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2015.02.02|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(1月30日)

岡田克也代表定例記者会見
2015年1月30日(金)14時58分~15時25分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。


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■冒頭
〇衆議院予算委員会での議論について
〇「共生社会創造本部」の立ち上げについて
〇代表就任に伴う挨拶回りについて
〇地方視察の予定について

■質疑
〇統一地方自治体議員選挙の対応について
〇党勢回復に向けて
〇安全保障政策に関する議論について
〇自衛隊の海外派遣について
〇邦人救出活動をめぐる議論について
〇前回総選挙の「大義」について
〇文書通信交通滞在費について
〇江田維新の党代表との関係について

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■冒頭発言

〇衆議院予算委員会での議論について

【代表】
予算委員会が始まりまして、わが党から昨日の長妻昭さんから今日の
後藤祐一さんまで、非常にいい議論、活発な議論が行われていると思い
ます。
私も全部は見きれていないのですが、その中でも長妻さんがトップを切
って「格差是正」について総理と議論した。総理は「格差が拡大している」
という事実すらはっきり認めていないのかなと私は思いますが、この辺は
さらに議論が深まることを期待いたしますが、気になったのは、民主党に
は成長戦略がないようなレッテル貼りをしようとしているのではないか。ご
存じだと思いますが、成長戦略を初めて作ったのは民主党政権です。鳩
山政権、そして野田政権。残念ながら、そこで決めたことがなかなか実現
しなかったことは事実。特に東日本大震災がその間にあり、そちらにかな
り多くのエネルギーを割かざるを得なかったということはあると思います。
野田政権の成長戦略は作ってすぐ解散ということに残念ながらなってしま
いましたが、今の安倍政権の成長戦略、かなり共通する部分はある。
私もずっと申し上げているのですが、成長戦略あるいは規制改革、これ
は非常に重要である。生産性を高めることによって初めて、持続的な経済
成長が可能になる。そのことを前提にした上で、しかし、分配の問題もある
意味それ以上に重要である、あるいはそれと同等に重要であることを民主
党は主張しているわけであります。それが安倍総理には欠けているのでは
ないかということを我々は主張しているということであります。
その辺のところをしっかりと踏まえて、さらに議論が深まることを期待した
いと思っています。

〇「共生社会創造本部」の立ち上げについて

【代表】
私が本部長を務める「共生社会創造本部」の準備をしており、来週には
正式にスタートできるのではないかと思っております。
私も代表選挙などで申し上げましたように、「21世紀は格差が拡大する
世紀」とも言われますが、そういう中にあって格差の少ない先進国のモデ
ルを日本がまず作り上げる、そういう思いでこの本部を立ち上げました。
長妻さんに本部長代行を務めていただきますが、力を合わせてしっかりし
たものを作っていきたいと考えております。来週「共生社会創造本部」が
スタートした時には、また皆様にお話ししたいと思っています。

〇代表就任に伴う挨拶回りについて

【代表】
私はまだ目が非常に見えにくく、本調子ではないのですが、挨拶回りを
進めております。連合あるいは主な産別、経済3団体、今日は3団体以
外ということで全国商工会連合会に行ってまいりました。それからアメリ
カ・イギリス・ドイツ・韓国・中国・インドの各大使館、それぞれ大使と20
~30分くらいずつ、旧知の方々ですので話をしてまいりました。残され
た団体についても来週以降、時間の合間を見て挨拶回りをしたいと思
っております。

〇地方視察の予定について

【代表】
明日は岩手に行く予定にしております。被災地ということで岩手を選ば
せていただきました。大船渡と陸前高田に行こうと考えております。私に
とりましては震災直後から、それぞれ3回目か4回目になると思います。
前回行ったのは今から1年半ぐらい前ですが、どの程度復興が進んでい
るのかということを確認するとともに、NPOの皆さんとも意見交換をして
きたいと思います。たまたま陸前高田で活動している一つのNPOの事
務局長を私の前の秘書が務めております。そういうこともあって陸前高
田を選ばせていただきました。
地方周りはこれからもやっていきたいと思っていますが、統一地方自
治体議員選挙も近いわけですが、「共生社会創造本部」の議論に資す
るようなところを中心に見てまいりたいと考えております。これは私だけ
ではなく、2人の代表代行や幹事長、あるいは他の幹部の皆さんとも手
分けをして、この2月、3月、全国各地を回っていきたいと思っていると
ころです。

■質疑

〇統一地方自治体議員選挙の対応について

【NHK・花岡記者】
幹部の方々がこれから統一地方選に向けて地方回りを本格化すると
いうことだが、民主党にとってこの4月の統一地方選の意義づけと、統
一地方選で何を訴えて何を旗印にして政権と戦っていくのか、伺いたい。

【代表】
幹部が回るのは、統一地方選挙ということもこれありですが、それが主
る目的ではありません。例えば個々の候補者の応援に回るとかいうこ
とを今想定しているわけではありません。もちろん期間中とか、もう少し
近くなればそういうこともあるかもしれませんが、現時点では地方の実情
をよく見たいということであります。
統一地方選挙は、民主党にとっても県議会や市町村議会の先生方は
非常に重要で、民主党の足腰にもなる部分ですね。1人でも多くの方に
しっかり当選していただきたいと思っております。従来以上にいろいろな
面で本部としても力を入れて応援していきたいと考えています。

【NHK・花岡記者】
ローカルマニフェストについてもいろいろ準備していると伺ったが、統一
地方選を通じて民主党の訴えたい部分、幹になる部分は何か。

【代表】
ローカルマニフェストは各県連単位でかなりのところが作っています。
地域に根ざしたマニフェストということで作っていただいておりまして、民
主党の政策と明らかに異なるようなものでない限りは、それぞれ創意工
夫を発揮して作っていただくことが大事だと思います。
それにプラスして民主党全体としての共通的な考え方のようなものを出
たほうがいいのではないかということで、今議論を行っているところです。
地方の意見も聞いてみないといけませんので、まだそれ以上のことは今
申し上げられないのですが、できればそういうことを考えてみたいと思って
います。

【朝日新聞・渡辺記者】
岡田さんは代表選の最中に各県連の強化策としてパーティーなどもや
っていったらどうだろうかという話をされていた。既にできそうな強化策と
してはどういったことを今考えているか。

【代表】
パーティーの話は統一地方選挙とは切り離して、今から準備して間に
合うわけではないので、これはもう少し中長期的な課題です。ただ、各
県連も努力して自ら必要な政治資金をつくる、そういう努力もしていた
だきたいとは思っていますが、統一地方選挙の話とは関係ありません。
統一地方選挙については、党本部としても色々なことを中で考えてい
るところです。それは決まった段階でお話ししたいと思います。

〇党勢回復に向けて

【日本テレビ・川上記者】
代表に就任されて約2週間たつが、今までの民主党から一番変えた
い部分はどういうところか。そのために新体制で取り組むべき課題は
何で、どこから着手していきたいとお考えか。

【代表】
民主党が、「オール民主で全員野球」というのが私のキャッチフレーズ
で、そういった考え方に立って人事もやったし、今の予算委員会も非常
いい議論がなされていると思っています。
「オール民主」は大前提なのですが、やはり民主党が何を考え、何を
やりたいと思っているのかということがしっかりと伝わることが大事で、
そういう意味では、勿論まだ本部はつくったばかりですが、「党改革創
生実行本部」、それから今回の「共生社会創造本部」もそうですが、そ
ういうところでどんどんアウトプットしていく。そういうものをやはり国会で
の議論などで、批判も大事なのですが、「民主党はこう考える」というこ
とを強調していく。そういう攻めの姿勢が一番大事だと私は思っていま
す。

【「FACTA」・宮嶋記者】
代表選挙を通じて、女性議員を増やそうという話がかなり出ていたが、
統一地方選まであまり時間はないが、数値目標をつけるなり、インセン
ティブをつけるなり、何かお考えがあれば伺いたい。

【代表】
従来から、県庁所在地からは1人出すようにというのは海江田体制の
時から言っている話です。女性候補者が1人でも当選できるように、勿論、
新たに候補者になることも含めて、もう少し後押しできる仕組みを今、選
挙対策委員会で検討してもらっています。
それから参議院選挙・衆議院選挙、国政選挙で女性が増えるように、
いろいろなことを考えていかなければいけないと思っています。
いろいろな仕込みは今やりつつありますので、決まったものから順次こ
ういう場でご披露していきたいと思っています。私は民主党を変えるキー
ワードは「女性」と「地方」だと思っています。

〇安全保障政策に関する議論について

【日本テレビ・川上記者】
(新体制が)取り組むべき課題の一つに集団的自衛権の議論があると
思う。党内の意見の取りまとめが大切になってくるが、代表も「中身が大
事」とおっしゃっているが、細野豪志政策調査会長に期待する点はどうい
ったところか。

【代表】
集団的自衛権だけではありません。政府が考えている問題は集団的自
衛権、集団安全保障、PKO、それから武力行使を伴わない自衛隊の派
遣と、大きく分けてこの四つだと思いますが、そういったことについて党内
でしっかり議論したいと思います。議論する場は北澤調査会(安全保障総
合調査会)ということで、そこにはNC大臣(ネクスト大臣)なども入ってい
ただいて、しっかりと全党的な議論をしていただきたいと思います。
政調会長は政策の取りまとめの責任者ですので、北澤俊美調査会長と
協力しながら取りまとめに当たっていただきたいと思っています。


【朝日新聞・渡辺記者】
安保法制について、先週の会見で代表は「党内議論を尽くす」と話され
た。議論を尽くすめど、期限をどう考えているか。昨日、北澤調査会長と
お会いになっていたが、その辺のめどもお話しされたか。

【代表】
北澤会長とは人選とか、どういうことを議論すべきか、タイミングとか、
そういうことをあらあらお話しております。これはもちろん、先ほどのお話
ではありませんが、政調会長ともよくお話もしなければいけません。そう
いったところで大体の合意ができれば、早々と調査会をスタートしたいと
思っています。
前回、集団的自衛権に関するところはかなり議論しましたし、我々なり
に結論を出していますが、集団安全保障とか、武力行使に至らない自衛
隊の海外派遣、つまり一体化の話ですね、そういうところはほとんど議論
していませんので、そういうところも含めて早く議論に取りかかったほうが
いいと思っています。

〇自衛隊の海外派遣について

【共同通信・内保記者】
自衛隊の海外派遣について、現在、個別法で対応している海外派遣を
恒久法で対応しようという政府の動きがある。これについては代表として
どのようにお考えになるか。
【代表】
いろいろな論点がありますので、今、断定的なことを申し上げるつもりは
ありません。
例えば国連決議が必要かどうか、これは与党の中でも意見が分かれて
いますよね、私の理解では。それから武力行使に至らないということにな
ると、今までだと地理的に、地域的に限るということだったのを、こ
の前の閣議決定を見ると、現に戦闘行為が行われていない“現場”であれ
ば自衛隊を出せる、そういう考え方に変わっているわけです。これは私、
予算委員会で一度議論しましたが、かなり行動の範囲が広がっている。今
までは、現に戦闘行為が行われておらず、今後とも戦闘が行われないと予
想できる地域、その範囲でしか活動できないと言っていたのが、「今後とも」
というのが取れてしまって、しかも“現場”という表現になりました。現に(戦
闘行為が)行われていない現場。だから、これは随分広くなったのではない
かと私は申し上げました。
考え方によっては、戦闘行為が昨日あっても、今日は行われていなければ
活動できるのかとか、それから“現場”ですから、かなり近い。例えば1km離
れたらいいのかとか、いろいろな憶測を呼ぶような表現です。そこまで広げて
しまうことになると、自衛隊員に対するリスクも飛躍的に高まると私は思いま
すし、それから途中で離脱などできるのかと。「戦闘行為が始まってしまった
から、じゃあ私たち引き揚げます。“現場”から離れます」というようなことが、
はたして周りとの関係でできるのかとか。いろいろな議論をこれからしていか
なければいけないと思います。

〇邦人救出活動をめぐる議論について

【「FACTA」・宮嶋記者】
昨日の民主党議員との論戦で(政府から)出てきた、日本人の旅行者など
が捕まった場合に(他国での救出活動を行う)自国の自衛隊なのか警察組
織なのか、そういう新法を作るようなことについて、一般論だが代表はどうい
う考えをお持ちか。

【代表】
邦人救出の話ですね。今は運搬までは確かできるようになったということ
ですが、非常に危険なところに行って助け出すとか、そういうことは現時点で
はできないということですね。私も必要性が全くないとは思いませんので、議
論はしたらいいと思います。
ただ、今回のような過激派テロ組織、ISILの(勢力圏の)ようなところに自
衛隊が行って救出するとか、そういうことは非常に考えにくい。あまりにもリ
スクが高過ぎますよね。そういう意味で、今回のことがあったから議論する
というよりは、もう少し冷静に議論したほうがいいと思います。
他方でこれだけ経済のグローバル化が進むと、ビジネスマンとかその家
族とか、そういう人たちがそういった状況に陥ることもあり得るわけですから、
どこまでできるのかと。そして、どこまでが現実的なのかということはきちん
と冷静に議論したらいいと思います。
にかこの機に乗じて必要だという、総理からはそういう感じを受けるので、
少し冷静に、何が日本にとって必要なのか議論したらどうでしょうか、と
申し上げておきたいと思います。

〇前回総選挙の「大義」について

【日本経済新聞・恩地記者】
衆議院の予算委員会で昨日・今日と、さきの衆議院選挙には「大義」がな
いと批判した野党議員に対して、総理から「解散の大義がないということは、
安倍政権に取ってかわることの大義がないと言っているに等しい」と、若干
挑発的な答弁があった。前回の総選挙の「大義」について、代表のご見解
を改めて伺いたい。

【代表】
選挙にはそれなりの目的がなければならない、それがはっきりしなかったこ
とは事実。それをレトリックで総理はいろいろ言っておられますが、何のため
に選挙をやったのかというのははっきりしなかったことは間違いないと思いま
す。争点がはっきりしなかった。むしろ争点隠しの中で選挙をやったというこ
とですね。ただ、解散の大権は総理にありますから、批判はできても、解散
があれば我々は戦うことは当然ですので、それ以上はちょっと言いようがな
いですね。
ただ、一つ私が非常におもしろいなと思ったのは昨日の議論の中でも、税
というのは国民にとって非常に重要なものだから、その税について今まで決
めたことと違う判断をしたと。つまり消費税を先送りしたことですね。増税で
はないのですよ、増税を先送りしたと、それをもって解散したのだということ
を総理は言われました。それは一つの理屈でしょう。でも、基本的には、増
税する時に解散するならばまだしも、先送りが解散の大義になるのかどうか
というのは議論の分かれるところだと思いますが、総理があそこまではっき
り言われるのであれば、さらに1年半先、何らかの理由で増税を先送りする
ことになれば、もう法律の中にもそういう規定はありませんから、前回の解
散の時よりもさらに国民に意見を聞かなければいけなくなりますよ。もし次回
先送りするなら、これはもう解散は必ずしなければいけないと、総理自ら言っ
たことに等しいと私は思います。

〇文書通信交通滞在費について

【読売新聞・西山記者】
維新の党が文書通信交通滞在費の領収証を公開するということで、他党
にも賛同を呼びかけている。民主党としてはこの動きに賛同されるか。

【代表】
どの範囲でされるかというのが必ずしもはっきりしない部分もあります。確
か維新の党の判断だと、使えなかった部分は寄附をして、おそらく政治団体、
資金管理団体に寄附されるのかと思いますが、というようなことも言っておら
れたのですが、その寄附の額によっては、すぐには領収証が出てこないこと
になりますよね。その辺ちょっと実態を見ないとよくわからないところがありま
す。いろいろな議論があって、そもそも寄附できるのかと。手当ですから、所
得ではありませんので。そういう議論もあると思います。
ういうことも含めて、私は国会、議運(議院運営委員会)の場などで維新
の党の考え方も説明していただき、議論してみたらいいのだと思います。い
ろいろなものを公開していくという基本的な考え方は、私の方向性と一致し
ています。

〇江田維新の党代表との関係について

【日本経済新聞・恩地記者】
岡田代表と維新の江田さんの関係について伺いたい。お二人は東大と通
産省と歩まれて、その後はおそらく一緒に仕事をされたことはないと思うが、
メディアではお二人は「個人的な信頼関係がある」と書かれたりする。実のと
ころどういう関係でいるのか、個人的な関係というところで伺いたい。

【代表】
まず、学生時代は知りません。私は3年先輩になるのかな。(旧通産省時
代に)法律を作ったりした時に、彼は官房にいて、一緒に法制局に通って法
制局参事官に怒られたり。若い頃ですね、ともにまだ20代の頃です。そこ
からのつき合いですから、長いは長いですね。暫くは彼は官僚、私は政治
家としての付き合いもあって、そのうち彼も政治家になって、そんなに親しく
は付き合っていないですが、その間、時々会って食事したり話したりというこ
とは続いていますよ。ただ、維新の代表になられて、この前の選挙の前など
はだいぶ激しく候補者調整などでぶつかったりもしました。そういう関係です
ね。(関係は)悪くはないと思いますが、それ以上のものでもない。(笑)。




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