年金制度改革に関する安倍総理の発言について
2013年7月9日
年金制度改革に関する安倍総理の発言について
衆議院議員 岡田 克也
安倍総理は7月7日のNHK「日曜討論」の中で、年金制度改革について「三党合意で作った社会保障国民会議において議論を行っている。年金については(平成)16年の改正において将来の給付の抑制等をすでに行っているから、それで安定的なものになった。これは当時の野田総理も岡田副総理もそうだと言っている」と発言した。先の国会でも類似の総理答弁があったが、これらは明らかに事実に反する。
私が副総理として国会で述べたのは、①かつて年金制度がすでに破綻していると言ったのは言葉が過ぎた。②ただ、国民年金制度は加入者にとっては持続可能であるが、多くの未加入者・無年金者がいることを考えると、国民年金本来の機能を果たしていない。③したがって、最低保障年金等の抜本改革が必要である、ということである。
以上のように、国民年金制度の加入者が国民年金を受給できるという意味で持続可能であると述べたにすぎず、未加入者・無年金者やマクロ経済スライド等の問題を含む年金制度全体を持続可能と述べたわけではない。安倍総理の発言は、私の国会答弁を意図的に歪曲化し、国民・有権者の誤解を招くものであり、極めて遺憾である。
現行年金制度が抱える問題にいては、昨年の社会保障・税一体改革の中で当面の手当ては行ったが、さらに将来を見据えた改革については道半ばである。しかし、年金制度の大きな改革について、社会保障制度改革国民会議の場で議論すべきとの我が党の主張は退けられ、未だ議論は進んでいない。安倍総理・自民党には、年金制度の一元化と最低保障年金の創設を中心とする民主党の改革案も含め、年金制度の大きな改革について正面から議論することを強く求めたい。
以 上
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