岡田克也代表定例記者会見(3月20日)
岡田克也代表記者会見
2015年3月20日(金)15時00分~15時31分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
〇チュニジアでの銃撃テロ事件について
〇地下鉄サリン事件から20年に当たって
〇与党共同文書「安全保障整備の具体的な方向性」について、談話を
発表(談話添付)
〇民主党オープンフォーラム「近現代史研究会」の再開について(資料
添付)
■質疑
〇民主党オープンフォーラム「近現代史研究会」について
〇安全保障に関する与党合意について
〇過激派テロ組織・ISILによる邦人人質事件について
〇統一地方自治体選挙について
〇会長のハイヤー私的利用をめぐるNHKの経理処理について
〇「一票の格差」をめぐる司法判断について
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■冒頭発言
〇チュニジアでの銃撃テロ事件について
【代表】
私からは冒頭、チュニジアの首都チュニスでの銃撃テロ事件、日本人3
人を含む多くの方々が犠牲になりました。テロの犠牲になられた方々に対
して、心からお悔やみを申し上げたいと思います。
〇地下鉄サリン事件から20年に当たって
【代表】
わが国最悪のテロ事件である地下鉄サリン事件から20年になります。
いまだに苦しみを抱えておられる多くの被害者の方々に対して、お見舞い
を申し上げたいと思います。
今後とも国民の安全確保、テロ再発防止に万全を尽くす必要があるこ
とを、改めて確認したいと思います。
〇与党共同文書「安全保障整備の具体的な方向性」について談話を発表(*談話添付)
【代表】
与党の安保法制の実質合意について、合意を見越して紙にまとめてお
きました。ご覧いただいたと思いますので、これは後ほどご質問があれば
是非ご説明をしたいと思っております。
具体的なことについて、議論されている点、疑問点を書いておきました
が、私が一番強調したいのは、戦後の安全保障政策の大転換、つまり「海
外で武力行使しない」ということを変えるわけです。安倍さんに言わせれば、
変える理由はある、ということかもしれませんが、少なくとも国民の多くはそ
のことの中身、その影響を十分に理解しているわけではない。そういう中で、
さしたる議論もないままに拙速にどんどん物事が進んでいくことに対して大
きな懸念を持っております。後で「こんなはずではなかった」ということになっ
てはいけないわけで、国会における議論を中心に、国民に対して丁寧な説
明、それから国会における議論を通じての国民の理解・納得、そういう手順
は欠かせないものだと思っております。ただ単に一定の時間が過ぎればい
いというものではないということについて、ここで改めて注意喚起しておきた
いと思っております。
〇民主党オープンフォーラム「近現代史研究会」の再開について(*資料添付)
【代表】
「近現代史研究会」の再開について、資料もお配りさせていただきました。
そもそも、これは2005年に、私が代表の時に小泉さんの靖国参拝などに直
面して、やはりいろいろな問題、小泉さんは「A級戦犯は戦争犯罪人である」
と言われたわけですが、わが国が戦争に対して総括がしっかりできていない
ことが多くの問題を引き起こしており、党の中でお互い認識を共有しながら、
そういったところをもう一回振り返る必要があるのではないかということで、2
005年に藤井裕久先生にお願いをして「近現代史研究会」を立ち上げたわけ
であります。その後、時々モデルチェンジをしながら、10年間続いてまいりま
した。
これを改めて立ち上げて、特に夏までの間はテーマも絞って、わが国がさき
の戦争に突入し敗戦に至った経緯・背景・原因などについて重点的に研究し
ていきたいと考えております。
従来もそうですが、この研究会は基本的にオープンで、一般の市民の方に
も、あらかじめ登録していただくことは必要ですが、ご参加いただいて進めて
おります。マスコミの皆さんにもオープンになっておりますので、是非ご参加
いただきたいと思っております。
代表のもとに設けるという位置づけも明確にして、先般、藤井先生にも来て
いただいて、再スタートを決定したところであります。
■質疑
〇民主党オープンフォーラム「近現代史研究会」について
【NHK・花岡記者】
安倍総理が戦後70年談話を準備しているが、今、民主党がこの時点にお
いてこれを再開する意義と、夏までは特に大戦について重点的にということで
あったが、この狙いについて伺いたい。
【代表】
安倍談話がどのようになるのかということは私は承知しておりません。説明
もありませんから。三つのパーツによって成り立っていることはほぼ間違いな
いと思いますが、どこにどういうふうに重点を置かれるのか。それから今やっ
ている有識者の皆さんの議論の報告書との関係など不明な点は非常に多い
ので、なかなか一概には言えないと思います。ただ、戦後70年であり、政府
も談話を出すということです。
したがって、まず談話が出るまでに国会で私も総理とはしっかり議論したい
と思っております。出てしまってからではもう遅い。出るまでに総理のお考えを
十分聞き、そしてこちらの意見も申し上げたい。それが最終的には談話に影
響を及ぼす可能性もあると思っております。
もう一つは、談話が出た時、わが党の考え方をきちんと出すためにも、この
場でしっかり議論を積み重ねたいと思っているところです。
【朝日新聞・渡辺記者】
「近現代史研究会」を再開し、まず党の考えをまとめた上で談話を待つので
はなく、談話が出た後の党としての考え方をまとめるための研究会、という位
置づけでよろしいか。
【代表】
談話は政府が作るもので、それと同じようなものをわが党であらかじめ作る
という発想は、現時点では私にはありません。考え方は整理する必要がある
と思います。そうでないとコメントも出せませんので。大事なことは、政府の談
話に影響を及ぼして、よりよいものを作る、意味のあるものを作るということ。
それから、(談話が)出た時は当然、政党ですから、それに対してしっかりコ
メントを出すということではないかと思います。
【読売新聞・前田記者】
夏まではテーマを絞るということをおっしゃっているが、これは当時の戦争責
任とかいったテーマか。頭にあるものがあったら伺いたい。
【代表】
ここに書いたとおり、先ほど申し上げたとおりであって、さきの戦争に至った
その理由・経緯・背景などについて重点的に議論するというものであります。
〇安全保障に関する与党合意について
【時事通信・越後記者】
改めて、今回の実質合意で特にどの点が具体的に問題があるとお考えかと
いうことと、今後の法整備の審議に関して、どの程度の審議時間の目安が必
要だと思われるか。
【代表】
最初のご質問については、総論的には先ほど申し上げたつもりであります。
具体論はこの3段落目のところに①から⑤として書いております。これは一
つの例ですが、根本的な問題点・疑問についてここで列挙してございます。
それから審議時間は、あらかじめ決めるような話ではないと。ここに書かれ
たようなことがきちんと明らかになり、そして国民の間にしっかりと理解が進む
ことが国会審議を通じて行われることが必要だと考えています。
【時事通信・越後記者】
審議時間について、具体的に何時間ということについてはまだわからないと
思うが、例えば過去の重要な法整備に必要であった時間は最低限確保すべ
きとか、そういった最低限のお考えはいかがか。
【代表】
戦後の安全保障政策の大転換ですから、過去のことは全く参考にならない
と思っています。
【「FACTA」・宮嶋記者】
民主党は(集団的自衛権行使容認を決めた)閣議決定の撤回を求めてい
て、代表がおっしゃる「戦後70年の大転換が行われる」と。現行憲法の中で
大きく前に踏み出すわけだが、それに後追いする形で憲法改正ということが
出てくるという危機感はあるか。これから憲法調査会でそういう話も始まるわ
けだが、(自民党がまず取り組もうとしている改正項目は)表向きは三つの条
項(環境権・緊急事態条項・財政規律条項)だが、その流れについてどういう
ご認識を持っておられるのか。この安倍さんの動きを含めた、戦後の大転換
が先に憲法解釈変更で行われ、その後にどういうものが来るとお考えか伺い
たい。
【代表】
まず、憲法改正の前に、この大転換そのものが極めて大きなことだと思っ
ています。したがって、その必要性について、やはり国民的論議が必要であ
るということを申し上げたいと思います。積極的平和主義というのも、PKOと
か人道支援とか、国づくりに対する貢献ということならともかくとして、要する
に自衛隊を活用した貢献を行っていく、場合によっては武力行使も含めて、
ということについて、やはり基本的な考え方として、それがわが国としてどう
なのかという議論が、まずしっかりなされなければならないと思います。
憲法改正の話というのはその次に来る話ですが、この議論をしていく過程
で総理の考え方がしっかり示される必要があります。「積極的平和主義」を突
き詰めていったその先には憲法9条の改正があるのか、あるいはそれは考
えずに解釈の一部変更その他で、あるいは(現行)憲法の枠の中でやってい
くのか、その基本的姿勢は明らかに示される必要があると思っています。
【「FACTA」・宮嶋記者】
代表は累次の国会で、安倍総理との議論の中で、集団的自衛権も含めて、
「米軍以外のところも対象に考えているのか」という議論があったが、今回の
与党合意を受けた談話では「③周辺事態法において、『周辺』の概念をなく
すとともに、米軍以外の他国軍隊への支援も可能としようとしている」と。この
辺はどんなニュアンスか。
【代表】
私が問題にしているのは、集団的自衛権の行使の、(武力行使の新3要
件の)「我が国と密接な関係にある他国」というのが米軍以外にあるのかとい
うことを質問しました。
【「FACTA」・宮嶋記者】
国会の質疑では、米軍しかないとお考えだったということですね。
【代表】
そういうふうには決めつけてはおりませんが、常識的には「同盟国」という
ことではないか。
今、お話しになったのは周辺事態法の話なので、ちょっと次元の違う話だと
思います。周辺事態法というのは、法目的に「日米安保条約の効果的な運用
に寄与する」と書いてありますが、こういう表現が落ちるのか落ちないのかも
はっきりしない。もし落ちるとすると、これは法律としての性格がガラリ180度
変わりかねないような話になる。
「日米安保条約の効果的な運用に寄与する」という縛りがあって、(日米安
保条約に)「極東条項」があると、地理的範囲ではないとは言いつつも一定の
範囲の制限があったものが、これが落ちてしまうと法目的が変わるわけです
から、全く際限がなくなってしまうことになりますし、そもそも法改正という形で
できるのか。普通ならばできないと思います。法目的がガラリと変わるのであ
れば、それは新しい法律を作るのが本来だと思うのですが、そういうことにつ
いての説明もない。おそらく今、内閣法制局と相当やっているのだろうと思い
ますが、普通の法制局なら、こういう改正は許さないと思いますよ。
【「FACTA」・宮嶋記者】
もともと「周辺」というのは、地理的概念ではなかったのですね。
【代表】
そういう答弁もありますが、しかし、中東とかそういうところまでは行かない、
という時の総理の答弁もあります。
「日米安保条約の効果的な運用に寄与する」といえば、日米安保条約という
のは対象が極東ですから、地理的概念ではないと言ったとしても、おのずと限
定がかかっていた。そういうのが全部取れてしまうわけです。
【日本経済新聞・恩地記者】
この談話に「一会期の国会における拙速な議論」だけではだめだという趣旨
のことがある。先ほど、過去の例は参考にならないとおっしゃったが、おそらく
特別委員会が設置されることになるかと思うが、その(審議)時間は会期延長
して例えば夏までというものではなくて、もっと長い期間を求めていくということ
になるのか。
【代表】
特別委員会を設けて毎日やるというやり方も論理的にはあり得ますし、会期
を延長して、1日24時間・365日やると。一概にそこまで言うつもりはありませ
んが、PKO法1本作るのに、あるいはテロ特措法―テロ特措法は早かったの
ですが、テロ特措法の改正など非常に時間をかけている。そういう中身が三つ
も四つも一緒になったような話なので、あまり安易な議論で終えてしまうわけに
はいかない。当然のことながらそう思っております。
ここで①から⑤まで書いておきましたが、①のところに関しても、任務遂行
のための武器使用を前提とした治安維持任務をPKO法の改正で認めようとい
うのは、従来からのいろいろな議論を知る者にとっては驚くべき内容だと私は
思います。これは、ドイツとかNATOなどが行ったアフガニスタンでの治安維持
活動、そういうものまでできるようになるとも読める中身です。
それから②の、個別法ではなくて恒久法でということですが、要件がはっきり
しません。国連決議以外にもいろいろ書いてあるのですが、「等」と最後に書い
てあります。ただ日米同盟とか、米国と豪州とか、米国と韓国の同盟関係に基
づいてやった場合とか、そういうものまで読めるということになってくると、事実
上制約はないのと一緒ということになります。しかも、「現に戦闘行為が行われ
ていない現場」というのは何回聞いても、「前日に戦闘が行われていても、今行
われていなければいい」とも読めますし、相手から見たら完全に一体化した行
動と言われかねないものも含み得る。多くの犠牲者が出ることは間違いない、
あるいは戦闘行為に巻き込まれて応戦することも容易に予想できるような中
身だと思っています。
本当にそういうところまでやるということを、さしたる議論もなく決めてしまって
いいのか。「憲法違反ではない」というそれだけで、憲法の精神という観点から
言ってどうなのか。
③の周辺事態法は先ほど申し上げました。④は集団的自衛権で、これは
枝野幸男さんや辻元清美さんも(国会で)議論(質問)していました。非常にい
い議論だったが、あまり報道がなかったのですが、やはり「経済的理由」まで
読み込むということになると、それで武力行使ができるということになっていい
のかという議論とか、日米安保条約が危機に瀕するという場合に、それでもや
るということになるのか、さまざまな問題がここからは出てきます。これだけで
も安倍さんと議論すれば2、3時間は最低必要だと思うが、そういう問題がある。
⑤は、これは不思議なことにメディアはあまり書きませんが、集団安全保障
に参加して武力行使できると、今までの答弁を見ているとそうとしか思えないの
ですが、これまた今までの考え方からすると、ちょっと考えられないようなことで
あります。湾岸戦争など、国連決議があり、新3要件に該当すれば、最初から
自衛隊が出ていって武力行使することを容認するということだと私は思ってい
ますが、その3要件というのははたしてどういう縛りになるのか。日本に石油が
入ってこなくなる可能性があるから湾岸戦争に行って武力行使をする、という
ことも読み得るような中身であり、しかもこれは法律的にどう対応するかという
ことについては答えがないわけです。「憲法上はできる」ということは何回か答
弁されているのだと思います。
それぞれ大変な問題だという認識で、しっかりとした議論が必要だし、それか
ら国民の理解、つまり「こういうことだ」ということがわからないまま法律が通っ
てしまった時には、私は大変な問題になるのではないかと。そういう意味では
メディアの皆さんの責任も重いと思っております。もちろん一番責任があるの
は、それは政党であります。
【「FACTA」・宮嶋記者】
公明党は新3要件を含めて非常に「限定的に」「抑制的に」と言っていたわけ
だが、結果を見て、公明党の役割というのはどういうふうに評価するか。機雷
掃海でも、公明党は基本的には「やらない」という話でずっと言ってきたわけだ
が、一体この政党はどういう役目を果たしているという認識か伺いたい。
【代表】
公明党さんがおっしゃっていることは、統一地方自治体選挙が終わって法案
化の中でまた主張していく、という趣旨だと思うのです。だから、これでセットされ
たわけではない。かなり幅があるというお話ですが、これは統一地方自治体選
挙にかかわらず、もっとしっかり詰めた議論が必要だと思います。別に与党間
だけではなく、国会で議論すればいいわけです。しっかりと、平和を重要視する
政党であるという立場を踏まえて、きちんとした議論がされることを期待したいと
思います。
最終的に法律になってしまえば、それは同じ与党として自民党も公明党もあり
ません。共同で責任を負うことに当然なります。国民の皆さんの期待を裏切らな
いように、是非、頑張ってもらいたいと思います。
○過激派テロ組織・ISILによる邦人人質事件について
【フリーランス・安積記者】
本日は地下鉄サリン事件から20年だが、同時に後藤健二さんが殺されてから
四十九日くらいではないかと思う。日本政府は遺骨ないしは遺体を回収する、そ
のための情報収集に努めるという姿勢だが、が具体的に何をやっているのか一
向に見えない。現地の対策本部もはたして動いているのか、機能しているのかも
わからない状態だ。このことについて、外相も経験された代表はどのようにお考
えか。
【代表】
具体的に政府がどこまでやっているのかというのは、わかりません。そのため
に努力すると言っているわけですから努力していただいているはずですが、その
ことについて具体的な情報はありません。機会があれば、政府にさらなる努力を
求めたいと思います。
【フリーランス・安積記者】
例えば後藤さんや湯川さんが生きている時の奪還については、人命がかかっ
ているので交渉について秘密裏に進めていかなければいけないという理由はわ
かるが、今回は殺されたという前提で動いているということなので、遺族の方々
の、遺体を返してもらいたいという気持ちが第一に優先されるべきだと思うが、
その方々にこたえているような様子がない。これについてどうお考えか。
【代表】
当然、ご遺族としてはご遺体の返還を求めるのは当然のことだと思うのです。そ
れに対して日本政府がどこまでどう対応しているかということは、私、承知しており
ませんので、ご質問に直接答えるのはなかなか難しいと思います。
〇統一地方自治体選挙について
【NHK・花岡記者】
来週木曜日にいよいよ道県知事選が告示になる。民主党としては、今回の統
一地方自治体選挙をどのように位置づけて、何を目指して戦っていくのか、改め
て伺いたい。
【代表】
我々としては現有議席を少しでも増やすことができるように、最大の努力をし
ていきたいと思います。党にとっても、地方議会における議席は(党の)足腰に
当たる最も基本的な部分で、そこで少しでも前進することが非常に重要だと思
っています。
〇会長のハイヤー私的利用をめぐるNHKの経理処理について
【産経新聞・山本記者】
NHKの籾井会長の件がいろいろと国会審議で問いただされているが、私的
使用のハイヤー代の請求があったという問題について、代表のご所見を伺い
たい。
【代表】
これは党として関係の部門会議などで議論されていますので、それ以上に私
が申し上げることはありません。しっかりと対応していきたいと思っています。
籾井会長の答えが十分だとは全く思っておりません。
〇「一票の格差」をめぐる司法判断について
【テレビ朝日・小田川記者】
昨日衆院選の「一票の格差」について、東京高裁が「合憲」という判断を下した。
そして先ほど、名古屋高裁は「違憲状態」という判断を出した。こういった形の判
断が下されたことについて話を伺いたい。
【代表】
司法の判断なので、あまり政党が言うことはどうかと思いますが、東京高裁の
判決は、各都道府県に1議席を基数配分することについて非常に軽く見ている
と私は思います。最高裁の判決も二つありますので、どちらの立場に立つかと
いうこともあるかもしれませんが、基数配分を事実上残していることは間違いな
いので、今回の「0増5減」というのは、その上での、びほう策(弥縫策)です。司
法というのはその事案の判断しかしませんから、現状についてそういう判断をし
たというのは百歩譲ってわかるとしても、これからも同じやり方でいいということ
では決してないと思います。
我々の責任は、しっかりとした「一票の格差」是正、プラスして定数削減の成案
を得ることで、野党5党は一旦案をまとめました。アダムズ方式というのは、今、
佐々木調査会(衆議院選挙制度改革のための第三者機関「衆議院選挙制度に
関する調査会」)で検討しているものとかなり似ているわけです。
当時、安倍さんは、小選挙区はいじらない、比例で定数削減すると言っておら
れましたが、そういう考え方は佐々木調査会でも否定されているわけです。これ
は当然だと思います。ですから、安倍総理には自民党総裁としてしっかりリーダ
ーシップを取っていただきたいと思っています。
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