副総理としての定例記者会見(平成24年2月10日)
岡田副総理記者会見要旨 平成24年2月10日
(平成24年2月10日(金) 17:42~18:07 於:合同庁舎4号館4階408号室)
1.発言要旨
それでは、私のほうから2点。
一つは、私の担務の変更についてということでございます。
中川正春さんが新たに国務大臣となるということに伴いまして、これまで私の担当のうち、「新しい公共」、少子化対策、男女共同参画を中川新大臣に引き継ぐこととなります。
今後は、行政改革、社会保障・税一体改革、公務員制度改革、行政刷新の担当といった点に集中することになり、これらの担務に全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。
なお、今日はちょっと私これから、明日の京都に向けて東京を離れなければなりませんので、月曜日に、予算委員会恐らく終了後になると思いますが、中川新大臣と引き継ぎを行いたいというふうに思っております。
特に、自殺対策については、いろいろと御指摘もいただいたことであり、国会で。しっかりと後任者に引き継いでまいりたいというふうに考えております。
それから、もう1点は、今日、復興庁がスタートするということで、いよいよ今までと比べてより強力な体制で被災地の復興が進展することを期待いたします。
私、幹事長の折に、復興基本法案について与野党で議論する、基本的には、それぞれの各党からの代表者が協議をいただいたわけですが、私としても復興基本法案については、いろいろと思い出もあるわけで、それがいよいよ復興庁という形で現実化したということは、非常に感慨深いものがございます。
これから、与党・野党、野党は自分たちが作った復興庁だと仰るかもしれませんが、与党・野党の御議論の中ででき上がったものであって、今後、復興のために、与党・野党協力して、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)【担務の変更の関係】
フリーランスの宮崎信行です。
これは担務の変更で、中川正春さんは三重2区選出ということで、岡田さん三重3区ということで、連続してそれぞれ小選挙区で5回当選されていますけれども、投票行動に関して、有権者として投票の秘密というのは自由であって、義務ではございませんので、有権者としての岡田さんが過去5回小選挙区でどういった投票行動をなさってきたかというのを、ちょっとこの担務の変更に関係して以前からお伺いしたいのですけれども。
(答)ちょっと趣旨が。
(問)御出身の小学校や中学校というのは、三滝川の南側で、三重2区でいらっしゃると思いますが、如何でしょうか。
(答)私の記憶に間違いなければ7回当選ですが、最初の2回は中選挙区、あと5回は小選挙区でございます。私は、中選挙区の時代から、自分の生まれ育った場所で住んでおりましたが、不幸にして、三重県四日市市が南北に二分割されるということになりまして、私の住んでいたところは、私の選挙区ではなくなりました。
しかし、子供の時代からの思い出深く、そこにずっと住み続けて、選挙では中川正春と書き続けてきたところです。今、住所ちょっと変わりまして、駅前にマンションを買ってそこに住んでおりますが、引き続き選挙区ではございません。
したがって、ずっと中川正春というふうに書き続けているわけでございます。
将来、三重県の選挙区が少なくなるようなことがあれば、また自分の名前書ける日もあるかなと思いながら、現時点ではそういうふうになっています。
(問)伊勢新聞の中森です。
「新しい公共」とか少子化対策とか、男女共同参画、中川さんに引き継がれるということなのですが、お親しいと思いますので、中川さんに対して、こういうことを期待したいとか、そういうのがありましたらよろしくお願いします。
(答)親しいとかそういうことではなくて、これは公職でありますので、しっかり引き継いでまいりたいというふうに思います。
特に、今、少子化対策は、今度の社会保障・税一体改革の中で、抜本的に拡充される。そういったことでありますので、担当の村木さんとともに、しっかり中川さんには頑張ってもらいたいというふうに思っております。
【一体改革関連】
(問)西日本新聞の吉武といいますが、今日、一体改革のことなのですが、民主党が新しい年金制度の試算の公表を今日行いましたが、それでも、なお、やはり野党の感触というか、与野党協議に応じる構えはありませんが、これについて、どういうふうに打開していくお考えがあるのか教えてください。
(答)粘り強く話し合っていくことが必要だというふうに思います。
基本的には、政調会長、幹事長ベースでの交渉になるというふうに思いますが、やはり国民の立場になってお考えいただければ、これはやはり社会保障の部分について、今日も予算委員会で随分議論になりましたが、あるいは年金の抜本改革も含めて、いろいろな議論が出ましたが、是非、我々特に社会保障の部分については、野党の御意見も入れて考えていきたいと思っておりますので、議論に参加をしていただきたいと思っています。
(問)当初、1月末を目指された大綱の策定が与野党協議の遅れで随分ずれ込んでいるのですが、3月末の法案提出が遅れる可能性があるのか、その辺りはどういうふうに打開していこうとお考えでしょうか。
(答)3月末に法案を出すということは、これは変えるつもりはございません。
(問)朝日新聞の伊藤と申します。
今のに関連してなのですけれども、年金について民主党は04年に法案を出して、09年には政権交代されましたけれども、結局、まだ具体的な案を提示するに至っていないと思うのですけれども、この現状についてどう思われますでしょうか。
(答)最初に提案したときと比べると、中身は少し変わってきております。
だんだん熟度が上がってきたというか、一番最初は、出した図からも明らかのように、最低保障年金はかなり幅広く出すというものでした。それが所得の少ない方を中心に出すというふうに変わってまいりました。それに伴って絵も変わってきたわけです。
しかし、どの範囲で出すかということは、それはまさしく政策で決めることですので、私はそういったことについて基本的考え方は我々出しておりますので、具体的な線引きの問題は、これは我々だけで決めるのではなくて、やはり野党の皆さんと協議しながら決めていくことではないか。そういうふうに思っております。
(問)あと、岡田さんは副総理に就任されてちょうど1か月程になりますけれども、その間に、1月6日に素案が決まった後、あまり国民の目には与野党協議含めて議論が進んでいるように、ちょっと見え難いのですけれども、この現状についてどう思われますでしょうか。
(答)その他のこともあるのです。例えば、公務員の問題とか、選挙制度とか、いろいろな課題がありますから、それぞれ与野党協議行っていただいているというふうに思います。
あとは、こういうことはアヒルの水かきのようなものですから、なかなか外から見え難いこともあるかもしれません。
(問)共同通信の蒔田ですけれども、試算についてなのですけれども、今日試算が示されたことによって、野党側は元々一体改革であるとか、年金制度とか、その全体像を示せというふうに言ってきましたが、それに関連して与野党協議進展に資するものなのかどうか、どのようにお考えか。
(答)それは我々が決めることではないので、野党の皆さんがどうお考えいただくかということだと思います。全体像、年金以外の全体像については、一体改革の中で示されているというふうに考えておりますので、我々としては条件は整っているというふうに思っております。
(問)西日本新聞の吉武です。
先程の確認なのですが、3月末に法案を提出する考えを変えるつもりはないというようなお話でしたけれども、これは結局与野党協議がうまくいかない場合は、与党単独でも法案を作って、スケジュールどおり国会に提出するということでいいのでしょうか。
(答)我々が野党の皆さんとしっかりと協議を行って、そして法案を出したいというふうに考えておりますので、それがうまくいかない場合という仮定の御質問にはお答えしかねます。
(問)それと、最後、この問題では、小沢一郎元代表が消費税増税の法案に対しては、採決のときは反対するというような考えを党の幹部に示されておりますけれども、これはどういうふうに対応されていきますか。
(答)私は小沢先生がそういうふうに言っておられるということは、確認しておりません。いずれにしても、政党人として党できちんと決めたことには従っていただけるというふうに思っております。
(問)毎日新聞の赤間です。
同じく一体改革の関連で、スケジュール面で確認をさせていただきたいのですが、これは3月末までの法案提出をするとなると、法の準備のためにある程度期間を置かなければいけないかと思うのですが、そうなると逆算して大綱というのは何時ぐらいまでに決めないといけないというふうに現時点で考えていらっしゃるでしょうか。
(答)3月末までに法案が出せるタイミングでは、大綱は決めなければいけないということです。
(問)そのタイミングというのは、最低どのくらい期間を置かなければいけないというのは、現時点で何らかあるでしょうか。
(答)いろいろ言いますと、またそのこと自身が予断を持って受け取られますので、それ以上のことは申し上げるつもりはございません。
(問)フジテレビの清水です。
先程国会の中で、今の年金制度を何とか改善しながらやりくりしていく道と、思い切って変えてみる制度と選択肢は二つあると仰られて、双方についてテーブルの上に乗せて協議していただきたいと仰っていましたけれども、協議に野党が応じてくれるのであれば、民主党が元々言っていた最低保障年金についても見直しを検討してもいいというニュアンスで仰ったのでしょうか。
(答)協議するときに、どちらがだめとか、どちらがいいという前提を置くべきではないのですね。二つ並べてきちっと議論していただきたいという趣旨で申し上げました。
今日は自民党、公明党の質疑者の皆さんとは、いい議論はできたというふうに思いますが、最後にはやはり旗を降ろせというふうに言われますので、あれだと協議にならないですよね。お互い案を出し合って、そして比較しながら、最終的にどちらで行くべきかということを国民の前で議論しながら決めていけばいいと、そういうふうに私は思っております。
(問)読売新聞の足利と申しますけれども、今の質問に関連して確認させていただきたいのですが、ということは、与野党協議に応じる前の段階で、最低保障年金の制度を取り下げるということは、あり得ないというふうな認識でよろしいのでしょうか。
(答)そういうことは考えておりません。
あれは読売でしたか、朝日でしたか、記者会見のときにパソコンを前にして叩きながら聞くと、あまりいい質問ができないのではないかと、誰かの記事を大きく載せておられたのは朝日でしたかねあれは。いやあのインタビューというのね。別に何か他意があって申し上げた訳ではありません。
(問)朝日新聞の南と申します。
副総理も今日選択肢が二つあって、協議したいということを仰られたのですが、年金についての協議というのは、今回の一体改革の中である程度与野党での合意点を見いだしたいのか、それとも来年の年金の法案を提出する段階での合意か、それともまた総選挙での決着をつけていく、どのタイミングを今副総理としてお考えなのでしょうか。
(答)まずは総選挙で決着をつけるということなら、協議する必要はないのですね。それ以上のことは、今までもなかなか協議ということには合意してない中で、いろいろなことは言わないほうがいいと思います。国民の立場に立って、しっかり協議をしていただきたいというふうに申し上げているわけです。
(問)ただ、副総理、今日国会で「協議をしたい」と仰られたということでいくと、一体改革の今回の論議の中で、ある程度与野党で協議をしたいという御意向だと受け止めたのですが、その点については如何なのでしょうか。
(答)今日議論したのは年金の話ですから、年金についてもしっかりと協議をしていただきたいということを申し上げたところです。それ以上でもそれ以下でもございません。
勿論、社会保障・税一体改革の中の社会保障の部分、年金の抜本改革は少し先の話だということですから、それ以外のところについて、是非議論していただきたいということも、同時に申し上げているところです。
(問)【行革関連】
共同通信の関といいます。
行革のほうで2点ほどお願いしたいのですが、中川さんが再入閣されることに伴って、党の行革調査会の会長が岡田さん、初代から今度新たに中野寛成さんがなることで3人目になるわけですけれども、実行部隊、実質的にやっていらっしゃるメンバーは替らないとしても、会長が短期にころころ替るというのは、イメージとして行革を最重要課題として位置付けているということに、国民が納得するかというところも見方があるのではないかと思うのですが、その点はどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)これは人事ですから、私に聞かれてもなかなかお答えできませんね。
ただ、初代の会長を務めた私が今度は内閣に行って行革を進めるということですから、そこは一貫性が貫かれているというふうに思います。
(問)それと、もう1点、公務員人件費の抑制ということに関して課題が一つ挙がっていますけれども、これは政府のほうでも。これについて、岡田副総理はこの間の発言は非常に数値目標については、やや慎重な姿勢かなというふうに受け止めているのですが、これは現状を認識した際に、野党の協力も含めてなかなか一朝一夕に進めることは難しいという現状認識というふうに受け止めてもいいのでしょうか。どのようにこれを実現していくということについてのハードルを考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)具体的な法案にどう書くかというような表現は、これからよく党側と調整していきたいというふうに思っております。ただ、そこで我々マニフェストに2割というふうに書いたのですけれども、あと1年半の中で2割というのは、これは給与の水準のほうは、今協議していますから、大体今までのその前のものも含めて1割ぐらいと、残り1割ということになるわけですね。これを数で出そうとすると、それは解雇しないと、解雇というか、辞めていただかないと数は合いませんから、それは今の公務員制度の下ではできないことだというふうに思うのですね。
そういうことを一つ踏まえなければいけないということと、あとは我々の今提案している、私が所管しております公務員4法案の中で、2年間過ぎると後は労使交渉で決めていくということになっておりますから、それを何か当然下げるとか、下げないとか、そういうことを法律で決めることがいいのかどうかと、そういう議論も当然あるわけですね。そういうこと全体ひっくるめて、どういうやり方があるのかと。
2割を目指すということは、私は非常に重要なことだと思いますが、いざ法律に書くとなると、今言ったような問題点を乗り越えて、どういう表現が可能なのかということは、よく協議していきたいと思っています。
(問)当初、先日の会見で2割はあきらめてないという表現をされていましたけれども、今重要だというお話ですが、これは考えは変わってないということでよろしいでしょうか。
(答)2割という目標はあきらめておりません。
(問)朝日新聞の三輪です。
今の点に関連して、そうすると、この4年間の任期中に総人件費を2割削減するということは、難しいという考えを今示されたということで受け止めていいのですか。
(答)そこまで断言はしておりませんが、具体的に1割以上給与を下げるということが可能性があるのかということもあります。いろいろな細かいまだ人件費を下げる手はありますけれども、実際に単価を下げることは難しい。
では、数はどうかといえば、勿論、地方分権とか、そういうことがこの1年半の間に思い切ってできれば、そこで切り離しが可能になりますが、その可能性がどのぐらいあるのかということも見極めて、考えていかなければいけない問題、そういったことを全体を少し時間をかけて、私は議論すべきだというふうに思っているわけです。
(問)もう1点関連して、そうすると2割削減を法律に書き込んで、いつまでにやるということは言えないと、労使交渉で決めるのだということなのですけれども、そうすると目標として2割は掲げておいても、労使交渉で決めるのだったら、いつまでたっても何かゴールにたどり着く保証がないような気がするのですけれども。
(答)最近の記者の皆さんは、私が注意深く話していることを非常に大胆に要約してお話になったり、お書きになりますので、私は時々困惑するのですが、私が申し上げたのは、2年後は労使交渉で決まりますと、それを果たして2割ということで書けるのかどうか、そういうことも含めて表現を検討しておりますということを申し上げたわけで、労使交渉になるから書けないというふうには言っておりません。
(問)フリーランスの朝日の安積です。
先程小沢さんの消費税反対の表明について、副総理は、政党人として党が決めたことに従っていただけるというふうに仰いましたけれども、昨日増税を進めるキャンペーンに協力はできないとして、民主党の広野広報委員長が辞任をされております。これについて如何お考えかということと、あと党と政府とキャンペーンが明日への責任、明日への安心ということで、統一したようなスローガンで、共にキャンペーンを一緒にやっていくという形なのですけれども、これに対しての影響とか、そういうのはどういうふうにお考えかということをお聞きしたいのですが。
(答)恐らく後任者もそう時間を置かずに決まると思いますので、影響は特にないと思います。広野さんも元々消費税引き上げには、総体的には慎重な考えをお持ちの方で、真っ先に党の先頭に立ってキャンペーンするにはちょっときついということですから、それはそれで理解できるところではないかと思っています。
(問)政党人として党の決めたことに従っていただけるというところは、広野さんも当てはまるというふうにお考えですか。
(答)それは誰であれ、党できちんと決めればそれに従うというのは当然だと思います。もちろん年末に一旦素案について決めていただきました。今後、また党で何か決めなければいけない場面もあるかもしれません。それぞれの場面できちんと正しく手順を踏んでいったものについては、それは従っていただくというのは、政党として当然のことだと思います。
(問)テレビ朝日の平元です。
今の副総理が仰った発言で、今後また党で決めないといけない場面があるかもしれないと仰ったのは、これは一体どういうものを想定されての発言なのでしょうか。
(答)それは私も党にいるわけではないので、分かりませんが、例えば法案を国会に出すということになれば、それは手続が普通なら要りますよね。そういうこともあるのかなと思っただけです。それは最終的には幹事長なりがお決めになることだというふうに思っております。
(以上)