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2015.03.20|夕刊フジ

メルケル首相との会談 慰安婦問題、双方の発言に齟齬はない (夕刊フジコラム「ズバリ直球」15年3月20日)

 昨年末、網膜剥離(はくり)の手術を受けた。経過は順調で「そろそろいいだろう」と馬力をかけた途端、再剥離してしまった。

 確かに、週末日程などを詰め込みすぎたようだ。これは反省している。再手術は成功したが、網膜を安定させる人工液を目に入れており、5月の大型連休をメドに、また除去手術を受けなければならない。

 党首討論など、国会での対応はしっかり務める。ただ、地方への遠出は少し控えたい。完治するため慎重を期したい。

 さて、2015年度予算案審議の舞台は衆院から参院に移った。

 衆院では、わが民主党の議員が「経済政策」や「格差の問題」「安全保障法制」などで、実にいい議論を行っていた。ただ、メディアの関心は「政治とカネ」の問題に集中していた。

 疑惑が続出した西川公也前農水相は引責辞任に追い込んだが、下村博文文科相は自身の政治献金疑惑で、とても説明責任を果たしたとはいえない。参院の審議でも、しっかりと追及していく。

 「政治とカネ」の審議では、国から補助金の交付を受けた企業からの献金問題が取り沙汰された。政治資金規正法にはあいまいで、どこまで許されるのかハッキリしないところもある。これでは常に問題が起こりかねず、有権者の方々の政治不信につながる。

 取り急ぎ、規定の明確化を行うことが大切だが、将来的には「企業・団体献金」や「政治資金パーティー」を廃止して、個人献金を増やすための税制上の優遇措置を行うなど、抜本的な対策が必要だろう。

 一部で「企業・団体献金だけ禁止しよう」という意見もあるが、透明度の低い政治資金パーティーにシフトするなら意味がない。パフォーマンスではなく、中身のある改革が必要だ。

 私は10日、ドイツのメルケル首相と都内で会談した。直接会ったのは初めてだが、とてもチャーミングなリーダーだった。

 私が会談後に記者会見で説明したのは、メルケル首相から「日韓関係は重要」「慰安婦問題はきちんと解決した方がいい」という発言があったということだ。日本政府や韓国政府がどうすべきかについてメルケル首相は触れなかったし、私もそういう説明はしていない。

 一部メディアが、メルケル首相が日本政府に対して和解を促したかのような報道をしていたが、事実ではない。私の発言と、メルケル首相の発言に齟齬はない。ドイツ政府の報道官が「正しくない」と発言したとされるが、それも海外通信社の報道についてたずねた記者に、報道は「正しくない」としたもので、私の説明を否定したものではないことは明らかだ。

 日本滞在中、ドイツの経験を雄弁に語りながら、日本政府に対する批判と受け取られないよう慎重に言葉を選んでいたメルケル首相だ。私との会談で、先方から慰安婦の問題が出たことに少し意外な気もしたが、約40分間の会談が息のあったものだったからかもしれない。機会があれば、またゆっくり話したいと思う。 (民主党代表)




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