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2013.08.01|夕刊フジ

民主再生へ勝負は秋の臨時国会 改革の姿勢を明確に(夕刊フジコラム「ズバリ直球」13年8月1日号)

 参院選が終わった。昨年末の衆院選は「民主党を罰する選挙」だったが、今回の参院選は「アベノミクスに過剰に期待した選挙」だった。

 私は地元・三重県の高橋千秋候補を全力で支援したが、惜しくも敗れた。ただ、自民党候補と戦っているというよりも、「これから経済も日本も良くなるのでは」という国民の漠然とした期待感と戦っている、そんな選挙だった。

 現実には、大胆な金融緩和と、大幅な公共事業の積み増しで、一時的に景気が良くなっているが、安倍晋三首相は最も大切な3本目の矢、つまり「成長戦略」や「規制改革」をまだ具体化していない。

 持続的成長は、現時点では絵に描いた餅であるにもかかわらず、そこに厳しく切り込むことができなかったところにも、参院選での民主党惨敗の原因があったと思う。

 菅直人元首相が、党公認でない候補者を支援したことも、大きな影響があった。党執行部が選挙情勢を見極めて下したギリギリの判断に、元首相・元代表である菅氏が反旗を翻したことは、全国の有権者から「やはり民主党は決めても守れない党だ」と見なされた。ただ、いきなり離党勧告や除名(除籍)というのは、行き過ぎだ。3カ月の党員資格停止処分は妥当だったと思う。

 今回の参院選が民主党にとって厳しいことはもともと分かっていた。ただ、1人区で全敗したうえ、東京(改選数5)や大阪(同4)で1議席も取れなかったことは、想像を超えた選挙結果だったといえる。結党以来、最大の危機といっていい。問題は、これから党をどう立て直すかだ。

 まずは、続投宣言をした海江田万里代表を結束して支えることだ。その上で、多少の異論はあっても、きちんと決めて、物事を進められる組織でなければならない。代表にも強い危機感と覚悟が求められる。

 また、党再生にはスピード感が重要であり、勝負は今年秋の臨時国会だ。

 来年4月からの消費税率の引き上げの判断や、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加問題、規制改革などの成長戦略、首脳会談も開けない日中、日韓外交など、秋の臨時国会に向けて問題は山積している。これらに対する、民主党のスタンスを固め直さなければならない。

 大事なことは「民主党=改革の党」という、基本姿勢を明確にすることだ。国民に「改革に後ろ向きだ」「腰が引けている」と見なされたら、民主党に支持が戻ってくることはない。党再生はここにかかっているといえる。(民主党衆院議員)




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