日本経済飛躍へ「プロの経営者」に期待(夕刊フジコラム「ズバリ直球」14年6月26日号)
サントリーホールディングス(HD)が、ローソンの新浪剛史会長(55)を新社長に招くという新聞報道を見て驚いた。同時に「英断だ」「日本企業もかなり変わってきた」「プロの経営者の時代に入った」と非常に好感を持った。
新浪氏は三菱商事出身で、2002年にローソンの社長に就任した。業績を急成長させ、「バイタリティーのある経営者だ」と思っていた。今年5月に社長職をバトンタッチしたが、まだ50代半ばのため「次はどうするのか」と思っていた。
サントリーは先月、国内企業のM&A(合併・買収)として最大規模の約1兆6000億円を投じて、米蒸留酒大手ビームを買収したばかり。グローバル展開の加速には外部人材の登用が必要であり、同族経営には限界があると判断したという。
日本マクドナルドの社長を10年近く務めた原田泳幸氏(65)も来月、ベネッセホールディングスの会長兼社長に就任する。ベネッセもサントリーと同様、創業家が影響力を持つ企業だ。社外取締役として斬新なアイデアを披露していた原田氏に、白羽の矢が立ったという。
原田氏はアップル日本法人の社長から日本マクドナルドに転じており、やはり「プロの経営者」といえる。偶然だが、私も同じジムに通っており、トライアスロンに挑戦するため、厳しいトレーニングを続けている原田氏を「とても、まねできない」と思っていた。
「アジアの時代」と言われて久しいが、本当の意味でグローバル化の中で成功している日本企業は少ない。実力や潜在力からいうと、もっと世界で活躍できる日本企業はあるはずだ。今後、もっと「次の新浪氏」「次の原田氏」が出て、日本経済を飛躍させてほしい。
さて、民主党の両院議員総会が24日、党本部で開かれた。通常国会閉会を受けた意見交換の場で、「民主党の存在が見えない」「内向きに固まりすぎている」といった意見も出た。参院選1年となる総括の場は来月下旬に開かれることになった。
前回衆院選から1年半が過ぎ、早ければ来年にも次期衆院選が行われる。民主党は政策も人材も野党の中で突出している。今後、野党の中でリーダーシップを発揮するために何が必要か、議員1人ひとりが反省を含めてよく考えるべきだ。
秋の臨時国会の召集まで時間もある。議員は足腰を強くするために地元選挙区の強化にも努めるべきだ。落選議員の支援もしていかなければならない。自民党の一強体制では日本は危うい。われわれは自分たちの使命を自覚し、もっと汗を流していかなければならない。(民主党衆院議員)