なでしこ、卓球女子、ディーンに期待!(夕刊フジコラム「ズバリ直球」12年7月26日号)
大リーグのイチロー選手が、ヤンキースに電撃移籍した。私は24日朝、このニュースを聞いたとき、「エッ」と驚いた。イチロー選手=シアトル・マリナーズというイメージが強かったからだ。記者会見での「若手にチャンスを与え、自分自身も環境を変えて、刺激を求めたい」という発言を聞き、「イチローらしいな」と思った。
大リーグ挑戦後の11年半、イチロー選手は10年連続でシーズン200安打を放つなど、期待以上の活躍をしてきた。修行僧のようにストイックで、コツコツと努力し、チームプレーに徹してきた。米国や世界の人々に「これぞ日本人だ」という、強い印象を与えたのではないか。
移籍会見直後、「8番・ライト」で先発出場したイチロー選手は、3回の第1打席でセンター前ヒットを打ったという。さすがイチロー選手だ。名門ヤンキースでさらなる飛躍を期待したい。
さて、ロンドン五輪が27日(日本時間28日)に開幕する。日本代表選手全員の活躍を期待しているが、特に、私は「なでしこジャパン」と「やり投げのディーン元気選手」「卓球女子」に注目している。
なでしこは昨年、ワールドカップで優勝して、東日本大震災で苦境にあった日本人に勇気を与えてくれた。本当に素晴らしい活躍だった。今回はさらに注目されているので、あまりプレッシャーをかけたくないが、ひそかに、金メダルを期待したい。
ディーン選手はここ最近、急に出てきた印象だが、「父の故郷で開かれる五輪に出場したかった」というセリフがいい。英国でも注目されるのではないか。夢の舞台で、自分の力を発揮してほしい。
卓球は、実は、私がよく見ている競技だ。女子代表は、福原愛、石川佳純、平野早矢香の3選手だが、以前から、平野選手を応援してきた。地味だがガッツあふれる選手で、全日本選手権で5回優勝している。最近、若手の福原、石川両選手が台頭してきているが、五輪の舞台でいぶし銀のプレーを見せてくれるだろう。
国会では連日、社会保障と税の一体改革関連法案の参院審議が続いている。民主、自民、公明3党が法案修正で合意したことで、自民党や公明党の担当者も答弁に立っている。衆参ねじれの中、これは本当に画期的なことだ。
質問は、価格転嫁対策や低所得者対策が多くなっている。これらは、消費税増税を前提とした議論であり、国会審議は確実に前進していると思う。
確かに、増税は国民に不人気な政策だが、3党は「社会保障を持続可能なものとし、財政を立て直すには、増税も避けられない」と決意した。決められない政治から、必要なことをやり遂げる政治への転換が一歩ずつ進んでいる。(副総理)