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2011.08.18|夕刊フジ

夕刊フジコラム「ズバリ直球」11年8月17日号

民主、自民、公明3党の幹事長名で先週9日、今後の政策の進め方について政治レベルで合意し、同時に特例公債法案を速やかに成立させる「確認書」を結んだ。

特例公債法案については、このコラムでも何度か紹介してきた。この法案が成立しないと、歳入の4割を占める赤字国債が発行できなくなり、予算が決まっていてもお金が出せなくなる。米国債の格下げがきっかけとなって世界経済が混乱するなか、今回の合意は、日本経済のためにも、被災地のためにも、国民生活のためにも、大変良かった。
 
自民党の石原伸晃幹事長と、公明党の井上義久幹事長には、大局を踏まえた判断をしていただいた。心から感謝したい。
 
合意をめぐって、一部メディアが「民主党マニフェスト破綻」とか、「マニフェスト崩壊」などと報じていたが、これは間違っている。私はよく原理主義者といわれるが、マニフェストの基本理念は全く譲っていない。
 
例えば、高速道路無料化について、来年度予算の概算要求を見送ることにしたが、被災地復旧の財源確保のため、すでに今年度も予算を凍結している。だが、25年度以降どうするかは、まだ何も決めていない。

高校授業料無償化と農業戸別所得補償については、「24年度以降の制度のあり方については、政策効果の検証をもとに、必要な見直しを検討する」と記したが、どんな政策や制度も検証するのは当然のこと。見直しが前提ではない。特に、高校無償化は定着しており、公明党も制度創設時の関連法案に賛成している。
 
3党合意で最も大切なことは、衆参ねじれのなか、今後、重要政策は3党で協議しながら進めていくことで一致したこと。当然、国民新党は連立与党という前提だ。政治を前に進める「礎」ができたと考えている。
 
これを受けて、特例公債法案と再生エネルギー特別措置法案は月内に成立する見込みだ。菅直人首相はすでに、「2つの法案が成立したら、代表選準備を指示する」と明言している。被災地復興のための第3次補正予算の本格的編成、さらには来年度予算編成を進めるため、2法案成立後、ただちに代表選が行われる必要がある。
 
次の代表・首相は誰が、どんな人が望ましいか、それは私がコメントすることではない。ただ、この1年間、幹事長として、与野党協議に相当のエネルギーを費やした。その私の経験から言うと、代表選後の新体制は、自民党と公明党としっかり協力できることが重要だ。
 
日本経済も、被災地復興も、国民生活も、どれも「待ったなし」の状況だ。このまま政治が停滞することがあれば、日本の復活はあり得ない。衆参ねじれという状況の中で、何としても政治を前に進めていかなければならない。




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