民主党幹事長としての記者会見(7月18日)
岡田克也幹事長/沖縄協議会・沖縄における記者会見要旨
2011年7月18日(月)17時30分から17時55分
於 沖縄県与那国町島仲公民館
編集・発行/民主党幹事長室
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○沖縄振興一括交付金及び沖縄協議会について
○南西諸島への自衛隊配備計画について
○尖閣諸島の港湾整備計画について
○航空運賃低減化について
○与那国の台湾との交易貿易について
○民主党代表選について
○今後の重要法案について
○総理の退陣時期について
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■質疑
○沖縄振興一括交付金及び沖縄協議会について
【沖縄タイムス・吉田記者】昨日から話が出ている一括交付金に関して、県の権限が
強くなり過ぎないように協議を持つという話だが、協議の場の進め方はどのように今
イメージを持っていらっしゃるのか。
もう一点、協議会の今後だが、仮に遠くないうちに総理が辞めて新しい体制になっ
たら、三役も変わる可能性はあるか。協議会を強く引っ張ってきた幹事長として、協
議会の今後をどう考えておいでか。
【幹事長】まず一括交付金についての協議の場というのは、これは沖縄の中の話なの
で、国が全部決めるということではありません。基本的には、やはり沖縄県と沖縄の
市町村の間で話し合いをしてもらうということだと思います。
ただ、これは1つのモデルケースにもなるので、そういう意味では国が全く関与し
ないということではなくて、これから12月に向けて一括交付金の予算案が固まって
いく、そのプロセスの中でどういうふうにしてこれを配分していくかということを決
めていく必要があると思っています。よく沖縄県とも協議をしながら、話し合いをし
ながら、進めていかなければいけないと思っています。
それから沖縄協議会は、もちろん総理がかわれば執行部はかわるのですが、執行部
がかわっても沖縄協議会は続けることになると確信しております。もちろん基本的に
は新しい代表や幹事長が相談していただくことですが、私としてはぜひこれは残して
もらいたいことを申し上げておきたいと思っています。
たまたま幹事長である私が協議会(座長)を兼ねてまいりましたが、今後どうなる
かは、それはそのときの執行部が判断することになります。私も何らかの形でしっか
り沖縄の問題には引き続き関与していきたいと思っておりますので、どういう立場に
なっても協議会の中に名前を連ねて、引き続き沖縄の問題に取り組んでいきたいと、
そういう希望は持っております。
【共同通信・中久木記者】沖縄協議会として、今回の視察も兼ねた中間報告とか提言
とかまとめるのか。
【幹事長】一括交付金ということで集約をしました。個々の政策はプロジェクトチー
ムのほうで議論していただくのが基本ですので、何か早急に協議会としてまとめると
いうことはありません。しかし、今の執行部が続く限り協議会の活動は続けていく
と。そこは全力投球で引き続きやっていきたいと思います。執行部がかわる段階にな
るまでは、我々全力投球するということです。
【朝日新聞・南記者】岡田幹事長が政調会長だった2002年に沖縄ビジョンをつく
られ、ずっと沖縄に対する思い入れが深かったと思うが、民主党政権になってから沖
縄に対してなかなか民主党の考え方が伝わらない場面が多くあって、選挙でも苦労し
たきらいがあったと思う。あらためて沖縄協議会をつくった意義と、この半年余りの
活動を振り返られてどういう成果を上げていると感じられているか。
【幹事長】推薦候補者を立てられなかったとかいうことは、これとは関係ありませ
ん。沖縄協議会は、沖縄の声に耳を傾けるということで進めてまいりました。私自身
も4回沖縄に参りましたし、県連の皆さんと一緒にやってきたわけですが、私はかな
り意義のある活動であったと思っています。これからもそういう形で進んでいくこと
を期待しております。
○南西諸島への自衛隊配備計画について
【琉球新報・稲福記者】賛成・反対がある状況だが、配備計画を進めているそのこと
についてどうお考えか。
【幹事長】私は南西諸島に自衛隊の配備は必要であると思っています。しかし具体的
に、この与那国に配備すべきかどうかということについては、これは政府は政府の立
場があると思いますが、私としてはやはりよく話し合いをしてもらいたいと。何か入
り口で賛成・反対で対立しているような構図というのは望ましくありません。仮にこ
れが配備されることになっても、根強い反対があるということであれば、島にとって
もいいことではありませんし、自衛隊にとってもいいことではないということです。
ですから、政府には丁寧に説明してもらいたいと思いますし、町のほうもよく住民の
皆さんとの意見交換をしっかりやっていただきたいと。説明不足だという指摘も今日
ありました。私は実態をよく承知しておりませんが、まだまだお互い意思疎通をよく
することが必要ではないかと思っています。
【琉球朝日放送・山城記者】今後与那国の中で、例えば町民投票とか反対署名とか、
そういう方法である程度反対を示された場合は、それから先見直すこともあり得るの
か。
【幹事長】そういうこれからのことを対立の構図でとらえるのではなくて、私はよく
話し合いをして、お互いに歩み寄るべきだということを申し上げているわけです。
○尖閣諸島の港湾整備計画について
【琉球新報・稲福記者】昨日の石垣市長との懇談の中で、尖閣諸島の港湾整備の話が
出たと思うが、幹事長は「注意深く見守りながら進めていきたい」と。
【幹事長】尖閣の問題はね。
【琉球新報・稲福記者】はい。これは要望にこたえていきたいという意味なのか、そ
れとも外交上の問題があるから注意しなければいけないという意味なのか。
【幹事長】これは外交にかかわる話なので、党というよりは政府において判断すべき
話だと私は思っています。
○航空運賃低減化について
【八重山毎日・下野記者】漁協やJAとの懇談で運賃是正の話があったと思うが、何ら
かの是正策は具体的に示されるのか。
【幹事長】運賃是正の前に、便がないというか、時間が適切でないというお話は聞か
せていただきました。そういうことは航空会社との話し合いも必要になることだと思
います。もちろん航空会社としては観光客のことを考えればということで、夏の間、
違う時間帯を決めたと思いますが、もちろん荷物を優先する余り観光客が減ってし
まっては、それも島にとっては問題ですから、その辺は専門家の意見をよく聞く必要
がありますが、なかなか、例えばカジキが、市場に出すタイミングが遅れるというこ
とであれば、それはあまりよくないことは事実だと思います。
運賃そのものについても、既存の制度の中で、特に与那国はかなり距離的に離れて
いるわけですから、そういうことをクリアするための配慮というものは私は求められ
ると思います。そもそも国境にある島ですから、単なる離島とはまた違う、そういう
意味合いも含めて、国としての対応が求められていると思っています。
○与那国の台湾との交易貿易について
【朝日新聞・南記者】今日の漁業関係者の要望の中で台湾との交易の話も出ていたと
思うが、幹事長としてこれを開くということをおっしゃった。与那国が台湾と交易す
るにあたっての規制緩和について検討するという意見も出たが、具体的なお考えをお
聞かせください。
【幹事長】これはよく専門家の意見も聞いてみないといけない問題だと思います。私
は基本的に与那国が活性化するためには台湾との交流をより深めることが非常に重要
なテーマだと思います。ただ同時に、国境の島ですから、完全に台湾の経済圏に入っ
てしまうということの問題もあるかもしれません。そういうことを少し専門家の意見
も聞いて考えていかないといけないなと思います。
さっき「1次産業が自立することが必要だ」と申し上げましたが、やはり一方通行
ではなくて双方交流ができるために、与那国自身がやはりある程度強くならなければ
いけないと思っております。
○民主党代表選について
【読売新聞・石川記者】先ほどの意見交換会でも幹事長は「菅首相は先まで長くやる
つもりはない」とおっしゃったが、先週、安住国対委員長は、8月中に代表選をやる
可能性があるとおっしゃった。幹事長としては政治空白をつくらないために、代表選
についてどう考えておいでか。
【幹事長】個々の議員が言ったことについて、私、特にコメントいたしません。どう
いう意味で言ったのかということもわかりませんので。幹事長として、総理がやがて
お辞めになると言っておられるときに、「一刻も早く辞めろ」とか「いつ辞めろ」と
か、そういうことは言わないことにしております。やはり総理ご自身が辞める時期は
お決めになるべきだし、その瞬間まではしっかりと支えるのが幹事長の役割であると
思います。
私自身が気にしておりますのは、やはり3次補正、これは復興への非常に重要な予
算になりますので、この復興予算、3次補正がきちんと中身のあるものにならなけれ
ばいけないと。そのためには新しい体制のもとでそれがしっかりした議論をするだけ
の時間的余裕が要る、こういうことだと思っておりますので、そういう視点でいろい
ろなことを申し上げているところです。それ以上のことは申し上げるつもりはありま
せん。総理にもそういうことは申し上げております。
読売は、なにか幹事長と総理が対立しているかのような記事が目立ちますが、そう
いうことは全くありませんので、申し上げておきたいと思います。
【読売新聞・石川記者】幹事長は党内の懸案について7月中に中間報告を出すという
話をされているようだが、7月中というとあと2週間しかないが、党執行部として
は、その辺どう考えておいてが。
【幹事長】7月中というのは1つのめどですが、いろいろなことをある程度の形にし
て次に引き継いでいきたいという思いが非常にありますので、マニフェストの検証な
どはもうちょっと時間がかかってしまうかもしれませんが、できる範囲でしっかり
やっていくことが非常に大事だと思っております。いろいろな課題をそのまま、取り
まとめを全くしない状況というのは無責任だと私は思いますので。
【朝日新聞・南記者】今日、与那国島に行かれて「長命草」とか土産物を買われたと
思うが、これを総理に持っていって、何かの意思表明をすることはあるのか。
【幹事長】そういうつもりで買ったものではありません。それ以上コメントはしませ
ん。どう考えても、おもしろおかしく書かれるに決まっていますから(笑)。
○今後の重要法案について
【幹事長】あとは今週中に何とか子ども手当についてめどをつけたいと思っていま
す。これは公債特例法案の入り口になる話で、この話を、私はそんなに違いはないと
思っていますが、城島さん、実務者間でよく話し合いをしてもらって、必要があれば
政調会長、あるいは幹事長レベルでもしっかり話をしたいと思っております。そのこ
とで公債特例法についても見通しをつけたいと考えているところです。
この1週間で、だいぶいろいろなことが見えてくるだろうと思います。法案的に
は、少なくとも最終週で、今衆議院で自然エネルギー法とか補償法ですね、そういっ
たことについてしっかりとめどをつけたいと考えています。
【朝日新聞・南記者】この1週間にいろいろなことが見えてくるという、そのスケ
ジュール感については、総理と幹事長、執行部で統一したものがあるか。
【幹事長】全体の法案の見通しとか予定については、総理にお話をしております。当
然ですが。
○総理の退陣時期について
【NHK・広内記者】幹事長としては、総理のおっしゃる3つのめどがつけば、総理は
そう時間を置かずに退陣されると。3つの条件が一定のめどだというお考えは変わっ
ていないか。
【幹事長】総理自らそうおっしゃっているわけですから、この3つができていないと
どうかという話はありますが、(その3つが)できれば、一定のめどが立ったという
ことになると思います。
あとは、いろいろな外交日程もありますが、大事なことはやはり、私は被災地の復
興に向けてきちんとした予算を組む。基本方針は7月中につくるということで、今大
車輪で政府も党も作業しておりますが、実際の予算案をその方針に沿って組んでいく
のは、ある程度これは役所ベースも含めますが、どこかから政治の意思というのが非
常に重要になってきますから、あまり遅くなってしまうと、3次補正・復興予算に政
治の意思が入らなくなってしまうことになりかねませんので、そういう意味で私は時
間をあまりかけるべきではないと思っているわけです。その思いというのは総理も共
有していただけるものと考えています。