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2011.05.30|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(5月30日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年5月30日(月)16時05分~16時35分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110526okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
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■冒頭発言
○内閣不信任案への対応について

■質疑
○内閣不信任案について
○復興基本法案について
○渡部・小沢両議員の合同誕生会について
○羽田内閣総辞職を振り返って
○社会保障と税の一体改革について
○「厳正に対処」の意味について
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■冒頭発言

○内閣不信任案への対応について

【幹事長】まず先ほど役員会で議論しましたことのご報告だけいたします。
 野党からの内閣不信任案の提出が言われております。今日も自公の幹事長会談が行
われたということでありますが、いずれにせよ、今週か、来週の早い時期に出てくる
ものだろうと予想しております。出てくれば党が一丸となって粛々とこれを否決する
ことを役員会で確認いたしました。仮に不信任案に(民主党議員が)賛成あるいは欠席
ということになれば、それは党として厳正に対処することも、あわせ確認したところ
です。

■質疑

○内閣不信任案について

【フリーランス・宮崎記者】不信任案が出るタイミングの前に、党代表経験者と現代
表との会談や両院議員総会を執行部主催で開く考えはあるか。

【幹事長】まず、代表経験者というのは、総理がそういったお考えがあるかのような
報道もありましたが、私は特に承知しておりません。総理のほうでどうお考えになる
かということについて承知をしていないということであります。
 両院議員総会は、特に私のところにそういう声は聞こえてまいりません。しかも、
こういった野党が不信任案を出そうという、その前に開くことは非常に考えにくいこ
とであると思っています。

【産経新聞・宮下記者】役員会で確認された不信任案が出た際の対処について、今日
午後、幹事長は総理と面会した際、調整というか、話し合いはされたか。

【幹事長】そういう方針を確認するつもりであるということは、総理に報告してあり
ます。

【日経新聞・恩地記者】党内に不信任案への同調者がいるとされているが、執行部と
して同調の動きを防ぐためにどのように対応していくおつもりか。

【幹事長】同調者がいるのかどうか。我々は一致してこれを否決すると。与党として
は当然のことであると考えております。
 ただ、不信任案に賛成すること、あるいは欠席することが、どういう意味を持つの
かが十分に認識されていない、そういう方が中にはいらっしゃるようです。やや信じ
がたいことではありますが。一般の法案に与党でありながら反対することとは、次元
を異にすることであるという説明は、きちんとしておく必要がある。後で「そういう
つもりではなかった」ということになっても困りますので、丁寧に、そういったこと
は説明しなければいけないと思っています。ややお恥ずかしい話ですが。

【朝日新聞・南記者】「丁寧に説明」というのは、具体的にはどのような形で説明さ
れていくお考えか。

【幹事長】役員会で決めたのも、そういう趣旨なんですね。もちろん、いろいろな場
で、そういったことについて、それぞれが、説明するということだと思います。

【産経新聞・宮下記者】産経新聞とフジテレビが行った世論調査で、野党が不信任案
を提出することに対して、「理解できる」が45.6%、「理解できない」が47.
1%。一方で、民主党内から同調者が出ることについて、「理解できる」は37.
6%で、「理解できない」が57%という結果が出ている。こういった国民の声を踏
まえて、改めて、この時期の不信任案提出の動きと、党内から同調者が出るかもしれ
ないことについての所見をお聞かせください。

【幹事長】今言われた数字は、世の中の常識だと思います。つまり野党が不信任案を
出すというのは、我々がどう受け止めるかは別にして、そのこと自身は否定されるべ
きことではない。我々も野党のときには、不信任案をいつ出そうかと常に考えており
ました。したがって、不信任案を出すこと自身がおかしいとか、そういうことにはな
らないと思います。もちろんこういった大震災のさなかですから、それについてのい
ろいろな意見はあると思いますが、出すこと自身がおかしいということではない。
 問題なのは、この大震災のさなか、しかも与党議員が不信任案に賛同することにな
れば、これは世の中の理解を全く得られないことだと思います。今の数字もそのこと
を裏付けていると考えております。

【毎日新聞・野口記者】2次補正を、今国会でやらないのはけしからんとか、会期を
延長しないのはけしからんという、政府の国会運営についての批判的な声が、不信任
案に同調する動きになる可能性がある。そういった声については、どういう説明で説
得されるのか。

【幹事長】説得というか、2次補正を絶対にやらないとか、会期を絶対に延長しない
とか、そういうことは全く言っておりません。それは会期末になった段階で、諸般の
状況を考えて決めることですから、そもそも議論の前提が間違っている。そういった
デマを前提に、まさか不信任案に賛成だという方はいらっしゃらないと私は思いま
す。

【朝日新聞・南記者】幹事長は、常々、「不信任案(賛成)への対応は、党を離れる
ことだ」とおっしゃっている。欠席の場合でも厳正に対処するということは、党を離
れるという処分を前提に置かれているのか。

【幹事長】不信任案は、一致して否決されると考えておりますので、具体的なことに
ついていろいろ申し上げるつもりはありません。
 ただ、党を離れるというのは、不信任案について賛成するという決意であれば、当
然、党を離れることが前提ですよと。そのことを覚悟してやるからこそ意味があるの
であって、そういう覚悟がないのに不信任案に賛成というのは、それは世の中の理解
を全く得られないだろうと思っています。

【フリーランス・宮崎記者】いずれにせよ、次の衆議院選挙では小選挙区に候補者を
立てなければならない。今回の衆議院議員の判断、小選挙区選出組、小選挙区比例復
活組、比例単独組、それぞれの選挙区によって、欠席の場合でも執行部の処分の判断
に濃淡が出ることはあり得るのか。

【幹事長】先ほども言いましたように、我々は一致して否決できると考えております
し、そうすべきであると考えておりますので、そうでないことを前提にいろいろ申し
上げることは避けたいと思います。

【フジテレビ・橋本記者】先週末のフジテレビと産経新聞の協同の世論調査で、内閣
支持率が7%以上回復して、29.2%と3割に迫っている。幹事長のご所見を伺い
たい。

【幹事長】夕刊フジは「危険水域」と書いたんじゃないですか、その数字を。回復し
たにもかかわらず(笑)。まあ、数字の読み方はいろいろです。そういったことに一
喜一憂せずに、やるべきことをしっかりやっていくことが重要だと思います。

【フジテレビ・橋本記者】内閣支持率は7ポイント以上上げたが、菅総理のリーダー
シップを「評価しない」が85%に迫ったり、原発事故の対応を「評価しない」が8
割に迫ったりと、原発事故対応について否定的な意見が多かった。原発事故の対応に
ついての評価を、幹事長はどのように受け止められるか。

【幹事長】深刻な事故ですから、それへの対処について、いかなる対処をしたとして
も、それは国民から見て十分ではないと否定的な結論が下されることはやむを得ない
と。そのことは甘受しなければいけないと思います。後から振り返って、その判断
が、もちろん100点満点ということはあり得ないわけで、70点だったのか30点
だったのかは、後で客観的に評価されるべきことだと思います。
 いずれにしても、福島原発の状況が安定するまでの間は、やはり厳しい評価は続
く。そのことは、政権を持つ者として覚悟しなければいけないことであると思いま
す。そういうことに一喜一憂することではなくて、国民の立場に立って、間違いない
判断をしっかりとしていくことが重要だと思います。

○復興基本法案について

【日経新聞・恩地記者】復興基本法案について、今日、午前中に、民主党側から自民
党に対して修正案を提示した。こういう政局モードの中でなかなか野党との合意が難
しい状況かなという気がするが、幹事長としてはいつまでに成立を期したいお考え
か。

【幹事長】内閣不信任案の提出がどういうタイミングになるのかにかかっております
ので、今申し上げることは非常に難しいと思います。
 ただ、子ども手当にしても、税制改正にしても、あるいは特例公債法の扱いにして
も、そういった課題が山積しています。特例公債法なども、いつまでも延ばしている
と政府としての支出ができなくなる。そうなれば、被災地はもちろん、その他の地域
に対しても大変な影響が出るわけで、やはりこういう問題について、政局ではなく
て、国民の立場でしっかり議論していただきたいと思います。
 内閣不信任案があるから議論ができない、前に進まないということであれば、早く
内閣不信任案を出していただいて、きちっと白黒つけて、そして国民の立場で国会を
正常化してもらいたいと思っています。

【時事通信・近藤記者】今日の修正案では、財源について明記されていない。復興基
本法に財源を明記する必要性について、幹事長の考えをお聞かせいただきたい。

【幹事長】個別のことは、これはパッケージで議論している話ですので。現段階での
わが党の案は確かに財源のことまで書いていないかもしれませんが、それはこれから
いろいろ話し合っていくことだと思います。

○渡部・小沢両議員の合同誕生会について

【フリーランス・安積記者】前回聞きそびれたが、5月24日に渡部恒三議員と小沢
一郎議員の合同誕生会があり、幹事長は欠席されたようだが、他にスケジュールが
あったのか。6日も後になってしまったが、お祝いの言葉など何か幹事長からおっ
しゃることがおありか。

【幹事長】私、呼ばれておりませんので(笑)、行っておりません。お祝いの言葉
も、もう6日もたちましたので、次の誕生会のときに申し上げたいと思います。

○羽田内閣総辞職を振り返って

【フリーランス・宮崎記者】1994年6月24日、いわゆる宮沢解散から1年と1
週間後に羽田内閣総辞職があった。これは少数与党になったということで、当時第1
会派の自民党や第2会派の日本社会党などが内閣不信任案を提出する構えを見せて、
ほぼ可決されることが確実である状況で、不信任案を上程する前に羽田内閣は総辞職
した。24日の夜、当時2回生の岡田克也さんと3回生の石破茂さんが官邸で羽田総
理と会って、翌朝まで話し合った。その内容は、政治改革関連法案が既に成立してい
るので、次の総選挙は小選挙区でやりたい、今解散したら中選挙区になってしまう、
中選挙区だと広域でお金もかかる。若手から、1年しかたっていない、解散をやめて
ほしいという意見があり、それを受けて岡田さんと石破さんが総理に伝えに行った
と。あのとき実際はどういうことだったのか。また、岡田克也個人としてはどういう
考えだったのか。

【幹事長】講談社から出ている『政権交代』をお読みいただきたいと思います。私が
書いた本です。
あのときに、私も石破さんもともに「解散をすべきではない」と、そう申し上げに参
りました。ただ、理由は2人異なったわけで、石破さんは、今おっしゃったように
「若い議員のために、ここは解散すべきでない」という話でした。私のほうは「せっ
かく小選挙区制度の法律が通った。しかし実施は、今やれば中選挙区になる。中選挙
区で1度選挙をやりますと、そこで当選してきた人たちが、この選挙制度についてど
う判断するかはわからない。また中選挙区に戻る可能性がある。そういう中で、相当
努力した結果できた小選挙区比例代表並立制を確実なものにするために、解散すべき
ではない」と申し上げました。ですから、論理は2人全く異なりました。結論は一緒
です、「解散すべきじゃない」と。
 いずれにしても、後で振り返ったときに、あのとき解散すべきだったかどうかは議
論の分かれるところで、私も時々考えることがあります。あのとき解散すれば勝てた
んじゃないかと。確かに当選1回の脆弱な議員が多かったですが、選挙制度をようや
く実現して、そこで自社が野合して村山さんを担いだ政権ができることに対して、解
散して戦えば我々勝てたんじゃないかと、そういう思いは時々あります。
 羽田さんを何時間もかけて説得して、それの結果だったのかどうかわかりません、
帰った後、(総辞職表明まで)数時間まだありましたから。しかし、結果的には総辞
職ということになったので、羽田先生には申しわけないという気持ちは常に持ってお
りますし、それがその後、新進党において私が党首選挙で海部さんではなくて羽田さ
んを応援した。逆に言うと、小沢さんの考え方とそこからずれが出てきたと、こうい
うことです。

【フリーランス・宮崎記者】数時間後の羽田さんの記者会見を見ると、「国会議員は
もっと虚心になってほしい。少なくとも議員が羽田孜ぐらいになってくれれば、もっ
と日本の政治はよくなるはずだ」と、羽田総理ご自身がおっしゃっている。今振り
返って、この言葉をどう感じられるか。

【幹事長】どういう趣旨で言われたのか、率直に言って私もよくわかっているわけで
はありませんので、コメントは控えたいと思います。
 ただ、大事なことは、政治家というのは、当然のことながら国家・国民のためにあ
るわけですから、この大震災の中で、例えば総理を代えろという声がある。総理を代
えて、じゃあその後どうするのか。谷垣さんにも別にプランがあるわけではない。あ
るいは党内でいろいろ言っている人にもそういった具体案があるわけではない。結
局、それは混乱を招くだけで、時間もロスする。はたして被災地で苦しんでいる皆さ
んの立場から見たときに、それがどういう意味を持つのか、そのことは虚心坦懐に考
えていただきたいと思っています。

【朝日新聞・南記者】当時を振り返って、自社が野合して、そのときに解散したほう
がよかったんじゃないかと思うことがある、とおっしゃったが、今まさに、自民党側
が次の政権プランを示さぬままに総辞職を求めて、内閣不信任案を突きつけようとし
ている。これに対抗して、万が一可決された場合には、解散すべきと幹事長はお考え
か。

【幹事長】それは総理が決めることです。もちろん、総理の解散権は誰にも制約され
ることはありません。それ以上のことは申し上げるべきではないと思います。それは
菅総理がお決めになること、それ以上のことはありません。

【日経新聞・恩地記者】党内には、「もし不信任案が可決されたら、総理は解散す
る」という見通しの声と、逆に「被災地はまだ県議選も行っていないのに、解散なん
かできる状況にない」という声もある。被災地の状況なども踏まえて、実際問題、解
散できる状況にあるとお考えか。

【幹事長】そういう議論をするべきではないと私は思います。その前提は、内閣不信
任案が民主党の中の賛同者を得て可決されるという議論ですから、そういった仮定に
仮定を重ねた議論まですべきではないと思います。
 そういう意味では、私は(達増)岩手県知事の発言は、怒りを持って聞きました。
ぜひ被災地の皆さんのことを第一に考えてもらいたい。知事にもお願いしておきたい
と思います。

【共同通信・中久木記者】今日、自公の幹事長会談で、不信任案提出について週内に
も行うことで調整することが決まった。不信任案が提出された場合に、すぐに週内に
採決すべきなのか、あるいは週をまたいで来週か。今の段階でのお考えがあれば伺い
たい。

【幹事長】それはその状況で判断するしかないですね。ただ、あまり引き延ばすこと
は、私は賢明ではないと思います。やはりこれだけ重要な案件が山積しておりますの
で、少しでもしっかりとした審議を早く行うことが重要だと思います。ただ、多少の
やりとりといいますか、駆け引きは当然あるかと思いますが、基本はやはり、出され
れば粛々と否決していくということだと思います。

○社会保障と税の一体改革について

【時事通信・近藤記者】今ある社会保障改革検討本部のもとに、政府と与党幹部によ
るコアメンバーの会議をつくって、財源などの議論をするということだが、いつこれ
を立ち上げて、どういう組織にするのか、またそのねらいについて伺いたい。

【幹事長】必ずしも財源の問題だけ議論するとは聞いておりません。これからいよい
よ、党の考え方もまとまり、政府とのすり合わせを必要としておりますので、そう
いったことについて議論するコアメンバーの会議をつくるということだと理解してお
ります。
 先般、与謝野大臣からもご相談を受けましたので、党側のメンバーについて、私の
ほうで提案しておきました。最終的に固まったかどうか、まだ私、承知しておりませ
ん。
 いずれにしても、国民の社会保障制度、その根幹を議論するわけでありますので、
もちろん財源も含めてですが、それは党と政府がしっかり議論を行い、国民にとって
ベストの案をまとめなければいけない、そう思っています。

【朝日新聞・南記者】コアメンバー会議の議論は、基本的には6月末までには結論を
出したいという考えで進められるのか。

【幹事長】もちろん党内の議論もありますので、あらかじめ後ろを切って議論するこ
とがいいとは必ずしも思いませんが、政府としては、やはり6月が1つの目安になっ
ておりますので、それになるべく合わせる形で結論に至ればいいなと考えておりま
す。
 ただ党内的な議論は、社会保障制度についてはまとまりましたが、財源の話は、あ
る意味ではこれから十分議論しなければいけませんので、絶対にいつまでと、お尻を
切らないほうがいいのかなと思います。

○「厳正に対処」の意味について

【朝日新聞・南記者】先ほど幹事長は、不信任案に賛成した場合についてはかなり詳
細におっしゃったが、欠席の場合の「厳正に対処する」とは、具体的にはどういう意
味なのか。

【幹事長】賛成した場合も、私は、賛成の場合は賛成する前にきちっと党を出なさ
い、出る決意をしなさいと申し上げただけで、党としてどういう判断をするかという
ことは、賛成した場合も、欠席した場合も、特に申し上げておりません。厳正に対処
するということに尽きると思います。「厳正に」という中に込められた思いというの
は、役員会ですから私だけでなくて、役員会の思いというのは、おのずから明らかだ
と思います。




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