副総理としての定例記者会見(平成24年1月27日)
岡田副総理記者会見要旨 平成24年1月27日
(平成24年1月27日(金) 18:39~19:12 於:合同庁舎4号館4階408会議室)
1.発言要旨
大変遅くなりまして申し訳ございません。非常に長い国会でした。
さて、私から2点申し上げたいと思います。
第1点は、今日の閣議の閣僚懇で発言した中身に関することですが、来週火曜日の閣議において、全閣僚からなる「行政改革実行本部」を設置をしたいということを発言いたしました。
社会保障と税の一体改革に合わせて、行政改革を進めていかなければならない、政府にとって非常に重要な課題でございます。本部を設置することで、政府一体となって行政改革を総合的かつ強力に実施をしていくという趣旨でございます。
勿論、野田総理に本部長になっていただき、私が代行として補佐したいと考えております。詳細はまた火曜日に御報告したいと思いますが、併せて事務局を設置し、これまで行政刷新会議事務局、それから、行政改革推進室、国家公務員制度改革推進本部事務局など、それぞれの事務局が分担していた改革事項を集約し、総合的に進めていく体制を整えたいというふうに考えております。
その場で、総人件費改革や人事給与制度、政府系情報システムの刷新・集約、未利用国有地などの資産売却などなど、順次議論し、そして実現に移していきたいというふうに考えているところでございます。
なお、31日の閣議に引き続いて、第1回の本部会合を開催したいというふうに考えております。
それから、もう一点は東日本大震災に対応するために設置された会議の議事内容の記録についてでございます。
こういった会議の記録が重要であるということは、繰り返す必要がないというふうに思います。今般、これらの会議における議事概要、あるいは、議事録の作成、保存状況の調査を行ったところ、お手元に資料が配付してあるかと思いますが、全体15会議のうち五つの会議において議事内容の記録の一部又は全部が作成されていないということが判明いたしました。より正確には、三つが全く作成されていず、二つが一部作成されているということでございます。
このため、今日の閣僚懇談会におきまして、この調査結果を配付いたしまして、関係閣僚に対して、今般の調査で議事内容の記録の一部又は全部が作成されていない会議について、議事内容の記録を2月中をめどに作成すると聞いているが、可能な限り迅速に対応されるよう指示することをお願いしたところでございます。
さらに、このような問題が発生した元となる原因を分析し、そして、その分析を踏まえた必要な改善策が作成されることが必要であります。
このため既にある公文書管理委員会において、専門的な見地から御検討いただくようにしていきたいと考えております。まだ、公文書管理委員会の日程は未定でありますが、第1回に私も出席して、直接各委員の先生方に私の問題意識を伝えたいというふうに考えております。
なお、こういった公文書が民主主義の根幹を支える基本的インフラであることに鑑み、各閣僚に対しまして、各府省の会議、これは災害のというのではなくて、一般的に各府省の会議における議事内容の記録の状況を確認し、公文書管理法に基づく公文書管理の徹底をお願いしたところでございます。
以上です。何かございますか。
2.質疑応答
(問)朝日新聞の三輪です。行革実行本部についてお伺いします。
平成18年の行革推進法に基づいて行政改革推進本部というのがありましたが、今回も何か法的な位置付けみたいなものは検討されているのかどうかというのが、まず1点と。
(答)一つずつにしてください。忘れてしまうものですから。
(問)それを。
(答)法律に基づくものにするには、当然法律が必要ですから、直ちにそれは難しいということで、閣議決定で設置をしたいというふうに考えております。ただ、与党でも御検討の新たな法制の中で、同趣旨のものをお考えいただいているというふうにも聞いておりますので、その法案の中に根拠規定を置いて、より明確なものにするということも考えられるのではないかと思っています。
(問)もう一点が、行政刷新会議よりも、この全閣僚が参加するということの狙いをお伺いいたします。
(答)行政刷新会議は実行するというよりは、物事を決める場だと思います。実際に実行するのは各省庁であります。そういう意味で、今回は外部の有識者は入っていただかないで、総理がヘッドになって、全ての大臣を構成メンバーとしております。
行政刷新会議始めいろんなところで御指摘いただいたことについて、最終的にそれを受け入れ実行していく、その確実な実行を期すというのが、この今回の実行本部の趣旨でございます。
(問)それでは敢えてお聞きしますが、これまで民主党政権が作った行政刷新会議では、事業仕分けも行ってきました。その事業仕分けの結果が、必ずしも確実に反映されていなかったりしたという反省を踏まえて、今回もう少し実行力のある実行本部を作るというふうにとらえてよろしいでしょうか。
(答)別にそういうことでは必ずしもありません。ただ、私はやっぱり物事を進める上で、官僚組織を動かしていくためには、それなりの仕組みというものが必要だというふうに考えておりますので、今回こういうものを作ることを決めたところでございます。
(問)最後に1点。行革のためなのに、何か組織がより肥大化するような気がするのですけれども、そういったことにはならないのでしょうか。
(答)いずれにしろ、暫定的な、そう長く置くものではなくて、基本的に2015年という一つの区切りがありますから、それまでの間にどれだけのことをやれるか、そういう問題意識で考えておりまして、恐らく3年ないし4年の組織であるということです。
(問)ニコニコ動画の七尾です。よろしくお願いします。2点お願いします。
(答)一つずつ。
(問)議事録がなかったということについてなのですが、途中で議事録がなかったということが問題にならなかったのか、という疑問があります。例えば、会議出席メンバーの方が、会議の後、議事録で確認したいということもなかったのか、あるいは、委員会を欠席したため議事録で確認したいという人もいなかったのかなどなのです。こういうこともなかったとなると、これもある種の問題ではないかと思うのですが、この点いかがでしょうか。
(答)かなり大きな会議なんですね。ですから、代わりの人が出ていたり、事務方がメモをとっていたりということは当然あったと思います。そういうことがあったからこそ、事後的に何らかの要旨のようなものを作ることは可能だというふうに考えております。
(問)分かりました。2点目なのですが、これは言うまでもなく、公文書の保存という括りの調査なわけなのですけれども、問題は発言そのものの記録が残っているかだと思います。そうした点で言いますと、ICレコーダーで録音していたという点については、調査されていなかったのか、また、今後こうした録音データを残しておくべきではないかという点については、いかがでしょうか。
(答)これは、議論の分かれるところでしょうね。勿論、後世、いろいろな政策判断に当たって、そういった全ての議事録、あるいは記録が残されているというのも一つの考え方です。ただ、あまりそれを厳格にやりますと、かなりそのことを前提にした議論、会議になるということも事実で、その結果、形式的な議論になってしまいかねない。本当に大事なところは、また別のところで決めるということになりかねない、そういった難しさというものはあるのだろうと思います。したがって、議論の要旨ということも含めて、法律上も認められているということだと思います。
(問)朝日新聞の伊藤です。一体改革でお聞きします。
最低保障年金について、昨日、前原政調会長の会見で、財源についてどういう税で賄うかということも、今後、議論になるのではないかという御発言がありました。09年のマニフェストでは、そこは消費税であると明記され出ていたと思うのですけれども、この財源の在り方について、副総理はどうお考えでしょうか。
(答)私は、マニフェスト以上のことは特に考えておりませんので、政調会長がどういうことで言われたのか、ちょっと私からはよく分かりません。それは、御本人に聞いていただきたいと思います。
(問)党内で他のものでという御意見があれば、それは検討する必要があるとお考えですか。
(答)まず、これは党の中の話ですから、党の中で御議論いただくことかなと思います。
(問)一方、年金の全体像について、野党から求めがあったと思うのですけれども、今日、お昼にも幹事長や政調会長と会談されたと思いますが、現時点での副総理のお考えをお願いします。
(答)今日は、特に結論はまだ出しておりません。それから、私が従来から言っておりますように、これが各党で協議する、そのきっかけになるということなのかどうなのか、その辺の見極めがまだ十分できていないということもございます。したがって、今日の段階で結論を出していないということであります。
もう一つは、何か7%とか、いろいろな数字が一人歩きして、そういう数字は民主党の重要な立場にある者、あるいは閣内も含めて、そういう数字を言ったことはないと思いますが、メディアではそういう数字も躍っていて、どんどん議論が先走りしておりますので、そういうことも踏まえて、いろいろなことを考えていかなくてはいけないということだと思います。
(問)読売新聞の足利と申します。
議事録の問題なのですけれども、今日配付された資料で「一部未作成」というところなのですが、この会議については何回開催され、そのうち何回が未作成なのかをお伺いしたいのですが。
(答)そこの詳細は、私、承知しておりませんので、それぞれ担当のところに聞いていただきたいと思います。
ただ、私が聞いておりますのは、そのときは作成していずに事後的に作成している、そういう資料があるということで、最初からという意味では、残りの二つも作成していたということではないようです。
(問)関連して、先程、岡田副総理の御発言の中で、聞き取り調査で一定程度復元できるというようなお話はございましたけれども、野党からは政府の震災対応の検証について支障を来すという批判も出ておりますが、この点についてはどうお考えでしょうか。
(答)かなりの人が出ておりますので、いろいろなメモ等はあるはずです。そういったことで復元を今行っている、あるいはこれから行っていくということだと理解しております。そのものを見てみないと、なかなか判断できないというふうに思います。
(問)フリーランスの安積です。
議事録の毀棄についてお伺いいたします。先程、原因を分析し、改善策を検討するというふうにおっしゃいましたけれども、この原因を分析した結果ですね、隠ぺい工作とか、そういった毀棄とか、そういったものがあった場合に、これはどういうふうに処理されるのでしょうか。以前、「処罰は考えていない」とおっしゃいましたけれども、こういった文書は公用文書として保護されるべきだと思いますが、これは公用文書になると刑法などの関連もあると思うのですけれども、処罰のほうについてお伺いいたします。
(答)かなり厳しい環境の中で、つまり非常に忙しい中で、そして権限関係が必ずしもはっきりしない、新しい組織を立ち上げていきましたので、そういう中で起きた不幸な事件かなというふうに私は想像しております。ただ、そういったことも含めて、これから検証していかなければいけないと思います。
そのときに議事録あるいは議事要旨を作らなかったからといって、そのことが直ちに罰せられるということではありません。現に、事後的に作るということも認められておりますので、全体、よく状況を把握して判断していく必要があるというふうに思います。最初から罰則を振りかざすというのは私の主義ではありませんので、基本的にはそういう必要はないと思いますが、それは状況をよく把握した上で、最終的に判断したいと思います。
(問)フリーランスの上出と申します。
二つあります。今のに関連しまして、結局、それぞれの責任とかははっきりしているのでしょうか。誰に本来責任があるのかという、この点はどうでしょうか。
(答)そういった議事録ないし議事要旨を作るべき立場にある役所というのは、基本的にはそれを分かっているはずであります。ただ、そこもよく検証してみないと、例えば二つあったり、三つあったりということもあるかもしれません。そういうときに、ポテンヒットではありませんが、それぞれ相手がやってくれていると思っていたということもあるのかもしれません。そういうことも含めて、全体をよく把握する必要があります。
(問)全く違う問題ですが、原発の問題です。
今、枝野大臣が、今日の朝日のインタビューなりでも、東京電力の国有化というようなこととかを明言しているのですが、これは内閣としての意思なのかどうか、この辺りはどうでしょう。分社化。
(答)私は、その記事を見ておりませんので、ちょっとコメントのしようがないのですが、いずれにしても何か決めたということは、まだないと思いますが。
(問)共同通信の関と申します。お願いします。
行革の実行本部の関係でお願いしたいのですが、一つは先程、法的根拠のところで、規定を置いて明確にすることも考えられるとおっしゃいましたけれども、基本的には今、与党で準備している行革のもろもろの改革を前倒しして、できるところから実施していくという趣旨で今回の実行本部が設置されるという理解でよいのでしょうか。
(答)与党でもそういう御議論があったことは承知しておりますが、とにかく全体、力強く進めていくためには、やはり組織がきちんとしないと難しいと。これは、勿論、閣僚もそうなのですけれども、事務局もたくさんあって、私も会議を持っても、一体、誰と話しているのか時々分からなくなってしまうようなところもありますから、やはりこれも一本にして、しっかりとした推進体制を作る必要がある、そういうふうに考えたところです。この改革実行本部は内閣に設置して、そこに先程言いました各セクションの方々に集まってもらって、しっかりと前に進めていきたいというふうに考えているところです。
(問)先程、扱うテーマとして、総人件費とか国有地の売却という話もありましたが、これは正に今、与党で検討を進めている、ワーキングチームで取りまとめている内容が含まれるものかと思うのですけれども、岡田副総理の考えとしては、法案が成立した暁には速やかに新しい―名称は何というか分かりませんけれども、今、法案が準備されているものに移行していくのが望ましいというお考えでしょうか。
(答)移行するというのは、どういう意味ですか。
(問)移行するというか、今、暫定的な組織で閣議決定された本部がそのまま法定化されて、今、与党が準備しているような形での本部にそのまま移行してくるという。
(答)そういうことは、一つのアイデアだというふうに思います。何か決めたわけではありません。
(問)あと、もう一点、そのイメージなのですけれども、先程、行政刷新会議は決定する機関というお話がありましたが、当面は本部と、行政刷新会議と、あと国家公務員制度改革推進本部についても、並立するというか並び立つ形で、従来どおり議論が進められていくのでしょうか。ある程度、役割がオーバーラップする部分もあるかと思うのですけれども、その辺りの整理をするお考えがあるのでしょうか。
(答)公務員の制度改革については、これは法律に基づくものですから、簡単に整理はできないのですが、事実上行政改革に関しては、この行政改革実行本部及びその事務局の下に、一つに括って進めていきたいというふうに思っております。
そういう既存の本部あるいは会議と、今回の行革実行本部については、現時点ではそれを何か整理しなければいけないということはありません。ただ、法律で書くということになると、その辺をどういうふうに整理するかということは、あるいは議論になるかもしれません。勿論、今回の行革実行本部というのは、ずっと作るわけではなくて時限的なものですから、行政刷新会議などは、これは閣議決定ですが、時限的なものではなくて、ずっと存続するという前提で組み立てられておりますので、その辺全体どういうふうに整理するのかということが法律を作るときには議論になるだろうと思います。現時点では全くそういう必要はありません。
(問)共同通信の蒔田です。
議事録の未作成についてなのですが、今のところの調査で議事録を当然作ってないと分かっていて、それが作らなければいけないのに作っていなかったとか、そういう指摘もあったのに、やってなかったとか、そういう不作為のような部分が今までで分かってきているところがあるのか、あるいはこれから調査するところもするのか、どうでしょうか。
(答)果たして自分がその立場にあるのかどうか、ということをどこまで認識していたかというのは、現時点でよく分かりません。
(問)西日本新聞の吉武といいます。
一体改革についてなのですが、年金の抜本改革を含めた全体像を示すというのは、公明党は求めていますけれども、協議に応じるためではなくて、国民に対してやはり社会保障の肝ですから、知りたいとは思うのですが、国民に対して説明する必要があるかどうかというのは、副総理として如何ですか。
(答)基本的な考え方は既に示しております。あとは一定の前提を置いて数字を出すということだと思います。ただ、数字を出しますと、それが一人歩きするという、そういうことは当然考えられるわけというか、今現にそうなっているというか、テレビなどつけると、消費税が更に上がるということが多く話題の中心になっておりまして、本来重要な10%の社会保障・税一体改革の話とか、そういうことよりも、更に上がるということが取り上げられていると。
しかも現在の年金制度をそのまま進めていっても、30年、50年先には、それは当然足らなくなるわけですから、7%とか6%という数字が一人歩きしてますが、それも直ぐそうなるみたいな、そういうふうにも伝えられていますし、かなりそういう意味では冷静な議論ができなくなりつつあるような状況、それをもうちょっときちんと議論できるような、そういう状況を作っていかなければいけないと。
50年先にこれだけ上がると言われても、50年先のことも言わずにこれだけ上がるだけ言われたら、それはみんなびっくりしてしまいますから、その辺はもう少し冷静な良識ある報道をしていただければありがたいというふうに考えております。
(問)日経新聞の桃井です。
議事録の問題ですが、当時官房長官だった枝野経産相は、昨年5月の記者会見で原子力災害対策本部の議事録が作成されていないということをお認めになっているのですが、その時点で問題を認識していて、なぜそのまま放置されたということを副総理は今調査される立場としてお尋ねにはなられたのでしょうか。
(答)まだ調査そのものは始まっておりませんので、聞いておりません。どういう趣旨でそう言われたか、法律の存在を認識した上で言われたのかどうかということも、私、分かりませんので、これ以上ちょっとお答えできません。
(問)あともう一つ。公文書管理委員会でこれから原因の分析と改善策の作成をお願いするということですが、これは何時ぐらいまでにこの作業を終えられたいと思っているのか、見通しをお願いします。
(答)まだメンバーの皆さんと全く話ができておりませんので、これからよく相談したいと思います。ただ、あまり長々とやる話ではないというふうに思っております。
(問)議事録の問題なのですが、読売新聞の足利と申します。
冒頭、各府省の会議における議事内容の状況を確認するというふうにおっしゃられましたが、これは政務三役会議ですとか、関係閣僚会議とか、そういったようなものも対象に含められるというふうに考えてよろしいでしょうか。
(答)政務三役とか、そういったことをどこまで含めるのかということは、いろいろな議論があるというふうに思います。先程申し上げたことにも関わるのですが、ですからどの程度の詳しさで残すかとか、それはかなりそれぞれの判断に委ねられているところもあると思います。
(問)時事通信の中西と申します。
議事録の関係なのですけれども、今後、議事録を公文書として残すということで、例えば閣議とか閣僚懇談会とか、安全保障会議とか、今まで議事録を作成していなかった会議について、どのようにお考えでしょうか。
(答)基本的には、それぞれに先程言いましたように委ねられているところがあります。議事要旨なのか、議事録なのか、そういったことも含めて、基本的にはそれぞれの会議の中で決めていくことだというふうに考えております。
(問)読売新聞の川上と申しますけれども、議事録問題で2点伺います。
1点目は、公文書の作成の対象となる会議の線引きが必ずしも明確でないという指摘もある中で、今回調査対象となった15の会議以外の会議についても、今後調査を広げるおつもりはあるのでしょうか。
(答)今回、具体的に問題になったのは、震災対応の会議ですから、それを広げて15、震災に関係するもの全体に広げたわけです。それ以上広げるということになると、全て全部政府のやっている会議について、何か調査するということになりかねませんので、15の会議は、これはこれで一つのまとまりだというふうに考えております。
(問)2点目は、今国会で野党側がこの問題について、厳しく追及する構えを見せているわけなのですが、岡田副総理は外相時代に外交文書の公開にかなり積極的に取り組まれた経緯もあるのですけれども、今回の公文書の問題では、どういう取組を通じて野党の理解を得ようというお考えでしょうか。
(答)どこまで作ればいいかというのは、それはいろいろな議論があるところです。
先程言いましたように、全部議事録を作るということになりますと、会議そのものが逆に形骸化しかねないというところもあると思います。
私は大分昔になりますが、キッシンジャーさんの話を聞いたことがあるのですが、国務省というか、アメリカ政府もかなりそういった会議の議事録を作ることが義務づけられていて、その結果、国務長官から新旧の引き継ぎのときなど、非常に重要なことは文書にせずに口頭で伝えることになってしまっていると、それは正確さを欠いてしまうのだけれども、文書を作り、それが将来的に公開の対象になるということであると、どうしても表にできないことがあるから、非常にジレンマであるというふうに言っておられたことをよく覚えているのですが、文書を作成する、あるいはそれを将来的に公開するというのは、本質的にジレンマを抱えている、そういう問題だと思っています。
(問)朝日新聞の野上です。
1点確認です。
一昨日の確か官房長官の会見だったかと思いますけれども、長官から、今回の議事録問題の対応に関しまして、各行政機関に対して、毎年度公文書の管理状況を調査していきたいということで、岡田副総理とたしか対応方針を決めましたというようなことがあったかと思うのですけれども、各行政機関に対してそうした管理状況を調査するということと、先程の全ての会議については調査できないということと、この関係というのはどういうふうに理解したらいいのでしょうか。
(答)私は官房長官の今おっしゃったような発言はあったとは承知しておりません。
(問)そうしますと、各省庁に対して公文書の管理状況を調査するようにというようなことを求めていくことはないのでしょうか。
(答)それはどのぐらい細かく調査するかということにもよると思います。私が今日各閣僚に申し上げたのは、きちっと法の趣旨が貫徹されるように、しっかりと対応してくださいということを申し上げたところです。
(問)テレビ朝日の平元です。
ちょっと全然話が変わってしまうのですけれども、先日、亀井さんや平沼さん、そして石原都知事が夜会合を行っておられまして、今朝の朝刊などには3月にも新党かというような話が出ていますけれども、こういった動き、副総理はどのように御覧になっているでしょうか。
(答)似た話は幹事長時代、随分亀井先生から聞かされましたが、今回のことについては、私は承知しておりませんので、コメントいたしません。
(問)朝日新聞、伊藤です。
一体改革で、先程年金について、今かなり冷静な議論ができなくなりつつある状況だとおっしゃいましたけれども、そういう状況になった原因というのは、どこにあるというふうにお考えなのでしょうか。
(答)分かりません。ただ、この一体改革の素案の中にも、その新しい抜本的な改革のことが書いてあって、それをやれば新たな財源措置が、財源が要るということは、これは自明の理ですね。つまり全額税方式でやるということですから、そのことは分かっているにも関わらず、なぜ大騒ぎになっているかというのは、私はよく理解に苦しむところです。
(問)もう1点なのですが、副総理になられて2週間経たれました。テレビの番組などでは、我慢しているというような御発言もありましたけれども、一体改革や行革を進めるに当たって、今一番のハードルというのは、岡田さんにとっては何なのでしょうか。
(答)ハードルは特に感じておりません。楽しく一生懸命やっておりますので、我慢しているというのは、議会との関係ですね。それは、でも私も理解しないわけではないので、基本的、一義的には議会、あるいは政党間の議論に委ねるべきかな、というふうに思っております。
(問)テレビ朝日の平元です。
先程の質問で、幹事長時代に亀井先生から聞かされたというふうに、副総理は今おっしゃいましたけれども、そのとき教えていただける範囲で、亀井さんからはどういったお話があったのか、またそのときの新党の趣旨というのは、どういったものだったのでしょうか。
(答)そういうことは言わないほうがいいですね。もちろん皆さんそれぞれ当時も報じておられたから、それが正しいかどうかは別にして、いろいろなことを語っていただきました。今別に亀井先生と頻繁に交流しているわけではありませんので、今のことについて、私はお答えできません。
(以上)