副総理としての定例記者会見(平成24年9月14日)
岡田副総理記者会見要旨 平成24年9月14日
(平成24年9月14日(金) 17:29~18:15 於:合同庁舎4号館1階108会議室)
1.発言要旨
私としては、2点申し上げます。
まず、今朝方の第9回行革実行本部。既にメディアが入られたところで私も申し上げたところでありますが、まず「独立行政法人都市再生機構の在り方に関する調査会」の結果について御議論いただき、そしてその上で、この報告書に基づいて国交省が中心となり、行革実施部局の十分な支援の下で、関係部局の協力を得つつ、平成25年度中の法案提出を目指し、所要の制度的対応を図ることとしたと、そういうふうに決定をいただいたところであります。
それから、特殊法人等、あるいは独立行政法人の給与水準につきましては、ここでも以前申し上げたこともありますが、120を超えるものが8法人、110を超えるものもたくさんあるという中で、もちろん、ラスパイレスが100を超えているから、直ちに問題だということではなくて、そこは例えば研究職の方が多いとか、医師が多いとか、いろいろな事情がある場合もあります。したがって、そういうことも含めて、各大臣にしっかりと精査をしていただきたいということを申し上げました。
以前から、何年もこの独法や特殊法人等のラスパイレスの高さは問題になり、そしてそれは各省でしっかりと対応するということになっておりますが、現実には十分とは言いがたいということで、今回、改めて行革実行本部でお願いをさせていただいたところであります。今後、きちんとフォローしていきたいというふうに考えております。
それから、行政事業レビューに関する報告につきましても、4,500億円と、反映額がですね、いうふうになったということは、総理からもお話をいただいたところです。その上で、これから前回お話ししましたように、9月10日から1か月間、国民の皆さんからも御意見をいただくということになっております。
そういったものを踏まえて、まずは行政刷新会議事務局において、各府省の点検が十分なものになっているかどうかチェックをするということであります。そして、見直しが不十分と判断されるものについては、各府省や査定当局に通告を行うと。そのことにプラスして、特に問題がある事業があれば、行政刷新会議本体で取扱いを判断し、年末の概算決定に確実に反映させていくという二段構えで、事務局で国民の声も踏まえて通告するという話と、それでも足らざれば行政刷新会議で取り上げて、ここには総理も財務大臣も私も入っておりますが、しっかりと指摘を行って、年末の概算要求に反映をさせていくと、こういう流れで進めていきたいと考えております。
それから、平成25年の定員につきまして、これまでの規模を大幅に上回る純減を目指していく必要があるというふうに発言をしたところであります。総務大臣からも、担当大臣として増員の抑制や様々な方策により、最大限努力をして取り組みたいと、各大臣にも協力をお願いするという発言がございました。
若干、担当大臣のほうから、なかなか簡単ではないという趣旨の御発言もいただきましたが、もちろんこれは一律ではなくて、その中身を見て、そして判断していくことであるということと、それから、こういうところは減らせませんということではなくて、こういうところは減らせますということも、併せてしっかり大臣の責任で検討してもらいたいと、減らさせ、減らせませんでは、それは何のために我々人件費2割削減と言ったのかということになるわけですから、しっかりとやってもらいたいということを改めて申し上げたところであります。
ただし、再来年度についてはいろいろ難しい状況もありますので、今回はこれまでの規模を大幅に上回る純減を目指すというのは、来年度に関するもので、再来年度は61歳定年になるという、そこで増える部分もあります。それに対して、早期退職とかのための退職金の割り増しとか、いろいろな制度的な対応も併せて、今、具体化に向けて検討しておりますが、そういうところについては、もうちょっと時間を置かないと、再来年のことについては、今、見通しを立てるのは難しいということで、今回来年度について申し上げたところであります。
以上が行革実行本部で、今回第9回ということで、一つずつ前に進めることができているのかなというふうに思っております。
2番目はエネルギー・環境戦略の取りまとめであります。
先程、エネ環会議を開いてまとまりました。古川大臣が担当大臣として記者会見もされておりますので、私から特に加えることはございません。また後ほど御質問があればというふうに思います。
ただ、我々、原発に依存しない社会の一日も早い実現ということを目指すというふうに決めましたが、目指していく上で様々な問題がここに横たわるということで、例えば再処理を担っていただいている青森、あるいはその他の立地自治体の今までの御協力、そして今までのいろいろな経緯もあるわけで、そういったことと整合的に物事を進めていかなければいけない。
他方で、国際社会における立場にかんがみれば、核の不拡散始め、数々の国際的要請にもきちんと答えを出していく必要があるという、そういう中で、この困難な課題にしっかりと取り組んでいかなければならないというふうに思います。数多くの関係者とともに、問題に誠実に向き合って解決を図っていくことだと考えております。
そして、エネルギー戦略を決めるに当たっては、エネルギー構成を左右する国際的なエネルギー情勢などの将来展望を全て確定的に今、見通すということは、これはできないわけでありますので、エネルギー戦略を決めるに当たっては、謙虚な姿勢で臨み、戦略を確かな方向性を持って、刻一刻と変わる状況に対応できる柔軟性等を併せ持ったものにしなくてはならないというふうに考えているところでございます。
こういった非常に困難な問題に正面から取り組んでいるということについて、国民の皆さんに御理解いただき、そして一緒になって、原発に依存しない社会の実現に向けて努力していく、そのことについてお互い考え方を共有できればというふうに思っております。
私から以上です。
2.質疑応答
(問)【行政改革実行本部関連】
NHKの田村です。行革実行本部のうち、行政事業レビューの検証結果のことでお伺いしたいのですが、今回削減額4,500億円という数字について、評価ですとか、今後ですね来年度以降の予算編成でもこの手法はやはり有効というふうに、今回やって感じたかどうか、その点をお伺いできますでしょうか。
(答)今回やって有効かどうかという答えは、これから出るのですね。今、各省庁の出してきたものを整理して4,500億ということですが、これから更に精査しなければいけないというふうに考えております。
4,500億という数字は、昨年と同じ程度ということですが、初年度程の額ではないのですね。これは今まで何回繰り返していたことで、かなりそういう意味で無駄なものが排除されてきた結果ではないかというふうに思っています。
基本的には、まず各省庁自らやってもらう、一部公開プロセスも含めてではありますが、そしてそれを行政刷新会議事務局がきちんと国民の声も踏まえながらチェックをしていく、それで足らざるところは行政刷新会議本体で問題提起をして、きちっと方向性を出していくと、そういう一つの流れができつつあるのかなというふうに思っています。
行政刷新会議で取り上げても、それがまた年末の予算査定でころころ変わるようでは、これまた意味がありませんので、取り上げて指摘をした以上は、それがきちんと貫徹されるということも重要なことではないかと思っています。
(問)読売新聞の有光です。13年度の国家公務員の定員についてなのですけれども、これまでの規模を大幅に上回る純減といって、過去3年ぐらいで4,500人で、毎年平均すると1,500人なのですけれども、幅で見ると2,000人近くから1,200人ぐらいのところまで、ちょっと幅があるのですが、今回目指すところというのは、2,000人ぐらいを超えるような規模を目指すという理解でよろしいのでしょうか。
(答)平均1,500ですから、その1,500に対して、1,500がこれまで、というふうにお考えいただければいいと思います。だから、これまでを大幅に上回るという、そういうそれがどのぐらいなのかと言われると、それは具体的にやってみないと、今から数字まずありきではないということは御理解いただきたいと思います。
(問)日経新聞の辻と申します。特殊法人や独立行政法人の給与水準のお話でお聞きしたいのですけれども、今日の読売新聞にラスパイレス指数が高い法人については、10月めどに改善策をまとめることを求めるというふうに、そういう記事もあったのですけれども、事実関係のほうは教えていただけますでしょうか。
(答)読売だと思いますが、確か120を超える8法人ということで書かれていましたが、別に120を超えるものに限るつもりはありません。ただ、今までもいろいろ精査もしてもらっていますので、例えば110以上とか、幾つか限って、集中的に、全体を各省庁見直してもらうのですが、行政改革実行本部事務局としては、そのうちの一定範囲のものについて、特に精査したいと、そういうふうに考えているところであります。
期限は10月半ばでしたよね。10月中旬をめどに、各省庁から検討を再度精査していただいた結果を出していただいて、しっかりと私自身も含めてお話を聞かせていただいて、合理性があるのかないのかと、確認していきたいと思います。
ただ、最後はこれですね、労使交渉で決まるのですね。そういうことは踏まえながら、しかし説明できないようなものについては、それは如何なものかということになるわけです。特殊法人等や独法でも、自分で稼いでやっているものと、税金でやっている部分とありますから、その辺いろいろな事情がありますので、そういうものをきちっと踏まえた上で、少なくとも税金でやっている部分については、国家公務員とのバランスということは、当然考えるべきだというふうに思っています。
(問)月刊誌のFACTAの宮嶋ですけれども、今の特殊法人、独法の役員の水準なのですけれども、役職員の水準ですね。これは民主党が始まったときに天下りを撲滅ですかね、そういう流れから3年たって、もう検証もずっとやっていて、いまだに130とか、これは結果的にあとどこまで下げるとか、数字も示さないし、元々労使という問題はあったわけですけれどもね、だけれども結局この3年を振り返って、果たしてその役職、こういう問題について、民主党は本当に取り組んできたのかなというのが僕ら正直なところなのですけれども、あまりにひどいのではないかと思うのですけれども、いまだに130とか、どこまで下げなくてはいけないということを具体的に副総理としては、主務大臣におっしゃったり、要求するようなお考えはないのでしょうか。
(答)まず今、宮嶋さん言われた中で、天下りの話をされましたけれども、その話と給与水準の話はちょっと別の問題ですね。
そして、天下りの話は、今度出している独法の改革法案、これは残念ながら審議されなかったのですけれども、その中では役員を公募にするというふうにしてあるのですね。現実に今も公務員が天下りといいますか、公務員経験者が役員やっていたその後は公募にするという運用を今やってきていまして、実は公務員経験者の役員の数というのは、確か5分の1ぐらい減っているのです、この3年間で。そういう詳しい具体的な数字はまた後で申し上げますが、そういう成果は上がっております。
ラスパイレスの話というのは、むしろ役員の給与水準というよりは、ボリュームが大きいのは職員のほうですから、全体として高いという話なのですね。それに対して、先程言いましたように、例えばお医者さんが多いとか、研究職が多いとか、そういう場合というのは、それなりに合理性もあるわけですけれども、果たして合理性があるのかないのか、そういうことについて、しっかりと精査をする必要があるということで、各省庁、今までやってきたはずなのですが、相変わらずまだ高いものですから、今回、厳しく精査をしようというふうに思っているところです。
前回も申し上げましたが、例えば金融機関で、政府系金融機関。「いやいや民間のメガバンクや地銀の上位行と比べると決して高くありません」というようなお話もあるのですが、国家公務員のほうは50人以上で今や比較しているのですね、50人以上の企業と。それを銀行だけは大手と比較しているというのは、果たして合理性があるのかと、こういう問題もありますよね。
あるいは独法の中で非常に厳しい経営状況のものが何かラスパイレスを見ると110を超えているとか、そういったことについては正していかなければいけないというふうに思っております。
(問)朝日新聞の河口です。国家公務員の定員の関係でお尋ねします。
この間、確か各省庁の定員要求というのが出ていたかと思いますが、今回、確か復興のようなものは、別枠での要求と言いますか、臨時的なと言いますか、時限的な要求というのは別になっているかと思うのですが、これはあえて今回別にされた。要するに数字上前回とは仕分けの仕方が違っていて、非常に分かりにくいのですけれども、時限的な定員というものを別にした理由というのは、どの辺にあるのか、教えていただけますか。
(答)これは復興特会もできて、期限を限って仕事が増えるわけですから、期限を限って人を増やすということは合理性があるのですね。逆に、それは期限を限っておりますので、その期限が来たらそれはへっこむ。そういう意味で時限的なものして別枠にしてあるということです。
これだけの東日本大震災があって、人はどこも足らないわけですけれども、ある程度の手当というのは、それはせざるを得ないというふうに思います。それがずっと、永続になってはいけないということで、分けてあるというふうにお考えいただきたいと思います。
(問)共同通信の関といいます。先程の副総理の発言の細かい確認なのですが、総務大臣の発言の後の御紹介の中で、「簡単ではない」という発言もあったということの、その主語が「担当大臣」とおっしゃったのでしょうか。ちょっと、どなたがそういう発言をされたかということを、どういう紹介をされたのか、もう一度確認を……
(答)誰がどう言ったかということは言わないことになっていますので申し上げませんが、自分の省庁については、なかなか仕事の内容からして厳しいと、簡単ではないと、やらないとは言っておられないです。厳しいと、そういうところは配慮してもらいたいという発言が、複数の閣僚からあったということです。
それに対して私は、その省庁全体の話ではないでしょうと、それは。一部はそういう部分もあるかもしれないけれども、では、ほかのところは減らさないのかということも含めて、きちっと検討してもらいたいというふうに申し上げたところです。
先程の独法の公務員OBの役員の話は、平成20年10月に189名、平成23年10月、つまり3年後ですが45名ということで、これは明らかに減っているのですね。
(問)(月刊誌FACTA・宮嶋氏)行政事業レビューについては、やはり新しい取組だったと思うので分かりやすくなったと思うのですけれども、もちろん役所の中で、取組が前向きだったところと、やはり後ろ向きだったところがあるのではないかと思うのですけれど。そういうものについて、ある種の総合調整と言うのでしょうか、行革担当大臣としては、やはり役所に競争してもらわないと、なかなかこれは進んでいかないと思うのですけれども、“あめとむち”ではないですけれども、今回の行政レビューでだめだったところは別にいいですけれども、ここは例えばこんなによくやってくれたというのがあれば、そういうのがあれば少し御紹介いただけたらと思うのですけれども。具体的に、みんなが同じレベルでやってくれたかどうかはすごく疑問だと思うのですけれども、その辺についての評価を伺いたい。
(答)それは一概にはなかなか難しいですが、それからまだ具体的なその精査はこれからなのですね。各省庁でまずやってもらった段階、公開プロセスは別ですよ。それ以外のものについては各省庁で自らやっていただいた段階があって、それを足し合わせると4,500億円ということなのですが、これを今から刷新会議事務局のほうでもう一回精査をして、省庁横断的にも見なければいけません。そういったことをきちんとやって、そして結果が反映されるように、省庁に対しても査定当局に対しても指摘をしていくという作業はこれからです。
(問)【エネルギー・環境会議関連】
朝日新聞の河口です。本日も官邸の前では、デモといいますか、活動が行われていますが、今回、エネルギー・環境戦略の取りまとめを行ったことで、副総理としては、そういった脱原発を求める世論というのに一定の理解を得られるというふうにお考えになりますでしょうか、御自身の御感想として。
(答)まず再稼働そのものがだめだというお考えについては、今回の決定は、再稼働については新しく規制委員会がスタートしましたので、そこの基準に基づいて、そこで判断してもらうと。しかし、そういった安全性をきちんとクリアできたものについては、それは重要な電源として考えると、こういう整理をしたわけです。そういう考え方に、あくまでも反対、つまり必ず再稼働すべきではないという、そういう御意見に対しては必ずしも意見は一致していないということになると思います。
しかし、我々としては、原発に依存しない社会ということで、それを一日も早く実現するということで今回の決定をしたということですので、その基本的考え方、三原則を明示をして進めていくということについて、多くの方々の是非、御理解をいただきたいというふうに思っています。
あわせて、しかし、そこに至る道にはまだまだ困難はたくさんありますので、そういうものを一つ一つ、これからクリアしていかなければいけないと、そういう非常に大変な道のりであるということも、併せて御理解いただければと思います。
(問)NHKの田村です。エネルギーの今回の戦略を巡っては、経済界のほうで、かなり反対する意見ですとか、見直しを求める声が早くも上がっているわけですが、先程、副総理、原発に依存しない社会を実現するための努力を共有できればと、国民に広くとおっしゃっていましたが、経済界に対して、今後どのように理解を求めていく必要があるというふうにお考えでしょうか。
(答)経済界にもいろいろな御意見はあると思います。これから国家戦略会議を開催することになれば、恐らく経団連会長や同友会会長からも、いろいろな意見が出るのではないかというふうに思います。
ただ、我々としては、やはり原発に依存しない社会に一日も早い実現ということをまず掲げて、そして、そこにスムーズに移行するためにはどうしたらいいかということで発想していますので、最終的に原発を続けていくと、ずっと続けていくという考え方とは、残念ながら一致しない部分はある。そこは丁寧にお互い理解を深めていくしかないのだろうと思います。
もちろん、国民の皆さんにも、例えば電力の価格が上がる可能性とか、それから自然エネルギーが順調に増えていけばいいですが、そうならないときどうなるかとか、地球温暖化との関係、石油やガスに依存することで地球温暖化の関係とか、あるいは中東依存度が高まるとか、様々な問題がある中で、我々、今回の決定を行ったのだということを広く国民の皆さんにも御理解いただきたいというふうに思っています。
(問)共同通信の関と申します。副総理御自身もおっしゃったように、打ち出したメッセージの一方で、現実的な課題として、再処理の問題であるとか最終処分の関係であるとかという、困難な課題というのは非常に多いと思うのですけれども、今回の議論の中で副総理御自身が、最終的な策定に当たって議論で重視したところというのは一番どこに当たりますでしょうか。
(答)なかなか難しい御質問ですね。やはり原子力エネルギーの話は、いろいろな難しい問題が、そもそもあったというか、あるいは解決しないままずっとやってきた、最終処分場の確保などはその典型で、いつかはこれ、きちっと解決しなければいけないわけですが、それを解決しないまま今日まで来て、いよいよその問題の難しさ、重要さということがあらわになってきたということだと思うのです。
そういう意味では、過去の原子力エネルギーの様々な問題の総決算を、ある意味では迫られているわけで、それは一遍にはできないですね。一つ一つ議論を積み重ねて解決していくしかないと。そこのもどかしさというか難しさというか、そこはやはり国民全体で共有していただかないと、あまりスパッと割り切れる議論というのは、総理は「二項対立」というふうに言っておられましたが、そういう議論では、これは答えはなかなか見出せないのではないかというふうに思います。
(問)先程、後段で柔軟性を持ったものにしなければならないというお話で、一方で掲げた理想と現実のアプローチがスパッと真っすぐな道として示されなくて、果たしてそれは本当に2030年代というところに結果としてつながるのだろうかという、今回の議論の経過も、最終的にいろいろな立地自治体の問題であるとか、青森の問題であるとかというのは最後になって出てきた形になっていて、そこに対する国民の不安というのは非常に大きいと思うのですけれども、現実的な解決策が果たしてきちっとしたゴールにつながるのかどうかという、国民の不安に副総理としてはどのようにお答えになりますか。
(答)そもそも、そういう難しい問題なのです。ですから、スパッと割り切れるような問題ではないのですね。だけれども、我々としては、原発に依存しない社会を実現するという目標を掲げて、その目標の下で現実の問題を一つ一つ解決していこうと、そういうアプローチを取っているわけです。
スパッといろいろな、一直線で目標に向かって進めるなら、それはいいですが、現実はそういうことはないので、いろいろと苦しみながら、その目標の実現のために努力しているということも求められているのだというふうに思います。
(問)FACTAの宮嶋です。副総理おっしゃるように、エネルギーの問題は非常に難しいというふうなのは全くそうだと思うのですが、県のレベルでは、これから県民投票ですとか、そういうのを求めるような動きもありますけれども、その国民の意識というのを集約するためにですね、国民投票という人もいるのですけれども、今のような政治状況の中で、本当に何をもって30年とか、脱原発だという議論がなかなか煮詰まらない。こういうのは、ある意味で御見識として、どういう形で国民の意識を、なかなか交わらないものをやっていく方法があると、スウェーデンとか、いろいろ試みがあるところもあるのですけれども、そういう問題について閣議で議論になったり、岡田副総理として何かお考えがあれば伺いたいのですけれども。
(答)これはいろんな国が悩んでいる問題ですね。特に民主主義国家であれば、様々な意見がある。ましては、日本の場合には、福島の第一原発の事故をつい最近経験したわけで、それに現在も多くの方々が苦しんでいるわけですから。そういう中で、非常に難しい問題に直面している。苦渋の決断として、我々は脱原発依存ということを決めたということです。
しかし、そこに至るまでの道もこれまた険しいわけで、なかなか住民投票とか、そういうことで結論だけは決まるかもしれませんが、その結論に向かって、どうやって進んでいくかというところで、同じ問題に直面するわけです。目標はきちっと我々合意した上で、その間一つずつ進めていくというアプローチしか取り得ないのだというふうに思います。
この報告書の中にも謙虚さという言葉もあるのですけれども、やはりこれだけ大きな決断、今までやってきたことをある意味では変えるということですから、いろんな要素を考えながら、こういう結論になった。そこに今後のことも含めて謙虚さというのが求められるということだと思います。
(問)日経新聞の辻と申します。エネ環戦略についてなのですけれども。先程、戦略のブリーフィングも聞いてきたのですけれども、例えば、青森県などとの関係、調整などについて、今後、議論していくこともあるというふうに、今後の課題というところで、また議論していく、調整すべきところがまだたくさんあるみたいなお答え、お話が聞かれたのですけれども、それ以外にも、例えばグリーン政策大綱ですか、これ年末ぐらいにまとめると思うのですが、そういったまだまだ議論すべきところがたくさんあって、そういうのが出そろってから、こういう戦略をまとめてもよかったのではないのかなというふうに個人的には思うのですが、今このタイミングで決められることについては、副総理は妥当なタイミングだとお考えになられているのか、教えていただきたい。
(答)いろいろ出そろったらと言いますが、大きな方向性がなければ、そういうことが決まってこないのですね。ですから、その大きな方向性について今回出したということです。その方向性に沿って、例えば、青森県やその他の原発立地県などとも話をするということですから、何もないまま話をしても、それは結論が出ないというふうに思っています。
(問)【その他】
フリーランスの安積です。副総理は外相時代に、確か夏に夜アイスクリームをよく召し上がっていたという記者会見のときのお答えがあったわけなのですけれども、そのときに「白くま」などがお好みだということだったのですけれども、ダイエットなどもその後にされたということで、今、アイスクリーム、この夏、結構暑かったのですけれども、アイスクリームなど結構召し上がったのでしょうか。
(答)食べておりません。週に1回くらいだと思いますけど、我慢していました。
(問)それで最近ガリガリ君のコーンポタージュ味というのが出まして、これがすごく売れまして、売れ過ぎて製造が追いつかなくて発売が中断になったのがニュースに出まして、そのニュースに出た当日に議員会館の地下のコンビニでなぜかガリガリ君のコーンポタージュ味が大量に置いてあったので、結構、記者さんたちが食べたのですけれども、副総理は召し上がりましたか。
(答)食べておりません。何が聞きたかったのですか。
個別の商品名は挙げないほうがいいかもしれません。「白くま君」というのは商品名ではないですからね。鹿児島に行くと、ああいうかき氷とフルーツを混ぜたものを白くま君と基本的には言っていて。
(問)それは「白くま」でしょう。「白くま君」になると。
(答)「君」になるとね。失礼しました。
(問)朝日新聞の河口です。本日から自民党の総裁選が始まりましたけれども、この顔ぶれを見てどのように思われるかという点と、かなり自民党の総裁選においても、3党合意については、やはりこのねじれ国会続く中で継続していくことになるというような表明をされる候補が多いのですが、この辺りどなたが総裁になるかは別として、3党合意について、どのように取扱をしていって欲しいと期待なさるかという点についてお願いします。
(答)他党の総裁選挙ですから、あまりコメントはすべきではないというふうに思います。
ただ、社会保障・税一体改革担当大臣として申し上げれば、やはり一部には、総選挙が終わってからだという声もありましたが、やはり両党のトップが決まった段階で、公明党も含めて、国民会議の早期の立ち上げということに着手してもらいたいというふうに思います。
考えてみれば、来年の夏には参議院選挙がありますので、実は国民会議で議論できる期間というのは、そう長くないわけで、選挙の後といったら、「近いうちに」かもしれませんが、いつになるか、はっきりしないわけですから、是非、9月末ぐらいには国民会議がしっかり立ち上がるということを期待したいし、国民会議だけではなくて、3党間の議論というものも、転嫁対策とか、あるいは逆進性対策も含めて、しっかりとできればというふうに強く期待をしております。各候補者がそういう問題についてどうお考えがあるのか、知りたい、そういう気はしています。
もう一つ、前回も言ったのですが、特例公債法についてどう考えるのかということも是非、お話しいただきたいなというふうに思っています。
自民党の総裁になるということは、選挙の結果如何によっては総理大臣になるわけですから。我々は、そういうことは望みませんが、どちらが政権与党になったとしても、特例公債法の問題で毎年毎年ギクシャクすると、国会が動かないという状況は望ましくないことは明らかなので、こういう時期にしっかりと、どちらが与党になり野党になったとしても、こういうことを政局に使わないということがきちっと約束できれば、私、日本の政治にとって良いことだというふうに思っています。
(問)フリーランスの安積です。総裁選が始まりまして、代表選も今行われているわけなのですけれども、総裁選が結構都内での街宣とか、あとは外国特派員協会での討論会とか、あと全国各地での街宣とか、結構いろんなところで行われているわけですけれども、片や民主党の代表選のほうは、地方のほうの公開討論会は2回、大阪と、それから、福岡だったと思います。
特に、福岡のほうは17日に行われていて、福岡の投票権者がそれを見て投票するのだったら18日必着の郵送には全然間に合わない、一体何のために17日にわざわざ福岡でやるのかというような疑問もあります。
それから、テレビのほうとか、そういったところにもあまり候補者が出ていないような状況なのですけれども、いまいち盛り上がっていないような感じなのですが、それは露出等が少ないということなんだと思うのですけれども、このことについて岡田さんはどういうふうにお考えでしょうか。
(答)これは党の選対で決めていることですから、私が何かコメントするのは如何かというふうには思います。
もう一つは、現職の総理大臣が、四人のうちの一人ですから、今のこの大変な状況の中で、さっきのエネルギーの話もそうだし、中国の尖閣の問題もそうだし、いろんな大きな課題が今ある中で十分に時間取れないということも影響しているのかなというふうに思います。
ただ、できればもう少し国民の目に留まるような、そういった議論の機会というのはあってもいいのではないかなと、個人的にはそう思います。それができないからこういうことになっているのだと思いますけれども。
(問)日経の川田と申します。特例公債法についてなのですけれども、特例公債法を駆け引きの材料にしなくなるということにつきましては、これから下野する可能性もある民主党さん側からそういうことが出るということには、すごく意義があると思うのですが、そのことについてもう少し補足いただければと思いますのと、あと、具体的に予算案と予算関連法案を例えば一体で処理する仕組みづくりですとか、具体的にどうすれば、予算関連法案が人質にならずに政治が動くようになるのか、ちょっと具体案について、もしアイディアがありましたらお願いしたいのですが。
(答)我々野党のときも、特例公債法を人質にとるということは、基本的にはやっていないはずなのです。これは今の政権交代後に基本的には受けていることではないかと思います。
だからこそ、こういうことはお互いやめたほうがいいということを確認すべきではないかと。別に我々は野党になることを予定しているから、それで価値があるということではありません。しかし、まだ選挙の前ですから、選挙が終わった後で、与党になったほうが、そういうことを言ったとしても、ひょっとすると今と変わらないかもしれないということです。
それから、予算関連法案と特例公債法は、同じには論じられないと思います。やはりいくら予算関連法であっても、法律については、基本的にこれは衆参が同じだけの権限を認められているわけですから、予算関連だといって、すべて衆議院が優越するような、そこにいくには、少しのまだ道のりがあるのだと思います。不可能ではないと思いますが、道のりがあると、しかし、特例公債法については、別に今の財政法を変えればいいだけの話でありますので、あるいは特例公債法というのを毎年、毎年ではなくて、当分の間、特例公債が発行できると、そういう法律を野党と同意して通してしまえばいいわけですから、少なくともそれだけでもできないかなということです。
(以上)