副総理としての定例記者会見(平成24年8月17日)
岡田副総理記者会見要旨 平成24年8月17日
(平成24年8月17日(金) 15:12~15:52 於:合同庁舎4号館1階108会議室)
1.発言要旨
ちょっと遅れました。すみません。
私から2点。第1点は、今日の閣議で、総務大臣から平成25年度の定員要求についてのお話がございまして、合理化要求と増員要求の差引きが政府全体でゼロ以下となるように厳しく抑制するよう、各大臣に協力をお願いするというお話がございました。
それを受けて、私のほうから、先般の行革懇での意見にもありましたように、国家公務員の定員については、これまでの規模を上回る大幅な縮減、純減です、純減を実現する必要があることから、大幅な定員純減の確保に向けて各大臣に協力をお願いすると。今回は純減の話ではなかったのですが、やがてはそういう、最終的にはこれは純減の話になりますので、そう見て申し上げたところであります。
それからもう一つは、行革実行本部。4点について、先程、皆さんもお入りのところで私がごあいさつをいたしましたので、そのことは繰り返しませんが、そういう中で、一つは行政事業レビューの公開プロセスについて、全体で91事業、廃止が19、抜本的改善43、一部改善29ということでありますが、基本的に、そのほとんどは現時点においてはきちんと各省で対応されていると、公開プロセスの結果を踏まえた対応になっているということと、しかし、「廃止」と判断された事業の中で、抜本的見直しもなく継続しようとしている2事業、「実践キャリアアップ戦略の推進に必要な経費」、「青年国際交流経費」。それから「廃止」との評価結果を受けて、その事業は廃止するものの、同様の趣旨、内容の事業が創設される可能性が排除できない1事業、「国際問題調査研究事業費等補助金」のこの3点について、ペーパーにもお配りしてありますが、ここで書いたような指摘事項を確認をし、各大臣においてしっかりと対応していただきたいということを申し上げたところであります。
実践キャリアアップ戦略については、基本的に廃止をすべきであるということですが、試行的にやるという場合にも、現在の3分野、これは今年から始まるわけですが、現在の3分野に限定し、当面それ以外の拡大は行わない。それからパイロットプロジェクト的に被災地において重点的に実施をすると。基本的には全国展開はしないということを指摘しているところであります。それから、既存の各省庁が持つ資格制度を見直すことで、同じ目的には対応できないか、きちんと各省庁とも検討してくださいということであります。
青年国際交流につきましては、幾つかある事業の中の世界青年の船については、国の事業としては廃止をすると。他の事業についても、廃止という厳しい評価結果が出ておりますことを踏まえて、きちんとした説明が必要であるということで、2のところに書きましたように、今や留学を自己負担で多くの若者がしているという時代であることを踏まえて、費用対効果の低いプログラムを廃止をする、あるいは自己負担額を高めるなどの事業の内容を抜本的に見直すべきだと。もちろん負担能力のない若者のために、一定の軽減措置を導入するということは併せて検討すると。それから、民間や既に参加した、かつての青年からの寄附金の確保や全体のコスト削減への取組を一層進めて、予算規模も現在の半分程度に縮減できるように対応すべきであると。
それからもう少し、中長期の話になりますが、内閣府がいろいろなことをやり過ぎているということについて、これはもう行革懇談会でも御指摘をいただいているわけですが、この青年国際交流事業というものの意義について、改めて再検討する。その上で、かなり類似の事業を行っていると思われる文科省や外務省などへの移管も視野に、政府の中できちんと検討すべきであるということを申し上げました。
最後の国際問題調査研究事業費等補助金につきましては、基本的に国問研、日本国際問題研究所、これは私が外務大臣のときから問題があるということで様々な改革を行おうとしてきたわけですが、結局、自らの資金調達というものが進んでいない、外務省におんぶに抱っこ、そういう機関になっている。それから、人材についても育成ができていないということを踏まえて、しっかり改革をすべきであるということを申し上げた上で、国際問題調査研究事業費等補助金、この中には幾つかのものがあるわけですが、これについては廃止をすべきであるということと、外交分野において活動するシンクタンクなどの調査研究機関の活動を助成する新たな事業が必要であるということであれば、透明性、競争性を高めるようなものにしなければいけないというようなことについて、指摘をさせていただいたところであります。
今後とも、この趣旨がしっかりと活かされたものになるかどうか、概算要求、そして最終的な予算決定に向けて、しっかりとフォローアップしていきたいと、これは3事業に限りませんが、そういうふうに考えております。
それから、各大臣に対して、この行革本部の中でですね。今回いろいろ公開プロセスの対象になった事業以外のものについても、すべて基本的に各省庁で行政事業レビューにあたってのシートなどがきちんと整備されているわけですから、大臣自ら目を通して、もう既に必要性が薄れた、あるいはないような事業があるかどうか、きちんと確認をしてくださいと、そういうものを踏まえて概算要求してくださいということを申し上げたところであります。
もう一つは独法のフォローアップで、これはかなり進んでおりますが、今後とも、このフォローアップはやっていかければいけないというふうに思います。今回特に、改善を要する10事業がありますので、こういったものについては各大臣がしっかりと中身を精査していただきたいと。10事業のリストはあったかな……、ないですかね。国際協力機構とか国立青少年教育振興機構とか、負担の在り方などについてきちんと検討することになっておりますが、事業は必ずしもそれが進んでいないということとか、あるいは外交案件は多いのですが、国際協力機構や国際交流基金の在勤手当の見直しとか、これも3年前に外交官については在勤手当も見直しやっておりますので、そういったことについて、遅れているということに関して指摘をして、しっかりと各大臣の責任でやってくださいということを申し上げたところであります。
私からは以上2点申し上げました。
2.質疑応答
(問)【国家公務員の定員純減関連】
朝日新聞の河口です。定員のお話ですが、例えばこれは新規採用抑制のときにもお話が出ていたかと思いますが、例えば海上保安庁ですとか、それから防衛省ですとか、ある程度、今後人員が必要になるみたいな分野もある中で、ある程度もう各省庁一律にゼロ以下となるように要請を総務大臣がなされた、この辺の理由につきましては如何でしょうか。
(答)これは純減に向けての第一歩ですから。純減を現実にやるときはもちろん一律ではなくて、必要性をしっかり踏まえてやると。しかし、元々増えているところを純減に持ってくるというのはかなり大変なことなので、しかもその純減が大体政権交代後、平均すると年間1,500人ぐらいですが、それと比べて大幅な純減をするということですから、そこにいくためにも、やはりスタート台があまり高いととてもできませんので、まずはその第1段階として、今日、総務大臣はお願いしていただいたと。その上でしっかりとした大幅な純減に向けて作業をしていくということです。
(問)月刊誌のFACTAの宮嶋ですけれども。純減というものについて、ある程度政府として純減目標みたいなものをそろそろ立てるというんですかね。結局、それがありませんと、国会議員でもこれから減らすという話があるわけなのですけど、そのとき、どうして純減目標みたいなものが、最初にそういう目標値がなくて大幅とかという言葉になってしまうのか、その辺は第一歩だという意味では、やはり純減目標というのが必要だと思うのですけど、その辺は如何お考えでしょうか。
(答)純減目標というときに、短期の問題と、つまり今年度末にどういう純減にするかという話と、もう少し中期の話と両方あると思うのです。
短期の問題については、従来ですと12月になって差引きでどれだけ減った、純減だ。あるいは増えたということが分かるということですが、もう少し分かりやすく純減についての考え方を示さなければいけないかもしれないというふうに思っています。現在まだ検討しているところで、今日は取りあえず各省庁にそこへ行くまでの定数増と定数減のお願いをしたわけですから、ちゃんとやってくださいということをお願いしたわけなんで、そういった各省の検討を踏まえて純減をどうするのかということについても、どこかできちっと政府としての考え方は示さなければいけないのではないかというふうに思っています。
それから、中期の話についても、これは示したほうがいいという議論もありますので、そういったことについても、これから検討していきたいと思います。
一つ非常に難しい点がありますのは、再来年になりますと60歳が61歳になるということで1年分、これは定年延長ではなくて、再雇用という形ではありますが、そこをどう考えるかという問題があります。
基本的に、それは定員の内数であるというふうには考えています。再雇用だから定員の外でいいではないかという議論もあるかもしれませんが、それでは全体が増えてしまいますので、総定員の枠内、総定員の枠内で1年分増えるということは、全体としての相当減らす努力が必要になってくるわけです。
一方で、早く辞めることに対するインセンティブを付けるとか、そういう議論も並行してやっているわけですが、そういうものをどのぐらい効果を発揮するかということも見定めながらですね、全体の絵を書いていかなければいけないと思う。そういう不確定要素が一つあって、若干事態を難しくしているという面はあります。
(問)ある程度高齢化社会ですから、行政需要も多いと思うのですけど、今の正に辞めていかれる定年延長の部分を内数にするというのは、僕は御見識だと思いますけど、それをやってなおかつ純減というのは結構難しいのではないか、それと本当に新規採用のほうをよほど今以上に新規の部分を採らないというふうにしないと、純減ってできるのかなと思うのですけど、そこはやはり肩たたきというのでしょうか、いわゆる45以上で早く辞めて貰うようなのをある程度見積もっていかないと、なかなか国家公務員の全体の数を内数にするなら、そういう純減というのは可能なのでしょうか。
(答)採用の話は2年間ということで、既に今年56%ということでやっております。いろいろ御意見、御批判もいただいていますが、全体の制度設計の中で私からお願いしたところで、これが基本的にはもう一年度続けるということにしております。
具体的な数字まで決めておりませんが、同程度のものを続けるということです。
あとは、肩たたきということですが、以前と違って、天下り先を明示して肩たたきするということはやっておりませんので、自主的に辞めていただかなくてはならないということで、45歳以上、割増金を付けるとか、あるいは民間の再就職あっせん機関を活用するとか、そういうことをきちんと整備をしながらですね、40代、50代の方々で第二の人生を早めに選びとっていただくと、そういう方を増やしていく。そのことで全体を減らすということを考えているわけです。
それがどのぐらい効果を上げるかということは、まだ現時点ではっきりいたしませんので、そういったことをきちんとクリアしていかないと、なかなか純減の実現というものは簡単ではない。しかし、それをやり抜いていきませんとトータルの人件費が減りませんので、しっかりやっていきたいと思っています。
(問)フリーランスで宮崎信行です。この定員管理をしている総務省の行政管理局の筆頭の行政管理官というのは、代々財務省の出向ポストだと思います。川端大臣の担当かもしれませんが、この仕組みについては何かお考えはございますでしょうか。
(答)特に私はございません。現時点でも、よくコミュニケーション取りながら私はしっかりやっていただいているというふうに思っています。
(問)【行政改革実行本部関連】
NHKの田村と申します。先程のレビューに関する指摘等が今日出たのに対して、まず閣僚から、それに対する回答等は、今日あったかどうかを伺います。
(答)特にございませんでした。
(問)もう1点、NHKの田村です。今後、概算要求とか、予算編成の過程で、また引き続きチェックしていくということですが、チェックというのは、また同じように副総理が、例えば、省庁の政務三役等に要求の内容等を見て指示するような形を考えていらっしゃるのか。また、行革本部等の中で今後議論していくというお考えなのか。その辺お伺いできますでしょうか。
(答)基本的には、これは行政刷新の関係なのです。ですから、行政刷新事務局が一義的には中身を見てきちんと指摘が実現されているかどうかと。そこで指摘をしたにも関わらず、うまくそれが反映されないということであれば、それは政務レベルでやるということも当然考えなければいけないというふうに思っています。
(問)共同通信の関と申します。何点かお願いします。まず、廃止と判定された上で存続の御異議が出ていて、副総理がヒアリングをされた二つの事業なのですが、合理的な説明が、運営が納得できる説明がなされたとした場合であっても、例えば、事業を存続するに当たっての予算額が前年度、これまでに比べてどのくらいに抑えるべきだというような指摘は、岡田副総理はされているのでしょうか。あるいは現時点でのお考えがあればお願いします。
(答)まず、実践キャリアアップ戦略というのは、今年まだ実質的にはスタートしていなくて、これからなのです。ですから、来年度どのぐらいの額を要求するかということは、まだ正式に何も決まったものがあるわけではありません。今回の指摘を踏まえたものにはしていただけるだろうというふうに思います。つまり3分野を更に広げるとかですね、あるいは被災地中心、基本的には、東北地方ということですが、で実施されるであろうと期待をしておりますし、なされないということであれば、それはものを言わなければいけないというふうに思っています。
もう一つ、青年国際交流は、私は半減、半分程度に縮減ということを申し上げたわけで、もちろん、これはそれぞれの事業の積み上げが必要ですので、それを見てみなければ分かりませんが、私としては、かつては非常に有効な事業であったと評価しますが、必ずしも船でずっとあっちこっち移動しながらというスタイルが本当にどれだけ意味があるのかということも含めてきちんと議論していただきたいと。それから、自己負担もやっていただく、あるいは全体のコストを削減するというようなことをきちんと進めれば予算の半分ぐらいでできるのではないかというふうに私は期待しているところなので、そういう観点で見届けていきたいというふうに思います。
(問)それから、他の17、廃止という判定に即した対応をされるという17なのですけれども、これは基本的に概算要求には一切上げてこないというふうに受け取っていらっしゃるということでよろしいのでしょうか。
(答)もちろんそうです。ただ、名前を変えて、実質的にかなり似たものが出てくる可能性は、今までの例を見ても排除できませんので、そこはまず行政刷新の事務局のほうでよく目を光らせていただくと、おかしなものがあれば指摘をするということにしたいと思います。
(問)もう1点。同じく抜本的改善と一部改善については、これは事業によってそれぞれ指摘の内容が違うと思うのですけれども、例えば外務省のJICAの無償資金協力なんかに関しては、抜本的改善と言われながら、予算の改善ではないというふうに外務省が受け取っているというような対応をされるなど、実際に予算に何がしか効果があるかどうか、不透明なものもあるかと思うのですが、数字の面で抜本と一部について、目安みたいなものを副総理なり刷新事務局のほうで設けてはいるのでしょうか。
(答)それは特にございません。個々に判断して、考えざるを得ないというふうに思います。
JICAの事業などについてもですね、なかなか国民的な理解というのは少ないのですね。本当に必要かどうかということついて。そういうことの理解をきちんと深めていただくと、国民にですね、ということも含めて、そして無駄のある事業というのは常に指摘をされますので、その内容についてきちんと精査をしてもらうということだと思います。
予算を減らすかどうかということについては、必ずしもそれは、それがマストではないというふうに思います。私はかつて2割カットと言って、随分御批判もいただいたこともありますが、最終的には1割カットになったので、聖域を設けずに、しっかりと再検討して貰いたいというふうに思っています。
(問)朝日新聞の河口です。ちょっと1点教えていただきたいのですが、廃止と判定された事業三つのうち、一つが何か新たなものに置きかわるかもしれないという可能性が排除できないということでしたけれども、現時点で何かどういう検討がされていて、こういう扱いになっているのでしょうか。
(答)廃止とはっきり言われたものは、キャリアアップと青年交流なのですね。そして、国際問題調査研究事業費等補助金ということに関しては、基本的にこれは廃止をするということで、外務省は答えを出したということです。
ただ、これは廃止をするのだが、シンクタンクを助成するような仕組みは必要ということを有識者の会議の結論としても言っておられて、それに基づく新たな補助金などを設けるということだと思います。
特にここで問題があったのは、当該補助金と日本国際問題研究所との関係が問題になったわけですね。国際問題調査研究事業費等補助金の中に、調査研究機関間対話・交流促進事業費等補助金というものがありますが、これは各国のシンクタンクとネットワークを作るというもので、これは入札で決めたのだけれども、日本国際問題研究所が予算の対象先に選ばれたと、しかしその選定過程で十分に透明な手続が踏まれたのかどうかということについて疑問を呈せられたり、それから、まさしくおんぶに抱っこで日本国際問題研究所の運営を支援することを前提にしたような国際問題調査研究機関運営支援補助金についてはやめるということです。
(問)FACTAの宮嶋ですけれども、今年の初めの行革、副総理になられて以来、概算要求の前にこういう形で、岡田イズムで随分やってこられたと思うのですけれども、改めて稲盛さんとか、懇談会がこのタイミングで出たり、行政レビューを含めて、自己の副総理、行革担当として自己評価というのでしょうか、どれぐらいできたと、今の段階で一つの区切りだと思うのですけれども、概算要求の前に今どんなふうに評価されているのか、できたこと、できないこと含めましてね、どうでしょうか。
(答)なかなかそういう自己評価は難しいのですが、残念ながら独法や特会の法案はまだ成立してないのですね。というか、審議すらおぼつかないような状況です。これは非常に残念なことだというふうに思います。私が就任する前から様々議論されてきて、私が就任したときにはほぼ最終局面だったのですが、しかしこれは特会、独法については非常に中身を、いい中身を含むものだけに、是非成立をさせたい。しかし、それができていないということは、大変申し訳ないことだと思っております。
任期もあと1年という中で、新たに法律を作って、そして成立させていくというのは、そう簡単なことではありませんので、取りあえずは実現可能なものからということで、様々に今取り組んでいるところです。
採用の削減なども随分お叱りいただいたり、新聞、雑誌のカットも御批判もいただいたりしましたが、私が目指しているのは意識改革で、そういったことがしっかり実を結ぶようにやっていきたいと思います。
稲盛さんからも、JALの再生に当たっての最大のポイントは意識改革、社員の意識改革だと、どうせ潰れないと、そういう意識、これはJALは現には潰れたわけですが、JALにもあったと思いますし、政府になればもっとそういう意識はあると。
そうではなくて、しかも国民の税金をお預かりして仕事をしているということをきちんと認識をして、やるべき仕事はきちんと今以上にやっていただくとともに、無駄な仕事は切り捨てていくと、そういったことがきちんとできるような、そういう行政府にしたいというふうに思っております。
(問)度々すみません、共同通信の関です。1点だけ細かいのですが、独立行政法人の事務事業の見直しの納付された資産の実物のほうなのですけれども、金融資産のほうは23年度の実績があるので、できれば現物というか、実物資産のほうについての23年度の実績はどれぐらいかというのは、この内数が分かれば教えていただきたいのですが。
(答)今、手元にはございません。必要があれば、事務局のほうに言っていただければ。
(問)【その他】
フリーランス記者の上出です。例の竹島、それから尖閣といろいろ続いております。
今日、経産省の大臣会見に出たのですが、非常に強い口調で当然いろいろな問題で影響が出ると、経済関係の問題なんかにも。違う大臣も結構きつい調子で言ってる。閣議で、主権がとにかく優先するのだということを明確に言っておられたのですけれども、閣議でそういうような申し合わせをして、メッセージとして少し変な言い方ですが、はっきりとその辺がやろうという、そういう申し合わせみたいのはあったのでしょうか、特にそれぞれの大臣の判断ということなのでしょうか、岡田副総理自身はどう思われますでしょうか。
(答)閣議でもちろん毅然たる対応ということは、それは共通の認識だと思いますが、特に具体的なことを議論したということはございません。
尖閣については、閣議の後の関係閣僚会議でしたか、そこでいろいろな議論はしたということであります。「尖閣諸島不法上陸事案に関する関係閣僚会議」ですね。そこでいろいろな議論が出ました。
もちろん、今回の竹島への李明博大統領の上陸といいますか、これは今までなかったことでありますので、極めて遺憾ということでありますし、政府としてはそういったことに対して、毅然とした対応が必要であるというふうに思っております。
それから、尖閣に関しても、これは政府がということではないわけですけれども、上陸という事態になりました。これはしばらくなかったことでありますので、それに対してきちんとした対応が必要だということで、現時点では対応がなされているというふうに考えております。
(問)朝日新聞の河口です。本日の閣議で概算要求基準が決定になったかと思いますが、つまり公共事業の公共事業費については1割カットを維持する一方で、復興の予算でカバーできるような仕組みにもなっています。この辺り公共事業費の削減の方針、またもう一つは消費増税といいますか、一体改革の関係で減災、防災が自民党、公明党から求められている中で、今後これについてはどうやって対応していくのかを改めてお願いできますでしょうか。
(答)公共事業の削減が復興の予算でカバーできる仕組みになっているというふうには思っておりません。従来の仕組みは維持されております。しかし、現に被災地で様々な公共事業が求められていることは事実ですから、それを公共事業予算だからといって、必要があるのに削減すると、そういうふうには考えていないというふうに御理解いただければと思います。
(問)フリーランスの宮崎です。1月に再入閣されてから、補正予算と当初予算の答弁に当たられていますけれども、本格的な予算編成というのは、これからの平成25年度予算ということになると思います。
外務大臣時代は、外務省というのは5,000億円ほどの役所ですし、人件費が主、昔に比べればODAも少ないところですけれども、寄せ木細工とも言われる予算編成、実質初めてタッチされるという形になるかと思いますが、意気込みのようなものはございますでしょうか。
(答)私自身が所掌しているところの予算というのはほとんどありませんので、それについて何か特にコメントはありません。ただ、「隗より始めよ」ですから、無駄なものがないかどうか、しっかりと内容は精査しなければいけないというふうに思っております。
政府全体の予算、これから各省の概算要求がやがて出揃い、そして査定作業と、かなり事務的な作業も多いので、概算要求のときには一つのポイント、それからもう一つは最終的に決定に至るときと、それに向けて、いろいろな具体的な作業をするに当たっての考え方、そういったものは、しっかりと私も関与をしていきたいというふうに思っています。私自身が直接査定するということでは必ずしもありません。
(問)そこで、先程、稲盛さんの日本航空の話がありましたけれども、例えば日本航空の再建でしたらば、企業年金のカットであるだとか、人件費の削減、あるいは資産の売却ということがあるわけですけれども、国の予算というのは似たように見えますけれども、実際には例えば地方交付税を半額にしてしまうとか、年金を半額にしてしまうとか、生活保護費を半額にしてしまうとか、これは現実的には考えられませんよね。非常に単年度予算の中でプログラム、先行きというのをある程度作っていかなければいけないと思うのですけれども、こういったところで予算の削減というのが必要だと思います。
そういったところで、この25年度だけでなくて、先行きやっていく中で、内閣委員会に出ている幾つかの法案なんかも重要になってくるかと思いますけれども、残り3週間のお盆明け国会、政府としての立場、あるいは内閣委員会所管の大臣としての立場、あくまでも希望として、国会に是非成立させてほしい法案、どうなりますでしょうか。
(答)内閣として国会に出している法案は、全て成立させていただきたいというふうに考えています。ただ、具体的にどういう優先順位を付けるかというのは、これは国対等の話になりますので、あまりこちらから私としてはこれが大事だとか、そういう気持ちはありますけれども、他の大臣もおられるわけだし、最終的にはそれは国対での優先順位付けがありますので、あまり申し上げることは適切ではないと。
ただ、先程言いましたように独法とか特会は行革の非常に重要な柱でありますので、是非お願いしたいというふうには考えております。
それから、先程のお話に関して言うと、今日も閣議、閣僚懇でも申し上げたのですが、行政事業レビュー、しっかりと各大臣が見直していただきたいということを申し上げたときに、やはり予算の全体の組替えというのは、我々が政権交代したときからの思いであり、約束であるので、そういう認識の上で、各大臣に所管する予算についての見直しをしっかりとやっていただきたいというふうにお願いしたところであります。
10%カットだとか、そういう一律ではなくて、各省庁の中ではそれは当然なくなるものもあっていいし、半分になるものもあっていいわけですから、そういうことについてしっかり作業していただきたいというふうにお願いをいたしました。
(問)朝日新聞の河口です。定員の関係で、今日、確か川端大臣の会見で、岡田副総理の御発言が紹介されたと思いますが、それで消費税に関する触れられて、この意義というのを御説明になった部分があったかと思いますが、その辺りどういうような表現を使ったのですか。
(答)消費税、それは社会保障・税一体改革、これを実現していく中で、当然まず身を切る努力というのが求められると、そういう趣旨で申し上げることになっておりましたが、そこの部分をちょっと私、用意したとおりに読んでおりませんので、ちょっと川端さんが誤解されたかもしれません。
私は税・社会保障一体改革が成立したからというよりも、もう少し大きな流れの中で、政府そのものを不要なものについてはスリム化していくと、重要なものに集中していくと、そういう中で、定員についても純減ということを考えていかなければいけないということを申し上げたものです。
(問)FACTAの宮嶋ですけれども、一体改革法案を通されて、お盆を超えてですね、政治家としてどれぐらい達成感というのですか、今どういうふうに感じて、その達成感というのを。
それで、今、公務員の話が出ましたけれども、一代議士というか、政治家としては、何が何でもこの終盤の国会で、国会議員の身を切るというのですか、数を減らすというようなことをやらないと、つじつまが合ってないのではないかというようなお考えを持っておられるのか、これだけの消費税を通したわけですから、果たして国会、これは政府が出している法案ではないでしょうけれども、そういう問題について、国会議員として、先程、法案に優先順位はないとおっしゃっていましたけれども、気持ちとしましてはどういうふうにお考えになっているのか、その達成感とこの次何をやるかということについて、今お考えを伺いたいのですけれども。
(答)まず、公務員というか、政治改革、定数是正及び削減の話は、私個人の思いはいろいろありますが、基本的には国会のことだということですので、各党間でよく話し合っていただきたいというふうに思います。ただ最高裁も具体的に憲法違反の疑いということをかなり強く指摘をしておりますので、これは定数削減というよりは定数是正のほうですけれども、しっかりとした対応を今国会でやっていただきたいというふうに思います。そうでないと、民主主義というものに対する国民の疑念が高まることになるという危機感を持って、しっかりと対応していくべき問題だというふうに考えています。
社会保障・税一体改革は法案は通りました。そういう意味では、ほっとしている部分がございます。ただ、転嫁対策や逆進性対策、そして国民会議の立ち上げなど、課題は多いので、あまり喜ぶのではなくて、しっかりと対応できるように、これから進めて行かなければいけないというふうに思っています。
(以上)