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2012.05.22|記者会見

副総理としての定例記者会見(平成24年5月18日)

岡田副総理記者会見要旨 平成24年5月18日
(平成24年5月18日(金) 15:04~15:32  於:合同庁舎4号館1階108会議室)

1.発言要旨

 それでは、新しい会見室になりました。あまり居住環境は変わらないと思いますので、これからもよろしくお願い申し上げたいと思います。
 私のほうからは、昨日から特別委員会が始まりまして、与党側、3名の我が党、そして国民新党の下地さんと4名の質問者であったわけですが、すべり出しは順調と。月曜日から野党各党の質疑が始まりますので、是非そこは内容のある良いやり取りをしたいというふうに思いますし、そういった良いやり取りを心がけなければいけないというふうに思っております。
 少し時間もかかるかと思いますが、それぞれの合計7本の法案について、しっかりとしたやり取りを行って、何とか合意点を見い出したいというふうに考えているところであります。
 私のほうからは、以上です。


2.質疑応答
(問)【一体改革関連法案の審議について】
 フリーランスで、宮崎信行です。
 ちょっと報道の確認で申し訳ないのですが、一体改革推進本部というのが党のほうで輿石本部長で、できるというような一部報道がございますけれども、そういったところは、どういった形で法案審議、修正協議という形で臨まれていくか、教えていただけますでしょうか。
(答)最終的にできたかどうか、ちょっと私確認しておりませんので、むしろ党のほうにお聞きいただいたほうがいいかというふうに思います。ただ、いろいろな議論を各党間でしていく中で、党の体制を、幹事長を中心にしっかりと作られたというふうに理解しております。

(問)それと、昨日これは特別委員会、与党トップバッターということで前原政調会長でしたけれども、財政と国債の話の後に、直ぐに日銀総裁を参考人として出てもらって、政府と日銀の協調に関して話がありました。
 白川総裁からは、先月は官邸に4回行きましたというふうなことで協調姿勢を示した答弁だと思いますけれども、こういったところで一体改革の前提となる景気に関する議論というのは、どういった感じで野党、与党含めて、どうしても報道などでは消費税改正法の附則18条の景気弾力条項が時々やはり報道されていきますけれども、こういったところは、委員会の国会の場でどんどん議論されていきたいと思いますでしょうか。
(答)経済成長というのは、今回の消費税引き上げの条件ではございません。しかし、経済成長と、それからそういった増税というのは、条件ではないものの、経済成長がなければ税収も十分に上がらないということは、当然考えられるわけで、車の両輪としてこれはやっていかなければいけないことであると。
 昨日は日銀の総裁、白川さんに来ていただいて、政府と日銀が協力してやっていくということについて、前原政調会長は確認をされたというか、国民の皆さんにそういった姿をしっかりと見ていただいたと、こういうことだと思います。

(問)もう一つあと修正協議に関してなのですけれども、質問というか、半分要望みたいなこともあるのですが、修正協議をやっているということをこれは一体改革特別委員会、来週も月曜日から木曜日までぶっ通しでありますけれども、修正協議をどういった形でやっていくかというのをある程度与野党の質疑の中で、委員会という公開の場で若干ある程度分かるようにしたほうが基本的なところではいいのではないかと思うのですけれども、あいまいな質問ですが、その辺如何思われますでしょうか。
(答)委員会の審議の中で、いろいろな双方考え方を述べ合うわけですから、ある意味で少し焦点が絞られてくるということはあるかと思います。
 あとは各党間でいろいろな話し合いをして、煮詰めるということになるのではないかというふうに思っています。しかし、そういったことについては、まだこれから話し合われていくということで、何か決まったものがあるわけではないと理解しています。

(問)朝日新聞の伊藤です。
 昨日の特別委員会でも野田首相の答弁の中でも、軽減税率の話がありましたけれども、改めて軽減税率というのは、今後の議論の焦点の一つというふうに、岡田副総理も考えていらっしゃるのかどうか、改めてお願いします。
(答)昨日の野田総理の答弁も、それは議論の対象になるということを言われたわけで、何か方向性を出されたものではないというふうに思います。あらゆることがこれは議論の対象になるわけで、当然軽減税率というのも、そういう提起がされれば、議論しなければならない点だと思います。
 ただ、自民党を始め各党で軽減税率をはっきりお決めになっているわけではないというふうに認識しておりますし、私も国会で答弁もしていますが、軽減税率を入れるということになれば、やはり公的な関与というものは広がるわけです。どこまでどうするかという議論というのは、常につきまとう。
 それから、もう一つはインボイス方式の導入ということがなされるとすると、多くの中小企業団体はそれに反対しておられるということですから、そういったことも含めて、議論をしていくということになるのだと思います。

(問)毎日新聞の野口ですが、一体改革の中の最低保障年金などの新年金制度についてなのですけれども、昨日の総理のNHKの番組で、こういう発言をしているのですけれども、「撤回という形なのか、引き続きどういう形になるのか、協議会というものを設けながら議論していくのか」ということで、幾つか総理が選択肢を挙げていたのですけれども、新年金制度の法案は来年の国会提出というのを目指していると思うのですけれども、それを先送りして、自民党が対案で出しているような国民会議みたいなところで、与野党で協議していくというような選択肢というのもあるのでしょうか。
(答)まず、総理の昨日の発言がおっしゃるようなところでは私はないというふうに思っているのです。正確に引用しましょうか。
 これは質問に答える形で答えておられるわけで、「自民党の皆さんも含めて野党の皆さんが最低保障機能の強化という考え方については、一致点があると思うと。現実の現行制度を改善しながら改革していく方向と、ゴールから見て改革していく方法と折り合うところがあると思いますので、」、これは撤回というのは、質問の中で撤回という言葉を使われたから、総理も使われたと思うのですが、「撤回という形なのか、引き続きどういう形で何か協議会みたいなものを設けながら議論していくのか、含めてどういうお考えなのかということをよく聞いてみないと分かりませんが、真摯に耳を傾けていきたいと思います。」
 だから、「真摯に耳を傾ける」というのが答えです。
 私も前から申し上げておりますように、我々は最低保障年金、所得比例年金という抜本改革を主張していますし、その主張は勿論、変わらないわけであります。現時点で変わらない。しかし、現行制度を改善していくという野党の御主張もありますので、私は基本的にそういった二つの考え方を同じテーブルに載っけて、そして各党で議論すると、そういう場が設けられるべきではないかということは、前から申し上げているとおりで、総理の御発言も基本的にその趣旨と変わらないというふうに思っています。

(問)二つの考えをテーブルに載せるということで、自民党が対案、まだ正式決定してないですけれども、その中にあるのは社会保障に関する国民会議というのがあるのですけれども、それについては副総理は評価はしていらっしゃいますか。
(答)社会保障に関する国民会議で何を議論するのかということは、必ずしも明らかではありません。ですから、評価する、しないというところまでは、まだちょっと言えない、そういう段階かというふうに思います。
(問)日本経済新聞の中島と申します。
 昨日の特別委員会で、前原政調会長の質問の中で、日銀に対して、政府と日銀で物価上昇目標等々を共有しつつ、アコードを結ぶ、ということをしたらどうかという御提案があって、確かそのとき総理は、緊密な連携に関しては約束はしたのだけれども、アコードに関しては明言をさけた回答だったと思うのですね。
 今後、野党からも同様な質問が出るかもしれない中で、アコードとか協定の必要性みたいなものについて、副総理は今現時点でどのようにお考えになっているか、教えてください。
(答)昨日、総理が答弁されたとおりであります。まだ日銀と政府は緊密に、同じ問題意識を共有して緊密に連携をとっていくと、こういうことです。

(問)朝日新聞の河口です。
 後期高齢者医療制度の関係でお尋ねします。
 自民党はこの医療制度については、現状維持といいますか、現行制度でということを言っておりまして、この与野党協議の一つの焦点になるかと思いますが、民主党が掲げる今、見直しの作業もされておるかと思うのですが、廃止といった場合に、今、岡田副総理が考えていらっしゃる廃止の定義というのは、どういったものをお考えかというのを差し支えなければ教えていただけますでしょうか。
(答)多分、この質問をお聞きになるだろうというふうに予想はしてましたが、いずれにしても今党の中で様々議論をしておられるところですので、私があまり先取りして言うべきではないというふうに思っております。

(問)日経新聞の宮坂と申します。
 関連して、法案は今国会に提出すべきだと岡田副総理は考えていらっしゃいますか。
(答)後期高齢者医療制度を廃止して、新たな制度ということについては、関係者の理解を得てというふうになっていたと思います。そういったことについて、真摯に努力していただく必要があるというふうに思っております。
 真摯に努力して出すということですよ。誤解しないでね。

(問)読売新聞の足利と申します。
 歳入庁の件でお伺いしたいのですけれども、政府のほうで既に中間報告を取りまとめていらっしゃるかと思うのですが、その中に国税庁と年金機構の連携を強化するということで、歳入庁の設置を見送る案も含まれていましたけれども、これは今後議論を進めていく中で、歳入庁設置という案に収斂されていくというふうにお考えなのか、まずお願いします。 (答)この前、まだ中間報告を出したばかりですから、それに尽きております。さらに今問題点をブレークダウンして議論を始めているところです。まだある程度まとまれば、その段階で発表したいというふうに思っています。(問)それに関連してなのですけれども、前原政調会長が昨日の会見で、歳入庁の設置という前提を崩すなら、賛否そのものも留保するということに党としてはならざるを得ないということをおっしゃっているのですけれども、これは議論を進めていく中で、政府、党とどう平仄を合わせていくお考えなのでしょうか。
(答)政調会長は、法案をおまとめになった立場ですから、当然の御発言かというふうに思います。

(問)設置を見送るとなった場合も、御理解は得られるというふうにお考えなのでしょうか。
(答)何回も申し上げますが、私は仮定の議論はいたしませんので、きちんとまとめたところで、皆さんにも御説明したいと思います。

(問)【その他】
 北海道新聞、右川です。
 副総理は、明日、東大の五月祭で母校の後輩に一体改革の必要性を説かれます。先週の会見では、若い世代との意見交換はかねてからの念願というような話をされていました。母校を訪れるのは何年ぶりなのでしょうか。それからまた、期待はどんなところにございますか。
(答)大学はいつ行きましたかね。最近も行っていますよ、いろいろな用事があって、人と会ったりとかしておりますので、別に久しぶりではありません。
 東大だけではなくて、今、幾つかの大学と話を煮詰めているところですから、ここ1か月くらいの間に数校の大学の皆さんとお話をしたいというふうに思っています。今回、学園祭ですので学生さんだけはなくて一般の方も入っておられますが、そうは言っても学生の方というか、若い人の割合が多いと、いつもと比べれば多いと思いますので、世代間の公平とか、子ども・子育てとか、そういったことについて特に丁寧に説明したいというふうに思います。

(問)フリーランスの安積です。
 昨日、5月17日なのですが、イスラエルのメディアで、ジャピロ在イスラエル米国大使が、米国がイランの核施設攻撃の準備をするというふうに発言したという報道がありました。これについて、外相経験者としてどういうふうにお考えでしょうか。
(答)もう一回、最後、言ってください。米国が……

(問)米国がイランの核施設攻撃の準備をするという大使の発言があったということなのですけれども。
(答)その発言が正しいかどうか分かりませんが、にわかには信じがたいですね。

(問)NHK、岡崎です。
 野田総理、昨日、NHKの番組の中で、輿石幹事長に対して、小沢元代表との会談をセットするように指示をしたということを明らかにされています。小沢さんは今のところ法案には反対する姿勢を見せているわけですけれども、岡田副総理、以前は小沢さんに対しては、反対するのであれば何が足りないとか、なぜ反対しているのかという理由を明らかにして欲しいという考えを示していらっしゃいましたけれども、総理と小沢さんとの会談がセットされれば、どういったことを期待されたいですか。
(答)それは私が何か言うよりも、二人で存分に話し合われることだというふうに思います。何か私が始まる前から、あるいは会談が行われるかどうかもまだ決まっておりませんが、何かちゃちゃを入れる話ではないというふうに思います。
 ただ、共に民主党のかつての代表と今の代表ですから、国民の立場に立って、今、何を成すべきかということについて、しっかりと二人の間で話し合ってほしいというふうに考えております。

(問)朝日新聞の河口です。
 退職手当の引き下げの関係でお尋ねいたします。先だっての有識者の会議では、やはり段階的に引き下げたほうがいいのではないかという意見が大勢だったということで伺っているのですが、次回、中間的な取りまとめといいますか、目指していらっしゃると思いますが、ここで有識者の方からの意見として、段階的な引き下げをすべきであるというふうにまとまった場合には、やはり副総理としてはその判断といいますか、そういった結論を尊重するお考えでしょうか。
(答)まだ、これは来週やるわけですから、その結論を先取りするのは如何かと、しかもその結論を先取りして、それを尊重するかしないかみたいな話というのは、これはしないほうがいいというふうに思います。ただ、有識者の皆さんの、それは専門家としてのそれぞれお考えをお持ちですから、それをおまとめいただければ、真摯に受け止めるという以上のことは申し上げません。真摯に受け止めるというのは、方向性を何か含んだものではなくて、正しく真摯に受け止めなければいけないというふうに考えております。
 それにしても1人ぐらいいてもよかったのですけれどもね。

(問)フリーランスの宮崎ですが、特例公債法案についてお伺いいたします。というのは、長期金利のほうが下がっておりまして、今週0.815%ぐらいをつけているときもあります。まだこの時間ですとニューヨークも開いたばかりの時間ですので、一般的な話なのですけれども、今、報道されているのは第322回新発国債10年もので、これは5月10日の発行ですから、当然建設国債です。赤字国債は発行できるわけありませんから、まだ現時点では。2.3兆円発行されるということで、今年の建設国債は、今、当初では6兆円ぐらいのはずですので、もう2.3兆円も発行するのかという気がいたします。
 お伺いしたいことは、長期金利が低いか高いか、あるいは表面価格が安いか高いかではなく、いずれにしろ変化が激しいのは好ましくないというのは間違いないと思います。ちょっとヨーロッパのことはなかなか難しくて分かりませんが、衆議院で現在留め置かれている特例公債法案、審議のほうはかなり積み上がっております。採決しようと思えば、審議時間のほうはもうほぼあると思うのですけれども、この特例公債法案に関して、政府のお立場から国会に対してどうお願いされますでしょうか。
(答)委員会で議論しておられることですので、今の段階で政府が何か口を出さないほうが結果はいいというふうに思います。むしろ一般論として言えば、なるべく早く成立をさせていただきたいということですが、真摯に各党間で議論が行われているということですから、それを見守りたいというふうに思っています。

(問)今回の一体改革の法案のほうとの審議というのは、これは別のものだとお考えでしょうか。
(答)ええ、勿論、これは別の法案ですから、そういう意味では別のものです。

(問)ある程度、これは最後ですけれども、長期金利には今注目はされているところでしょうか。
(答)特例公債法案が通らないということが金利に影響を及ぼさないように注意深く進めていかなければいけないと、そしてなるべく迅速に結論を出していただきたいというふうに思っています。

(問)朝日新聞、伊藤と申します。
 今日、月例経済報告で、9か月ぶりに一応上方修正ということで、緩やかに回復しつつあるという認識を示されましたけれども、副総理の御実感でもやはり日本の経済というのはいい方向に来ているというふうに思われますか。
(答)短期的にはそういう傾向がないわけではありませんね。エコポイントもあるし、車、それから一部の家電、それから被災地の復興のための公共事業、そういったものは動いているということは間違いありません。しかし、一方で円高もあります。QEが出ましたけれども、円高が続く中で、果たして輸出の見通しはどうなのかということもあります。そういう意味では、決して油断を許さないと。当面、多少息をついたとしても、それは決して安心できるものではないというふうに思っています。

(問)今のお話のように、どちらかというと政策効果によるところが今の段階では多いと思うのですけれども、その先の正に民間需要を引き出すというところの政策というのがうまく回っているかどうかという点については、どのようにお考えでしょうか。
(答)ですから、正しく車にしても、それは政策の結果として需要が出ているわけで、そういう意味では政策は現時点では経済成長に役に立っていると、こういうふうに言えると思います。

(問)テレビ朝日の平元です。
 大飯原発の再稼働に関連してお伺いします。弊社など世論調査をしますと、この再稼働について反対という意見が、女性の方から多いわけなのですけれども、政府として女性の方に対して特に今後理解をどのように求めていくのかということと、あと取材をしておりますと、政府や党の幹部の奥様方の中にも反対という意見を持っていらっしゃる方がいるということを聞くのですけれども、もし差し支えなければ、岡田副総理の奥様などはこれに対してどういう意見をお持ちか教えてください。
(答)まず前提として、政府、あるいは党のその配偶者がどうのこうのというのは、私自身確認しておりませんので、私のことを含めてちょっとお答えする立場にはございません。
 一般論として、女性、特に小さな子どもがいる女性が非常に心配されるという気持ちはよく分かります。ですから、丁寧に説明していく必要があるというふうに思います。これは、がれきの処理も同じなのですね。数字的に何の問題もないということがはっきりしていても、やはり、どうしても反対だという声は、これはどこでもある、私の地元も含めてあります。やはり丁寧にそのことは説明していかないといけないというふうに思います。

(問)(朝日新聞・河口記者)再稼働以外ですが、よろしいですか。選挙制度改革につきましてお尋ねします。一つ消費増税を総理が実現していくためには、いわゆる党内への影響力ですとか、早期解散を求める自民党との協議のためには、一つ解散が大きな切り札になるかと思いますが、解散権ですね。岡田副総理は、マニフェストに掲げました80削減と、早期に違憲状態を解消すること、80というのは非常に反発、特に各党、野党には反発も強いですので、そういったところではなく、まず違憲状態の解消を先に目指していくべきだというふうにお考えになりますか。
(答)私の考えは申し上げません。これは輿石幹事長が自ら乗り出して、各党と話をするというふうにおっしゃっておりますので、各党と交渉するに当たって、何か制約になることは言うべきでないと、輿石幹事長がきちんと御判断いただくことだというふうに思っています。

(以上)




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