辺野古移設、安倍政権は沖縄知事と対話を 信頼関係を深め裁判回避すべき (夕刊フジコラム「ズバリ直球」15年4月2日)
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐる、政府と沖縄県の対立が緊迫化している。林芳正農水相は3月30日、翁長雄志知事が沖縄防衛局に出した辺野古沿岸部での作業停止指示の効力を一時的に停止すると決定した。今後、数カ月内に林農水相の裁決が行われるとのことだが、このままでは国と沖縄県が裁判で争うことになりかねない深刻な状況だ。
民主党としては「世界一危険」といわれる普天間飛行場の固定化を避け、米軍の抑止力を維持し、沖縄の基地負担を軽減するには、残念ながら、辺野古以外の選択肢はないと考えている。具体的な代替案がない中で、沖縄の方々に、県外・国外移設といった実現困難な期待を与えるのは適切ではない。
ただ、問題は沖縄県民の感情を逆なでするような、安倍政権の強権的なやり方だ。翁長知事は昨年11月の当選以来、一度も安倍晋三首相や菅義偉官房長官に会えていない。これは異常なことだと言わざるを得ない。
菅長官は「予算委員会の開催中で会えない」などと述べているが、まったく不可解だ。予算委員会以外の時間をやり繰りすれば、いくらでも面会はできるし、そもそも官房長官は一日中予算委員会に出席しているわけではない。
見え透いた言い訳をすることで、沖縄県民の不信感を増幅しているのではないか。このまま対立がさらに激化して、双方にケガ人が出るような事態となれば最悪だ。裁判になる前に、対話を通じて信頼関係を深めるための努力をすべきだと思う。
私は先週末、茨城県笠間市とつくば市を訪れ、農業などの1次産業が、食品加工(2次産業)や、流通販売(3次産業)にも業務展開している「6次産業化」の現場を視察し、関係者と意見交換してきた。
茨城県は「栗の生産日本一」で、訪れた笠間市では、生栗だけではなく、ジャムやアイスクリームなどに加工したり、東京の有名店に販売したりしていた。スペインでは、ドングリを食べて育ったイベリコ豚が最高級だが、笠間では規格外の栗を食べさせた豚の生産も行っていた。地域を活性化させようとする挑戦に感心した。
さて、民主党では多様な人材を幅広く募り、党をさらに活性化するために、国政・地方選挙を見据えた候補者の公募をスタートした。民主党は他党に先駆けて以前から積極的に公募を行ってきたが、今回の特徴は、テーマや対象を絞った形で順次公募するところだ。
第1弾は「女性公募」で、応募資格は「日本国籍を持ち、選挙時に資格年齢(衆院と地方で満25歳、参院で満30歳以上)に達していること」だけだ。経歴書と小論文、自分をPRする90秒の動画を送ってほしい(詳細は党のHPで)。締め切りは5月29日。
私は、民主党を多様な人々によって支えられた党として再生したいと思っている。地域や日本をより良くするため、多くの女性が手を挙げてくれることを期待している。 (民主党代表)