岡田克也代表定例記者会見(3月27日)
岡田克也代表記者会見
2015年3月27日(金)15時00分~15時37分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
〇「民主党公募2015」第一弾・女性候補者公募の実施について
(配布資料添付)
〇「一票の格差」をめぐる司法判断について
■質疑
〇「民主党公募2015」第一弾・女性候補者公募について
〇衆議院の選挙制度改革について
〇米議会での安倍総理の演説について
〇憲法改正をめぐる議論について
〇平成27年度予算関連法案について
〇政治献金制度改革について
〇次期参議院選挙の対応について
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■冒頭発言
〇「民主党公募2015」第一弾・女性候補者公募の実施について
【代表】
私からは2点。第1点は公募の件です。お手元に資料もお配りしました
が、候補者の公募の再開についてご説明させていただきます。
まず、これまでのわが党の公募に対する取り組みですが、1999年に
スタートいたしまして、7回実施いたしました。応募者合計は延べ5276
名、国政選挙出馬に至ったのは95名です。当選実績58名。ですから、
当選確率はかなり高いということになります。
他党に先駆けてこういう公募制度を取り入れましたが、今は自民党も
2009年の選挙の後、公募などもやられたやに聞いておりますが、昔
は「ジバン(地盤)・カンバン(看板)・カバン(鞄)」、“三バン”がなければ
政治家になれないなどと言われていましたが、そういったものがない普
通の人々が志を持って政治家になれる、そういった道を大きく築いたの
が民主党であると思っております。
ちなみに現在、現職議員は15名、衆議院11名・参議院4名でありま
す。
それから、これは民主党ということではないのですが、日本新党の公
募1号が枝野幸男幹事長。それから細野豪志政策調査会長は、民主
党本部の公募ではなくてたぶん県連の公募ではないかと思うのですが
、いずれにしてもそういった党の幹部、三役にも公募で政治家になった
人が2人も入っているということも強調しておきたいと思います。
今回はリニューアルして公募をスタートさせるわけですが、リニューア
ルという意味は、年間を通して複数回募集していきたいと考えており、
その第一弾として女性候補者の公募。締め切りは5月29日までとして
おります。
なぜ女性からスタートしたのかということですが、やはり一つは、私は
民主党を変えるのは「女性」と「地方」だと、従来から強調しております。
女性の候補者を増やしたいと。それもただ増やすのではなく、大きく増
やしたいと考えております。なかなか既存のルートでは、女性が候補者
になるのは容易なことではありません。県連や総支部から選抜されて
上がってくるというのは地方議員の方であったり、いろいろな活動をして
おられる方ですが、やはり男性が多い。そういった通常ルートで女性が
候補者になるチャンスは少ない。だからこそ公募という手法の中で、志
のある女性に手を挙げてもらいたいと考えています。そういう意味では、
戦略的に非常に需要な位置づけを持っております。
第一弾は女性ですが、第二弾以降も順次考えており、例えば被災地
で活動している様々な人たち。被災3県に行くと、以前、党本部でお話
をいただいた方も含めて、いろいろな形で、NPOとか、あるいは地域の
中で活動しておられる方もたくさんいらっしゃいます。そういう方々の中
にも、今までの活動をより実現していくために政治家に、という方も多い
のではないかと私は思っています。そういう方々にも手を挙げていただ
く機会も作るべきではないか。第二弾以降、また順次考えていきたいと
思っております。
募集のやり方で従来と変わるのは、動画を要件の中に入れようと、ま
だ詳しくは決めておりませんが、90秒の動画で主張をしっかりと述べて
いただくといった試みもしたいと思っております。
〇「一票の格差」をめぐる司法判断について
【代表】
もう一つ、私、申し上げたいのは「一票の格差」の判決であります。今日
も福岡高裁宮崎支部で「違憲状態」という判決が出ました。先般、「違憲」
判決も出ており、今、「違憲」判決が1件、「違憲状態」が10件、「合憲」が
4件となっております。大勢は「違憲状態」ということで、やはりこれは非常
に厳しく受け止めなければならないと思っています。
「違憲状態」であるという理由は、やはり基数配分が残っているというこ
とで、これは我々が強く主張してきた点です。「0増5減」だけではだめだ、
基数配分が事実上残っていると何度も主張してきました。それを顧みず
に「0増5減」に留めて解散をしたのが安倍総理であります。そのことが厳
しく司法によって批判されている、そういう認識を自民党、そして安倍総理
は持つべきだと考えております。
先般、佐々木調査会(「衆議院選挙制度に関する調査会」)のヒアリング
がありました。私が非常に驚いたのは、あそこに自民党の細田さんが出て
きたことです。細田さんが出てきて、持論をとうとうと述べた。持論というの
は「0増5減」だけで、あとは都道府県の配分を変えずに、都道府県の中の
線引きを変えて、(一票の格差を)2倍以内に収めればいいのだと。つまり
今、司法によって批判されている案そのものを説明したわけです。それで
いいのだと。細田さんが出てくればそういう説明になるのかもしれませんが、
それをわかっていて細田さんを出した自民党は、私は「一体どうなっている
のか」と。これだけ判決が出ていても全く気にもせず、無視して出してきて
いるということに驚きを禁じ得ない。
ついでにもう一つ言っておきますと、今日、谷垣さんが記者会見で細田案
を説明したのですが、しどろもどろで、細田案を全くわかっていない。わかっ
ていない幹事長が、結局細田さんを出したのは最終的には幹事長の判断
でしょうが、これまた驚きで、もうちょっとまじめにやれと申し上げておきた
いと思います。
わが党は枝野幹事長が出て、強調されたことは都道府県配分を取る。
人口50万人で1議席ということで再構成して「3増18減」、これは結果的
にそうなるということですね。この案の非常にいいところは、1回ビルトイ
ンすると人口減に伴って自然に定数削減が行われていくということであり
ます。
もう一つ幹事長が強調されたのは、次の選挙に間に合わさなければだ
めだと。そのためには、やはり佐々木調査会にも早く結論を出してもらわ
ないと、区割り審(「衆議院議員選挙区画定審議会」)で区割りの作業を
するのに1年くらいかかる可能性がありますので、また次の選挙に間に
合わなくなってしまいかねない。だから早くすることが重要だと。
安倍総理も施政方針演説の中で、「党派の違いを超えて実現しようで
はありませんか」と大見得を切ったのですが、今回の細田さんあるいは
幹事長の対応を見ていますと、まあ言っただけなのかなと、改めて感じ
ております。
■質疑
〇「民主党公募2015」第一弾・女性候補者公募について
【NHK・花岡記者】
代表は代表選挙の時から女性候補の公募をおっしゃっていたと思う。
一方、民主党では衆院の空白区が大きな問題になっている。代表はクオ
ータ制にも言及されているが、女性候補、どのくらいのボリュームを目指
していきたいとお考えか。
【代表】
もちろん出せばいいということではありませんので、まだはっきり決めて
いるわけではありません。クオータ制は党の中で今、議論していますが、
具体案がまだ出てきておりませんので、決定はしておりません。あまり代
表が先走って言うことは適当ではないと思います。
ただ、まずクオータ制について言うと、これは比例の部分です。やはり一
定の範囲で女性が優遇される部分を作ることが検討されているということ
です。選挙区のほうは、出すほう(候補者)のクオータ制で、当選まで保証
するものではないのですね。
私としては、たくさん公募で手を挙げていただいて、いい人材が確保でき
れば、現在の空白区に、もちろん地元の都道府県連の了解も得つつ、しっ
かり立てていきたいと思っています。
【朝日新聞・渡辺記者】
今回の都道府県議選・政令市議選に対して、女性候補への資金援助と
いう特典があったかと思う。今回、国政選挙とその他の地方選挙というこ
とだが、そういう金銭的な援助は考えているか伺いたい。
【代表】
既にそういう仕組みはありますが、それに加えてさらなる支援は当然考え
ていかなければならないと思っています。
【時事通信・高尾記者】
5月29日に1回区切って、その後はまた別の公募の条件で始めていくと。
そうすると、その後は女性に限定した公募はもうやらないという認識でよろ
しいか。
【代表】
それはまだ、あるかもしれません。ただ、例えば先ほど言ったように被災
地ということでやった場合には、これは男性も女性もある。将来、じゃあもう
1回女性候補者の公募をしようかということもあるかもしれません。それは
まだ何も決めておりません。
【「FACTA」・宮嶋記者】
ここにある「被災地の復興に手を挙げる女性が、もっともっと出てきて欲し
い」というのはかなり具体性があるし、動画データもおもしろいかもしれない。
民主党にも蓮舫さんとか辻元清美さんとか目標になるような女性議員がい
るが、具体的にはどういう女性を目標としているのか。また、公募と同時に
掘り起こしのようなことも一緒にやっていく必要があるのではないかと思うが、
その辺も含めて誰が中心にやるのか。
【代表】
女性の候補者を増やすというやり方は、いろいろあります。一本釣りのよ
うな形でお願いすることも含めて考えていかなければいけないと思います。
あるいは地方議員の方とか、民主党の女性議員は実は自民党よりもずっと
多い。そういう中から国政を目指そうという人にこちらからお願いすることも
あるかもしれません。
ただ、そういうツールの一つとして公募というのを考えているわけで、公募
する候補者に、型にはめて「こういう人」と言うつもりはありません。多様な
人材に手を挙げていただく。私が「女性」が党再生の一つのキーワードだと
言っているのは、多様な人が集まってこの党を作っていく、その最たるのも
のが女性であると。女性という一くくりの中でも、様々な女性がいらっしゃる
ということだと思います。
〇衆議院の選挙制度改革について
【朝日新聞・渡辺記者】
「3増18減」で党内まとまっているということで、積み重ねがあってのこと
だと思うが、これから人口減社会を迎えるに当たって、これ以上国会議員
の数を少なくして、特に地方を少なくすることが実際問題として声を反映す
る上でいいのかどうなのかという議論はまだあるかと思うが、そこら辺の考
え方について伺いたい。
【代表】
全体として数を減らすということ、これは党としてしっかりまとまった考え方
があって、だからこそ野田佳彦総理は党首討論で持ち出された。
それから地方と都市との問題ですが、これはもう最高裁が既に判決の中
で明確に、そういう問題は考慮要因ではなくて、人口が憲法上の要請であ
ると。それが基本だということを言っています。そういう理由で1都道府県1
人の割り当てというのは今や憲法上容認できないということも言っている。
やはりそういう司法の判断というのを前提として議論しないと。自民党の中
には、そういうのを無視したいろいろなご発言もあるようですが、最高裁の
判決が出ている以上、それは前提にしなければならない。それを超えると
いうことであれば、それは憲法改正をしなければならないと思っています。
もちろん比例の部分を活用して、党として、同じブロックの中でより過疎
地域からの代表が増えるような工夫とか、そういうことは可能です。それは
各政党が判断することだと思います。
一番大事なのは、とにかく急ぐことです。急がないと間に合いません。そ
ういう意味では、佐々木調査会が迅速に対応していただくことが非常に重
要だと思っております。三重県だって五つが四つになりそうなので、決める
のなら早く決めてくれということです。突然変わると、それは困ります。
〇米議会での安倍総理の演説について
【フリーランス・宮崎記者】
集団的自衛権に関して伺いたい。今日、高村自民党副総裁が国防長官
と会って、集団的自衛権を行使する安保法制の再整備、今国会中に成立
できるのではないかという趣旨の話をしたようだ。4月26日から総理が訪
米され、オバマ大統領と会談の上、4月29日に連邦議会でスピーチをする
が、集団的自衛権行使の方向性だということは当然内容に入ってくるかと
思う。日本の国会より先にそういった発言をアメリカでして、既成事実化す
るのではないかと考えるのが妥当ではないかと思うが、代表のご所見を伺
いたい。
【代表】
国会での演説なり答弁で集団的自衛権についても当然説明はされている。
ですから、一つは、それを超えるようなことがあれば大変問題だということ
になります。つまり、限定された集団的自衛権であるということを正確に説
明される必要があります。でないとアメリカは過剰に期待感を持ってしまう
と思います。
もう一つは、これは閣議決定。その閣議決定も大変問題なのですが、国
会で法律は成立していないということはきちんと説明されないと、これまた
誤解を生んでしまいます。そういったことはきちんと踏まえて演説されるこ
とが必要だと思います。「野党第一党である民主党がこういう理由で慎重
な見方をしている」ということも演説で言ってもらえればベターだと思います
が。
今日も安全保障総合調査会を開催し、後方支援の恒久法について議論
をいたしました。大体集約はできたのですが、今日までのところ、前回のP
KOに続いて、かなり活発な意見交換、そして集約がなされてきている。私
も一番端っこで聞いていて、時々質問もしたりはしているのですが、非常に
いい議論がなされていると思います。これから、政府的に言いますと周辺
事態法の改正の問題とか、それから集団的自衛権の問題に入ってきて、
より佳境に入ってまいりますが、引き続きしっかりした議論をして、党として
のスタンスを固めていきたい。そんなふうに考えているところです。
〇憲法改正をめぐる議論について
【NHK・花岡記者】
憲法審査会が2日にも開かれる見通しだ。代表は、安倍総理のもとで
の憲法議論は危険だということで慎重なお立場だと思うが、党として今後
の審査会についてどういう姿勢で臨んでいかれるか。
【代表】
基本的なスタンスをまずしっかり確認する必要があると思います。もとも
と今までの議論というのは、例えば憲法ができた時の経緯がおかしいとか、
そういう観点ではなくて、日本国憲法は非常に重要である、重要な役割を
果たしてきたということを前提に、しかし時代に合わなくなってきた部分が
あるということで、改正を議論してきた。
安倍さん自身は、憲法ができた時の経緯を非常に強い言葉を使って、
「(GHQは)憲法の素人」とか「代物である」とか、総理として本当に恥ずか
しい、憲法を侮辱するような表現を使って新聞のインタビューに答えてお
られ、それはまさしく適切ではないと考えています。総理も答弁の中では
少し言い方を変えられましたが、考え方が変わったのかどうかはっきりし
ません。
そういうこともきちんと確認しなければならないと思います。
それから最近は船田さんが、1回目は万人が合意しやすいところでやる
けれども、2回目は9条だ、9条の改正が本来の目的であるように言って
おられるのも理解に苦しむところです。
そういうこと一つ一つ、我々の懸念を取り除いていただいて、その上での
議論だろうと思っています。
【「FACTA」・宮嶋記者】
岡田代表が副総理の時に、3.11の時に与党であった経緯を踏まえて、
改憲も含めて非常事態法制を検討すべきではないかと伺った時に、いや、
現行の災害対策一般の中で十分だということをおっしゃった。非常事態と
いうことの憲法改正ということになると民主党は最もそこのスタンスを問わ
れると思うが、今でも非常事態法制は現行の枠組みで十分だという考えを
お持ちか。
【代表】
緊急事態における憲法上の手当てというのは重要であると私は思いま
すが、同時に、相当気をつけないと乱用されてしまう可能性もあるわけで
す。例えば参議院において多数を持っている時に、わざと衆議院を解散
して、(衆院解散中に)その多数を活かしてやりたいことをやるということ
だって考えられるわけです。だから相当これは緻密な議論をしていかな
いと悪用されかねない問題だと思います。他方で、憲法上の規定を置か
ないと本当に対応できないようなケースがどのくらいあるのかということだ
と思います。
いずれにしても今、例えば船田さんの発言を見ていても、一般に理解が
得られやすいようなことを試しに一つ二つやって、憲法改正に対する違和
感を、バリアを取り除いて9条をやるんだ、その材料として緊急事態に関す
る憲法改正を考えている節もあります。こんな大事な問題をそんなふうに
考えられては困ると思っています。
〇平成27年度予算関連法案について
【フリーランス・宮崎記者】
予算「日切れ法案」が政府や与党国対の指定では22本あるが、衆議院
の委員会でまだ審議入りしていないものがたくさんあり、22本全部が参議
院でも(年度内に)成立することはないと思う。例えば10月1日設置のスポ
ーツ庁も日切れ指定になっており、そもそも日切れ指定が多過ぎるのでは
ないかという考えもある。民主党も「日切れ法案」の審議日程には協力して
いると思うが、日切れ指定のあり方について、理事会での協議なども含めて、
どういった形でわかりやすくされていこうとお考えか。
【代表】
従来から、本来の意味の「日切れ」でないものが紛れ込んでいるというこ
とは言われてきたことで、それぞれの理事会あるいは国対ベースで議論し
て、本来の「日切れ」かどうかということは厳密に判断していかなればならな
いと思います。
〇政治献金制度改革について
【時事通信・丸橋記者】
昨日の政治改革・国会改革推進本部で民主党案はまとまったと思うが、
これについての代表の評価を伺いたい。
【代表】
代表が評価というか、まとまったことについては、いろいろな意見がある
中で皆さんが合意していただいたことは高く評価しております。
【時事通信・丸橋記者】
枝野幹事長は維新との二幹二国(2党間の幹事長・国会対策委員長会
談)で、一度は企業・団体献金についてパーティー券の購入も含めて廃止
を目指すべきだと主張されたが、そこについてはちょっと後退したかなとい
う部分も見受けられる。その点について代表はどのようにお考えか。
【代表】
あの表現(「国民の信頼を得られる政治資金のあり方について」)の中に、
「2011年3月にまとめた骨子案に基づき」と。あの時に骨子をまとめたの
は私なのですが、その中にはパーティー券(の企業・団体による購入禁止)
も入っていますから、別に後退したとは私は受け止めておりません。
【朝日新聞・渡辺記者】
民主党としては企業・団体献金の廃止を目指すということをずっとマニフェ
ストに書かれていたが、たしか2013年の参院選のマニフェストからそうい
った記述が消えている。「政治とカネ」にどう民主党が向き合うのか、今回の
一連の総会を聞いていても、これまでと対策が変わってきたのではないかと
思われる部分があるが、代表としてはどうお考えか。
【代表】
基本的に同じだと思います。我々は、企業・団体献金、パーティー券(の企
業・団体の購入)を含めて廃止を目指していくと。ただし、その時には当然法
律で禁じるということです。それからもう一つは、個人献金がやりやすくなる措
置も講ずるということで進めていくということです。そのスタンスは基本的に変
わっておりません。
【フリーランス・宮崎記者】
「企業・団体献金の廃止」という言い方をした場合に、自民党は「企業献金」
だが、民主党の場合は、労働組合が作る政治団体の「団体献金」、この辺が
ネックになるのではないかとよく言われている。「企業・団体献金の廃止」とい
う言い方をした場合に、参議院比例の産別の議員も納得できるとお考えにな
るか。
【代表】
団体という時に、「結社の自由」ということがある中で、一定の強制性を伴わ
ない団体の献金というのは、これは憲法上禁止できないというのが法制局の
考え方のようで、全部がだめになるということでは必ずしもないということです。
例えば、労働組合に入っている人たち全部が政治団体に献金するのではな
くて、その中で全く任意に、例えば10人に1人くらいが献金して、団体に集め
て、その団体が寄付をするというようなことまでも禁じるものではありません。
今の組合の実態はそういう形がほとんどであると認識していますので、そうい
うことまで禁止されるわけではないということです。
〇次期参議院選挙の対応について
【日本経済新聞・恩地記者】
来年の参院選で、比例代表で各産別労組とも組織内候補の積極擁立を
考えているようだが、これは比例の上積みという点と一方で票の分散と、両
面あると思うが、産別労組の組織内候補についての党の考え方を伺いたい。
【代表】
基本は、出すほうがどう考えるかの問題なのですね。党として少ないほうが
いいとか多いほうがいいとか、そういうことを言う立場には基本的にはない。
今回、非常に意欲的に各産別が出そうと動いていただいているわけで、それ
はそれとして、私は悪いことではないなと思っています。
ただ、産別以外のいろいろな比例候補がもっと出ていただいたほうがいいと
思っております。女性の候補者も含めて、これから働きかけをしっかりと強め
ていきたいと思っています。
【フリーランス・宮崎記者】
連合の最大の産別はどこかというと、140万人以上いるUAゼンセンは労働
運動始まって以来最大の産別だと思う。その最大の産別の最大の単組はイオ
ングループ労働組合連合会、言うまでもなく使用者は岡田代表のお兄さんとい
うことになる。その辺の公私は全く分けていると思うが、そのご感想と、非正規
雇用の方は電機やゼンセンには多いが、非正規雇用の方は岡田民主党代表
にいろいろな声を届ける上で頼っていいのか、その辺簡単に意見・感想を伺い
たい。
【代表】
質問がよくわからないところもあるのですが、私は労働組合が、やはり正規
雇用労働者だけではなくて非正規雇用の人を組合に加入させていくというのは
非常に重要な方向ではないかと思っています。UAゼンセンなどは非正規雇用
の方の割合が増えているということですが、これは産別によってだいぶばらつ
きがあります。非正規雇用の方が増えると、労働組合そのものの性格も変わ
ってきます。なかなかつらいところもある、正規雇用と非正規雇用で状況が異
なることもありますから。そういうのを乗り越えて各産別が努力していただいた
ほうが長期的にはいいのかなと。もちろん最終的には、それはそれぞれの労
働組合が決めることですが、そんなふうに思っています。