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2014.05.30|夕刊フジ

日印のさらなる発展を期待 モデイ氏の安定政権誕生(夕刊フジコラム「ズバリ直球」14年5月29日号)

 インドのナレンドラ・モディ氏(63)が26日、同国の新首相に就任した。心からお祝いを申し上げたい。モディ氏が属するインド人民党(BJP)は4~5月の総選挙で圧勝し、10年ぶりに政権奪還を果たした。これからインド経済の再生に取り組むという。

 私が初めてモディ氏と会ったのは2年半前、超党派の「日本・インド友好議連」の会長代行として、当時の会長だった福田康夫元首相と2人で、グジャラート州を訪れたときだ。当時、州首相を務めていたモディ氏と意見交換をしたが、政治家というより、有能な企業経営者という印象だった。その後、私が副総理のときにも、官邸でお会いした。

 モディ氏は紅茶売りからスタートし、BJPの中で頭角を現した。菜食主義者でお酒も飲まない。グジャラート州を経済発展させたことで、インド財界などの評価も期待も高い。同州には日本企業も数多く進出しており、日本への理解が深い政治家といえる。

 インドは日本にとって非常に重要な国であり、最大の経済援助供与国でもある。同国の選挙制度は複雑で、政党が乱立することが多いが、BJPは今回、下院(定数545)のうち、282議席を獲得した。モディ氏が安定政権を得たことで、改革をさらに断行し、日印関係が発展することを期待している。

 同時に、長らく首相を務めた前任のマンモハン・シン氏にも敬意と感謝の意を表したい。インドの経済成長を実現し、日印関係の発展に尽力されたシン氏の功績は大きい。

 さて、衆院予算委員会は28日、安倍晋三首相が出席して集団的自衛権行使のための憲法解釈変更に関する集中審議を開く。私も質問に立つ。

 安倍首相は15日、政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の報告書提出を受けて記者会見を開き、「政府の基本的方向性」を表明した。

 だが、聞けば聞くほど疑問が出てきた。

 正直言って、私自身、本当に集団的自衛権を認めないと問題があるのか決めかねている。民主党内にもさまざまな意見があるが、私は公明党のスタンスに近く、民主党内では「真ん中」ぐらいではないか。

 集団的自衛権の行使は、これまでの政府・国会の議論の積み重ねを変える、国の安全保障、国のあり方に関わる重要な問題である。それだけに、与党協議だけでなく、国会で徹底的に議論すべきだ。そのうえで、国民の多くが「やはり必要だ」と判断することが、閣議決定の前提条件ではないか。

 いずれにせよ、安倍首相には「なぜ、集団的自衛権の行使が必要なのか」「憲法の文言やこれまでの憲法解釈との整合性はあるのか」など、国会議員はもちろん、国民にも分かりやすく説明する責任がある。 (民主党衆院議員)




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