民主党幹事長としての記者会見(5月12日)
岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年5月12日(木)16時03分~17時40分
編集・発行/民主党幹事長室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○後半国会の重要課題について
○青森訪問について
■質疑
○原子力発電を巡る問題について
○子ども手当について
○第2次補正予算について
○普天間移設問題について
○選挙制度改革について
○議員連盟などの動きについて
○原発事故対応の議事録について
○政治主導確立法案の取り下げについて
○計画的避難区域の柔軟運用について
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■冒頭発言
○後半国会の重要課題について
【幹事長】後半国会において、非常に重要な状況といいますか、一日
一日大事にしなければいけないと思っております。
そういう中で、今日は、東日本大震災復旧・復興検討委員会を開催
して、議論を整理いたしました。今までは緊急事態ということで、こ
の委員会のもとに4つのチームを設けて、いわば直轄のような形で検
討してまいりましたが、若干の整理を行って、復興ビジョン検討チー
ム以外のチームはいったん解散し、政調のもとに置くことにいたしま
した。したがって、今後は政調での手続きを経て、そのうえで党とし
ての最終決定は、復旧・復興委員会が行うことにしたものであります。
同じようなチームが、政調とこの検討委員会とにあって重なっている
ことになっては、かえって混乱いたしますので今回、整理させていた
だいたところです。
ただ、政調でぜひ検討してもらいたいと、従来のことに加えて私が
お願いしましたのは、やはり歳出といいますか、歳入・歳出というべ
きか、そこの見直しを徹底的にやってもらいたいと。
さきの補正予算でも、政府案といいますか、わが党が提案いたしま
した、例えば土日1000円走り放題をやめることでありますとか、
あるいはODAの見直しでありますとか、そういった野党も主張しな
かったことを、いわば与党のほうが深掘りをしたわけであります。そ
ういったことの検討に加えて、例えば「埋蔵金」についてもう一度し
っかりと見直しをする、そういうものがはたしてないのかどうかの見
直しをする、そういう作業をもう一回しっかりやってもらいたいと思
っております。
それから、これから何とか月内に特例公債法について結論を出して
いきたいと考えておりますが、それとの関係で子ども手当や高速道路
料金の割引、もう1つは税制ですね、そういったことについて党内で
の議論、それを踏まえての各党との折衝をしっかり行っていかなけれ
ばいけないと思っております。各党との議論をどういう手順でどう行
っていくかは、さらに詰めていきたいと考えているところであります。
もちろん、社会保障と税の一体改革につきましても、6月に政府案
を示すことになっておりますので、社会保障改革の中身、あるいは税
について、党内でしっかり議論していく必要があります。そういった
国会や各党との議論の前提となることについて、政調を中心にしっか
りとまとめていってもらいたいと考えているところであります。
○青森訪問について
【幹事長】14日、15日と青森に行くことにしております。直接的
には、青森県知事選候補予定者の山内崇県連幹事長の応援、これは1
5日です。
それとの関連で、1つは、三沢の米軍基地を表敬する予定にしてお
ります。これは前回、3月11日の大震災の後、私が三沢、八戸と現
地を訪問したとき、三沢の米軍、空軍ですが、ボランティアで震災直
後から支援に入ってくれた。特に三沢市の海岸の瓦れきの片付けであ
りますとか、様々な活動を「トモダチ作戦」が始まる前から自主的に
やっていただいたということで、私、一度どこかでお礼を申し上げた
いと思っておりました。基地の責任者も幸いおられるということです
ので、三沢の米軍基地を表敬したいと考えております。
あわせまして先般、福島の原発事故の現場近くまで参りましたが、
ほぼ10年ぶりですが、六ヶ所村の原燃サイクル施設、そして大間の
原発建設サイトも視察し、地元町村の皆さんとも意見交換をしたいと
考えております。
今回の福島原発の重大な事故を教訓として、より安全性の高い原子
力発電を実現していかなければなりません。そういう視点でもう一度
関連の施設を見、そして関係者の皆さんとしっかり意見交換をしてい
きたいと考えているところです。
■質疑
○原子力発電を巡る問題について
【フリーランス・島田記者】「より安全性の高い原子力発電」と言わ
れたが、菅総理が、将来的には再生可能エネルギーへの移行も含めて、
とおっしゃっている。それとどう整理して結びつければよろしいか。
【幹事長】私も再生可能エネルギーの推進については、おそらく民主
党では最も熱心な1人ではないかと思います。ただ、それですべてを
賄うことはできませんので、当面、原子力とかあるいは化石燃料にも
依存せざるを得ない。それをすべてなくすことは当面はできませんし、
総理もそこまでお考えではないと考えております。
【日経新聞・恩地記者】東京電力の被害賠償スキームが大体固まった。
賠償総額に上限を設けないことが柱だろうが、その決定に際しては東
電に対する感情論とか金融市場への影響とかいろいろな要素を考慮
する必要があったと思う。このスキームに対する幹事長の評価を伺い
たい。
【幹事長】今日、たしか午後5時ごろから関係閣僚会議が開かれて、
最終的な議論がなされると。そこで決定がなされるのだろうと思いま
すが、そういう状況ですので、私個人の意見を申し上げるべきではな
い。関係閣僚を中心に十分な議論がなされた結果のものがまとまると
期待しております。
【フリーランス・安積記者】首相の今回の浜岡原発の停止について、
自民党も公明党も、手法について、判断の根拠が十分に示されていな
いと批判している。幹事長はこういう「手続」や「原則」に厳格だが、
これについてどうお考えか。
【幹事長】「手続」という意味は法的根拠という意味でおっしゃった
のかもしれませんが、もちろんこれは、総理の要請に中部電力が応え
たということであります。一国の責任者として、仮に東日本大震災と
同様の地震が来た際に同様の事故が起きる可能性があるとき、菅総理
が行われたような要請を行うことが間違っているとは私は思いませ
んし、それが手続論で「おかしい」と批判するのは、それは1つの批
判かもしれませんが、リーダーというのはそういうものを超えて決断
をしなければならないときはあると思います。
そして、野党の皆さんには、今まで与党としてこういった浜岡原発
も含めて進めてこられたわけで、そこについてもぜひ考えていただき
たい。単に手続がおかしいから「おかしい」と批判するのではなくて、
国民の立場に立って、こういった危険なものをつくり、いつまでも放
置してきたことに対して、お互いもっと謙虚にならなければいけない
のではないかと思っています。
【フリーランス・島田記者】原発の廃止等について、今すぐにではな
いということだが、原発の寿命は40年と言われているが、その後ど
うするというビジョンはあるか。
【幹事長】それは、まさしくこれから議論していくことですね。ただ、
今回の大間原発はたしかあと2年ぐらいで動かすという想定ではな
いかと思います。かなりでき上がっているということであります。そ
ういうものをやめるとか、そういったことは考えるべきではないと、
私は思っております。もちろん、危険な状況があればそれにきちんと
対応しなければならない。そのことは当然でありますが、しかし、ほ
ぼ完成に近づいたものをいきなり全部やめてしまうのは、私は適切で
はないと考えております。
これから一からつくっていくものについてどう考えるかというこ
とは、今後、議論したらいいと思います。
【フリーランス・島田記者】今後数十年のスパンでの原発政策につい
ての幹事長自身のお考えを伺えるか。
【幹事長】なかなか難しいご質問だと思います。ご存じの方も多いと
思いますが、私が2005年に代表のときには、原子力について「過
渡的エネルギーである」と位置づけておりました。その後、「過渡的
エネルギー」という表現をやめて、むしろ、より積極的に推進する形
に党として変わったわけであります。私も地球温暖化の問題を考えた
ときに、これは原発の事故のような緊急性はありませんが、しかし、
人類にとって極めて深刻な事態が時間を経てやってくるということ
でありますので、ここのこともしっかり考えなければいけない。
そういう中で、私自身も原発というものの必要性を認識していたわ
けで、温暖化、そして原発のリスク、他にじゃあエネルギー源が、さ
っきのご質問にも関係しますが、新エネルギー・再生可能エネルギー
でどこまでカバーできるのか、この辺のことをきちんと説得力を持っ
て、整合性を持って国民に説明することが重要なんだろうと思います。
その議論はこれからしっかり行わなければいけないと思います。
【フリーランス・安積記者】今回、政府が停止を要請したのは浜岡1
つだけ。他の原発については停止要請しないと、海江田経産大臣など
がおっしゃっている。福島第1原発は、今年初めの調査によると、地
震が起こる可能性はコンマ何パーセント、極めて危険ではない原発の
はずだった。なぜ浜岡だけ停止という判断をされたのかわかりにくい。
幹事長はどう理解をされたのか。
【幹事長】一般的に、浜岡の危険性はかなり広く理解されていると私
は思いますが。つまり大きな地震の起こる可能性が非常に高いと。こ
れは菅総理も記者会見でも言われたとおりであります。そして、その
震源地に極めて近いということでありますので、日本の原発全体を見
てもかなりリスクの高い原発であることは、私は専門家の間にそう異
論はないのではないかと思っています。
【フリーランス・安積記者】浜岡が危険だというのはわかるが、他の
原発がなぜ停止にならなかったのか、その点の幹事長のご理解を伺い
たい。
【幹事長】例えば中南海・東海地震の及ぶ範囲を考えたときに、日本
海側は除かれるということがありますね。そういったふうに1つ1つ
考えていくと、やはり浜岡が突出していることは多くの皆さんが理解
しておられることではないかと思います。
福島だってもともとそんなに可能性がなかったじゃないか、と言わ
れればそのとおりですが、しかし、それに加えて福島の場合はいろい
ろなことが重なったと思います。これからこれは検証していかなけれ
ばなりませんが、電源があれだけ一挙に津波にさらわれるとか、予備
電源が機能しなかったとか。そういうことをきちんと対処しつつ、同
時に地震の可能性を考えあわせて、今回、浜岡が最も突出して危険度
が高いと判断したと私は考えています。
○子ども手当について
【共同通信・中久木記者】公債特例法案を月内に結論を出したいとい
うことだが、その前提として子ども手当についての考え方を党内でま
とめなければいけないと思うが、どういう形でいつごろまでにまとめ
るべきだと考えておいでか。
【幹事長】これは関係の部会・調査会でしっかり議論していただくと。
そこにはすべての議員が参加可能ですから、そういう議論を行うべき
だと考えております。そう長時間かかるとは私は考えておりません。
【時事通信・近藤記者】党内には、所得制限を設けることは「子ども
を社会全体で育てる」という子ども手当の理念に反する、という声が
ある。これについて幹事長のお考えを伺いたい。
【幹事長】私は答えないほうがいいと思います。答えますと、私がそ
ういう意見であると、かつて書かれた経験がありますので、中立的な
ご質問のようでも実は方向性を持って書かれる可能性がありますの
で、直接はお答えをいたしません。ただ、いろいろな問題について、
率直に意見交換すべきだと思っております。
○第2次補正予算について
【朝日新聞・南記者】1次補正が成立したが、その中でも生活再建の
支援金は満額支給できるだけの財源が確保できていない。復興だけで
なく復旧のためにも、2次補正を国会を延長してでも早期に成立する
必要があると思うが、2次補正を早期に成立させるという観点につい
て幹事長の決意をお聞かせいただきたい。
【幹事長】最初におっしゃった点を正確に言っていただけますか。
【朝日新聞・南記者】生活再建支援金の支給にあたって、1次補正で
は520億円積んであるが、今回の震災全体を見通した場合に850
0億円ぐらいが必要と見込まれている。現状は国と地方分を合わせて
も1000億円程度で、満額支給はなかなか難しい状況にある。復旧
のためにも早期に2次補正を成立させる必要があると思うが、いかが
お考えか。
【幹事長】ご質問の件は、おそらく被災者生活再建支援法に基づく資
金の提供についておっしゃっているのだろうと思いますが、予算上は
100万円を全員にということで計算されていると思いますが、もち
ろん満額で言えば300万円ですから、それには十分でないことは事
実です。ただ、これは地方の負担分をどうするのかという問題もあり
ます。そういった中で、現時点ではでき得る最大限のものを積んだと
いうことであります。
これは全員に100万円(のみ)を配付するということでは必ずし
もなくて、300万円出せないということはないんです。ですから、
今すぐ払ってもらいたいという申請が次々に出てくるということで
あれば、足らなければ、それはフレームワークについて地方とよく協
議をしなければなりませんが、国の分については、予備費も使えると
いうことだと思います。
【NHK・広内記者】自民党内からも、今国会で2次補正を急ぐべき
だという意見が相次いでいる。一方で、党内では国対委員長などは「今
国会では難しい」という趣旨の発言をされている。幹事長はどのよう
にお考えか。
【幹事長】それは、今後1次補正のお金、これはつくったばかりです
から、これがどう使われていくのか、その状況を見きわめつつという
ことになると思います。一部の野党が2次補正を急ぐべきだと主張し
ていることは知っておりますが、そうであればこそ、被災者の立場に
立てば、復興基本法などの審議について、これから審議入りするだけ
でずいぶん時間が必要であるとか、待ってくれとか、そういう話では
なくて、すぐにでも審議入りしていただきたいと思います。
【フリーランス・島田記者】復興に関する財源を日銀引き受け等で補
填する考えは、基本的には民主党内では多くないのか。
【幹事長】そういう議論があることは承知をしております。もちろん
議論を行うこと自身は、別にそれは禁じられたものではありません。
ただ、日銀引き受けはいわば「禁じ手」でありまして、それを、市場
を通じてやるにせよ、直接引き受けであるにしろ、大きく財政規律が
崩れることになりかねません。
残念ながら民主主義というのは、どうしても安易なほうに流れてし
まいがちでありまして、例えば赤字国債なども法律で禁じられている、
それを毎年例外をつくってきた、いつの間にか大量の赤字国債を毎年
発行して、それを返すことについてかなりの困難さがあるという事態
になっています。
日銀引き受けをすれば、まさしく手品のように日銀がどんどん引き
受けてくれるということで財政規律が失われ、結果的には大きなイン
フレを招き、弱い立場にある人たちにそのツケを回すか、あるいは次
の世代にツケを回すことになりかねない。そのところは十分に考えて
おかなければならないと思います。
○普天間移設問題について
【毎日新聞・野口記者】アメリカ上院の軍事委員長らが、普天間の移
設問題で嘉手納統合案を提言した。幹事長も外務大臣のときに嘉手納
統合案を唱えてアメリカとも交渉していたと思うが、この時期に日米
合意以外の案が、アメリカ議会から出てくることについて、どのよう
にお考えか。
【幹事長】いろいろな考え方が出てくることは日本でも当然あるわけ
で、そのことについて特にコメントするつもりはありません。ただ、
日米合意は両国政府間で結ばれたものでありまして、現時点ではそれ
以外の答えはないと言うべきだと思います。
もし米国政府のほうで、私がいろいろやったときには嘉手納統合に
ついて、かなり厳しい反応だったわけですが、そういう考え方を受け
入れるということで日本政府と交渉するなら話は別ですが、そういう
ことがない限りは、両国政府間では今の日米合意ということにならざ
るを得ないと思います。
【時事通信・近藤記者】米上院議員の提案は、2014年を期限とし
た日米合意が非現実的だという発想のもとに出た案だが、幹事長は何
度か沖縄を訪問されて、日米合意の実現可能性について感じているこ
とを伺いたい。
【幹事長】実現可能性の話と、今の期限どおりにできるかどうかは別
の議論です。今の期限どおりにということについては、いろいろ議論
があります。これは両国間政府で話し合っていただくことだと思って
おります。
そのことと、これが将来にわたって実現不可能かと言われれば、そ
れは実現可能性があると思うから両国間で日米合意を結んだわけで
す。沖縄の理解がなければできないことは何度も申し上げているとお
りです。
この嘉手納の話は、私、外務大臣のときに可能性についていろいろ
とアメリカ側とも検討してきたわけですが、そのときの大前提は、嘉
手納にある空軍機をかなり他に移すことが前提で、今回の提言もその
ことには触れておりますが、そういったことがはたして実現するのか
どうかという問題もあります。
ただ、嘉手納の可能性について私が触れたときに、日本のメディア
の皆さんの大半は「アメリカが反対しているのだから、そんなことは
あり得ない」とご批判になったと、私は記憶しております。「アメリ
カがだめだと言うから、絶対だめだ」と。今度「アメリカの国会議員、
有力者がいいと言うから、いいんじゃないか」とか、そういう主体性
のないことではなくて、これはもっと客観的にしっかり議論されるべ
きことだと思っております。
【テレビ朝日・平元記者】幹事長は沖縄を訪れ地元の声を聞いている
が、今回アメリカから再び嘉手納統合案が突如出てくることは、沖縄
の基地問題を前進させるきっかけになるとお思いか、またはさらに混
乱させるとお考えか。
【幹事長】最初に申し上げましたように、たとえ有力者とはいえ、ま
だ議会人の提言にとどまっておりますので、この提言についてアメリ
カ政府が受け入れる可能性があるような反応があるなら別ですが、現
時点ではそういうことでありませんので、あまりコメントすることは
適切ではない。日本においても、政府以外でのいろいろな発信はある
わけですから、そのことについていちいち政府間でコメントする必要
はないと思います。
○選挙制度改革について
【日経新聞・恩地記者】衆議院の「1票の格差」について、民主党と
しては1人別枠の廃止を決めているが、今国会では日程が非常に厳し
い状況だが、どのタイミングで野党に協議を呼びかけていくのか。こ
の国会でという考えに変わりはないか。
【幹事長】民主党が決めているというよりは、最高裁の判決を見る限
り、それ以外の道はないと。憲法の最終解釈を行うのは最高裁ですか
ら、その最高裁がああいった判決を出した以上、それを変えるには憲
法を変えるしかないということだと思います。そういった重大な判決
が出た後ですから、これに対応していくのは立法府としての責任であ
ると考えています。
ただ、いろいろな課題を抱える中で、もちろん参議院の改革も課題
としてありますし、実現するためにどういう順序で物事を進めていけ
ばいいのかは、よく考えてやっていかなければいけないと思います。
○議員連盟などの動きについて
【フリーランス・安積記者】樽床伸二さんや松野頼久さんを中心に自
民党の若手議員と議連をつくる動きがある一方で、西岡武夫参議院議
長を中心に増税に反対する議連がグループをつくっている。こういう
動きについてどうお考えか。
【幹事長】議連をつくること、あるいは超党派でいろいろな勉強をす
ることは望ましいことだと思います。私も随分これまでもやってまい
りました。
議長が中心メンバーとして加わることについては、議論が分かれる
ところだろうと思いますが、それは議長がされていることについて、
幹事長である私が、こういう場で物事を言うべきではないと思ってい
ます。
○原発事故対応の議事録について
【島田記者】先ほど幹事長は、福島原発事故の検証が必要だと。枝野
官房長官は会見で、対策委員会等の議事録があまりない、メモ程度し
かないとおっしゃっていた。福島の校庭の被曝線量基準の20ミリシ
ーベルトに関しても、議事録がほとんどなくて決まったという事実が
ある。議事録がなくてどう検証すればいいのか、どのように考えてお
いでか。
【幹事長】非常に急いでいる場合に議事録をつくっていないことは、
決して不思議なことではありません。あとは議事録をつくり得るよう
な状態であったかどうかも含めて検証されるべきだと思います。議事
録がなければ、それは人々の記憶に頼るしかないということだと思い
ます。
○政治主導確立法案の取り下げについて
【共同通信・中久木記者】今日の本会議で、内閣法改正案提出のため
に政治主導確立法案の取り下げを決めたが、先月の政治改革推進本部
の中で、取り下げるが、国家戦略局の設置の部分と、法制局長官の答
弁禁止の部分を改めて出し直す方針を決めたと思うが、これをいつご
ろまでに進めるのか。今国会中か、あるいは次回というお考えか。
【幹事長】質問が正確ではないと思います。大臣の増員などダブる部
分があります。もちろん内閣法の改正案は恒久的な措置ではなくて、
震災対応、当分の間というものであります。もともと出していた政治
主導確立法案、これは恒久法であります。しかし中身的にはダブって
いる部分がある。したがって、それを整理するためにいったん今日取
り下げたところであります。今後については、政治改革推進本部で確
認しましたが、この内閣法が成立した後、党内で検討を行い、そして
政治主導確立法案の内容について検討したうえで、再度速やかに国会
に提出すると決めているところです。
○計画的避難区域の柔軟運用について
【朝日新聞・南記者】福島視察の際、幹事長は計画的避難区域と警戒
区域の柔軟運用について言及されていたが、今日の党内での協議を踏
まえて、どのような形で政府へ申し入れるのか。
【幹事長】明日、官房長官のところにお話しに行こうと考えています。