう考えに変わってきた
のか。
【幹事長】いずれも違います。いろいろ中身を盛り込んだ基本法というのは時間がか
かり過ぎる、非常にシンプルなものにすべきだと私は申し上げてまいりました。今も
同じ考えです。シンプルな中で重要な中身としてあるのは、この復興会議の法的な位
置づけ、その復興会議の提言を受けて意思決定する組織、これを法定すること。そこ
について、閣僚だけにするのか、それとも各党を入れるのか、あるいは各党だけにす
るのか、そういうオプションがあるわけです。
もう1つは、それを実施するための組織のあり方。本部の事務局という形ですると
いうのがわれわれの今の考え方ですが、より実際の事業も行うような「復興庁」とい
う形にするのかと。こういうことで今議論がなされているわけで、いずれにせよ、ポ
イントは3つぐらいしかないので、そのうちの2つの点で調整しているということで
す。シンプルにしなければいけないという考え方は全く変わっておりません。
ただ、幸いにしてというか、野党のほうも、できれば一緒に議論して、閣法ではなく
て議員立法で出したらどうかという話もありましたので、つまり中身の議論にもう
入っているわけですから、これは国会審議を先取りするようなものなので、そのこと
によって多少提出が遅れたとしても、結果的には早い。そういうことで先ほど「急が
ば回れ」と申し上げたところです。