副総理としての定例記者会見(平成24年4月6日)
岡田副総理記者会見要旨 平成24年4月6日
(平成24年4月6日(金) 15:09~15:55 於:合同庁舎4号館4階408会議室)
1.発言要旨
すみません、ちょっと遅れました。
予算も成立をし、桜もきれいに咲き始めて、いよいよ社会保障・税一体改革の本番ということですので、しっかり頑張っていきたいと思います。
今日、私のほうからは、午前中に開きました5大臣会合、その他について御説明をしたいと思います。
「簡素な給付措置」、それから「給付付き税額控除等の再配分に関する総合的な施策」、この二つについて、お手元に資料もお配りしてあると思いますが、先般の閣議決定において関係5大臣の下で検討することになりました。それを踏まえて今日、本日、閣議後に関係5大臣会合を開き、資料2のとおり、副大臣及び政務官クラスの検討チームを設置することを確認したところです。
二つの仕事があるわけですが、そのうちの簡素な給付措置につきましては、これは審議入りするまでに具体化に当たっての基本的考え方を示すということになっておりますので、非常に急がれるわけで、検討チームに対して私からは、勿論、4月中のできるだけ早いタイミングで5大臣に報告してもらいたいと申し上げたところです。
給付付き税額控除につきましては、多少時間をかけることができるのかなと思っておりますが、まずは政府税調の下に検討体制を整備して議論を進めると。その上で検討チームでも検討を行い、総括的な検討・進行管理を行うということにしているところであります。
なお、今日、その5大臣会合の後、この検討チーム第1回を開きまして、私も第1回ということで出席をいたしました。今日は、一体改革における低所得者対策、給付付き税額控除の諸外国の例などについて、厚生労働省、財務省から説明をしてもらったということです。
今日、改めて説明を聞いていて多少議論もしたのですが、この簡素な給付措置につきまして、第1回の消費税導入時、それから5%への引き上げ時、それぞれ数百億円の単位で行われました。そのとき、何故そういったことが議論されたかと言いますと、あの時には所得税の減税というのがセットになっていて、消費税を引き上げるということと、そして、所得税の減税というのは、所得税を払っている人にとっての減税でありますので、所得税を払っていない、所得が少ない方に対して何らかの措置が必要であるという、そういう議論の中で「簡素な給付措置」というのが出てきたというふうに、私は理解をしております。
そういうことを考えると、今回の簡素な給付措置は、別に所得税の減税をするわけではありませんので、ちょっと状況は違うというふうには思います。だから必要ないというつもりは全くないのですが、そういう状況の違いというのはよく認識をしておかなければいけないなということが1点。
もう一点は、金額も含めて、党の中でいろいろな議論が出ましたので、そういうことも踏まえつつ、基本的方向性について出していかなければいけないというふうに考えております。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)【検討チームの設置について】
共同通信の蒔田ですけれども、今、冒頭のお話でも少しあったのですけれども、改めてこの増税に伴う簡素な給付措置とかの低所得者対策の必要性についてお伺いしたいのですけれども。
(答)もちろん、増税は痛みを伴うことでありますので、何らかのショックを和らげる何かが必要だということはあると思います。
それからもう一つは、増税をするに当たって、税率を上げるに当たって、ヨーロッパ諸国は複数税率ということを大体とっているわけですね。それに対して、複数税率よりは給付付き税額控除と、そういう方向性を我々は考えているわけです。
給付付き税額控除は、これは直ちにはできない、マイナンバー制とか、そういった条件が揃わなければいけないと。そうだとすれば、その間それに代わるものとして何をするのかと。そういう観点から、この簡素な給付措置が出てきていると。これは今までとはちょっと違う、そういう脈絡の中で出てきている問題だというふうに思っております。
ただ、これもよく説明をしなければいけないのですが、今回は今までと違って、所得の少ない方に対する社会保障面での措置ということをかなりやっておりますので、そのことも併せて考えていかなければならないというふうに思います。
例えば年金における最低保障機能の強化、あるいは国保や介護保険の保険料についての特例、所得の少ない方に対するですね、そういう措置が講じられているわけで、消費税1%分、つまり新しいことの中で、そういった所得の少ない方への対策というものは、1.4兆ですかね、1.7兆でしたか、……1.4兆を用意しているわけですから、これは何といいますか、医療とか介護とかそれぞれも全部引っくるめて1.4兆、所得の少ない方のための対策として用意しているわけで、そういうことも全部合わせ考えていかなければいけない問題ではないかと思っています。
(問)すみません、もう一点だけ。議論はこれからだと思うのですけれども、党内議論では簡素な給付措置について、財源は大体4,000億円規模という数字が一度出て、これが撤回されたという経緯がありますが、大体この4,000億円というのは、基準になるのでしょうか。
(答)議論はこれからです。
いずれにしても4,000億という話は、これは総合合算制度のために考え抜いた数字として、一度政府から提案されたものですが、私もあまりよく分からない話だなとは思っておりましたので、というのは、これは社会保障とはちょっと違う話ですので、今や5%の枠の外として考えられているということですから、金額はこれからですね。
(問)朝日新聞の河口です。
この党内の論議でもありましたが、法案の審議入り前に具体化に当たっての基本的な考え方を示すということになっておりますが、この具体的な、具体化というか基本的な考え方の中での具体的な範囲といいますか、どういったものを想定される、どこまでの議論を審議入り前でやらなければいけないかという辺りは、どのようにお考えでしょうか。
(答)これは、これから少し具体的に議論していく中で決まってくることだと思います。現時点では特に申し上げません。
(問)すみません、続けて、党内の議論では、やはり財源の特に全体の規模ですとか、対象ですとか、そういったものをはっきり示されない限りは、この法案についての了承もできないというような反対意見が非常に強かったこともありまして、こういう表現になっているかと思いますが、対象ですとか、少なくとも財源の規模ですとか、そういったものはおっしゃられないということでしたが、やはり示さないと党内での合意というものとの整合性は取れないのではないでしょうか。
(答)それは党の中でもこれは議論してもらっていますから、細川さんのところで。よく相談しながら考えたいと思います。今、手を縛られることは言うべきではないと思います。
(問)朝日新聞の伊藤と申します。
先程の話の中で、今回の一体改革の中においても低所得者対策をやっているので、それと併せて考えないといけないというお話がありましたけれども、その一方で、党の議論では4,000億円というのが示されたときに、1兆円だとかもっとというような声もかなりあったと思うのですけれども、その規模感というのはどういうところを軸に考えればいいのかということをもう少し、お願いします。
(答)私が申し上げたことは、そういったことをやはり国民によく説明しなければいけないということですね。この消費税導入の痛みということに対して、我々がどう考えてどういう措置を用意しているのかと。
そもそも、よく申し上げるように、社会保障制度のみに使うということ自身が、所得の再配分なのですね、非常に大きい。例えば医療にしても介護にしても、これは所得の多い人も少ない人も同じサービス、基本的には。所得の多い人だけいいサービスが受けられるとか、そういうことはありません。
そういうことを考えれば、一方で、これは消費税5%分ということですが、これは消費が多い人は多くの消費税を払ってもらうわけですから、所得・消費比例的な税制ですね。それで税収を得て、サービスは同じということ自身が大きな所得再配分なのですね。そのこともきちんと説明しなければいけない。
そして、先程言った所得の少ない方に対する対策も、いろいろと今回講じている。そういったことをきちんと説明した上で、なお十分でないところについて、今回の簡易な給付措置ということを考えなければいけないということです。
(問)党の議論を聞いていたときに私自身が思ったのは、一番メインとおっしゃっている子ども・子育てのところは7,000億と言っているのに、それよりも大きな数字を簡素な給付措置でやれという声が出ていることが、ちょっと私としては違和感があったのですけれども、その点についてどう思われますか。
(答)いろいろな議論はあると思いますので、特にコメントは今いたしません。
ただ、これは5%の外ということですから、財源の議論と併せてやらないといけないということですね。その分、赤字国債が増えてしまったということではだめなので、そういうことも考えて規模感ということを議論しないといけないと思います。
ただ、党の中でいろいろ議論されてきたことについて、私が今先取りしていろいろなことを言うことは避けたいと思います。よく議論したいと思います。
(問)関連でなのですけれども、一方で、住宅取得のときの対応などもこれから考えていかれると思うのですけれども、反対に住宅や自動車を買うときの対応というのは、ある程度そこはそういう家や車を買えるお金持ちの方に対して、どう激変緩和するかというところの、そこと今回の低所得者向けの給付措置のバランスというのも考える必要があると思うのですけれども、そこは今回議論されるのでしょうか。
(答)議論はするのですが、若干タイミングはずれますね、はい。
(問)朝日新聞の尾形と申しますが、まず1点目。そもそも党内の議論でもありましたけれども、今回消費税については14年に8%に上げ、15年に10%に上げると。極めて具体的な話になっている一方で、こういった激変緩和措置なり低所得者対策ですね、その議論が遅れていて、法案提出した後に、今になって急に議論しなければいけないと。そういった一方で、税を上げるというところだけ具体化していて、もう一方のそれに伴う対策という議論が遅れていることについてはどうお考えですか。
(答)過去2回も、実際上げるときに議論しているのですよね。いつ上げるという法案を作るときではなくて。だから、2014年の前に、今のこの考え方でいえば議論しているということです。だから、遅れているということではありません。
ただ、今回いろいろ御議論が出たので、大体の相場観を今議論しておいたほうがいいと、こういうことです。
(問)その過去2回ですけれども、先程、岡田副総理もおっしゃっていたとおり、過去2回については税収中立、つまりレベニューニュートラルで、増税と減税を組み合わせるというもので、そういう意味では経済に与えている影響は中立的だったわけですけれども、今回はネット増税になるわけで、そういう意味では経済に与える影響はものすごく大きいはずで、それはこういった低所得者に与える影響も大きいわけですよね、元々。
ですから、過去2回と今回は全く状況が違っていて、よりネット増税だったわけですから、そこに対する配慮はあってしかるべきで、そこに対する議論も先にあってしかるべきだと思うのですけれども、そこはそうはお思いになりませんか。
(答)ですから、具体的なことは、私は必ずしも、今と同じタイミングでやる必要はないのだと思います。ただ、党との約束ですから、この簡素な給付措置については議論するということです。
「ネット増税だ」ということですが、それは減税がないという意味ではそうですが、これは赤字国債でやっていることなのですね。ですから、何かそこのところを忘れてしまうと、痛みだけ言っても、それは次の世代の痛みを今、先食いしているということですから、そのことは忘れてはならないことだと私は思います。
(問)【その他】
フリーランス記者の上出です。
今日の経済産業省、枝野さんの会見に行っていまして、そこで、いわゆる公文書にも関係あるのですけれども、4大臣が大飯原発をどうするかということ、この議事録ですね。これをどうするかという扱いについて、枝野さんは、岡田さんが言ったことは一般論であって、公文書法の関係とは違って、枝野さん御自身の言葉では国民に分かるような形にすると。ただ、これについて、いつ公表するということ、時間がなくて質問できなかったのですけれども、細かいところまでは言っておられなかったのですが、直接は関わっていないと思いますけれども、この出し方、これについて岡田さんはどう思いますか。国民に対して説明するということに対しての意味。
(答)私がこの前申し上げたのは、これは公文書管理法上のマスト、義務ではないと私は思います。
ただ、より国民に説明責任を果たすというか、法律上マストではないから責任ではないかもしれませんが、よりよく説明すると、そういう観点から今回、一定の範囲で明らかにするというふうにお決めになったことは、私は歓迎すべきことであるというふうに思います。具体的内容については、それは関係大臣がお決めになること、そういうふうに思っています。
(問)ちょっと姑息ですが、黙っていると公文書との兼ね合いなどを考えると、相当後になって出してもいいということになってしまうのですけれども、性格が性格なのでそういうことはないと思うのですが、この出すタイミングについてはどういうふうに考えておられますか。
(答)それは、ですから公文書管理法上の義務ではないということであれば、関係大臣が御判断されるべきことではないかというふうに思います。
(問)直ぐでなくてもいいと。
(答)いやいや、関係大臣が御判断になることだと、私がとやかく言う話では基本的にはないと思います。
(問)テレビ朝日の平元です。
国土交通省が今日、新名神の凍結区間の解除と、もう一点が暫定2車線区間を4車線にするということを正式に発表したのですけれども、これは財政の再建という目的もあって、これは消費増税を現在打ち出されていると思うのですけれども、凍結されていたこういう大型公共事業が次々と解除されていっているという現実と、あと「コンクリートから人へ」という民主党の元々あった理念とは違うように見えますし、国民が現在、野田政権が財政再建に対して本気なのかなというふうな目線で見ることもあると思うのですけれども、如何お考えでしょうか。
(答)ちょっと私は事前に説明を聞いておりませんので、報道が正しいかどうかということも含めて、よく分からないのですが、一度説明を聞いてみたいと思います。
(問)岡田副総理自身は、今回のこの再開ということに対しては、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
(答)これはよく内容を聞いてみないと分かりませんので、基本的には税金の話ではないはずなのですね、料金収入でやっていくということですから。料金収入でやっていけないということになれば、これは将来的に税投入は必要になるかもしれないということですが、したがって、一般の行革の話とか、財政の健全化の話とはちょっと違う話だとは思います。ただ、よく説明は聞いてみたいというふうに思います。
予め、私のところに説明に来るべき話ではなかったかというふうに思っています。
(問)朝日新聞の尾形ですが、今の関連質問で、ただ報告は受けていらっしゃらないかもしれないですけれども、今回の道路に限らず、整備新幹線の認可ですとか、圏央道の建設再開とか、いろいろなところで既にもう新年度予算に入っているところで、かなり公共事業は入っていて、その理由付けも災害に対応して多層的な物流網が必要であるとか、基本的に災害とあまり関係ないと思えるところまで理由付けに使われて、実際復興費も含めると6%超の公共事業費の増大になっているわけで、それは一方で歳入のお願いをしながら歳出のたががどんどん外れるというのは、明らかに普通の方から見て理解できないと思うのですけれども、その点は如何ですか。
(答)ちょっと今の話は、二つ混乱が見られると思うのですね、分けて話さなければいけないと。
一つは復興費も含めて6%超だとおっしゃったが、復興費以外のところは政権交代後、歳出抑制は思い切ってやっているということですね。復興費については、これは別の次元の話ですから、今回、全体6%超になっているとしても、そのこと自身が問題だというふうには考えません。それは結局、復興費をもっと減らせというに等しいわけですから、私はそういうふうには考えておりません。
その上で、当面その予算上の問題はないとはいえ、あるいはかなり大幅に減らしているとはいえ、整備新幹線や圏央道について認めたことは、将来的に負担になるのではないかとか、そういう御議論というのはあるかもしれません。ここは私は閣僚でない時期に決まった話ですので、その間、政府として決定されたことについて、後から何かそれについて意見を言うことは控えたいというふうに思っています。
(問)それに関連した全体的な話ですけれども、今回の一体改革なり、今回の消費増税の法案提出で、消費税5%が上がれば13兆円ぐらいの増収になるわけですが、一方で、歳出削減をどれぐらいやっているかというと、あまり大きく明示されていないのが現実で、諸外国のアメリカなりイギリスなり、いろいろなところの財政再建を見ていると、基本的にまず最初に歳出削減をどれぐらいやるかという議論をして、半分以上は歳出削減でやった後で、残りは増税というのが普通なのですけれども、今回、日本の議論の場合は、歳入のほうだけがクローズアップされて歳出は殆ど見えない状態で、副総理も公務員の人件費とか、そういったところをやっていますけれども、その部分は全体の予算の中でいえば小さな部分になるわけで、それは象徴としては必要ですけれども。一方で、きちんと歳出削減の歳出をカットしてプログラムというものも通常は必要になってくるわけですが、そういったものを今後、与野党協議などを通じてきちんと、かつては歳入歳出一体改革というのもやったりしていましたけれども、何か歳出について切り込むようなことを考えるお考えはないのか。
特に、今回の増税については……
(答)ちょっと、整理して言ってください。話が終わりがないので、何を聞きたいのか整理して。
(問)整理して言っているつもりですけれども。
では、まず歳入ばかり、増税の話ばかりしていて、そこについて税率を上げるとはっきりした議論があるにも関わらず、歳出について殆ど再建プログラムがないという現実についてはどうお考えですか。
(答)事実を申し上げれば、政権交代後、歳出削減はかなり進んでまいりました。公共事業予算は大幅にカットしていますし、埋蔵金についても、例えば独法関係だけでも2兆円、独法から引き揚げて一般会計として使いました。
独法への予算は大体3兆3、4千億ですが、今や3兆ということで1割カットしているわけで、この独法の中には災害のために活動しているものもありますが、それを引っくるめても1割カットしているということですから、相当な歳出カットだと思います。
人件費は、この前の7.8%以外にも、それ以前にも人事院勧告に従って少しずつ賃下げもやり、そして人数も純減で減らしてきましたから、それもトータル含めますと5,000億、これは少ない額ではありません。
様々な、そういった歳出カットはやってきているということは事実として申し上げておきたいと思います。
(問)今おっしゃったお話は、3,000億円と5,000億で8,000億円ですよね、見積もっても1兆円弱ですよね。それに対して増税は13兆円なわけですけれども、その差はどうお考えになりますか。
(答)いやいや、今申し上げたのは、例えば公共事業予算は1割以上カットしているのですよ、例えば。それから、独法から2兆円ということを申し上げたし、だから全然やっていないということは事実に反するということを申し上げているわけです。
(問)今までの歳出カットを積み上げると、幾らになるのでしょうか。
(答)今数字を持っていませんが、数字は出します。国会でも何度も答弁しています。
ただ、今の13兆の話は、勿論、歳出カットも重要ですが、しかし、これは日本のような厳しい財政状況にある国と、EUの国々を同列に論じることは、私はできないと思います。
国の予算の半分が借金という現実を見たときに、歳出カットが十分ではないから、それまでは増税すべきではないとか、そういう議論というのは、私は成り立たないと。
だから、歳出カットは不断の努力で更に私はやってまいりますが、そのことと増税の問題は切り離して考えるべきだというのは、私の意見です。
(問)そうすると、歳出カットについて、これから検討していくお考えはないということでしょうか、大きくという意味ですよ。今、ヨーロッパと比較はできないとおっしゃいましたけれども、アメリカの議論の場合は、基本的には歳出カットの話ばかり今していまして、そういった意味では、諸外国の主流は歳出カットと言っていいと思うのですが。
(答)歳出カットを不断の努力として、私はこれからも全力でやっていくと申し上げました。
(問)それでは、新たに何かプログラムを組むようなお考えは今のところはない。毎年やっているのは分かりますけど、先程の公共事業にしても1割カットしても、2、3兆円の、兆円単位の2、3兆円のベースで、そこから比べると、やはり歳入と全く見合わない、歳入増と見合わない歳出カットしかできていないわけですけれども、ただ、そこには問題はあまりないというお考えですか。
(答)問題ないとは考えておりません。ですから、不断の歳出カットをしていくということです。ちょっと申し訳ないけど、マイク変えてください、次の人に。
また質問あれば答えます。
最初に、ちゃんとルールを言うべきだったのですが、基本的に1人1問にしてください。また、回しますから、そうでないと他の方が聞けなくなります。
(問)フリーランスの安積です。
金額が小さくなって申し訳ないのですけれども、3月31日付の主要5紙でTPPの広告の代金が1億4,000万かかっていると。それから、地方紙にこの広告について1億円出されているという報道が赤旗、共産党の機関紙の赤旗でありました。
既に報道されていますけれども、官邸のホームページの更新料が4,500万かかっていると。副総理は、中央官庁で刊行物のリストラなど4億円程されていますけれども、こういった支出について、どういうふうにお考えですか。一般的に考えたら、何か家庭に例えて恐縮なのですけれども、奥さんが一生懸命節約しているのに旦那さんが何か飲み歩いているような感じのイメージがあるのですけれども。
(答)問題は、だから無駄なものかどうかという判断ですね。ホームページを今回リニューアルしました。私は非常に見やすくなったというふうに思うのです。そういう効用があれば、私は4,500万かける価値があると、見られる方の数は随分多いわけですから、というふうに思うのです。定期刊行物のように、実際読まれないまま、そのまま廃棄されているものが随分ある。そういうものは、やはりカットしていくと、ですから、その内容次第だと私は思います。
(問)関連でいいですか。私が見たらちょっと見難いというか、何かいっぱいガチャガチャあって、すごく見難いような感じがしたのですけど、それは主観の話なのですけれども、その後の報道によりますと、例えば、中に誤字があったとか、そういったことで、結局は供給されたホームページの更新の分が不完全なものであったと。そういうふうなものについて4,500万の価値があるのか、どうなのかというのが、ちょっとやはり一般的には、こういうふうな御時世ですから、先程、副総理も日本の財政はすごい大変な状況で、そういうふうな不完全なものに4,500万出すということについて、国民はどういうふうに思っているのかといったら疑問に思うと思うのですけれども、この点について如何ですか。
(答)そこは考え方の問題だと思います。ですから、ホームページのお話と、それから、今、TPPのシンポジウムか何かのお話をされましたが、それは内容が伴っているかどうかということだと思います。ただ、どうしても高コスト構造になりやすいので、それは常に注意していかなければいけないと、そんなふうに思っています。
官邸ホームページの副総理記者会見も、もうちょっと見易いところにあるといいのですが、それは冗談ですが、全体としては非常にいい、リニューアルをされたと私は思っています。
(問)関連ではないですけど、いいですか。
(答)今の関連何かありますか。
(問)テレビ朝日の平元です。
先程質問させていただい件で確認なのですけれども、新名神の凍結解除と暫定2車線区間の4車線化の話なのですけれども、本来、岡田副総理のほうにも説明があってもよかったのではないかというような発言が最後ありましたが、この後、国交省のほうから説明を受けられて、岡田副総理自身が納得できないような内容だった場合、見直しの指示等されるお考えはありますか。
(答)あまり仮定の議論はしたくありません。ただ、説明はしてもらおうというふうに思っております。この前も、何といいますか、あれは何でしたかね、道路株式会社の本四架橋の負担について報道が出ましたので、私は早速呼んで話を聞いたわけですが、いずれにしても、国の歳出の大幅な増加につながりかねない、あるいは今まで行革として道路公団民営化というのは一世を風靡したわけですから、そういった議論との関係で問題があるかもしれないと、そういう問題は幅広く私は、各省庁が私のところにきちんと説明してもらうようにしているところです。
(問)(朝日新聞・尾形記者)では、一問一問聞いていきますけれども。そうすると副総理の頭の中には、歳出、行革も担当でいらっしゃるわけですが、歳出削減これまでした額について、民主党政権になってから、大体幾らかという額については、頭の中にはないということなのでしょうか。
(答)正確な数字を今申し上げる、それは数え方にもよるのです。ですから、正確には後ほどお話をしたいと思います。
(問)大体の、そんなに正確ではなくても規模感でいいのですけれども、先程おっしゃった額を積み上げれば、大体規模感は出るのですが、そういう規模感もないでしょうか。
(答)あまりいい加減な数字を言えません。私、記憶力がもの凄く悪いのです子供のときから。見れば分かるようなことは見れば済むというのが私の考え方ですので。
(問)朝日新聞の伊藤と申します。
同意人事の関係でちょっと確認したいのですが、昨日、日銀の審議委員についてお一人否決されて、今2人空席という状況になっております。政府はデフレ脱却ということを言って、かなり金融政策重要なところの場面に2人空席であるという現状を生んでしまっていることについて、まずどう思われますでしょうか。
(答)非常に残念なことだと思います。ですから、代わりの方を探さなければいけない。それは官房長官が言われているとおりです。
(問)基本的に官房長官というか、官邸のところで選ばれると思うのですけれども、実際にどういう人であれば、国会の同意を得られるというふうにお考えですか。
(答)これは野党の皆さんがどう考えるかですから、その質問は非常に答え難いですね。
(問)ただ野党だけでなくて、民主党の中にもかなり異を唱える方がいらして、消費税の議論のときも1時間ほど審議委員の人事について夜中に話していたという事実があったと思うのですが、足元の民主党でもそういう異論が出ていたということについては、どうお考えですか。
(答)いろんな議論があるのはいいと思いますが、最終的に、これは当然、党の幹部にも相談して決めていることのはずですから、決めたことにはきちんと、それをみんな尊重すると。これは大衆討議に付すような話ではないですから、人事の話というのは、そこの図と、何というか、常識の線というのはあるのだと思います。
(問)(フリーランス・上出記者)ちょっと2問目がということだったんで、ちょっと質問をはばかっていましたが、予算の歳出の関連で。岡田副総理の管轄ではないのですが、米軍再編に絡みまして、本来28億ドルを限度としている日本の米軍への支援といいますか、負担とですね。これが何か40億ドルに増やすということで、アメリカの国会では声が出ているのですけれども、これについては、岡田副総理も外相やっておられて、散々こういう問題も御専門だったわけですけれども、聖域になってしまっているのではないか、はっきりとノーとは、国会の質問でも玄葉さんは言っておりません。こういう厳しい消費税の問題、先程から言われているような厳しい状況の中で、やっぱり日本の外交能力としても、それを押し返せるということが国民の期待に応えることだと思うのですが、その辺は如何お考えですか。
(答)ちょっと今言われた28億ドル、40億ドルですか、それよく分からないのですけれども。
(問)日頃、日本の負担は28億ドルが限界だというふうに言っているわけですね、米軍再編について、グアムに移転するための新たな海兵隊の費用について、アメリカの国会では40億ドルにせよという声が出ているということですけど。この前も国会で、4月の確か3日だと思いましたけど、参議院の予算委員会で出たのですけれども。
(答)ですから、40億ドルという話がアメリカの議会で公になっている数字かどうかは、私は分かりませんので、ちょっとコメントはし難いのですが。
(問)こういう要求があるのです。それは国会で出ているので間違いないと思うのですけれども。
(答)そういう数字として、大臣が認めたのかどうかということは私は分かりませんから。
(問)日本の大臣ははっきり答えていないので、岡田さんはどう思われるのかなと思ったのです。
(答)ですから、その数字が、アメリカ政府が何か言っている数字なのか、あるいは議会の正式な意思として何か言っている数字なのかというのは確認できませんから、軽々に言わないほうがいいと思うのです。
(問)一般論としてはどうでしょうか。そういう負担を増やすということに関しては、あっても仕方がないということは、一般論としてはあり得ますか。
(答)これは政府の中でこれから議論していくことですので、私があまり感想を言わないほうがいいというふうに思います。それが本当に必要なものなのかどうかと、そして、日米同盟という観点から見てどうなのかという一つの政治判断の問題です。抽象論で言う話ではないと思います。
(問)朝日新聞の尾形ですが、消費税の増税の関連で、最後、民主党の取りまとめ作業のときの最後に景気条項に数字が入った過程で、岡田副総理も、総理と岡田さんと前原さんと輿石さん4人で最後会って決めたわけですけれども、数値を入れるかどうかということですね。それを踏まえて数値が入って努力目標だということですが、ここからが質問で、それを踏まえて今の状況下で、今のような経済状況で、14年まで続くとして、その場合、増税はできるのでしょうか。財務大臣は増税できるという考えですけれども、それは政府としてそういう見解なのでしょうか。
(答)財務大臣も今の状況がこれから続くとしてという言い方はしていないと思います。いずれにしても、あまり仮定の議論は私はいたしません。
(問)財務大臣は、基本的には今の状況で、今のような経済状況であれば増税はできるということは国会でも言っていますし、会見でも言っているわけですが、副総理も同じお考えですか。
(答)それは財務大臣の御見解でしょうね。私は条文のとおりです。条文に書いたとおり。
(問)財務大臣の見解を支持するかどうかについても明言なさらないということですか。
(答)コメントしません。
(問)コメントしない。それは閣内で意見の食い違いがあるということなのでしょうか。
(答)いや、財務大臣が言われたことに私はコメントしません。
(問)その関連で、与党内にあれだけ反対論があったわけで、それで与党内の増税反対論があって、そういった人たちに納得してもらうためにも、数値が入ったりした経緯があったわけですけれども、そういった意見に配慮をされているということなのですか。
(答)どういうふうに憶測で考えられても結構ですが、私はコメントしないということです。
(問)最後にもう一つ別件で、再稼動ですけれども、担当大臣の方たちいらっしゃいますが、政権として、副総理として、基本的に去年から続いている流れというのは、野田さんが最初におっしゃったとおり再稼動してもいいという方向で、政権としては手続を進めてきていると思うのですけれども、再稼動はなぜするのか、それは電力需給のためにするのか、それとも今後の原発をどうやって使っていくのかというふうに考えたときに、原発ゼロにするのではなくて、一定程度少なくするけれども、原発の一定の役割は必要だから再稼動が必要なのか、再稼動は政権として考えた場合、大きく考えた場合、なぜ必要なのでしょうか。
(答)再稼動が無条件に必要である、いいということは政権としては言っていない。一定の今定められた基準、地元の理解、そういったことを踏まえた上で、最終的に政治的に決断する。これは政権の基本的な考え方です。今後、原発をどうするかということは、正しく今、エネルギー調査会ですか、政府の中で審議会などで議論しておりますので、現時点で何か固まっているわけではないということです。
(問)岡田副総理のお考えとしては、どう考えていらっしゃいますか。
(答)これは正しく政府の中で、政権の中で議論していくことでありますので、今、私の意見を申し上げることはございません。
それから、私自身は非常に言葉を慎重に選んで申し上げておりますので、それは十分に踏まえていただきたい。今、私が言ったことに対して、これはこういうことですかと言っていないことまで言われるのは、よく考えていただきたいというふうに思います。
私は、この前の新人の採用抑制の話で、何度もこの場で申し上げたのですが、7割とか、8割とかという数字は私は全く言っていないにも関わらず、それを何度も書かれたメディアもあります。私がそのことを言ってもなお最終的に7割を副総理は目指したが、しかし、各省庁の抵抗にあって56%になったというふうに繰り返して書かれました。
こうやって記者会見で受けておられる皆さんは、当然、私の考え方は分かっておられますから、そういう記事は書いていないというふうに信じますが、結局、それが記事になるプロセスの中で、いろいろと途中を省略したり、あるいはいろんな理由があるのでしょうが、それが私が言っていないことが言っているというふうに記事になってしまうというのは、私は非常に残念に思っております。メディアというのが、国民から一定の尊敬を勝ち得、信じられるのは、それは事実を伝えるということがあるからこそで、短期的には、いろんなある意味では分かりやすい記事を書くことはメディアにとっていいかもしれませんが、長い目で見たときは、それは私は自殺行為だというふうに思っております。
是非、事実を伝えるということは、特に若い記者の皆さんはしっかりそれは肝に銘じて、メディアに籍を置く方々にとっては、基本的なことだと思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思っております。
(問)今おっしゃった関連なので、ということは、岡田副総理として、オン・ザ・レコードの場で7割と言っていないというのは、よく分かったのですけれども、メディアが正しいことを報道するべきというのは、正におっしゃるとおりだと思いますが、オン・ザ・レコードを抜きにして、表に出ないところで、政権内のやりとりの中で、岡田副総理が7割なり、今出ている数字よりも大きい数字を主張して、それが最後にその方向ではまとまらずに、岡田副総理が元々目指していた数字よりは小さい数字になったというような事実関係はないのでしょうか。
(答)私はこの場で何度も言っておりますが、7割、8割ということは、私は言っていないということです。これはオンでもオフでもありません。言っていないと言っているから言っていないのです。私はうそは絶対言いませんので。
(問)私、財務省で取材していても岡田副総理はより大きな削減幅を求めていて、それはそこまではいかなったというような取材、そういうようなことを言っている幹部もいるのですけれども、7割、8割と言っていないにしても、岡田副総理が目指していたのは、もうちょっと大きい数字で、大幅な削減で、それが政府内の抵抗もあって、少し小さくなった。そういう事実関係はないのでしょうか。
(答)そのことはコメントしておりません私は。7割、8割は言っていないということに関して言っているのです。
是非、各紙そういったことについては、しっかり踏まえて書いていただければありがたかったというふうに思います。
(問)(フリーランス・上出記者)ちょっと今のやつ、報道の問題は大変重要な問題なので、私はフリーランスですが。副総理がそういう形でメディアに対してお説教するというようなことはあまりないので、現実の報道、私もメディアにいたことありますが、報道というのは、やはり記者会見よりも、裏側でいろんな取材によって、それが国民への伝達にとって私いいことだとは思っていませんけれども、現実にはそういう中で報道というのはされていくわけです。
ですから、そういうことに、いろいろマスメディア側の責任もあるでしょうけれども、対応する政府のいろいろな問題もあるので、一方的にメディアをそういう形で事実を報道してほしいと、言われるのは勿論自由ですけれども、ちょっと私は違和感を感じました。それについてはどう思われますか。
(答)私は記者会見、基本的にオフレコって私はないんですね、基本的には。
(問)そういうお立場からで。
(答)ですから、この場でお話ししていることが正しいことであり、基本的には全てだというふうにお考えいただければといいと思います。
最近いろんなことがありましたけれども、ちょっとあまりにも事実とかけ離れたことがあり過ぎるのかなと、それは社の方針とか、いろいろあるでしょうから、そこまで私、一々言うつもりはありませんが、ここに出席しておられる若い記者の皆さんは、やはりせっかくメディアに籍を置く、志を持ってそういうことになったと思いますので、その原点はやはり事実を伝えるということに私はあるというふうに私は思っております。
(以上)