トピックス

2011.08.01|記者会見

民主党幹事長としての記者会見(8月1日)

岡田克也幹事長/記者会見要旨
2011年8月1日(月)17時11分~17時39分
編集・発行/民主党幹事長室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
http://asx.pod.tv/dpj/free/2011/20110801okada.asx
http://www.ustream.tv/channel/dpj-channel
***********************************************************
■冒頭発言
○新潟・福島豪雨について
○米国の債務上限引き上げ合意について

■質疑
○特例公債法案について
○自民党議員の鬱陵島訪問計画について
○沖縄振興策について
○郵政改革法案について
○復興基本方針について
○エネルギー政策の中間報告について
○海江田経産大臣について
***********************************************************

■冒頭発言

○新潟・福島豪雨について

【幹事長】まず新潟・福島の豪雨災害について、被災された皆さんに対して心からお
見舞いを申し上げたいと思います。
 県連のほうで主として対応しております。党本部として担当の部門会議などで状況
を聞くことにしており、いろいろ検討しておりますが、現時点では党本部として何ら
かの対策本部を立ち上げるといったことは考えていないということでございます。

○米国の債務上限引き上げ合意について

【幹事長】アメリカの債務上限引き上げの合意ができたことは、非常に喜ばしいと思
います。そのことが為替レートにも反映され、日本経済にもいい影響を及ぼすことを
期待したいと思います。
 いずれにしても、日本においては特例公債法案の衆議院財務金融委員会における審
議がだいぶ煮詰まってまいりましたが、ぜひ野党各党の賛同も得て、これをしっかり
と可決したいと思っております。
 いつかも申し上げましたが、アメリカの動きというのは他山の石であって、この特
例公債の対応を誤りますと、金利の上昇、国債価格の下落、あるいは円安、そういっ
たことに大きく振れるきっかけとなる可能性が十分にあるわけで、早期に特例公債法
の成立を野党の皆さんにはお願いしたいと思っております。

■質疑

○特例公債法案について

【テレビ朝日・平元記者】自民党が特例公債について、子ども手当がまとまってもそ
れが必要十分条件ではないと言って、若干ハードルが上がってきている。今後の対応
をいかにお考えか。

【幹事長】「自民党が」ということですが、自民党で何か意見集約されているわけで
はありません。いろいろな人がいろいろなことをそれぞれ言っているということです
ので、そのことにいちいちコメントするつもりはありません。
 いずれにしても特例公債法は、本来は予算成立とともに可決成立していて当然な法
案でありますので、いつまでもこれを政争の具にすることは、国民生活にとっても日
本経済にとっても極めて大きな影響を及ぼすわけで、やはりきちんと、そこは与党・
野党ないわけですので、しっかりとした真摯な対応を求めたいと思っております。

【毎日新聞・野口記者】子ども手当の修正について、7月29日の(民自公3党)政
調会長会談では、手取り年収860万円以上で所得制限すると大筋合意している。こ
れをもって特例公債を衆議院で採決する条件が整ったと見ておいでか。

【幹事長】子ども手当の問題と特例公債の話は、何か条件のようなものではありませ
ん。もちろん、子ども手当は子ども手当として早期に合意したいと考えております
が、これができれば当然特例公債法の採決がなされるということでもありませんし、
その逆でもありません。特例公債法については、これはこれでしっかりと、先ほど言
いましたように、財務金融委員会での議論が煮詰まれば採決していただきたい、そし
て賛成していただきたいと考えております。

【朝日新聞・南記者】特例公債法は重要広範議案にもなっており、参議院での審議時
間もある程度必要になってくるが、そういった日程を考えたときに、衆院通過はいつ
ごろがリミットとお考えか。

【幹事長】これは財務金融委員会において議論しておりますので、基本的には財務金
融委員会で、与野党間で折衝して決めていただく話かと思っています。

【日経新聞・恩地記者】幹事長は前回の記者会見で、これが成立しない場合は歳出の
差し止めもあり得るとおっしゃっていた。万が一、この国会で成立せず予算の執行を
とめていく事態が生じた場合、何を優先的に止めていくという具体的な検討はされて
いるか。

【幹事長】そういった検討は内々しております。なるべく影響が少ないようにと思い
ますが、そういう意味では政党交付金などは真っ先に差し止めるべき対象かと思いま
す。国民生活に極めて大きな影響を及ぼす法案について、これを通さないとか採決し
ないということであれば、まず国会議員が痛みを感じるべきだと思います。

【毎日新聞・野口記者】今の菅総理のもとで必ず成立させるべきとお考えか。今国会
で成立しない場合、新たな総理に持ち越す可能性もあるとお考えか。

【幹事長】総理も言っておられるように、この法案については菅総理のもとでと、基
本的に考えています。

【時事通信・中西記者】総理が公邸で昨日、自らに近い議員に対して、特例公債法案
が成立しない場合は9月にずれ込んでも辞めないと発言された。仮に9月にずれ込ん
だ場合、3次補正の提出の遅れや外交日程の停滞の懸念がある。そういったことを招
かないように幹事長はどのように対処していくお考えか。

【幹事長】まず、総理がどう言ったかというのは、当然のように今ご発言がありまし
たが、別に総理からそういう話を直接聞いておられるわけではないと思います。そう
いうふうに言った、ということを伝聞で聞かれただけだと思います。私は確認してお
りません。

【朝日新聞・南記者】自民・公明と協議している中の1つの前提条件として子ども手
当の問題があると思うが、今日、自民党が幹部会を開いた後、石破自民党政調会長が
ぶら下がりで、谷垣さんの発言として「民主党の考え方が間違っていることを認めさ
せないといけない」と紹介したり、石破さんとしても「わが党がきちんとしてきたこ
とをそのまま通す必要がある」ということで、かなりかたくなだ。こうした自民党の
要求をのむことは、2009年の総選挙で(民主党が)勝ったという、有権者に対す
る背信行為になりかねないが、幹事長はいかがお考えか。

【幹事長】いろいろな発言はあると思いますが、それがどこまで党としての見解なの
かということはありますから、いちいちコメントはいたしません。

【テレビ朝日・平元記者】子ども手当の修正協議の中で、石破試案が出てきたが、そ
の中で児童手当法の改正にという趣旨があったと思う。幹事長は、児童手当法の改正
も選択肢の1つとしてお考えか。

【幹事長】私は従来から、問題は内容であって、法形式は問わないと申し上げている
はずです。既に数ヵ月前からそういうことは申し上げております。

○自民党議員の鬱陵島訪問計画について

【産経新聞・山本記者】自民党の国会議員3人が韓国の鬱陵島に行こうとしたが、入
国できないで現地の空港にとどまっている。外務大臣経験者として、党幹部として、
受け止めを伺いたい。

【幹事長】私も韓国の法令についてよく承知しているわけではありませんが、日本の
国会議員が行って、明確な理由なく入国できないのは、普通ではないと思います。

【フリーランス・安積記者】新藤議員とともに竹島の問題に取り組んでいる拓殖大学
教授も入国拒否となった。留学中の息子に物を渡すのが主な目的であったと聞いてい
る。韓国に政情不安を起こすような意図も持たないそういう私人が入国拒否されたこ
とについて、どうお考えか。

【幹事長】私は詳細を承知しておりません。ただ、お答えをすると、先ほど自民党の
国会議員に関して申し上げたのと同様のお答えをしたいと思います。

【フリーランス・安積記者】少なくとも自民党の佐藤議員は参議院の承諾を得て渡航
と聞いている。手続を経た国会議員が韓国への入国を拒否されたが、日本だったらど
う対処したか。韓国と日本の対応の違いについて伺いたい。

【幹事長】これは法令がどうなっているかを私、承知しておりませんので、日本は日
本の法令に基づいて対応するということです。今回の韓国政府の対応が韓国の法令に
基づいたものなのかどうなのかということについては、私、承知しておりませんの
で。
 先ほど申し上げたように、日本の国会議員が普通に行って入国が許可されないの
は、それはちょっと普通のことではないなと思っております。

【産経新聞・山本記者】政府・与党として、この問題について何かしらの対応は考え
ておられるか。

【幹事長】政府のほうは、外務省もいろいろと働きかけをしていると聞いております
が、これは自民党の議員の問題ですから、民主党として何かということは当面考えて
おりません。国会の手続を経ていないという話も聞きますが、そういうことも含め
て、ちょっと私、詳しいことは承知しておりませんので。

○沖縄振興策について

【琉球新報・仲井間記者】今日午前、官邸で沖縄政策に関して関係閣僚らと意見交換
がされたが、党としては一括交付金についての申し入れも既に行っているが、今日は
どのような話し合いがされたのか。幹事長はどのような発言をされたか。

【幹事長】官邸の中の閣僚や党の役員の議論を(外部に)お話しすることは普通あり
ませんので、特に申し上げることはありません。ただ、一括交付金についてしっかり
やってもらいたいということは、私から申し上げました。

【沖縄タイムス・銘苅記者】一括交付金も含めて沖縄振興の新法を夏までに骨格を示
すと政府は見解を示している。そのためには沖縄政策協議会などを開いてそこで示す
ことも考えられる。今日の話し合いの中で、沖縄政策協議会をいつ開くかという議論
はあったか。

【幹事長】先ほど申し上げましたように、内容について申し上げるつもりはありませ
ん。

【琉球放送・嘉手納記者】一括交付金の実施について、枝野官房長官は来年度から段
階的にという考えを委員会等でも示されている。幹事長は、直轄も含めてすべて来年
度から一気に実施したいお考えだと思う。一括交付金を来年度から実施するに当たっ
ての現状と方向性をどのようにお考えか。

【幹事長】官房長官がどういう発言をしておられるか承知しておりません。ただ、私
の主張は今言われたとおりです。

○郵政改革法案について

【毎日新聞・野口記者】先週金曜日に総理が審議入りを党幹部に指示したり、安住国
対委員長も自民党・公明党に対して今週中の審議入りを要請した。子ども手当や特例
公債法案の与野党協議がある中で、今週中の郵政改革法案の審議入りを考えておいで
か。

【幹事長】いろいろな案件がありますから、交通整理をしながら粛々と進めていきた
いと思います。委員会もつくりながら審議が全く行われていないのは異常な事態で、
それは自民党がそういった対応をとっているからですが、どこかの段階で、全会一致
ということではなくて多数決ででも対応しなければいけないかもしれません。そうい
うことについて、これからよく状況を見ながら判断していくということです。

【毎日新聞・野口記者】特例公債や子ども手当の審議、与野党協議に影響する可能性
はあるが、それでも今週中に何としてもというお考えか。

【幹事長】先ほど申し上げたとおり、それ以上のことを申し上げるつもりはありませ
ん。

○復興基本方針について

【共同通信・中久木記者】先週金曜日に正式決定された復興基本方針では、増税の規
模と復興債の償還期間について明記されなかった。一方、復興基本法では、あらかじ
め償還の道筋を明らかにするものとする、と明記されている。この基本法の精神にこ
たえる内容になっているとお考えか。

【幹事長】まず規模については、13兆という数字は明記されておりますので、13
兆の中で、わが党の中のさまざまなご主張、積立金・準備金の取り崩しとか資産売却
とか、いろいろなことが主張されました。そういったものが3兆円以上あれば、増税
の規模がその分小さくなるということであって、トータルとして13兆という数字は
書かれていますから、何か方針としてあいまいな点があるとは思っておりません。
 ちなみに、今日も申し上げたのですが、明後日以降、党内で、全党的に全員参加で
しっかりと、そういった準備金とか資産売却といったことのフィージビリティについ
て議論していくことを申し上げたところです。私も必要があればその場に、最初から
出る必要はないと思いますが、取りまとめの段階では出て、大いに議論したいと思い
ます。本当にそういうものが出てくるのであれば、増税が小さくなることは当然あり
得べきことだと思っています。
 現に、例えばこの前、高輪議員宿舎の売却について議運であらためて決めてもらい
ましたが、数年前に売却の方針が決まった衆議院のさまざまな資産について精査して
みると、ほとんど動いていないものがたくさんあるわけで、やはりそういうものをも
う一回きちっと見直して、やらせる、実現することが重要だと思います。
 そういったことも含めて、政府全体でもやるべきことはまだまだあると。しかし、
それがどんどん、幾らでもあるとは、私はそう考えてはおりませんので、きちんとし
た議論をして精査したらいいと思っています。
 償還期間についても、集中(復興)期間と復興期間ですか、ちょっと具体的なこと
は忘れましたが、という言葉が入っておりますので、5年、10年という数字は入っ
ていませんが大きな方向性としては示されていると思っています。

【NHK・広内記者】今幹事長の言われた全議員での議論は、いつごろまでにまとめ
るお考えか。

【幹事長】政府税調での議論もあるので、そんなに時間はかけられないと思います。
2週間ぐらいじゃないですか。

○エネルギー政策の中間報告について

【朝日新聞・南記者】先週金曜に、菅内閣として新しいエネルギー政策の中間報告を
まとめられた。「脱原発」ではなくて「減原発」というネーミングで、地域独占のあ
り方などにも言及されている。この新しい方針についてどのように評価されている
か。

【幹事長】政策は政府のほうで基本的に決めることになっておりますので、私が何か
申し上げるべきではないと思います。将来的な原発のあり方については議論が残ると
思いますが、当面の策としては、私は妥当なものではないかと思っています。
 将来的に原発をどう、そもそも原発に依存しない、(原発の)ない社会を目指して
いくのかどうか、そして、その場合にどのぐらいの時間軸で考えるのか、そういう議
論はこれから党の中でもしていくべきだとは思っています。
 私の意見は申し上げません。

○海江田経産大臣について

【朝日新聞・南記者】先週の国会で、海江田大臣が進退に関して野党議員からかなり
厳しく追及を受けた際に涙を流すなど、内閣としてバラバラな印象を受ける場面が散
見される。こうした内閣の現状についてどのようにお考えか。

【幹事長】海江田さんがどういうことで伝えられるようなことになったのかはわかり
ませんので、コメントのしようがないんですね。各閣僚と総理との間の意思疎通は
しっかりやっていただきたいと、一般論としてはそう思っております。

【フリーランス・安積記者】海江田大臣が男泣きされた映像がテレビに出て、幹事長
もごらんになったと思うが、これを見てどう思われたか。本人にしかわからない相当
な理由があったのか。

【幹事長】私、承知しておりませんので、コメントのしようがありません。
 ただ、一般論として申し上げて、この前の松本龍前大臣もそうなのですが、被災地
の現場に向き合っている政府関係者、特に原発の関係に直接向き合っている、そうい
う政府の中の責任のある人たちは、非常にストレスを感じ、苦しい中で仕事をしてお
られると思います。
 私も被災地に行くと、やはり落ち込んだり、いろいろな方のご意見を聞いて何とか
もっと急がなければという思いと、しかし現実にいろいろなことがあってそれがなか
なか進んでいかないことについて、非常にストレスを感じたり、あるいは悩んだりす
ることもあります。ましてや現場で、日々責任を持って対応しておられる方々のご苦
労やいかに、と思います。これは一般論として申し上げたいと思います。もちろん、
これは菅総理はじめです。
 最近読んだブッシュ大統領の『決断のとき』という本がありますが、あの本は、全
体に私はあまり賛同できるところは少なかったんですが、非常に興味深かったのは、
キャンプ・デービッドとか、ホワイトハウスのミニシアターがあって、そこでマサ
チューセッツ州のケネディ上院議員と一緒に映画を見たとか、そういうくだりがある
んですね。たしか『Meet the Parents』という映画を2人で見て、意気投合したよう
なことが書いてあるのですが、いろいろな日本のトップが仕事をしっかりとやってい
くためにも、気分転換したり、いろいろな意味でトップを支える仕組みというのは、
もう少し日本も考えていいのではないかと思った次第です。これはトップだけでなく
て大臣もそうです。





TOP