副総理としての定例記者会見(平成24年8月10日)
岡田副総理記者会見要旨 平成24年8月10日
(平成24年8月10日(金) 14:59~15:31 於:合同庁舎4号館1階108会議室)
1.発言要旨
私から何点か申し上げたいと思います。
まず、先程、委員会で法案が可決されました。社会保障・税一体改革関連法案が可決されたわけであります。この後、参議院の本会議でまだそこが終わっておりませんので、決定的にものを言うことはできませんが、衆参それぞれの特別委員会で合計200時間を超える審議を重ねられ、衆のほうでは議論の結果、論点が明らかになり、明らかになった論点に基づいて3党合意。参議院に移って、その3党合意を基に、各党の答弁者も加わっていただいて、非常にいい議論がなされたというふうに思っております。
これでも、まだ時間が足らないという御意見も今日ありましたけれども、時間的にも十分ありましたし、かなり充実した審議であったのではないかというふうに思っております。
このまだ成立はしておりませんので、やや気が早いのですが、社会保障・税一体改革は、財政の、そして社会保障の持続可能性のための関連法案で、社会保障について、年金、子ども・子育てを中心に改正を行うとともに、必要な財源の手当てを行うもので、私は3党が合意して、こういった法案ができたということは、日本の国会の歴史の中でも特筆すべきことであるというふうに思っております。
今後は、まだ関連法案がございます。年金の物価スライド特例分解消を図る国民年金等改正法案、あるいは年金生活者支援給付金の支給に関する法律案、こういった法案の早期成立、それから議論も今日も出ておりましたが、転嫁対策、スムーズな消費税の転嫁を行うための転嫁対策、それから逆進性に対する対策、そういったことについて、しっかりと政府としての見解も固めつつ、3党間で協議していきたいというふうに思っております。
そして、国民会議についても、1年間ということでありますので、時間を置かずに、各党間での御議論をいただきながら、スタートさせていきたいというふうに考えているところであります。
とにかく社会保障改革、社会保障・税一体改革、これが第一歩ということなので、確実にしっかりと成し遂げていく中で、更に前へ進めていきたいというふうに考えているところであります。
これが第1点です。
第2点ですが、今朝、給与関係閣僚会議がございました。8日に行われた人事院勧告を受けて、第1回の給与関係閣僚会議が行われたわけであります。
各大臣それぞれ発言をいたしましたが、私からは2点、お話を申し上げました。
いずれも今回の勧告とは少し離れるが、ということで申し上げたわけで、勧告そのものに関するものではございません。
一つは、公務員の給与カーブについて、民間は50から55歳をピークにして、50から55歳の間をピークにして、そこから下がる場合が多いと。そういう意味では、55歳以降の話だけではなくて、50代含めて、もう少し大局的な議論が必要ではないかと、もう少しというのは時間も多少かけながらという意味で申し上げたわけで、今回の勧告とは別にという意味です。
それから、もう一つは年金の支給開始年齢の引き上げに対応した60歳からの再任用というものが2年後に始まります。そういった再任用者の給与水準などについても、早急に政府全体で検討を始めなければならないということ、この以上2点について私から申し上げたところであります。
3番目、「政府CIO」ですけれども、昨日、政府情報システム刷新有識者会議、私のほうで設置をお願いして、古川さんとともにやってきたものでありますが、提言がなされました。あまり各紙大きく取り上げていただけてないのが少し残念な気がしますが、非常に重要な内容を含むもので、かつ、これは行革とも非常に密接に関係するわけであります。
ITを活用した業務改革を進めて、一方で国民の利便性向上、他方で行革のトータルコストの削減という両立を目指すものであります。そして、それを実際にやっていく司令塔としての政府CIOの設置、将来的には法律できちんと権限なども明らかにしなければなりませんが、当面は法律がない状況ではありますが、遠藤紘一さんにお願いをするということになりました。
遠藤さんは、この有識者会議でも非常にリーダーシップを発揮して、議論全体を引っ張っていただいていましたので、私は非常にいい人選であるというふうに思っております。経団連でも、この問題について責任者的な立場で、しっかりと活動してきていただいたわけであります。経団連の情報通信委員会情報化部会長、CIО戦略フォーラム委員長という、そういう立場でも活躍をされました。是非、遠藤さんには、高い知見と経験を生かして活躍していただきたいというふうに思いますし、我々としても、遠藤CIOが動きやすいように、法律ができるまでの間もしっかりとバックアップする、そういう体制も作っていきたいというふうに考えているところです。
私から以上です。
2.質疑応答
(問)【一体改革関連】
朝日新聞の河口と申します。いよいよちょっと成立を前提にお話をしますけれども、いよいよ社会保障制度については、国民会議を立ち上げて議論をしていくことになると思いますが、成立を受けて今後どのように自民党、公明党、また各野党とのお話し合い、また制度設計も含めて、どういったような手順で進めていかれるのかという点について。
(答)各党ともよく話し合いをしたいというふうに思います。それに当たっては、政府としての考え方を示す必要があるということで、いろいろと今、作業を行っているところです。メンバー構成をどうするかとか、どういうルールの下で行うかとか、最終的にこれは政府が決めることではありますが、今までの経緯からいって、3党でよく話し合って貰う必要があるということであります。
それから、この国民会議と3党の協議体との関係ということもありますので、時間を置かずに相談したいというふうに考えています。
(問)今、3党の協議体についても言及がありましたけれども、やはり政治家というか、国会議員の方を入れる、入れないという議論もありますが、その辺りについては今の段階で政府の検討としては如何でしょう。
(答)政府としては、今、国会議員を入れるという発想にはありません。ただ、それを政府だけが決めることではないので、各党の意見もよく聞いてみる必要があるというふうには思っております。
(問)フリーランスで宮崎信行です。まず、最初におっしゃった法案の中で、ありませんでしたが、衆議院の委員会に残っている総合こども園法案、これは会期末で審議未了、廃案という処理ということで、政府としてもいいということでしょうか。
(答)これに替わるものが今の法案ですので、認定こども園の改正案ですので、当然廃案ということになるということでお考えいただいていいと思います。
(問)それから、認定こども園法改正案の参議院での附帯決議で、安心こども基金の拡充ということが民自公の賛成で附帯決議が付きました。これは直ぐにでも補正予算などで対応をしていきたいというふうにお考えでしょうか。
(答)補正予算を作るかどうかということは、まだ何も決まっておりませんので、なかなか御質問にストレートにお答えし難いのですが、3党間で合意されたことは、なるべく早く実現するように、政府として努力しなければいけないというふうに考えております。
(問)それで、本会議がまだですので、参議院での委員会での御感想、二つくらいちょっとお伺いさせてください。
(答)二つ。
(問)一つですね。
まず、衆議院では、かなり腕まくりをして、ワイシャツ姿で答弁されていることが多かったですが、参議院では上着を着ていらっしゃることが多かったですけれども、これはやはり、参議院は若干アウェーという感じがあったのでしょうか。
(答)なかなかおもしろい質問だと思いますが、別にそういうことはございません。だんだん暑さに慣れてきたということではないかと思います。
(問)それと、もう一つ、なかなか3党合意ができた後に参議院にいったものですから、例えば一つ象徴的だったのが、例えばみんなの党の参議院議員の人が質問したときに、自民党の衆議院議員が答弁した中で、例えば附則18条の第2項に関して、公共事業をどんどんやるのだという趣旨の発言が出てきたりしました。
こういったいろいろな会派間のちょっとダイナミックな議論があったと思いますけれども、そういったものに関して、あくまでも感想をどういうふうにお感じになりましたか。
(答)3党間でそんなに意見の違いがあったというふうには思ってないのですね。政府及びこの提案の3党の間の意見の違いというのは、いろいろ質問される方は差が非常にあるような御質問もありましたが、中には。そう大きな見解の相違があったというふうには思っておりません。
ただ、いろいろな3党のそれぞれの皆さんが御答弁になりましたので、何といいますか、それぞれ特徴が出ているというか、個性が、答弁者の個性が出たというふうには思って見ておりました。
(問)共同通信の蒔田ですが、国民会議について、今、岡田副総理から、今、国会議員をメンバーに入れる想定はない、発想はないとおっしゃったと思うのですが、その理由はどういったところにあるのでしょうか。
(答)まず、国会議員を入れるということになると、各党派の代表ということになると、それだけで10人を超えてしまうという問題があります。
それから、なかなかまとまり難い、そもそも根っこから意見が違うということになると、これはまとめる、1年以内に具体的な意見としてまとめなければいけないということを考えると、なかなか難しいところがあると。それよりは、むしろ国会に法案の形で出して、そこで議論していただければいいことではないかということです。
3党だけという考え方もあります。しかし、それに対しては、他の政党はかなり批判的です。しかも3党の協議の場は別途あります。そういうことを考えると、国会議員なしが一番収まりがいいのかなというふうに思っているところです。もちろん各党の御意見をまだ正式には聞いておりませんので、そういったことも踏まえて最終判断したいと思います。
(問)NHKの田村と申します。今の国民会議の関連ですが、副総理は成立を受けて、時間を置かずに話を推し進めて設置したいということですが、一方で成立をしてしまうと1年というリミットが始まるので、そんなに時間をとれないと思うのですが、設置時期としては今月中ですとか、今国会会期末ぐらいをめどとか、その辺、設置時期をどのようにお考えでしょうか。
(答)これは相手のある話なので、相手という意味は、各党と、特に3党とよく相談しなければいけませんので、あらかじめ何か期間を定めるのは非常に難しい、なるべく早くということで御理解いただきたいと思います。
(問)朝日新聞、伊藤です。今日の参議院の特別委員会で、子ども関連の附帯決議が19付きました。修正法案を共同で出している自民と公明中心に付けてくれという要望があったというふうに聞いておりますけれども、この提案者のほうからこれだけ19もの附帯決議が付くということについて、どう思われているのでしょうか。
(答)やや驚きましたが、厚労委員会では別に珍しいことでもないという話もあります。もう少し国会の審議の中でこなせればよかったのかもしれませんが、いろいろなところから、いろいろな御要望があって、そういうことになったのかなというふうには思います。
(問)特にその審議のとき、野党のほうから、かなり欠陥法案ではないかというような野次がかなり多く飛んでいたと思いますが、こういった御指摘については、どのように受け止められていますか。
(答)野次に一々コメントする必要はないと思います。
(問)ありがとうございます。キャリアブレインの佐藤と申します。国民会議の関連なのですけれども、先程、副総理が設置時期につきましては、相手があるというふうにお話しされましたけれども、まず政府案としての人員構成の案を示すのは、どれぐらいの時期というふうにお考えでしょうか。
(答)正式に示すというより、特に民主党との間では内々相談をしながら、案をまとめていかなければいけないというふうに思っております。
(問)ちなみに、一部報道で、国会議員の他にも、社会保障関連の医師会のような職能団体を外すような報道がありますけれども、その辺り事実は如何でしょうか。
(答)これもまだ何か決まったということはありません。ただ、関係者、学識経験者を中心にというふうに思ってますが、つまり、そういった利害関係のある方々をどこまで入れるかと、あるいは入れないかということについては、まだ決めておりません。
(問)朝日新聞の河口です。先だっての党首会談では、「近いうちに」という表現が使われましたけれども、こういった総選挙を挟むような場合でも、国民会議を作って議論していくという、この辺りについては、3党の信頼関係は揺らがず、そのまま行くということもお考えになりますか。かなりそういったその後というのは、また改めて枠組みの構築というのが必要になるような形はありますでしょうか。
(答)法律になってますから、基本的に法律に書いてあることが変わるということはないというふうに思います。
選挙の結果、いろいろなことが起こり得るということですけれども、基本的に3党で協議してきて作り上げたものでありますので、この社会保障・税一体改革に関しては、この3党の協力関係というものは、これは残るというふうに思います。
(問)【その他】
時事通信社の中西と申します。靖国神社参拝の件でお尋ねしたいのですけれども、8月15日に岡田副総理御自身が靖国神社を参拝することはありますでしょうか。
(答)ございません。
(問)その理由についても、教えていただけるとありがたいのですが。
(答)基本的に、A級戦犯を合祀した靖国神社に閣僚が行くことは、適切ではないというふうに考えています。
(問)関連でもう一つだけ。15日に羽田国土交通大臣が靖国神社参拝の意向を示しているのですけれども、その点について如何お考えでしょうか。
(答)私は確認しておりません。
(問)朝日新聞の河口です、関連で。御確認されていないということですが、羽田大臣は、国交大臣は私的にというふうにおっしゃっていますが、閣僚が私的にと公的というふうに分けて、かつてからありましたけれども、こういった形で立場を分けて参拝することについては、その合理性というのはあると思われますか、使い分けて、それは例えば内閣に申し合わせもあったりするわけですけれども、そういったものについて、忌避できるというふうにお考えになりますか、私的だという理由。
(答)私個人の意見は、従来からあちこちで言っておりますので、ここでは繰り返しませんが、内閣としてそれをどう考えるかということは、それは官房長官か総理に聞いていただきたいと思います。
(問)フリーランスの安積です。本日、韓国の李明博大統領が竹島に上陸するという話がありました。これについて、森本防衛大臣のほうが竹島上陸は内政上の要請が、内政上というのは韓国の内政上なのですけれども、要請があったと思うということで、竹島問題は領土問題であって、日韓の間の国際問題であるという認識とはちょっと違うような感じの発言をされておりますが、これについて副総理はどういうふうにお感じになっていますでしょうか。
(答)まず防衛大臣がどういうふうにお答えになったのか、私、直接承知しておりませんので、それに対するコメントは控えたいというふうに思います。ただ、大統領が竹島を訪問されたということは、これは非常に残念ですし、極めて遺憾なことであるというふうに思います。
(問)日本経済新聞社の持木と申します。すみません、ちょっと遡って、政府CIOの件で一つ聞きたいことがありまして。最初のころは閣僚級での検討をしていたということだったと思うのですけれども、結果的に遠藤さんになった理由を教えていただけますでしょうか。
(答)閣僚級での検討をしていたという、日経新聞はそう報じられたかもしれませんが、何か根拠があったのですか。根拠があったのですか。そういう報道に対してコメントする必要はないと思います。
(問)テレビ朝日、平元です。すみません、ちょっと1問前に戻って、韓国大統領の竹島訪問の質問になるのですけれども。これは大統領の訪問を日本としては防げなかったということだと思うのですけれども、専門家の中には、民主党政権になってから韓国とのパイプが築けていないと、外交力が低下しているといった指摘があるのですけれども、そういった指摘については、岡田副総理も外務大臣を経験されていらっしゃいますが、どのようにお考えになりますか。
(答)最近ちょっと日韓関係について、従来と比べると少し問題が出てきていることは残念だと思います。ただ、パイプがないとかあるとか、そういう議論というのはよく分からない議論で、2009年のときは非常に日韓関係は難しい年であったにもかかわらず、よかったわけであります。だから、その政権交代以前の人たちの中に、そういう言い方をする人がいますが、それは非常にフェアな言い方ではないと。具体的に何か問題があるのなら、きちっと言われたほうがいいというふうに思います。
竹島に韓国の政治家が行ったというのは2008年でしょう、首相が行かれたのは。
(問)副総理は最近、日韓関係については従来と比べて難しい問題が出てきていると今おっしゃいましたけれども、今回、大統領が訪問したことで、更に日韓関係が難しくなると思うのですけれども、この訪問は、日韓関係が今後どういった影響を与えていくというふうに副総理はお考えでしょうか。
(答)これからの話を語る前に、今回、大統領が竹島に行かれたことに対して、日本国政府として、きちっとした対応が求められると。その後の話というのはそれから先の話ですから、というふうに思います。
(問)フリーランスの安積です。民主党の政権交代になってからという問題ではないというふうに先程おっしゃっておりましたけれども、近年、やはり尖閣周辺の中国漁船の出没とか、そういった運動なんかがかなり活発化しておりますし、またメドヴェージェフ、今首相ですが、大統領時代も2010年に北方領土のほうに行かれましたし、また今年になっても北方領土のほうにメドヴェージェフ首相が上陸されております。
今回、韓国の李明博大統領の竹島上陸ということなのですけれども、何となく日本と領土的な、そういった争いといいますか、領域的な争いがある国が活動を活発化させているような感じがするのですけれども、これについてはどういうふうにお考えでしょうか。
(答)それぞれ領土問題は三つあるわけですけれども、それぞれ事情がある中で、こういうことが起きているというふうに思います。それぞれが密接に関係しているというふうに私は思っておりません。
(問)度々すみません、テレビ朝日、平元です。先程の私の質問に、副総理は、大統領が竹島に行かれたことについてきちんとした対応が求められるというふうにおっしゃって、ちょっと若干、客観的に何か御覧になっているのかなという印象も受けたのですけれども、副総理は今、政府の中にいらっしゃって、ナンバーツーでもあられると思うのですけれども、このきちんとした対応というのは具体的にどういった対応をするべきだとお考えでしょうか。
(答)それは所管である外務大臣が、きちんとお話になるというふうに思います。
(問)朝日新聞の伊藤です。最初の一体改革に戻ってしまうのですけれども。冒頭の御発言で、日本の国会の中でも特筆すべきことだとおっしゃられましたけれども、今の国会の状況を見れば、ねじれ国会で、決して政府・与党が強いわけではなく、また昨年は震災というものがある中で、この法案が通ったという一番の要因というのは何だというふうにお考えなのでしょうか。
(答)これは、やはり危機感が共有されているということだと思います。今の財政の状況、そして社会保障の現状を見て、今やらなければ間に合わないと、そういう危機感を3党の多くの政治家が共有しているということだと思っています。
(問)それは今の民主党の中でも共有されているお考えですか。大分、衆議院では造反された方でもまだ残っていらっしゃる方もいらっしゃいますし、参議院でも、これからですけれども、造反する方がいらっしゃるやにも聞きますけれども、与党の中でも共有されているのでしょうか。
(答)多くの議員は共有していると思います。
(問)フリーランス記者の上出です。今の質問と重ねてですが、報道の中にあまりないのですけれども、国会の中で今回の一連の動きについて、各党から野党の方から、国民不在ではないかと、一定数を持った国民に反対もある。その中でやったことについてのいろいろな危機感も出ていますが、改めまして、国民不在と言われている部分について、岡田首相はどういうような説明、反論をなさる、あるいは国民に向けてどのような。
(答)これは国民が選んだ国会において、衆参合わせて200時間議論をしていて、それで国民不在というのは全く理解できない発言だと思います。
(問)朝日新聞の河口です。すみません、ちょっと先程の尖閣の関係で1点確認ですが、岡田副総理が、それぞれ領土問題は三つあるとおっしゃいましたが、三つあるとおっしゃった三つというのはどういうことでしょうか。
(答)ロシアと中国と韓国。
(問)尖閣は領有権問題は存在しないということになっておりますが、政府としては。そういう御認識でよろしいですか。
(答)領土問題ということではなくて、領土を巡って意見が違うものが三つあるということで申し上げました。
(問)朝日新聞の河口です。先だって自民党といいますか、野田総理と谷垣総裁と、最終的には公明党も参加したわけですけれども、ここで解散、時期は明示しなかったものの「近いうちに」という表現で合意がなされたわけですけれども、党内ではかなり選挙が近いのではないかということで動揺も広がっていますが、この「近いうちに」という表現について、こうした党内の動揺についてはどのようにお考えになりますか。
(答)「近いうちに」は「近いうちに」と、それ以上言いようがありません。
(問)すみません、ちょっと関連で。今の3党首の合意の関係で、かなり解散の時期ですとか、非常に明示的なものではないにしても、こういった話し合いもできる3党の枠組みということで言うと、やはりそういった解散といいますか、総選挙後も結局、参議院でのねじれというのは、どういう構成になっても恐らく残ると思われますが、政策を推進するに当たり、岡田副総理としてはこういった枠組みというのは維持していきたいというか、ある程度基盤になっていくというふうにお考えになりますか。
(答)3党合意を作った3党ですから、そういったものが、そういう協力関係が少なくとも社会保障・税一体改革に関しては残るということは望ましいというふうに思います。 ただ、選挙ですから、どういう結果になるか分かりませんので、確実にということまでは言えないと。それは選挙の結果如何でもあるということだと思います。
(問)フリーランスの宮崎ですが、先程の靖国神社参拝に関して、A級戦犯が合祀されているから参拝しないということでした。これは昭和天皇がA級戦犯の合祀に不快感を示したとされる富田元宮内庁長官の富田メモというものの信憑性が正しいと思われていらっしゃるのでしょうか。また、このA級戦犯7人以外の英霊に何かゆかりのある方の参拝についてはどう思われますか。
(答)私が申し上げているのは、やはりA級戦犯というのは、これは何回もいろいろな場で申し上げているのですが、東京裁判そのものの問題がないわけではないけれども、しかし、日本が自ら戦後を総括していない以上、やはり東京裁判というものを尊重するという考え方に立たざるを得ないと。その東京裁判の結果、A級戦犯というふうに断じられた方々が祭られている、神として祭られているということについて、そこに閣僚が行くということは、私は望ましくないというふうに考えております。
これは2005年でしたか、小泉さんと党首討論の議事録を見ていただければよく出ているというふうに思います。小泉総理と全く意見は、ある意味では一致したのですが。永久に戦犯が戦犯であると、戦争犯罪人であるということは一致したので。
(以上)