副総理としての定例記者会見(平成24年5月15日)
岡田副総理記者会見要旨 平成24年5月15日
(平成24年5月15日(火) 15:04~15:43 於:合同庁舎4号館4階408会議室)
1.発言要旨
私からは1点。沖縄の本土復帰40周年ということで、今日、総理も行かれて、確か4時から式典が開催されるということです。
40年前に、当時の佐藤総理の「核抜き・本土並み」ということで復帰が果たされまして、そのこと自身もいろいろと問題があったわけですけれども、今日までの間、沖縄の置かれた立場といいますか、所得の格差も次第に是正されてきているとはいえ、まだなおあり、そして、米軍基地の存在など、いろいろな意味で沖縄にご負担をおかけしている。そういったことについて政府としても最大限の努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
たまたま政権について、この間、私も外務大臣として普天間基地の移設の問題に関わり、そして、そのこともあったのですが、幹事長になって沖縄協議会を作って、幹事長として沖縄に、外相のときは2回行きましたが、幹事長として4回沖縄に行き、そして、副総理になってから1度ということで、この2年余りの間に全体で7回沖縄に行っております。少しでも沖縄のために働くことができればという思いで、これからもしっかりやっていきたいというふうに思っております。
思い出深いのは、知事からの要請で幹事長時代に一括交付金制度を創設してもらいたい、これが最大の課題であるというふうに言われて、かなり政府に対して強く働きかけをいたしまして、その間、野田総理や藤村官房長官の大変な御尽力もあって、そういったものができたということは一つ思い出深いことであります。
それから、先般、副総理として沖縄を訪問して、知事と昼食を共にしたわけですが、そこで出た話が、首里城等の沖縄への移譲ということでありまして、これも一部報道も既に出ておりますけれども、今日の総理の話の中でそういったことも明らかにされるのではないかというふうに思っております。
一つずつ私なりに誠意を持ってしっかりと沖縄にとって意味のあることについて、これからもしっかりとやっていきたいというふうに思っているところでございます。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)【沖縄の本土復帰40周年関係】
朝日新聞の河口です。
本土復帰40周年に関連しまして、1点。今回といいますか、沖縄においては基地負担が集中していることについては、なお、やはり本土の認識の甘さといいますか、そういったところへのかなり厳しい批判というものがあります。
特に外相時代に、政権としては一応県外移設というものを模索されたこともあって、例えば、沖縄と本土の基地を巡るといいますか、意識の差というのを今どのようにお感じになっていますか。
(答)勿論、沖縄は、第2次世界大戦において戦場になったわけですから、そういったこともあると思います。同時に復帰したにも関わらず、基地の負担というものは変わらない。今でも沖縄以外の各都道府県の知事さんたちに沖縄の負担軽減のために基地の負担を分かち合ってくれないかというふうに申し上げても、具体的にそのことについて前向きな反応は返ってこないということで、やはり沖縄と沖縄以外のところに、政府だけではなくて、勿論、知事さんたちだけではなくて、国民レベルでの認識のギャップというか、そういうものがあることは間違いない。そういうものをどうやって解きほぐしていくか、そういうことだと思っています。
我々、普天間については、これは日米での合意、私自身が2010年に結んだものでありますが、その合意に沿って原案どおりというふうに考えておりますが、それ以外にも様々な負担、基地負担というのがありますので、そういったことについて、なるべく日本全体で分かち合っていくということは、これは非常に重要なことだというふうに思っています。
(問)【その他】
月刊誌のFACTAの宮嶋です。
昨日、国会の事故調で東電の勝俣会長から、いわゆる時の菅総理の現場への介入という問題が非常に芳しくないものであった、大きな反省材料であるというような御発言があったのですが、現在、副総理のお立場で、テロであれ、大災害であれ、そういう有事のとき、現在の官邸というのは、権限を含みまして非常事態法制みたいなものが十分だとお考えになるのか、少なくとも菅さんの場合には、やはりそこら辺で問題があったのだと思うのですけど、そういう非常事態についての官邸のフォーメーションというものについて、法制も含めて副総理はどのようなお考えをお持ちなのか伺いたいのですけど。
(答)私、勝俣さんの発言、具体的に議事録で見ていませんので、あまり中身について正確には承知をしておりません。ただ、それは法制上の問題とか、そういう意味でおっしゃったのではない、まさしくサイトに、第一原発に菅さんが行かれたことについて言われたことではないかと思います。
ただ、あのときの東電と政府の関係というのは、そういった具体的な行動以前の問題として、あれだけの大きな事態の中で、国がどれだけリーダーシップを発揮していくかということについて、かなり食い違いがあったというか、政府から見れば東電はこれだけの危機に対してきちんと対応していないというふうに見えたわけであります。だからこそ、菅さんが東電本社にまで行って、そこで組織を立ち上げて、そこに関係の政治家が、大臣とか、副大臣が東電に常駐して、そして、いろんな情報収集や、あるいは指示をしたということであります。
それと全体の中で捉えないと、菅さんが福島第一原発に行かれたことだけをもって何かコメントするということは、必ずしも適切ではないというふうに思っています。 (問)それで、国会の事故調は、今度、5月27日、わざわざ日曜日に枝野経産相が出られるというようなことで、やはり官邸の仕事ぶりということについては、国民も事故調もいろいろ考えている、いろいろ疑問を持っているのですけれども、改めて自民党のほうは憲法改正を含めた非常事態法制というものについて憲法改正で、というようなあれも出ているのですけれども、前回、私が伺いましたら、「あまりそういうのは必要ではないのではないか」というような岡田副総理のお考えだったのですけれども、やはり抜本的に官邸の役割というのを、非常事態における役割というのを憲法に書き込むというようなことを含めた、非常事態法制の在り方というのを見直す時期に来ているのではないかと思うのですが、そういうことについては岡田副総理の今のお立場で、どんなふうなご見解か伺いたいのですけれども。
(答)そういう意見があることは承知しておりますけれども、少しそれは専門家も入れてよく議論しないと、非常に難しい問題であることは間違いありません。国民の権利を制限するという側面もあるわけでありますし、あまり感想的に述べる話ではないというふうに思います。それから、法律を作ったから、それで抜本的に何か変わるということなのかどうかと。むしろ、運用の問題ということなのではないかというふうにも思います。
(問)朝日新聞の河口です。
一体改革の特別委員会が、本格審議入りの日程が固まりました。会期末まであと1か月という中で、かなり議論としては後ろ倒しになりましたが、今回の日程が決まってスタートするに当たっての率直な感想というのをお聞かせいただけますか。
(答)議論をスタートすることは、大変良いことだというふうに思います。ただ、やはり国民の前でしっかり議論するということが、政府にとっても国会にとっても必要なことでありますので、あまり、いろいろな事情があるのは分かりますけれども、迅速に議論はスタートさせるべきだというふうに思います。決まったことは、非常に良かったと思います。
(問)朝日新聞の伊藤と申します。
自民党が、社会保障に関しての基本的な考え方というのを今日出されたのですけれども、それは御覧になっていらっしゃいますか。
(答)見ていません。
(問)その中に、前から、かねてから言っている、岡田副総理が一番強調されている子育てのところの子ども・子育て新システムについては、自民党は待機児童の解消は期待できないということで、不採用だということをかなり強調されていますが、これについてどのように、特に自民党とお話をされていこうと思われますか。
(答)まだ、自民党は正式に、どのレベルで決めたのですか。
(問)今日は、総会を開いて、役員に一任するところまで行きました。
(答)ですから、まだ正式には決定していませんので、あまり具体的なことはコメントしないほうが良いというふうに思います。子ども・子育てについて、我々の考え方、総合こども園を中心とする考え方、必要性については、国会でも大いに説明していきたいというふうに思います。認定こども園というのは、自公の時代にスタートされたことですが、必ずしもうまく機能していないというか、数が思ったように、認定申請そのものが上がってこないという中で、やはり縦割りを廃してやっていかなければいけないということは、自民党時代から、自民党・公明党の時代から、そういう方向性はもう出ておられたと思います。本会議でも、これは小渕さんが大臣のときに出ていたのと同じであるということも認めておられました。基本的にはそのとおりなのです。ですから、考え方にそんなに違いがあるというふうには思えないわけです。
(問)子どものところを重視する考え方自体は同じだけれども、そこの細かい手法のところをもう少し折り合う必要があるということでよろしいでしょうか。
(答)細かい手法というか、我々は、なるべく自民党・公明党の考え方を尊重して今回のいろいろな改革について作っておりますので、そう大きな差はないはずですね。まず、そこのところをしっかり議論したいというふうに思います。総合こども園、名前はともかくとして、という考え方は、私は自民党・公明党にも基本的にある考え方、あるいは当時あった考え方を、我々は法案の形にしたと、そういうふうにお考えいただければよいのではないかと思います。
(問)NHK、岡崎です。
消費税の複数税率について、副総理はかねてから、導入に当たっては政府が恣意的な線引きをするのは如何なものかという考え方を示していらっしゃいますけれども、野党、党内でも複数税率を設けたほうが良いのではないかという意見があって、今後、与野党で協議する中で、一つの焦点になる可能性があるという見方が強まっていますけれども、副総理、現時点での考え方をお願いします。
(答)それから、伊藤さんのお話で、この前、私が鳥取に行ったときに、認定こども園、お尋ねして話をその聞いたことがありますが、やはり非常に不便であると。教育委員会と、それから市ですか県でしたか忘れましたが、それぞれ子どもたちに、この人は保育園、この人は幼稚園ということでみんな決まっていて、同じ教室の中でやっていても、例えば画用紙のお金を請求するというときに、この人の分は教育長、教育委員会、この人の分は市町村にというふうに分けてやっていると。まさしく縦割りがそのまま残ったままなのですね。そういうことを、縦割りを廃して子どもの立場に立った、そういう施設にするということが我々の発想の原点ですから、そういう思いは自民党、公明党の中にも、私は共有されている方が非常に多いのではないかというふうに思っております。大事なことは、子どもの視点で何が必要かということを考えるということです。
それから、複数税率については、党内もいろいろな議論があることは事実ですが、基本的にこれはもうずっと我々、ここ10年ぐらい議論してきている話なのです。複数税率よりは、給付付き税額控除が望ましいということです。勿論、いろいろな意見があれば、議論することにはやぶさかではありません。
ただ、複数税率でなければならないと、自民党も公明党も言っているわけではないと私は思うのですね。ですから、いろいろな可能性について議論することはよいというふうに思いますが、それ以上のことは、現時点では申し上げられません。我々は、我々の案に自信を持っているわけであります。
(問)朝日新聞、伊藤です。
今日、自民党の石原幹事長が記者会見で、税率が15から20%になったときには導入してもよいのではないかという趣旨の発言をされているのですけれども、10%を超えたときには、そういう複数税率を入れるという考えもあり得るというお考えでしょうか、副総理は。
(答)10を超えるかどうかというのはこれからの議論ですから、あまりそれを先取りして言うべきではないと思いますが、この前、国会の答弁で、総理の答弁だったのではないかと思いますが、現時点、10という、「現時点では」というような言い方が、どこかであったというふうに思うのです。ですから、それより先の話は、そのときにまた議論するというのが基本的なスタンスです。
ただ、私としては、給付付き税額控除もいろいろな問題があることは事実なのですが、果たしてきちんと所得がどこまで捕捉できるのかと、かえって不公平になるのではないかという、そういう御意見も分かります。だけれども、所得が捕捉できるのかという議論をし出したら、では所得税もおかしいということになるわけですから、ある程度、100%ではないにしても、かなりの程度、捕捉できるということで、今の所得税も課しているわけですから、税額控除についても、より厳密な所得の捕捉が求められるとしても、100%できないとやってはいけないということでは決してないと、そういうふうに思っております。
いずれにしても、そういう議論を、まず今回の10%まで上げるに際して、どちらが良いかということをきちんと各党間で議論するということだと思います。
(問)東京新聞の生島ですけれども、今回、マニフェストの関係で野党が言っていることでもあるのですが、マニフェストで約束していないと。だけれども、政権側としては、引き上げの前に国民の審判を経るので、そこで判断してもらえば良いというお話がありました。おっしゃっていることはよく分かって、国民の審判を受けるという点に関してなのですけれども、これまた先取りの話なのかもしれませんが、仮にその法案が通って、その後の審判で与党が過半数を維持できないとなった場合、次の枠組みの中で例えば廃止法案が出てきた場合というのは、これは民主党としては賛成するということなのでしょうか。
(答)今のご質問は、いろいろな仮定に仮定を重ねたご質問ですから、それに答える必要はないというふうに思います。まず、与党が過半数を割る、廃止法案が出てくるというような、そういう二重の仮定ですから、そういうことにはお答えしません。(問)では、国民の審判を経て、民意を踏まえて、踏まえるのだということが、では、具体的に何を指すのかというのがなかなかちょっと分かりづらい面があります。(答)それが明確ですね。そのときの政権政党が判断をするということです。選挙を踏まえて判断するということです。
(問)フリーランスの安積です。
先日行われました第5回の日中韓サミットについてお伺いいたします。
李明博大統領が胡錦涛主席と会談されましたけれども、野田首相のほうは温家宝首相と会談されました。一応、中国に関しては、一般的認識はトップは胡錦涛主席ではないかと思うのですけれども、この会談の組み合わせについて、どういうふうにお考えでしょうか。
(答)私の記憶では、日中韓ということになったときに、基本的に中国側は首相ではないかと思うのですね。例えば、日本でやったときも、温家宝首相が来られたのではないかと思うのです。
ただし、中国でやるときには、前回、鳩山総理のときには、胡錦涛主席ともバイの会談もやったような記憶があります。定かでありません。いろいろな時間的な問題とか、様々な判断の中で、今回は野田総理と胡錦涛主席との会談が行われなかったということです。
(問)追加なのですけれども、勿論、サミットのほうは温家宝氏が出ていらっしゃいます。でも、ホスト国は中国であって、大体アジアの思考的に言うと、お客様に対しては最大のもてなしをするというのが一応儀礼だと思います。その差を付けられたのは何なのかということと、あとは李明博大統領は今年、確か任期が切れまして、大統領を辞されると。普通でしたら、そういうときは権力的にレームダックになっていくというような感じになります。
野田首相は別に任期に制限があるわけではなくて、今のところ退陣の話も聞いているか、聞いてないか、ちょっとあれなのですけれども、そういう状態でレームダックになりつつある韓国の大統領よりも扱いは下なのかというような疑問も出てくるのですけれども、それについても一言。
(答)まず、韓国の李明博大統領がレームダック化しつつあるというのは、私はそれは失礼な物言いであるというふうに思います。
野田総理がその上で、野田総理が勿論、首相とは、温家宝首相とは会談をされているわけで、胡錦涛主席と会談されなかったと、それはいろいろな事情があると思いますが、それは私が想像でものを言うことではないというふうに思います。
(問)朝日新聞の河口です。
歳入庁の関係でお尋ねします。
党のワーキングチームでは、結論を出す時期を明示してほしいというような要望が出ておりますが、最終的な結論を出す、政府の検討の最終的な結論を出す時期については、どのようにお考えでしょうか、また党側にはどのようにお答えになるつもりでしょうか。
(答)党ともよく、意思疎通を良くしていかなければいけないというふうに思います。だから、時期ありきではなくて、内容的にどうなのかということをお約束どおり基本的な考え方を整理したわけなので、三つの類型を示しましたが、それに基づいて更に議論を詰めていくということです。
(問)月刊FACTAの宮嶋ですけれども、今日の日経平均は8,900円を割れるというか、世界経済減速懸念というのでしょうか、欧州の債務リスクを含めて、そういうような世界経済の減速懸念のようなことについて、副総理は今どういうご認識で、そういう中でこれから特別委員会が始まって、増税と景気というのがやはり焦点になるような気もするのですけれども、短期的なことは別にしまして、今の全体の景気状況含めまして、どんなふうなご認識、逆に足並みが揃いませんと日本が今度政情リスクで、日本の株価が更に下がるようなリスクというのも、経済界では懸念があるわけなのですけれども、どういうふうなご認識でしょうか。
(答)今回の株が下がったこと、私は専門家ではないので、どういう理由で下がっているかというのは、必ずしもはっきりしませんが、一つはEUでギリシアが非常に不安定な状態ですし、フランスも大統領が替わって、どういう方向が出てくるか、まだ分からないという状況ですよね。
そういう中で、更なる円高、対ユーロに対して円高が進むのではないかということが株安に結び付いているのではないかというふうに思います。
そういう意味でも、G8サミットは非常に重要で、そこでどういうメッセージを発することができるかと、新しいフランスの大統領も含めてですね。ということが当面極めて大事なことではないかというふうに思っています。
ただ、今の歳入庁の話をちょっと補足しますと、みんなの党などは歳入庁を作れば、10兆円ぐらい出てくるというふうに言われるのですが、これは国会でも私は明確に反論しておきましたが、例えば年金の保険料の徴収が済んだからといって、それで消費税を上げなくていいというのは、全く筋違い、勘違いもいいところでありまして、年金の、例えば厚生年金の加入者が増えれば、それは将来の厚生年金の支払いも増えるわけで、それはそこで完結した話であって、そこで保険料収入が増えたからといって、税金をまけていいということでは全くないわけであります。もう少しきちんとした議論をしていかないといけない問題です。
党のほうは、そういう議論をいろいろしていただいていますけれども、なお詰めるべき論点は幾つか残されていると。例えば、国税のカバーしている範囲と、それから保険機構のカバーしている範囲というのは、大分、所得の対象が違いますから、そういうところを一つにしたときに、果たしてどのぐらい改善が見られるのか、別のやり方で情報共有するとか、そういうやり方で同じ効果が果たしてできないのかというようなことについても、しっかりと議論をしなければいけないというふうに思います。
私は否定的ではないのです、元々、歳入庁のことについて。だけれども、国の根幹に関わる話ですので、徴税というか、税収を確保するということは。これは今かなりうまくいっているわけです、日本は。そのことがあまり足を引っ張られるようなことにならないようにはしなければいけない。どうやってこれを両立させていくかと、こういうことについて、真剣にしっかりとした議論が必要であると、そういうふうに思っているところです。今その議論を行っているところです。
(問)(朝日新聞・河口記者)伺ってますと、これは私が今伺ってますと、お答えを伺っていると、ある意味歳入庁の議論をかなり前倒しといいますか、進めていくことで、非常に消費税といいますか、財政再建といいますか、増税による財政再建というと、社会保障の一体改革なので、あれなのですけれども。そういう増税を議論する際の国民的な世論ですとか、党内のモメンタムが失われるのではないかというご懸念があるのかなという感じを受けたのですが、そういうことではないのですか。
(答)どうしてそう思われますか。どうして私の発言からそういうふうに思われましたか。橋下市長ではないけれども、ちょっと聞いてみたい。
(問)要するに、歳入庁を作れば、党内の議論では例えば10兆円出てくるとか、そういう方もいらっしゃいましたけれども、イコールそれは増税がそこの現段階では消費増税は要らないのではないかという意見もありましたから、そういうのが再燃するリスクというのは、ゼロではないと思いますが、そういうリスクについて顕在化する恐れを抱いていらっしゃるのかなというふうにちょっと感じたのですけれども。
(答)そういうふうに思われたら、全く方向違いですね。私の説明にもし反論あるなら言ってもらいたいですね。つまり年金は年金で完結した世界だから、年金の保険料が例えば10兆円増えたら、保険料収入が。だから消費税を上げなくていいということではないでしょうというふうに、その論理建てが間違っているというなら、具体的に言ってもらいたいものです。
私はそのことについて、何か筋の通った反論は聞いたことないです。だから、関係ない話なのです、歳入庁と。そういう説明を私は先程したつもりです。それを逆に関係あるのではないかというふうに言われると、それは全くの筋違い、憶測であるというふうに言っています。
(問)申し上げているのは、関係ないとおっしゃる主張はよく分かるのですけれども、関係ないものを結びつけようとすることになりかねないという、要するに岡田さんが結びつけているわけではなくて、周りの増税に反対する方が結びつけるリスクが出てこないかということを心配されているか、心配されていないかということです。
(答)全く心配していません。
(問)東京新聞の生島です。
歳入庁の関係なのですが、今日の民主党ワーキングチームの中で、財務省のほうはマイナンバーの実施と同時期に、歳入庁の実施というのは難しいと。何かシステムの統合の関係で、何か難しいのだというような説明をされたそうなのですが、民主党案では2015年1月の発足が軸になっているのですけれども、政府の検討としては、事実として2015年1月というのは、技術的に難しいという認識を今持たれていらっしゃるのでしょうか。
(答)それは私は聞いておりません。ただ、マイナンバーも法案の成立の見通しというか、審議入りの見通しがまだ立っておりませんので、そういうことが遅れていくと、確かに給付付き税額控除も含めて、全体が遅れていくということになりかねませんから、そういう意味でもしっかりとした審議、迅速な審議を是非お願いしたいと思っています。
(問)朝日新聞の河口です。
職域加算の退職手当の問題の関係でお尋ねします。
約400万円の官民較差を埋めることになるわけですけれども、これを実施する際に激変緩和措置といいますか、ある程度段階を踏んで下げていくと、こういった手法を採るべきだというふうに、今、副総理はお考えになっておられますでしょうか。
(答)これは、これから今日も議論するわけなので、有識者の皆さんのご意見もよくお伺いをしてみたいというふうに思っております。その上で、判断していくことではないかと思います。私としては、400万の現に差があるときに、それを迅速にその差をなくすということは、重要なことではないかと、基本的にはそう考えております。
それから、いろいろな今までの判例とか、いろいろなことを引いて、段階を踏むべきだというご議論もありますから、それは謙虚に話は聞いてみて、最終的にどうするか、それは最後は政府が決めるわけですから、考えたいと思います。基本的には、私は1回でという考え方を現時点ではしております。
(問)テレビ朝日の平元です。
沖縄の話に戻って恐縮なのですが、今日、午前の官房長官の会見で、沖縄の普天間の基地の移設問題について、野田政権になってからは迷走はしていないと官房長官はおっしゃったのですけれども、政権交代後、特に菅政権の時代の話なのですけれども、沖縄の中を混乱させたと、混乱したと、混乱させたとして、実際、菅政権、ごめんなさい鳩山政権ですね、失礼しました。鳩山政権時代に迷走させたということを官房長官はそういう認識のようなのですけれども、岡田副総理も同じような認識でしょうか、政権交代直後は沖縄政策を迷走させたという認識をお持ちでしょうか。
(答)迷走の定義にもよるわけですけれども、勿論、自民党の時代に一旦は辺野古ということで合意はされたわけですね、ただ日米間で。ただ、そのときも当時の知事は最終的に無条件でオーケーとは言っていないわけであります。そういう意味で、元々非常に難しい問題であったと、そういう中で県外というふうに鳩山総理が明言されたことで、非常に期待感を高めてしまったと。
元々難しい問題を更に難しくした、期待感が高まって、それを裏切られたという、そういう気持ちが更に問題を複雑にしたということは、それは間違いないことであります。
よろしいですか、今日はこの部屋最後だから。何か最後に発言したい人。
(問)(月刊誌FACTA・宮嶋氏)5月末に例の稲盛懇談会、2回目ございますね。いわゆる歳入庁の話で、結局、国民の目で見たら縦割り行政で役所は嫌がっているという感じがしてならないのですけれども、そういう意味で、例えば稲盛さんのところは民間人がいるわけですから、徴収業務を一元化して、ITを使ってどれだけ安くなるという単純な議論を多分民間の人は考えると思うのですけれども、例えば稲盛さんのところでそういう民間の英知を入れるような形で、具体的な話をするというような、そういうことというのは可能なのでしょうか、そういうお考えはあまりないのでしょうか。
(答)歳入庁については、今まさしく私のところで議論しておりますので、個別の話、勿論ある程度まとまれば、そういった行革懇談会で議論していただくこともあるかもしれませんが、まずは政府の中をしっかり、あるいは政府と党でまとめることが先だというふうに思っています。
さっきの所得層がかなりずれがあるということはどう思われますか。
(問)おっしゃっていることはよく分かるのですけれども、いわゆるいかに安い値段で歳入をするという意味では、私は所得層とか何かもそういうのでなくて、もっと民間のことで言えば、国民が義務を負って払わなくてはいけないものについては、例えばNHKの受信料も含めて、そういうのを全体でITを使ったらどれぐらい安くお金が浮いてくるかと、それで例えば社会保障というのに振り向けるとか、そういう具体にどれぐらい安くなるかという、まずそういう試算が出てきて、それをもってして、これをやりますという理解を得る話だと思っているのです。
そういうのは、そこの議論が欠けているので、今の話だと確かに所得階層が違いますし、それから国税の職員と、年金、あれですかあそこの身分も違うし、いろいろ難しい役所の議論は分かるのですけれども、どういう形で徴収業務を一元化して安くなると、そのお金で厳しくなっている社会保障とか、そういうところに回していくという、そういう説得が必要な議論だと思って、それは民間の側がメガバンクなんかはみんなそれをやったわけですから、そういう意味で民間の知識をもっと入れてやっていただけないかというのが私の申し上げたいことです。
(答)メガバンクの例は、ちょっとあまり私はぴたっとはまらないと思いますけれども、やはり税の徴収という国家として基本的な機能、これは今うまくいっている、ほぼうまくいっているわけですね、国税も地方税も全部ですね。しかし、年金の保険料の徴収という意味ではかなり問題があると。
それで、足してプラスアルファになればいいのですが、しかしマイナスになったら困ると、国家の根幹が揺らいでしまいますから、だからこそきちんとした議論が必要であるということで、今議論を真剣に行っているところであります。
(問)テレビ朝日、平元です。
先程の沖縄関連の質問の続きなのですけれども、岡田副総理も鳩山さんが元々難しかった沖縄問題を更に難しくさせたということは、間違いないという認識を示されましたが、鳩山政権の中で岡田さん自身は外務大臣を務められて、その沖縄問題にも携わっていたと思うのですけれども、当時のご自身の責任というのと、あとやはりそのときに責任を感じられたからこそ、幹事長になって以降、沖縄問題によりしっかりと携わっていかれていたのか、その関連を教えてください。
(答)私としては、外務大臣として精いっぱいのことはやったという思いはあります。ただ、結果については責任を負わなければいけないというふうに思っています。
(以上)