夕刊フジコラム「ズバリ直球」11年7月21日号
なでしこジャパンが、サッカーの女子W杯ドイツ大会で優勝した。歴史的な快挙だ。本当に素晴らしい。心からお祝いを申し上げたい。私は決勝戦当日の18日朝、日本最西端の島、沖縄県・与那国島にいた。前日は早朝に東京を出て、同県・石垣島を視察したあと与那国入りという強行日程だった。疲れていたのか、目が覚めてテレビをつけた際は表彰式の最中だった。
朝のニュースなどで試合経過をじっくり見たが、世界ランク1位の米国を相手に2度リードされながらいずれも追いついた執念には驚かされた。主将の沢穂希選手を中心に、チャレンジャーとして最後まで諦めずに攻めた姿勢がすごかった。優勝へのプレッシャーで硬くなっていた米国に比べて、なでしこたちはPKでもリラックスしているように見えた。
その戦いぶりは、東日本大震災以来、暗い話題が続いた日本全国に大きな勇気と希望を届けてくれた。優勝決定後、選手たちが「東北のみなさんへ」「忘れたことはありません。今回『良い結果を届ける』その一心でした」という日の丸を掲げていたのには心を打たれた。また、世界に向けて、被災地支援に感謝するメッセージを掲げてくれたのにも頭が下がった。
選手の方々には、お疲れさまとともに、ありがとうと言いたい。強く、しなやかな、日本女性の素晴らしさを改めて感じさせてくれた。
さて、話は戻るが、私が石垣島や与那国島を訪れたのは、民主党沖縄協議会の座長として離島の現状を視察するためで、沖縄訪問は今年4回目だ。
石垣島は、東京から2250キロ、沖縄本島からも420キロという距離にあるが、近年、本土からの若い移住者の増加もあり、人口は伸びている。現在、新しい空港を建設中で、完成すれば観光産業などのさらなる後押しになると思う。
石垣島で、暖かい気候を利用してマンゴー栽培をしている農家を訪ねた。とても甘いマンゴーだった。全国向けにネット直販などをしており、1箱6個で1万円と、宮崎などに比べて安く、人気が高いという。私も1箱購入した。
与那国島は、石垣島からプロペラ機でさらに30分。台湾が目と鼻の先にある日本最西端の国境の島だ。主要産業はカジキマグロ漁、サトウキビ栽培などの農業、酪農、観光など。カジキマグロは本土まで空輸しても利益が出るが、飛行機が1日1便で、条件は厳しい。以前、1万人以上だった人口は現在1600人を切っている。
こうしたなか、島内で古くから健康のため食べられていた「長命草」を島おこしにしようという動きが始まっていた。現在、資生堂がこれに目をつけて、ドリンクや錠剤の健康食品として発売している。
今回の沖縄訪問では、不利な条件を抱える離島や国境の島々を政府がサポートする必要性を改めて感じた。同時に、両島とも、若い人たちが「島の特色を生かして、島を活性化したい」という情熱を持っていた。こうした熱意をぜひ後押ししていきたい。