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2012.03.07|夕刊フジ

夕刊フジコラム「ズバリ直球」12年3月7日号

野田佳彦首相と、自民党の谷垣禎一総裁が「極秘会談」したと、メディアが連日報じている。私の知る限り、そうした事実はない。ただ、国会でも何度か答弁しているが、衆参ねじれのなか、政治を前に進めるために与野党が協力することは大切なことだ。

現在、大阪市の橋下徹市長や、東京都の石原慎太郎知事らによる「第三極」が注目されている。この背景は、日本が厳しい状況に立たされているのに、既存政党が政治をなかなか前に進められないことへの失望感が大きいといわれる。この点は深刻に受け止めなければならない。

私が担当する「社会保障と税の一体改革」について、民主党と自民党は大きな方向性で違いはない。国民生活に直結する問題について、今後とも真摯に話し合って、結論を出していきたい。

 一体改革に絡み、党内にも「消費税増税は認められない」「閣議決定に反対」などと主張する声があるのは残念だ。昨年末、5日間にわたって夜遅くまで徹底的に議論して、最後は、野田首相も出席する中で、満場一致で一体改革の素案を決めた。

民主主義の基本は、徹底的に議論をするが、議論の上で決めたことには皆が従うということだ。国民生活に責任を持つ、政権与党としての自覚が求められている。

さて、野田首相を本部長とし、私が本部長代行を務める行政改革実行本部の第2回会合が6日開かれた。この中で、私から2つのことを提起した。

第1は、独立行政法人(独法)の職員住宅の問題だ。国家公務員住宅については昨年末、緊急参集職員向けなどに限定する、生活支援目的の住宅は認めない、建設費や維持管理費を反映させて家賃を引き上げる、といった削減計画を打ち出した。独法の職員住宅についても、国家公務員と同様、あるいはそれ以上に厳しいルールを適用すべきと考えている。

第2は、国家公務員の新規採用の抑制だ。国家公務員総人件費の2割削減を達成するために、これまでも平成21年度比で、23年度は4割減、24年度は3割減としてきたが、25年度はさらに、これまでを大幅に上回る抑制を各大臣にお願いした。

また、人数だけでなく、役所の仕事の仕方も見直していく。例えば、「決裁者の人数を減らす」とか「新聞・雑誌の購読を減らす」「コピー用紙の使用を個人単位で記録する」など、民間企業並みのコスト削減努力を役所にも求めたい。

役所の仕事をスリム化・効率化して、国民のために迅速・的確な行政を実現する。これは、国民の方々にとってはもちろん、意欲と能力ある公務員にとっても必要不可欠な改革だ。




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