夕刊フジコラム「ズバリ直球」11年12月14日号
臨時国会が先週、延長なしで閉会した。理由は大きく2つある。
1つは、国家公務員の給与削減法案や郵政改革法案といった、重要法案の成立を目指していたが、年末までの1週間や10日間程度延長しても、成立する見込みがなかったのだ。残念だが、閉会中議論することもできる。民主党と自民党、公明党を中心に話し合い、来年の通常国会の早い時点で成立させたい。
もう1つ、一川保夫防衛相と山岡賢次国家公安委員長の問責決議が、参院で可決されたことも大きい。野党側は提出前から「問責可決されたら国会審議できない」と公言していた。延長しても、国会が空転することが濃厚だった。
問責決議の可決はともかく、それで審議拒否というのは理解できない。議院内閣制のもと、閣僚の人事権は首相にある。首相以下内閣は、責任を負う衆院で信任されている。衆参ねじれの中、毎年のように「閣僚の問責決議可決→野党の国会審議拒否→閣僚辞職」ということを繰り返すのはいかがなものか。将来、与野党が入れ替わることもあり得る。国家国民のために、成熟した国会対応を考えるべきだ。
さて、臨時国会の終盤で、自民党が党本部に隣接する衆院保有地(約1320平方メートル)を1964年以降、無償・無許可で駐車場として使用していたことが発覚した。取り上げた民主党の村越祐民議員(民主党)は「(賃料として)年間3500万円程度の値打ちがあり、47年間で16億円程度」と指摘していた。
55年体制の名残ともいえるが、自民党は現在、税金の無駄遣いとして様々な追及を行っている。自らの「無駄遣い」について、自民党がどうケジメを付けるのか、国民とともに見極めたい。もちろん、50年近く放置していた衆院も問題だ。衆院に国有財産を管理する能力があるのか疑問が出ている。
最後に、私は今月上旬、党の行革調査会長に就任した。国の社会保障や財政の状況を考えたときに、消費税増税は避けては通れない。ただ、国民の方々に負担をお願いすることになる以上、政権与党として、もう一度、政府や行政の無駄を徹底的にチェックしようと考えている。
独立行政法人や特別会計など、すでに若手議員らが必死になって調査しており、近く、議論を集約したい。国民の方々の理解を得るためにも、次期通常国会には、政府の贅肉を削り取る(=無駄遣いをなくす)ような法案を提出したい。野党の方々には、重要法案の成立とともに、ぜひ、協力していただけるようお願いしたい。