副総理としての定例記者会見(平成24年1月31日)
岡田副総理記者会見要旨 平成24年1月31日
(平成24年1月31日(火) 15:01~15:46 於:合同庁舎4号館4階408会議室)
1.発言要旨
それでは、冒頭、私から2点。
第1点は、行政改革実行本部についてです。今日の閣議で、全閣僚から成る「行政改革実行本部」を設置することを閣議決定いたしました。本部長には、野田総理に御就任いただき、私が本部長代行、そして藤村官房長官、川端総務大臣、安住財務大臣に副本部長に御就任いただくということにいたしました。また、本部には事務局を設置し、これまで行政刷新会議事務局、行政改革推進室、国家公務員制度改革推進本部事務局など、それぞれの事務局が分担してきた改革事項を集約し、総合的に進めていく体制を整えることといたしました。
閣議に引き続いて、第1回の本部会合を開催し、本部では私のほうから、お配りしている資料にあるとおり、総人件費改革の推進、効率的で無駄のない政府の実現といった観点から、公務員の計画的な削減、人事・給与制度改革の推進、政府系情報システムの刷新・集約を始めとする諸改革について総合的に議論し、速やかに実行していくこと、これ以外についても、速やかに実行できる事項については早急に検討を進めていくこと、さらに、各閣僚においても、政府全体として取り組むべき行政改革課題の検討をお願いしたところでございます。行政改革は、社会保障と税の一体改革と合わせて車の両輪として進めていかなければならない政府の重要課題であり、本部を中心に政府一体となって、総合的かつ強力に実行していきたいと考えております。
なお、行政改革実行本部の事務局の体制ですが、政府全体で行政改革に取り組むため、事務局長には事務の官房副長官を充てることといたしました。そして、事務局長代理に行政刷新会議事務局長を充て、事務局次長に行政改革推進室長、国家公務員制度改革推進本部事務局長を充てるということにいたしました。そういった行革推進室、公務員制度改革推進本部事務局、それから総務省、刷新会議、行革に関連する主要な組織のその他審議官等にも併任発令をいたしまして、全体で45名の体制でスタートすることといたしました。これが第1点であります。これで行革を推進するための体制は、事務局体制、それから閣僚の体制ともに整いましたので、力強く前へ進めていきたいというふうに考えております。
2番目は、一体改革情報発信推進室の立上げであります。2月18日土曜日から、関係大臣が全国各地で国民と直接向き合って、分かり易く一体改革の説明を行うとともに、国民の声に耳を傾ける「双方向の対話」を実践していくということといたします。この国民との対話では、各地のラジオ局を通じての参加者の公募などなど幅広く国民に参加を呼びかけて、双方向で国民の御意見も聞きながら、一体改革の内容について説明する機会にしたいというふうに考えております。インターネットなどを通じて、誰でもそういった状況について見られるようにもしたいと考えております。
こういったことを実現していくために、本日、内閣官房に「一体改革情報発信推進室」を設置して、ここをテコに一体改革に対する理解を深めてもらう努力を重ねていくということにいたしました。勿論、各省庁、各政務三役にやっていただくわけですが、全体をコーディネートするという意味で、この推進室を設置したところでございます。
以上が、私からの冒頭の発言ということでございます。
2.質疑応答
(問)フリーランスの宮崎信行と申します。
私、以前、橋本行革の頃に、官邸ですとか当時の総務庁などを取材した経験がございます。あのときの行政改革会議と比べますと、あのときは衆議院議員を辞めた水野清さんが総理補佐官として総理の上で見ている感じで、そして有名ですけども、江田憲司総理秘書官が行革の事務局長という形でありました。今回、そういう意味では岡田副総理がある程度、水野さんのような政治力で見る形になるのかなと思うのですけれども、その事務局長が事務の官房副長官ということになってきますと、なかなか公務員制度改革のほう、やりづらい面があるのではないかと思うのですけれども、どのように体制を整えていかれますでしょうか。
(答)私の記憶違いでなければ、江田さんが事務局長ということはなかったのではないかと思います。彼は、総理秘書官として手伝っていたということかと思います。私も、非常に優秀な総理秘書官がおりますので、同じような役割を果たしていただけるというふうに思います。行政改革を実行していく中で、やはり霞が関の官僚の皆さんと議論し、説得を時にはしながら進めていくということは大事なことで、そういう意味で総責任者として、事務の官房副長官を充てたということです。全体を力強く進めるためには、私は必要なことであるというふうに思っています。
(問)もう一つ、橋本行革のときは、経団連会長と連合会長が行政改革会議の委員をしていました。連合の会長、2代目の芦田さんの時代で、そのときは連合が一番、政治と距離を取っていた時代です。そういった形で、連合会長ですとかに、そういった方達に入ってもらう。あるいは、橋本行革を応援する500人委員会などという財界人の会を、水野さんが組織していました。そういった幅広いオールジャパンでの総力の結集ということをどなたかに頼みたいなとか、そういったお考えはございますか。
(答)なかなか良い御質問だと思いますが、今、そこまで考えているわけではありません。まずは、政府の中に組織を作って、しっかりと進めていくということであります。同時に、今、民主党の中で法案を検討してもらっています。いろいろな先走った誤報が各メディアにまかり通っておりますが、それはそれとして、これは私のところでよく党との調整をして、良い法律にしたいというふうに考えています。その法律に基づいて、そのときにはこの実行本部も法律で位置付けることになるだろうと思いますが、更にもう一段、バージョンアップして行革を進めていくと。だから、今は法律なしでできることをやっていて、法律ができれば法律に基づいて進めていく、こういうことになると思います。それ以上のことは、まだ法律の議論の中で、今おっしゃったようなことも含めて、どういう体制がよいのかということをしっかり議論していきたいと考えています。
(問)東京新聞の生島といいます。
総人件費改革の推進というところでお尋ねしたいのですけれども、下に公務員の計画的な削減の推進云々と、二つ公務員関係はありますけれども、具体的にどのぐらいの削減を目指すのかという、総人件費の2割カットというのがマニフェストに書かれていますけれども、それを目指すのかどうか。あと、計画的な推進とあるのですけれども、こういった計画についてはいつ頃をめどに具体的な計画を策定して、それはこの任期中をめどにやっていくのか、以前、会見で2015年目標とお話しされていましたけれども、そういうスパンで考えていらっしゃるのか、そこら辺を教えてください。
(答)そういう議論は、もう既に始めておりますが、もう少し見通しをつけるためには時間がかかります。単に数字を先置きすることも重要かとは思いますが、やはり実現できなければなりませんので、きちんと見通しをつけた上で進めていくということにしたいと考えております。あまりここでぶち上げて、またそれについて実際の実現可能性にクエスチョンが付くということでは困りますので、よく詰めて、そして着実にやっていきたいというふうに考えております。だからといって、2割をやめたということでは勿論ありません。
(問)ちょっと補足なのですけれども、マニフェストを掲げてから2年半ぐらいたっているのですけれども、実際、去年の中間検証でもあったように、人件費の関係でいうと、あまり進んでいない印象があるのです。全体的に進んでいない印象がありますけれども、これから進めていくに当たって、これまで進んでいないものをどうやって今後進めていくのか、そこら辺についてのお考えを伺わせてください。
(答)今、私の個人的な意見を言う必要はないと思います。見ていていただければ分かります。
ただ、8%、7.8%の法律が通りますと、それまでの分を含めて約1割下がることになります。すると、残る1割をどういうふうにして実現していくかということで、それは数を減らすということも一つですし、その他にもいろいろと議論しなければならない点はあります。そういうものを丁寧に、しっかりとやっていきたいなというように考えています。
(問)朝日新聞の三輪です。
まず1点、行革実行本部の事務局体制について確認なのですけれども、行政刷新会議と行革推進室と公務員制度の事務局と、この三つ以外のものも一緒に入れた事務局というふうなお考えなのでしょうか。先程……
(答)総務省とか関係どころから、人も入れたいというふうに考えております。
(問)まだそこははっきりしないけれども、取りあえず今、45人ということですか。
(答)45人の中には、そういう人も入っています。
(問)総務省のどちらから入っているのですか。
(答)細かいことは、また事務局に聞いていただければ。
(問)今日の午前中の実行本部の後のぶら下がりで、「少し乱暴なことをやる」ということで発言されていましたけれども、それは具体的にはどういうことをおっしゃっているのでしょうか。
(答)それは、見ていていただければと思います。
(問)もう一つ、公務員の人件費削減なのですけれども、今の人事院勧告制度を廃止した上で、どういうふうに削減していくかということを前提にしながら話を進めていくというふうに考えてよろしいのでしょうか。
(答)数を減らすというときに、必ずしも人事院が残るか残らないかということは、全ての前提にしなければいけないわけではないというふうに思います。
(問)共同通信の関と申します。お願いします。
総人件費の削減の関係なのですけれども、これまでも進めてこられて、先程、個人的な意見を多少、御披露いただきましたけれども、今回の体制によって、これがこれまで進めてきたことに加えてどのように推進するエンジンになるかということを、もう少し国民に向けて分かり易くご説明いただきたいのですが。
(答)今まであまり議論してきていないですよね、実は。それから、勿論それぞれ今、課題になっていることについても、各省庁でもそれぞれ意見がありますから、そういうもの全体を内閣として取り組むことで、一つ一つ風穴を開けていきたいというふうに考えております。
(問)今、他にもとおっしゃいましたけれども、行政刷新会議でこれまで取り扱ってきたテーマ以外というところでいくと、やはり公務員の関係が最重要とこちらは受け止められるようなテーマかと思うのですが、岡田副総理の御意思としては、やはりそこを何としても進めたいという思いもあるというふうに考えてもよいのでしょうか。
(答)そこというのは何ですか。
(問)公務員の総人件費削減、あるいは定数の管理というところについてです。
(答)総人件費削減は、先程の紙の一番最初に書いてあることです。
(問)保険銀行日報の片岡と申します。
かなり具体的になって恐縮なのですが、地震再保険の特別会計について、制度改定は今、検討が進んでいると思うのですが……
(答)ちょっと話題が違いますから、後にしてください。
(問)朝日新聞、伊藤と申します。
先程2月18日からとの話がありましたけれども、最初にまず岡田副総理はどこに行かれると、もし決まっていたら教えてください。
(答)まだ検討中です。勿論、今日の衆議院から始まって、機会を見て、いろいろなところに出向いて行きたいというふうには考えておりますし、政府主催というか、政府が中心になってやるものだけではなくて、党とか、あるいは総支部とか、そういったところも考えられますので、そういったものは順次入れていきたいというふうに考えています。
(問)ちょっと後の質問と重なってしまうかもしれないんですが、今どうしても新しい年金制度とか、その試算のこととかというのがメディアでも取り上げられているので、一般の方の関心も高いと思うんですけれども、こういった説明の場で、そういう年金制度について聞かれたときには、どのようにお答えをされるんでしょうか。
(答)そのとき考えますけれども、質問にもよると思いますが。
(問)共同通信の蒔田ですけれども、双方向性を持たせるということだったんですけれども、例えばインターネットで会議を中継して、見ている人からの質問もその場で答えられるようにとか、そういうイメージをすればよろしいのですか。
(答)そういうふうに準備していただけるところがあれば、私はインターネット番組にも喜んで参加をさせていただきたいと思っております。
私は双方向と言ったのは、そういうこともありますが、集会で説明もしますが、御質問もいただいて、それで答えるという意味での双方向性です。やらせじゃなくて、その場で質問していただいて。
(問)あと2月18日はどこでどなたが参加する予定ですか。
(答)ですから、各大臣がそれぞれ今検討しているところなので、ちょっと私はそれは全体を把握しておりません。逆に言うと2月18日ぐらいでないと、なかなか政府主催ではスタートできないということで、18日という日にちが設定されているということです。それ以前も、私はそれぞれ回ったりはしますので、それは政府というよりは、民主党ということで行くと、大臣ということではなくて、民主党最高顧問とか、民主党衆議院議員として行くというものは、もう既にもっと早くスタートするということです。
(問)毎日新聞の赤間と申します。
重ねて国民との対話の部分なんですが、これは18日は土曜日ですが、これは毎週末このような形で開いていく予定なのか、大体開催ペース並びにこれは全都道府県を回る予定なのか、開催の場所も含めて今の時点の想定を教えてください。
(答)各大臣いますので、官房長官はなかなか実際難しいと思いますので、私と財務大臣と厚労大臣と総務大臣を中心に、副大臣や政務官、他の大臣もおられますから、手分けをして、47都道府県回っていきたいというふうに思います。週末ですが、土日両方回るのはちょっと辛いかなと、特に予算委員会をやっている最中はという感じですので、そこは体力と相談しながらやっていきたいというふうに考えております。
(問)野田総理も国民に直接対話をする場面を作りたいという考えを重ねておっしゃっていますが、現時点で何か野田総理が直接国民と対話をするような機会の予定というのは、組まれていますでしょうか。
(答)今具体的にはまだありません。全体まだ検討中ですから、ただ総理もそういう意欲を非常にお持ちですので、御相談しながら、総理も大変お忙しい中ですから、余り御負担にならないように気をつけながら、そういったものを組んでいきたいというふうに思います。
ただ、先程の御質問に答えると、まずは政府ということではないんですが、18日より前に是非私は行きたいと思っているところがございますので、京都をトップにまずスタートしたいというふうに考えております。谷垣総裁の地元でまず第一声を上げたいというふうに考えています。我が党には小原舞さんという衆議院議員がおりますので。
(問)朝日新聞、野上ですけれども、その狙いを一応一言お願いします。
(答)谷垣先生も消費税引上げけしからぬというふうに言っておられますので、真摯にお伝えをしたいと、多くの皆さんに真摯にお伝えしたいというふうに考えているところです、必要性を。
(問)フリーランスの宮崎ですが、この時期まだ素案の段階なので、ちょっとちゃぶ台返しのような話かもしれないんですが、社会保障と税の一体改革の社会保障と税という言葉の語順ですけれども、これは歳入と歳出というか、収入と支出というふうに世間一般、世界中では収入と支出と左右の順番になるはずです。それで言えば、国庫ですから、税と社会保障の一体改革というのが世界的な会計ルールだと思うんですけれども、そこでこの段階で申し訳ないんですが、それで社会保障というのが先に来るのはある意味行き過ぎた国民目線なんじゃないかと、是非税もやってくださいと、そういう感じもするんですけれども、どうでしょうか、その語順というのは私は税と社会保障じゃないとある意味下心が国民に見透かされると私は思うんですが、どう思われますか。
(答)どっちでもいいんじゃないですか。時々間違えて税を先に言ってしまうんですけれども、最近気をつけて、社会保障を先に言うようにしています。正式には社会保障と税の一体改革というのが正式な呼び名です。別に意図はありません。
(問)産経新聞の桑原です。
先程の谷垣さんの地元でということで、確認なんですけれども、京都の福知山で行うということでよろしいんでしょうか。
(答)多分、福知山ではありません。
(問)京都のどこかでということですかね。
(答)京都5区のどこかで。
(問)5区のどこかで、分かりました。
(答)まだ予定ですからね。
(問)細かくてすみませんが、18日より前というのは、三重でおっしゃった11日にということですか。
(答)今日何日でしたっけ31日に。この週末じゃ、ちょっと忘れちゃいました。 4日は僕どこへ行くんだっけ、ちょっと自分でも記憶しておりませんので、4、11とあるんですね、土曜日は18の以前だと。確か11で京都に行く予定だったように思います。
そうだ、4日はあれだ、五十嵐副大臣のところに行くので、これは別に税と社会保障の話をするわけではございません。私がしなくても副大臣自らされるでしょうから。
(問)その11日のやつは党主催のような形で。
(答)あるいは党支部かね。その辺はちょっと任せてますから。
(問)集会形式の。
(答)であると思います。
(問)NHKの菅澤です。
18日から全国の政府としての広報が始まるということですけれども、その際は閣議決定をした大綱を持って回るのか、それとも今の素案のままなのか、大綱の閣議決定のスケジュール、今の段階でもしあればお願いします。
(答)ございません。もちろん今素案を説明するということになります。
(問)保険銀行日報、片岡です。
さっきちょっと勘違いして、特別会計の問題は行政改革実行本部とは関係ないということなんですか、そうするとちょっと質問してもあれかな、答えていただけるかどうか、ちょっと分からないので。
(答)既に閣議決定はされてますので、それを法律にする段階で実行本部も関与はします。ただ、実行本部の設置そのものとは関係しませんので。
(問)ちょっと一応聞いてみて、答えていただけないかもしれないですが、特別会計で地震再保険の特別会計なんですが、これは現在制度改定に向けて検討を進められているというんですが、いつごろ結論が出ると考えているのか、それとも結論をいつまでに出させるというふうに考えているのか。
(答)一応、地震特別会計は残すということは、閣議決定の中で書かれているというふうに思います。ですから、そういう方向で今検討されていると。
(問)その結論の出る時期をもしある程度想定しているのであれば、教えていただきたいんですが。
(答)それは基本的に財務省にお聞きいただいたほうがいいと思います。
(問)朝日新聞、伊藤です。
今日の予算委員会で野田総理のほうから、例の年金の試算の関係で隠蔽したのではなく、責任ある公表はどういうことかを検討しているという御発言があったんですけれども、もう少し岡田副総理として、その責任ある公表というのがどういうイメージ、どういう条件が整ったときなのかというのを御説明いただければと思います。
(答)まず、野田総理の御答弁、私は実際には聞いてないんですけれども、これは党で分析、検討して整理した上で定義するかどうか判断していくことになると、党で詰めていくことになっているというふうに答弁されたんじゃないかと思います。
ですから、野田総理御自身が、あるいは政府としてというよりは党としてということを言われたんだというふうに考えております。今日も答弁の中で言われたんじゃないかというふうに思いますが、これが党でも正式に報告、党の中で正式に何か決めたというものじゃないんですね。党の中の年金を検討するセクションのところで、一定の前提を置いて厚労省に計算を依頼したと、その出てきたものについて、例えば政調会の役員会で議論したとか、決定したとか、そういうことは全くないわけで、私は当時幹事長だったんですが、全くこういう存在は聞いてないわけですから、そういう意味でそういうものであると、何か政府なり党が決めたとか、そういうふうに受け取られるとそれは違うということであります。
ましてや何かケースが幾つかあるうちの一つだけ取り上げて報道されているということで、非常にミスリーディングというか、誤解を招きやすいということかと思います。
(問)確認ですが、岡田さん御自身はこの試算を御覧になったのはいつだったんでしょうか。
(答)10日ぐらい前ですかね。
(問)そのときどういうような感想をお持ちになったんですか。
(答)あまり言わないほうがいいと思うんですね、またそれが独り歩きしますから。
(問)あともう1点だけなんですけれども、2005年に社会保障制度の両院合同会議を岡田さんがやられたときには、かなり政党間の争いではなくて、国民のほうを向いて協議する場を作ろうということをおっしゃっていたと思うんですけれども、それからもう6年、7年たった今、そういう状況ができているようには見えないんですけれども、そういう現状をどう思うのか、そういう場を作るには何をすればいいのかという点をお願いいたします。
(答)非常に残念ですね。あのときに私は民主党代表で、通常国会冒頭の代表質問でそういう協議を呼びかけて、野党から呼びかけたわけですね。小泉総理も一見それに応えるかのような、そのものずばりではありませんでしたが、そういう答弁、あるいは感触が伝わってまいりましたので、ああいう協議の場を衆参そういうものとして異例な組織を国会に作って議論を始めたわけですが、始めてみるといやいやと、抜本改革など必要ないと、必要なことは共済と厚生年金の一元化だけであって、それでもいいんだと、それ以上は必要ないんだというのが多くの野党議員の発言だったんですね。
私がなかなか良いことを言われたなと思うのは柳沢さんぐらいで、あとはなかなか党の考え方を出る発言がなかったので、非常にがっかりした記憶があります。そのうち郵政解散ということになりまして、立ち消えになったということです。あの時にもう少し真摯に議論していればなという気は非常にしますね。ですから、真摯に議論できるのであれば、いろいろなことが考えられると今でも思っていますが、なかなかちょっと今そういう雰囲気ではないのかなと、残念ながら、現時点ではそう思っています。あきらめてはいませんけれどもね。
(問)すみません、もう一度、行革の件に戻るんですけれども、今回の実行本部で、副総理はとても実行ということを強調されているように思うんですけれども、民主党政権になってからのこの2年余りで、実行の部分がやはり十分ではなかったというふうにお考えなんでしょうか。もしそうだとしたら、それは原因は何だとお考えでしょうか。
(答)去年、私が中心になってマニフェストの中間検証をやりました。そこにも書いておきましたが、半分ぐらいはできているんですね。特に予算的には、公共事業の予算の削減、これは1兆円以上毎年やっているわけですし、それから埋蔵金についても、マニフェストに書いた以上の額を2年間平均で出しているわけで、そういうことはできているということです。ただ、残念ながら、まだ2割には勿論届いていないわけですし、国家公務員の2割削減はですね、その他、補助金のカットによって内容を出すということも十分にはできていないということです。そういうことを残された、2年をもう切っていますけれども、その中でいろいろお約束をしたことをどこまでできるかということだと思います。
(問)加えて、それは今回の実行本部が全閣僚が入る組織にすることによって、そこが前に進められるということになると。
(答)進めやすくなると思います。独法や特会の私も最後の取りまとめどころは大臣としてやったわけですが、各省庁、それぞれ意見がありますよね。もう少し政務三役も熱心に取り組んでほしいなという思う場面もなかったわけじゃありませんから、それをきちんと各大臣全員入れて、その場で必要があれば、叱咤激励することで、お願いすることで、前に進められる部分はかなりあるんじゃないかというふうに思っています。
(問)テレビ朝日の平元です。お願いします。
整備新幹線についてちょっとお伺いしたいんですが、まだ岡田さんが、そのときは党にいらっしゃったと思うんですけれども、昨年末に政府与党が北海道新幹線の札幌延伸など、3区間の新規着工を事実上認める方針を確認したんですけれども、この新幹線について、来年度予算案にも関連費用が計上されていまして、今岡田さんがされようとしている、財源がないからこそ、消費税の引き上げ等を検討している一方で、こうした大型の公共事業に予算をつけるというのは、行革という面でも矛盾しているのではないかと思うんですけれども、このこと、国民の理解を得られるとお考えでしょうか。
(答)私、個人の意見はいろいろあります。国会でも何回か取り上げています、整備新幹線は。ただ、決まったことですから、それ以上申し上げるべきではない、特に閣僚ですから、というふうに考えています。
ただ、一つだけ言わせていただくと、これは一般会計をどんどん食う話ではなくて、JRから支払われる借り料、それを充てていくということですから、そういう意味で一般会計に甚大な影響を及ぼすものでは必ずしもないというふうには考えています。タイミングとか、そういう問題はあったのかなという感じはしますが、決まったことには私は従いたいというふうに思います。
(問)今、副総理は一般会計には甚大な影響はないというふうにおっしゃったんですが、整備新幹線が完成するまでには、国と地方も負担分がおよそ2兆円ありまして、旧国鉄の債務もおよそ19兆円残っているので、本来であればその借金を返すことにお金を使ったほうがいいのではないかという考えもあると思うんですが。
(答)旧国鉄の借入れの中で、あくまでも返すということで設定されているものと、そうでないものがありますよね。だから、19兆、丸々返すことにはなっていないんじゃないですか、正確に言うと、違いますか。
(問)NHKの岡崎です。
今、与野党の協議が、この一体改革のみならず、郵政とか、子ども手当とか、あるいは公務員の人件費の費用削減のお話もそうですけれども、行き詰まっています。そうした中で、選挙制度の協議を巡って、野党一部が提案していた連用制というのがその打開の道を開くのではないかということで、にわかに与野党で注目を浴びているようなんですけれども、連用制について副総理はどのようなお考えを持っていらっしゃるか、お願いします。
(答)まず、認識として、今与野党の協議が行き詰まっているというふうに見るべきなのかどうかというのは、私は留保しておきます。「あひるの水かき」という言葉もあると思いますので。連用制については、私は特に何か言うことはございません。野党がそういう御主張、一部の野党がしているということは承知しておりますが、民主党が何か言っていることはないと思います。
(問)読売新聞の足利と申します。
先週末の会見で、議事録の作成について、一定のガイドラインを作りたいというふうにおっしゃいました。各省庁の対応を見ると、省議ですとか、政務三役会議の対応がばらついているんですけれども、こういった省議や政務三役会議の対応について、どういったようにガイドラインを作るべきだとお考えでしょうか。
(答)まずガイドライン的なものはあるんですね。それに基づいて各省が規則を作っているわけですけれども、しかしおっしゃるように対応がばらばらな部分もあるということですから、その辺、我々、有識者の会議を持っておりますので、そこで御議論いただいて、あまりばらばらな対応にはならないようにしたほうがいいかなというふうに思っております。ただ、一方で、同じ省議という言葉が使われていても、物事を決定する場であったり、実は外務省の時代に省議というのを私はやっていたんですが、それは議論する場、いろいろな大きなテーマを、ODAとか、新興国対策をどうするかとか、それを各局長が集まって議論する場、何かを決める場ではなかったんですね。ですから、同じ会議の名前であっても、中身がいろいろ違ったりしますから、そういうことも含めて、なるべく揃えたほうがいいんじゃないのかなと、今はそう思っています。専門家の皆さんのお話も聞いて、そういったことについて方向性を出していければというふうに思っています。
(問)朝日新聞の野上です。
原発再稼働についてお伺いいたします。菅政権の時代は、再稼働についての最終的な判断は総理、官房長官、経産大臣、原発担当大臣と4人で行うということになっていたようなんですけれども、新たに経産省から秘書官の方も来られたようですが、副総理も再稼働の判断に関わることになるのかどうか、お聞かせください。
(答)再稼働の判断、法律的にどうなっているんですかね。どう書いてあるんですか。
(問)すみません、ちょっと法律的なことは今承知していないのですけれども、今日の官房長官の会見の中で、その4人の大臣が行うということで合意をしているという言い方でおっしゃっています。
(答)そうですか。私はそれはちょっと承知しておりません。私がどうなるかということも、特に聞いておりません。個別のことはなるべく余り手を広げないようにというふうには一方で思っておりますが、よく官房長官、総理と御相談して、私自身は意思決定に参加すべきかどうかと。そもそも意思決定というのは権限は多分経産大臣に専管としてあるんじゃないかと思いますので、意思決定という言葉は適切かどうか分かりませんが、そのことも含めて、よく御相談したいとは思います。
(問)フリーランスの宮崎です。
沖縄の一括交付金についてお伺いします。衆議院本会議の総理の施政方針や代表質問の中で、野田総理も自民党の谷垣総裁も、細田議員も、みな沖縄の一括交付金とか、地方一括交付金という言葉を使っていますが、これ、24年度の予算書の中では二つの名前になっていまして、一つが沖縄振興特別推進交付金、それから沖縄振興公共投資交付金、合わせて1,500億円ということで違う名前になっているんです。推論ですが、恐らく中央官僚による骨抜きなんじゃないかなと私は思うんですが、いずれにしろ民主党代表である野田総理や谷垣自民党総裁がそういった地方一括交付金という言葉を使っているのに、予算書では違う名前になっている。これは民主党政権になろうか、自民党政権になろうが、政治家が代わっても何も変わらないということになりかねませんか。
(答)それはちょっと見方としてはどうかなと思います。私も幹事長時代、沖縄協議会の会長として、一括交付金は知事と相談しながら、政府に強く求めてきた、そういう立場ですので、最終的に一括交付金化がかなりの規模でなされたことは、高く評価できると思います。知事も非常に喜んでおられたことを記憶しております。公共事業とそうでないものを分けるというのは一つの分け方かなというふうに思いますが、金額的には非常に大きなものが県の判断に委ねられたということは、これからの日本全体の一括交付金化の一つのモデルとして、非常に意味のあることではないかと。あとはこれがうまく機能すれば、沖縄以外も含めて広げていくことができるというふうに思っています。
(問)ただ、民主主義のプロセスというところではどうでしょうか。もうちょっと分かりやすい、マニフェストに合った言葉を使ったほうがよかったんじゃないでしょうか。
(答)予算書にどう書くかと、ネーミングの問題ですから、名前が少し変わったからといって、それで中身がどうこうという必要はないというふうに思います。むしろこれだけのことができたということを素直に評価していただければありがたいと思います。
(問)恐れ入ります。毎日新聞の青島と言いますけれども、何点か教えてください。議事録問題が出ましたが……
(答)1点にしてください。
(問)1点ですか。情報公開の方針についてなんですけれども、野党時代の副総理、代表をやられているときなんかは、非常に情報公開に熱心に取り組まれておられたというふうに理解しておりますけれども、いわゆる官房報償費、機密費というものですけれども、当時は削減であるとか、年限を決めて公開することが望ましいということをおっしゃっておりましたけれども、現在のお考えをお聞きしいたいのと、もう1点だけ教えていただきたいんですけれども、本国会の提出も考えておられる秘密保全法制の必要性と今後のスケジュールで把握されているところがあれば教えていただきたい。その2点よろしくお願いします。
(答)後者のほうは、私は直接担当しておりませんので、担当の政務三役にお聞きいただいたほうがいいと思います。やがて私のほうにも上がってくると思いますが、まだそういう状況ではございません。
それから、官房報償費は、いろいろな議論があると思いますが、私は全く触っていませんので、よく分からないんですね。そこはそれぞれの任にある官房長が基本的な考え方を整理をして、そして実行されていることだというふうに思います。私はまだ官邸に入ったばかりですので、あまりいろいろなことに口を出さないほうがいいかなというふうには思っていますが。
(問)御意見をと思ったのですが。
(答)どういう使用されているかということすら、私は分かりませんので、あまり軽々に私の立場で物を言わないほうがいいというふうに考えています。
(以上)