副総理としての定例記者会見(平成24年9月28日)
岡田副総理記者会見要旨 平成24年9月28日
(平成24年9月28日(金) 15:00~15:35 於:合同庁舎4号館1階108会議室)
1.発言要旨
私からは冒頭、1件。
今朝の閣僚懇で、公益法人向け支出の点検結果について御報告をいたしました。これは、国または独立行政法人から公益法人に対する支出について、シロアリとか、そういう話もありますが、別に中身が全部悪いわけではないのですが、その透明性、適正化を図るために、本年6月の行革実行本部で決定した支出の公表・点検の方針に基づいて、毎年度、二つのことをやるということにしているわけであります。
第1点は、支出の全体像を公表すると。第2点は、1件当たり1,000万円以上の支出や1者応札など競争性の確保が十分でないと考えられる支出などについて、各府省等が自ら必要性あるいは競争性などについて点検・見直しを行うというものであります。
今回は、見直しのほうですね。各府省等で実施した平成23年度の支出に対する点検・見直しの結果を公表したものであります。お配りした資料にもありますように、全体、国が4,449件、独法2,243件、合計6,692件のうち、約1割に当たる654件の事業を廃止・終了いたしました。
なお、このことによって、おおむね470億円の支出を削減するということになります。
その他、2,223件について、入札参加要件の緩和など競争性を向上させるための見直し措置を講ずることにしております。
以上について、第三者のチェックということも重要ですので、本日から内閣府のホームページにおいてこれを公表し、国民の皆さんからも更に御意見をいただくということにしているところであります。私からは、各大臣に対して、それぞれの結果についてもきちんとフィードバックするので、それを踏まえて更に問題がないどうか、よく検討してもらいたいということを申し上げたところであります。
なお、全体像の公表につきましては、これは非常にすべての国からの支出について、つまり、公益法人に行っている支出についての全体像でありますので、若干時間がかかっております。できた府省から、順次公表していくということを考えておりますが、全府省分がまとまり次第、内閣官房、内閣府から集計して公表するということにしております。
こういったことを行うことによって、いろいろと言われる、もちろん重要な役割を果たしているわけですが、同時にいろいろな御指摘のある公益法人について、国からどのぐらいのお金がどういうところに行っているのかということが一覧できるということであり、特にそのうち1,000万円以上、あるいは内容的に問題がある可能性があるというものについては、各府省でしっかりとこれをチェックして、今回、その結果として約470億円の支出の削減がなされたということでございます。
これをマニフェストで、こういった公益法人にいろいろな問題がある、無駄があるのではないかと。そういうものを徹底して見直すということをお約束しておりましたので、その一環として、膨大な作業ではありましたが、各府省に御努力いただいて、今日、そのうちの1,000万円以上、その他のものについて、こういう形で公表できることになったというものであります。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)【公益法人向け支出の点検結果関連】
朝日新聞の河口です。1点、確認させていただきたいのですが、事業自体の見直しのところで、先程、数字でおおむね470億円の支出削減ということでいらっしゃったかと思うのですが、これは全体の数のうち、廃止・終了の分だけを計算するということですか。
(答)そうです。そういうことです。
(問)そうすると、見直し分というのは、まだ出ていないということですか。
(答)縮減ということですね。そういうことについては、今、出しておりません。これは、なかなか数え方が難しいところもあります。別の要因で増えたりもしたりしますので、どこまでが縮減と言い得るかというのは、なかなか客観的に出し難いというところもあって、分かり易い完全になくなったものについて、今回お出しをしたということであります。もちろん、なくしたけれども、違う名前でよく似たものが新たに出ているとか、そういうことが100%ないとは言い切れませんので、そういう意味でこれをさらして、国民の皆さんにチェックしていただくということも、併せて行っているところであります。
(問)共同通信の関と申します。何点かお願いします。
まず、細かいところなのですが、一つは、この見直しの件数は、これ、それぞれ延べではなくて単独の件数と見てよろしいのでしょうか。
(答)見直しの件数って……。
(問)事業自体の見直しをした上で、入札プロセスも見直している、例えば支払いがあるのかどうかという点でいくと……
(答)これは、ダブりは当然あります。
(問)これは、延べということでよろしいのですか。
(答)はい。ですから、国の部分は4,449件ですから、見直し、つまり廃止・縮小が2,273件、約半分ですね。そして、入札プロセスにおける競争性の向上など1,874件、これはダブりが当然あります。
(問)分かりました。その上で、まだざっとしか見ていないのですけれども、一覧を見ると、例えばですが、これまで随契だったものを一般競争入札に改めましたという、その見直しになっている事業というか支出は、実質、応札したのが1者になっていて、落札率が97%、98%という、随契と何が、実質的には変わらないのではないかというような結果が示されていて、それが見直しというふうに評価されているものも割と多く見受けられるのですけれども、岡田総理は全体を御覧になって、この見直しを実質的な見直しというふうに評価していらっしゃるのかどうかをお願いします。
(答)今おっしゃったような事実が明らかになることが、意味があるわけです。それは、一生懸命やったけれども、結局、1者応札だったという説明ですが、果たしてそれがどうなのか、適切なのかどうかということを国民からもおっしゃっていただくし、あるいは各府省、あるいは内閣も、引き続ききちっと見ていくということです。一遍にこれを全部見て細かくチェックするというのは、事実上、非常に難しい。人手も非常に要りますし、事務当局はふらふらになっているのですが、今。
ですから、こういうものをきちっとさらして、国民の目にさらして、そして問題があるものからきちっと更に精査していくと、そのきっかけになり得るものだと。単に1割減りましたというだけではなくて、四百何十億円減りましたというだけではなくて、更に深掘りをするためにも明らかにした、公開をしたというふうに受け止めていただきたいと思います。
(問)その上で、もう1点。この公益法人の話は、去年からもこういう指摘が、去年の蓮舫大臣のときも指摘がされていたように記憶しているのですけれども、いわゆる省庁で見直しを求めていても、あるいは刷新会議が見直しするように勧告的なもので対応したとしても、実質的にそれが修正されないという問題点というのは、恐らく去年の状態からあまり変わっていないのではないかと思うのですが、問題点がさらされた上で、最終的にこれがいわゆる支出の削減なり、実質スリムな支出、本当に必要なものの支出に限定していくというようなところに見直されていくために、あと何か一歩足りないような気がするのですが、そこは何が必要かということをお聞かせいただけますか。
(答)もちろん、これは国民の目で見ていただくということが一つありますね。国民の目といっても、一般の国民の目もありますが、近いところで見る方々から、是非、御指摘いただきたいと。「こういうふうにやっているけど、実はこうなのだ」というような御指摘もいただきたいと思うのですね。あと、もちろん今回、各府省で見て、内閣府、行政刷新のところもこれをしっかり見たわけですけれども、私は同時に党にも重要な役割を果たしていただきたいというふうに思います。今回公表したものについて、党のほうでも精査をしていただきたいというふうに考えております。そういうものを積み上げていくことによって、次第に物事は改善していくということだと思います。
誰が見てもおかしなものというのは、かなりもう排除されていると思いますが、必要性がどこまであるのかというような問題というのはたくさんあると思うのですね。ですから、そういうものについては、ある程度、中身にわたる政策論のようなことも必要になってきます。そういうものを、きちんとこれから積み上げていくということだと思っております。
第一陣としては、しかし、これだけ廃止、ないしは全体で470億円の廃止・終了が確保できたということは、大きな成果だというふうに思います。これをスタートに、更に積み上げていくということです。
(問)【その他】
(TBS・鳥山記者)国民会議について伺います。
今日、自民党の人事が固まってきましたが、野田総理は先程、民主党の人事、来週早々にもという話をしていました。民主党の人事が固まった後で、国民会議、動き出すための呼びかけを自民党側にしていくという認識でよろしいのでしょうか。
(答)野田さんがおっしゃったのは、民主党の人事というのは政務も含めてという、そういう趣旨でおっしゃったのだと思います、党だけではなくてですね。
いずれにしても、陣容が固まったところで、どこかの早い段階で党首会談ということになるのだろうと思っています。
(問)朝日新聞の河口です。今の関連になりますが、自民党のほうは石破幹事長、安倍総裁が選任されて、一つ体制が調ってきたわけですけれども、今もお話がありましたように、国民会議ですとか特例公債法のお話ですとか、総裁選のさなかでは、多少、石破さんと安倍さんというのは見解も違いましたが、ある程度、安倍さんに合わせるような形になってきているかと思います。この特例公債法ですとかを含めて、対自民党、今後どういう展開になりそうか。また、安倍さん、石破さんというこの組み合わせについては、どのようにお考えですか。
(答)特例公債法と国民会議については、これから恐らく党首会談の中で、総理が一定の投げかけといいますか、そういうことをすることになると思いますので、私が今申し上げることは控えたほうがよいというふうに思っています。
ただ、少し一般的に申し上げれば、国民会議のほうは総選挙が終わってからと、いうような意見がありますが、そんなことはどこにも書いていないわけです。国民会議を設置して1年以内に結論を出すということは、法律にしっかりと書いてあるわけで、これは3党が賛成したというか、むしろ自民党主導で作られた法律の中にそう書いてあるわけです。それをいきなりどこかの段階で、総選挙が終わってからだという、そういう条件を持ち出すということは、事実上、それを拒否していると受け止められても仕方がない。そういうことは直ちにやめて、国民の立場に立ってしっかりと国民会議を動かす、その御協力をいただきたいというふうに思っています。
特例公債法も、いろいろとおっしゃっているようですが、やはりこういうものを手段として使うということが、政局の手段として使うということが、動かない政治、決められない政治の一つの大きな原因になっています。前から申し上げているように、与党、野党、それぞれ今後もあるわけですから、今回、やはり手段として、それをお使いになるということは、将来的に使われるということも当然覚悟しなければならないわけで、それはやはり日本の政治を大きく傷つけることになるというふうに思います。もう少し大局に立って、新しいリーダー、陣容になったわけですから、大局に立って、日本の政治にとって何が望ましいかということをしっかり考えていただきたいというふうに私は思っております。
いずれにしても、安倍さん、石破さんという新しい顔ぶれになりましたので、今までのしがらみに捉われることなく、国民の立場で政治を前に進めるために何が必要かと、そういう視点でいろいろな物事を決めていっていただきたいと、そういうふうに思っております。
(問)フリーランスで宮崎信行と申します。国民会議について、今日の朝日新聞の社説のほうで、安倍自民党新総裁が解散を前提にしているということもあって、取りあえず国会議員だけで始めてはどうかという意見が出ておりました。今朝の朝日の社説です。その中で、ちょっと全体像が見え難い話なのでお伺いしたいのが、まず、既に法律になっていますが、3党合意は3党ですが、現在、3党は第1会派から第3会派までではない、間に国民の生活が第一が入っているということで、それは実際、そういった国会議員だけで立ち上げるというのは難しいのかどうか。
それと、これもあくまでも観測報道に関することをお伺いして申し訳ないですが、山井国会対策委員長、厚生労働に詳しいということは、これは間違いありませんが、一部で国民会議に関しても調整するので山井さんが起用されたみたいな、そういった観測もあります。その辺、ちょっと国民会議のこと、なかなか分かり難い、想像がつかない面もあるものですから、具体的に御説明いただけませんでしょうか。
(答)後者は、いろいろな観測はあるのかもしれませんが、観測は観測だというふうに申し上げておきます。
それから前者の話は、朝日の社説が言っていることは、国民会議の立ち上げが、私の記憶に間違いなければ、国民会議の立ち上げが難しければ、政党間の協議ということは少なくともできるではないかと、こういう趣旨だったのではないかと思います。もちろん、3党間での国民会議で議論すべきことの粗ごなしのようなことをするということも当然必要だというふうに思いますが、国民会議というのは、まさしく3党間で法案を法律にして成立させて、その中に書いてあるわけですから、是非、解散しなければやらないということは、事実上、拒否しているのと一緒ですから、しっかりと応じていただきたいというふうに思います。
(問)テレビ朝日の平元です。野田総理、週明けの早い時期にも内閣の改造を考えられておられるようですけれども、岡田副総理が副総理になられてから、ここまでの野田政権の評価と、また来週以降、岡田副総理はどういった立場でこの野田政権を支えていきたいとお考えか教えてください。
(答)まず後者は、私はお答えする立場にはございません。人事は総理が決めることです。
それから、前者について申し上げると、非常に難しい困難な課題、この社会保障・税一体改革、あるいはエネルギー、原発関係、そういった困難な問題を一つ一つ、様々な議論をしながら、苦労をしながら、答えを出してきた、成果を出してきたということは間違いないと思います。そういう意味で、後から振り返ったときに必ず歴史は評価する、そういう内閣だというふうに思っています。
(問)フリーランスの安積です。総裁選と代表選についてちょっとお伺いいたします。
私、両方とも取材をしてみたのですけれども、例えば同じ場所、新宿の西口で総裁選も代表選も街頭演説が行われました。私が見た中で、歩いてみた感じですね、やはり総裁選のほうがかなり混み合っていまして、やはり盛り上がっていたような印象があります。また、昨日なのですけれども、安倍さんが26日の選挙の前に食べたと言われているカツカレーの件について、かなり実は盛り上がっていまして、昨日のカツカレーの消費がかなり上がったとか、またカレー屋の株価が上がったとか、そういった感じで、既に景気対策をしたのではないかというような話も流れております。このような民主党と自民党の代表者を決める選挙に差があるのはどうしてなのか。また、発信力に差があることについて、どういうふうにお考えになっているのか。また、3,500円のカツカレーだそうですけれども、岡田副総理の感覚として、3,500円のカツカレーは高いのか安いのか、その辺りについてお伺いします。
(答)いろいろ言われたので、全部にお答えできるかどうか分かりませんが、代表選挙と総裁選挙で、盛り上がりに違いがあったのは、それは事実かもしれません。それはいろいろな要因が重なり合ってのことだと思いますので、一概にそのことをもって何か評価をするということにはならないと思います。
3,500円のカツカレーというのは食べたことがないものですから、一度食べてみたいなというふうに思いますが、3,500円のカツカレーもいいですけれども、1,000円のどじょう鍋もいいと思いますよ。
(問)フリーランスで宮崎です。自民党の人事のほうも決まりまして、安倍新総裁や、高村元外務大臣が副総裁ということですけれども、全体的な人員を見て、また、今月あった外務省の人事など、様々な条件を見て、民主党と自民党の二大政党で、ちょっと超党派で日朝国交正常化交渉のほうなんかを進めやすいメンバーになっているのではないかというような感じがいたします。当然、拉致被害者の方の解決も含めての話です。
どういった形でやっていくか。今ちょうど日中国交正常化40周年で、民主党から田中夫妻が北京のほうに行かれていると思います。あれは自民党の田中角栄内閣のもう実績というふうに今でも言われるわけです。一方で、サンフランシスコ講和会議なんかは、有名な吉田茂首相のオペラハウスでの署名をしている映像がありますが、後ろに立っている人は、あれは野党の党首もいるのですね。超党派での訪問団だったわけですが、そういった形で、これ、二大政党の間で、要するにいろいろな意味で時間がない話でもありますから、どっちの政権がやるかではなくて、日朝の話、安倍さん、日朝平壌宣言に立ち会った現役の衆議院議員では、安倍さんしか今いらっしゃらないはずだと思いますけれども、かなり大まかな話なのですけれども、そういったことに取り組んでいかれるというふうなことはお考えになりませんでしょうか。
(答)外交で超党派で協力しなければいけないというのは、そのとおりだと思います。しかし、やはり外交というのは基本的に外務省を中心に一元的にやっていかないといい結果は出ないというのが私の一貫した主張です。総理、外務大臣、そのラインでしっかり進めていくべきであると。そこのきちんとコントロールが効いた上での様々なことは、それはあっていいと思いますけれども、あまり生易しいものではないと、個人のいろいろな伝手があるとか、知っているとか、そういうことで動くものでは必ずしもないというふうに思っています。
(問)朝日新聞の南です。日中関係でお伺いしたいのですが、尖閣諸島を巡って領有権の問題がないという政府の見解、総理の発言に対して、昨日訪中されている米倉経団連会長が、理解しがたいということで、問題解決するトップの立場としてそういうことを発言すべきではないという発言をされているのですが、この発言、経済界からのこうした声について、どのように副総理としては受け止められていらっしゃるのでしょうか。
(答)やや驚きました。主権を巡る厳しい国家間の交渉、それに対する責任ある立場の人の発言というものは慎重であってほしいと思います。
(問)確認になりますが、要するに、経済界からの声はあるにしても、この政府としての領有権の問題は存在しないという見解は、簡単に変えられるものではないという、そういう御認識でいらっしゃるのでしょうか。
(答)総理が国連で演説したとおりです。
経団連会長には、なかなか電話がつながりませんし、今、中国におられますので、お帰りになったら、少し話をしたいというふうに考えています。
(問)(フリーランス・上出記者)今のに関連してなのですが、前回、丹羽大使が、やはり経済界出身ということで、似たような感じで、尖閣問題について、中国寄りの発言だったということが一部批判されたと思うのですが、やはり経済界の意思と、それから国民の意思と、政界の意思とが、ちょっとどういうふうにかみ合っているのか、かみ合っていないのか、その辺の問題が今あるのではないかと思うのですが、その辺、もう少し突っ込んで御説明いただければと思うのですが。
(答)丹羽大使が経済界出身だからといって、そういう趣旨で発言したものではないというふうに思います。あのときの尖閣を巡ってですね、私の記憶によれば、対応を誤ると大変なことになるということを、石原都知事が尖閣を都が買うと、そういうことに関して、丹羽さんが言われたというふうに思います。それは私は間違った認識ではなかったと、現状を見れば明らかだと思います。しかし、あの場面で大使が言う言葉ではなかったと。そういう意味で適切ではなかったということですが、見通しとしては御覧のとおりであります。
(問)要するに、経済界の場合、やはり中国で経済活動をする上で、今の状況が好ましくないという、そういう認識が一つあるのではないかと。主権の問題もありますけれども、そういうことからの食い違いというのはないのかどうか、その辺をちょっとお聞きしたいのですけれども。
(答)丹羽さんの発言はそういう趣旨ではありません。
(問)米倉さんの。
(答)もちろん日中間の尖閣を巡る問題、それがいろいろなことに波及して、重要だということはよく分かります。その気持ちはよく分かりますが、主権を巡る問題ということは、これは国家間のシビアな交渉の問題、あるいはお互いの主張の問題ですから、そのことについてあまり、いろいろな評論家とかメディアの方が言われるならともかく、立場のある方が軽々に言われることではないと私は思っております。
(問)朝日新聞の河口です。関連で、先程お話になった、米倉さんにお電話をしてみたいとか、お話をしたいというふうにおっしゃっていましたが、仮にお話をなさった場合に、どういう御指摘といいますか、どういうお話をしたいというふうにお考えになっていますか。
(答)今、申し上げたことを少し丁寧にお話ししたいというふうに思っています。
(問)フリーランス、宮崎です。これは公務員制度担当大臣への質問なのか、岡田さんへの質問ということになりますが、9月、通常国会が終わって人事の季節がありまして、経済産業省のほうの人事で、岡田秀一経済産業審議官が退官され、経産省を立ち去られました。昭和51年、経済産業省入省同期の仲間の中で最後まで残っていた岡田さん、事務次官にならず退官されました。
岡田さんが入省されたときは、同期では事務次官になれるのは一人だけというのは、もう鉄の法則、どこの省庁でもそうだったと思います。最近は、橋本行革以降、同じ年次の事務次官が出ているところがありますが、採用時点では別の省庁の人だと思います。そういった一つの採用省庁の同期で、一人しか事務次官になれないというルール、今現在も基本的にあると思うのですけれども、これについてどう思われますでしょうか。
(答)そういうルールが特にあるわけではありません。過去にも同期で二人の次官が出たというケースはないわけではありません。これは橋本行革の以前も、そういうことはあったというふうに私は認識しております。
全体の若返りというか新陳代謝をするには、あまり同じ年次で回さないほうがいいというふうには、私は一般的には思います。しかし、出ない年次も結構あるのですね。通産省、51年入省組は、花の51年と言われたのですが、とうとう次官を出さずじまいに終わってしまいました。少し同期としては残念な気がしますが、いずれにしても毎期毎期出るというものでも必ずしもないということだと思います。したがって、特にルールがそこにあるわけではありません。
(問)ただ、正に民主党で岡田さんが政権を取ってからは、情報を公開するということをやってきたわけですが、例えば過去の話ですと、外務省で同期で11人だけの入省の中で、外務事務次官になって、外務大臣をやって、総理大臣をやった人というのがいるのですね。これは吉田茂と広田弘毅は11人の同期の中の二人なのです。
(答)ちょっと、政務と事務を一緒にしても、あまり意味のない議論ではないですか。
(問)それは戦前の話ですし、ただ、要するにそういった中で埋もれてしまった人材がいるのではないかと思うのです。埋もれてしまった人材は、多分、私たちは知らない名前だと思うのです。そういう意味では、せめて国会、選挙に出ていれば若干分かるかもしれませんけれども、そういった中でもっと人を生かせる霞が関がつくれないかなと思うのですが、如何思われますでしょうか。
(答)質問の趣旨がよく分からないところがあるのですが、それは例えば我々のときで言えば、キャリア試験を受かって、合格した人間が、全部が、大体課長にはなりますが、局長にはならないという、それはある意味では当然のこと。すべてが課長になるということ自身も、私、もうそういう時代ではないというふうに思います。やはり実力、能力、それに基づいて次官まで続ける人もいれば、早く辞める方もいるということで、ちょっと御質問の趣旨、よく分からないのですけれども、それはそれぞれの考え方であり、あるいは評価の問題だと思います。
(問)最後に一つだけ。岡田秀一さんは、小泉内閣の事務秘書官として5年半、いわゆる小泉劇場、ワイドショー政治で、テレビのほうは政務の秘書官でしたけれども、インターネットのほうは岡田事務秘書官、大変な貢献をされた方です。そういった形で違った立場になって、花の昭和51年入省が、そして去っていかれると。こういう言い方は何ですが、一応でも岡田さんは今こういう政府の仕事にいらっしゃるわけですが、その辺で単純に感想、思いというのを是非率直にお伺いしたいと思います。これで最後の質問です。
(答)岡田秀一は、非常に親しい友人の一人ですから、小泉総理の秘書官のときも、時々会って意見交換もしておりましたし、最近も時々お話をする機会もあります。安達次官より1年年次が上ですから、非常に異例だったのですね。そういう意味では、少し長かったという感じではないでしょうか。普通は次官が替われば、せめて次官と同キャリア、次官より若返るというのがルールだと、これはルールと言うといけないのですけれども、そういうことが多いわけですけれども、非常にそういう意味では異例の年次逆転ということで、それだけ本人の能力があるから求められて、外務審議官を長く続けられたのだろうというふうに思っています。
(問)朝日新聞の南です。日中の関係でもう1点、ちょっと戻って質問させていただきたいのですが、日中の政治レベルのパイプが細くなっているのではないかという御指摘がありまして、特に自民党政権より民主党政権のほうが細いのではないかという、こういう指摘もあるわけですが、民主党政権として短期的にどうカバーしていくかという点も含めて、今後どのようにクリアしていくべきか、その辺の副総理のお考えをお聞かせいただけますか。
(答)政治レベルのパイプが細くなっていると、何と何を比較するかということですが、言う方がいらっしゃいますが、具体的に何を言っておられるのかよく分からないですね。基本的に、例えば国家主席や首相と会える日本の政治家というのは限られていると、これは自民党であれ、民主党であれ一緒ですね。あと戴秉国氏、そして外務大臣、揚潔チ外務大臣ということですが、そういったところにおいて何かパイプが細くなっているというふうには特に思っておりません。今回のいろいろなレベルで、外務大臣や事務方も含めて、きちんとカウンターパート、意思疎通はできていたというふうに思います。
(以上)