岡田克也代表定例記者会見(7月3日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=aaEHzbpPps4
岡田克也代表記者会見
2015年7月3日(金)15時00分~16時01分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
〇民主党候補者公募・第2弾「大補強2015-逸材公募」の実施について
〇揺らぐ政府の「存立危機事態」の定義について
〇JA全中の新会長人事について
〇参議院選挙制度改革案を公明党と共同提出へ
■質疑
〇民主党候補者公募・第2弾「大補強2015」について
〇《安保法制》野党の対案について
〇参議院選挙制度改革案の公明党との共同提出について
〇《安保法制》あいまいな政府答弁と法解釈について
〇JA全中の新会長人事について
〇記者会見・取材のオープン化について
〇ロシア海域におけるサケ・マス流し網漁の禁止について
〇相次ぐ自民党議員の暴言について
〇「漏れた年金情報」問題について
〇次期衆議院選挙の対応について
〇岩手県知事選の対応について
〇田辺誠氏のご逝去に際して
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■冒頭発言
〇民主党候補者公募・第2弾「大補強2015-逸材公募」の実施について
【代表】
4点申し上げます。
第1点は、候補者の公募についてです。さきに女性候補者公募で第1弾
を行いましたが、第2弾の公募プロジェクトを実施します。締め切りは8月
31日、求める人材としては、安倍政権としっかり対峙できる、そして次の
政権交代をしっかり担える、そしてわが党として特に補強すべき分野の人
材。今回、後ほど説明してもらいますが、玉木雄一郎選対委員長代理を、
同じ世代の人に声をかけていただくということも含めて担当とし、山尾志桜
里さん、神山洋介さんにも加わっていただいて、公募を行います。
今の国会情勢を見て、早期の解散ということも全くないとは言えない状況
だと私は思います。したがって候補者の擁立も急がなければならない。あ
わせて党所属の衆議院議員、衆議院議員は「常在戦場」です、いつ解散が
あってもいいようにしっかり準備しておく、それは衆議院議員として当たり前
のことです。長い国会になりますが、国会にはしっかりと出ていただくことは
当然ですが、同時に、選挙の準備もしてもらいたいと、代表として考えます。
〇揺らぐ政府の「存立危機事態」の定義について
【代表】
2番目に、今日の国会ですが、私もわが党の議員の、枝野幸男さんをは
じめ、長妻昭さん、後藤祐一さん、あるいは長島昭久さんの(衆・安保特委
における政府との)やりとりを聞いて、もうにっちもさっちもいかなくなってき
ているなというのが実感です。
総理がパネルで最初に説明された二つの事例、つまりホルムズ海峡と、
もう一つは、近隣の国で戦争が始まって、赤ちゃんを抱いた日本人のお母
さんが逃げてくる、これに対して何もできなくていいのかと。この二つが典型
例だった。私が今年の2月に代表質問で施政方針演説について聞いた時
は、その赤ちゃんの話は少し変わったかもしれませんが、ホルムズ海峡は
引き続きありました。もう一つは、日本を守るための米艦が攻撃されていい
のかと、こういう話だったと思うが、いずれにしてもこの二つの事例もそれぞ
れもう論理が成り立たなくなっている。
ホルムズ海峡の話は、もう何度も議論になっているが、こういった経済的
理由でやるということがはたして「存立危機事態」に当たるのかということも、
きちんと説明できていませんし、逆に「存立危機事態を排除するための必
要最小限」ということになると、それは第三国に行ったり、そして波静かな時
は機雷の排除ということになりますが、波静かでないという状況になれば、
そういった相手の攻撃を排除することも含まれるのではないかということに
対して、論理的に反論できていないと思います。内閣法制局長官も含めて、
ほとんど論理的には崩壊状態。
それから今日(衆・安保特委)の話で、後藤祐一さんも言われましたが、
私が党首討論した時も、近隣の国で、「東京を火の海にするぞ」とか、ミサ
イルがいかにも飛んでくるような、いろいろな状況がある、そういう中におい
て米艦が攻撃された時に「存立危機事態」になって、日本がその攻撃する
国に対して武力行使できるという説明でした。そういうミサイルが日本に飛
んでくることがない場合に(赤ちゃんを抱えた)母親の乗った米艦を攻撃す
る国に対して日本は反撃できるのか、という後藤さんの質問に対して、総
理は明確に答えられなかった。いろいろ自分で新しい条件を付して「こうい
う場合はできる」ということですが、シンプルな設定に対してちゃんと答えら
れなかった。つまり「日本を攻撃する」と明言して、ミサイルも日本に向けて
発射する準備が整っているような、そういう事態がない場合に、日本人を
運んでいる米艦が攻撃された時に、はたして「存立危機事態」に当たるの
か、私は非常に疑問だし、だからこそ総理は明確に答えなかったと思う。
最初に、「こういう場合に、だから集団的自衛権の行使が必要でしょ」と
言った事例が、いずれも説明できなくなっていることを捉えても、非常に論
理破綻している政府の説明ではないかと思います。やはりもう一回きちん
と検討し直して、法案を出し直す。この国会は一旦閉じるということしかな
いと思います。
〇JA全中の新会長人事について
【代表】
3番目。JA全中の会長選挙がありまして、JA三重の中央会の奥野長衛
さんが新会長に内定いたしました。私も存じ上げている方であり、また全中
の改革、組合の改革ということも言っておられる方で、非常に期待をしてい
ます。農業の現状に対して強い危機感を持っている、そういう危機感のも
とでさまざまな改革に取り組んでいただけるのではないかと思います。
民主党としても新しい会長、あるいは中央会、農業協同組合、皆様との
率直な意見交換を通して、信頼関係の構築に取り組んでいきたいと考えて
います。
〇参議院選挙制度改革案を公明党と共同提出へ
【代表】
4番目。参議院の選挙制度改革ですが、民主党・羽田雄一郎参議院幹
事長と公明党の参議院幹事長が会談して、公明党案を共同提出すること
に合意いたしました。(「一票の格差」を)2倍以内に抑えるという案で、わ
が党とは少し違いはありましたが、しかし、2倍以内に抑える、そして合区
をする、県と県を一つの選挙区にするという基本的考え方において一致し
ておりますので、公明党案でいくことを表明させていただいた。
自民党は、荒井案なるものがありますが、3倍を辛うじて切るような案で、
これでは全く答えになりません。是非、他の野党、自民党も我々の案に賛
同していただいて、早く決着をつけて、1年後の参議院選挙に備えて法律
の整備をこの国会でやらなければいけない。それは国民の皆さんに対す
る我々の最低限の責任だと思います。
■質疑
〇民主党候補者公募・第2弾「大補強2015」について
【時事通信・越後記者】
冒頭の「早期解散もないとは言えないと思っている」という点で、このよう
にお考えになる理由と、公募を8月31日で一旦区切る時期的な理由と、
2点伺いたい。
【代表】
公募は、大きな流れの中で何回かやっていく。やはり締め切りがないと
なかなか出てこない。前回(女性公募)の時も、締め切りの直前にたくさ
ん応募があり、8月31日というのが一つの区切りです。それで終わりと
いうことではなくて、引き続き行ってまいります。
解散の話は、衆議院は「常在戦場」、いつ解散があってもいいように準
備しておくというのは、言われなくても当たり前のことです。そのことを党
所属議員の皆さんにももう1回リマインドしておく。国会が長いからといっ
て気を抜くことなく、しっかりと自分の選挙区で勝ち上がれるように準備し
てもらいたいと考えています。
今議論しているこの(安保)法案が通らないということになれば、どうい
うことが起こるか、いろいろな可能性があると思います。アメリカで既に
約束されていることでもあります。そこは緊張感を持ってしっかりやって
いきたいと思います。
【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
公募は今回で2回目になるが、第1回では何が足りなくて、第2回目は
何を重点に取り組むのか、代表から伺いたい。
【代表】
第1回目は女性に限った公募をさせていただきました。いい応募の方
もいらっしゃいます。
今回は女性に限らず、男性・女性含めて再度求めたい。これだけ安倍
政権の暴走ぶりがあらわになってまいりますと、今の時代というものに危
機感を持って、安倍自民党に対抗できる政治勢力をしっかり作らなけれ
ばいけないという思いの方が、若い世代に増えていると私は思います。
そういう中でさらにいい人材に手を挙げていただけるのではないかと期
待しています。
【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
公募に当たっては党員・サポーターの資格が必要なのか。必要でない
のであれば、代表から公募の方にメッセージをいただきたい。
【代表】
党員・サポーターである必要は全くありません、むしろ私は民主党の立
て直しのためには、新しい力が必要だと考えています。先般も申し上げ
たが、やはり女性、それから改革志向を持った若い力、そういう方々にこ
れからの民主党をしっかりと作っていってもらいたいと考えています。「自
民党だけではやはりだめだ」と考える方は多いと思いますし、最近の安倍
政権の暴走ぶりを見ていて「これは危ないな」と感じておられる方がいらっ
しゃると思います。これは安全保障だけではなくて、アベノミクスも含めて
申し上げている。ですから、そういう志のある方々にしっかりと結集しても
らって、この国の政治全体を立て直していく、そのための公募だというこ
とを理解していただきたいと思います。
〇《安保法制》野党の対案について
【フリーランス・横田記者】
政府案を「違憲」と言った憲法学者の小林節教授が昨日、維新の独自
案については「合憲だ」とおっしゃった。維新の独自案についてはどう評
価されているか、共同提案みたいなことはあり得るのかどうか、お考え
を伺いたい。
【代表】
(違憲・合憲の話は)集団的自衛権に関する部分ですね。そこについて、
私もまだ維新の皆さんとよく意見交換していませんので詳細は分からな
いのですが、私の理解では(維新案は)集団的自衛権ではない。「集団
的自衛権の一部だ」「制限的な集団的自衛権だ」と言っている自民党の
偉い人もいるようですが、それは間違い。個別的自衛権の枠の中の話
だと思います。したがって、政府案とは全く別物。
今までは「切迫事態」、武力攻撃が切迫しているということに対して、
切迫より手前に「明白な危険」ということで概念を少し広げてもう少し手
前で防衛出動ができるとしたものではないかと私は思います。
ただ、武力行使というのがどういう段階でできるようになるのかという
ことは、条文だけではよくわからないので、よくご意見を聞いてみたいと
思います。
【NHK・花岡記者】
維新の説明が今日あったかと思うが、今後、協議の進展によって共同
提案の可能性があるのかないのか。周辺事態法についても民主党案と
維新案はかなり近い部分があるが、こちらの共同提案の可能性につい
てどうお考えか。
【代表】
まず領域警備法案は一緒に作ってきたものです。わが党は既に昨年も
出していまして、それに維新と意見交換して少し付け加えたのが現在の
維新案であり、わが党の案。これは基本的に同じものです。
これをどうするかということは、これから維新ともよく相談していきたいと
思いますが、同じものが別々に出るということは普通考えられない。よく
維新と相談していきたいと思います。
それから他の法案、周辺事態法とかPKO法とか、かなり共通点が確か
にある。基本的な枠組みは変わっていないと言っていいと思います。それ
から後方支援の概念のところもあまり変わらない。一番違うのは、国連の
決議のある場合の後方支援活動について、恒久法にするか、我々のよう
に恒久法は認めないという考え方に立つのか。それ以外はかなり共通し
ています。
いろいろ議論してすり合わせをしていくというのも一つの考え方だと思い
ますが、維新のほうはかなり早く出すことを念頭に置いておられるようです
ので、その辺はまだ具体的にどうするかは決めておりません。我々もそん
なに時間をかけずに、準備はできていますので、できれば少しの違いであ
れば乗り越えて協力していくというのも一つの考え方だとは思いますが、
これは相手のある話です。
【読売新聞・前田記者】
代表は以前、法案を提出するとその対案の審議に時間が費やされて、
政府案に対する審議が深まらないとおっしゃっていたが、そこの考えは
変わらないか。
【代表】
同じです。ただ、維新が出すのであれば、そういう話はなくなる、そうい
う状況の中でわが党としてどう考えるかということだと思います。
出すとも出さないとも、現時点では申し上げません。準備はできています。
【フリーランス・田中記者】
先ほどの「同じものが二つ出ることは考えられない」というのは、これは
領域警備法案のことでよろしいか。
【代表】
そうです。
【フリーランス・田中記者】
自民党は結局、維新に対案を出させることによって自分のところのテー
ブルに引きずり込もうとしているわけで、「出してきたので」ということで強行
採決を薄められる。高村副総裁などは、早く出せ、早く出せと舌なめずりし
て催促しているわけだが。
そうさせないためにも、民主党は大人の度量を見せて、一緒に共同提案
するのはいかがか。小林教授あたりは、同じく(政府案は)違憲であること
では一致しているのだから、野党共同提案もありではないかとおっしゃって
いるが。
【代表】
違憲というお話が今出ましたが、自衛権の行使については維新と我々
は違う。もちろん(安倍政権の進める)集団的集団を認めないという点に
おいては一致していますが、先ほど言いましたように少し手前まで防衛出
動しやすくしているというのが維新案の趣旨だと思いますので、そこは我
々はそういう考え方には今立っていません。
ただ、武力攻撃の「着手」のところは、おそらく維新案でも我々と同じよ
うな、例えば米国艦船と一体となって行動している自衛隊の船であれば、
自衛隊の船自身が攻撃されなくても米艦が攻撃されれば、それは日本
に対する攻撃の着手があったと見ることができる場合がある。これは秋
山法制局長官の時の見解ですが、そういう考え方で「着手」を考えると
いうところはたぶん共通しているのではないかと私は思いますが、詳細
はよく聞いてみないとわかりません。
【フリーランス・田中記者】
私、何度か松野さんとも意見交換して、維新の文面をよく読んだが、
代表がおっしゃるようにホルムズ海峡のことも全く非現実的だとおっし
ゃっている。武器・弾薬のいわゆる後方支援はさせないと厳密に言っ
ているし、海外派兵はさせないと言っている。そこら辺はかなり妥協し
ていいのではないかと思うが、いかがか。
【代表】
先ほど申し上げたように多くの面で、PKOとか周辺事態法で共通し
ていると思います。ですから、それはお互い協議すれば一つになるか
もしれませんが、たぶん維新の中ではもっと早く出したいという声もあ
りますので、その辺は維新の中の話ですから、我々にはうかがい知れ
ないところがあります。
ただ、領域警備法案はお互い一緒に作ってきた現物がありますから、
それは次元の違う話だと思います。
【「FACTA」・宮嶋記者】
松野さんは「(安倍政権の進める)集団的自衛権は反対」とおっしゃり、
岡田代表は「(安倍政権の進める集団的自衛権は)要らない」とおっしゃ
ったわけで、ベクトルがかなり近いのではないかと思う。今国会で成立
を諦めて次の回で出し直せと言ったって、自民党がそうなると思わなけ
れば。やはり野党として対案を示すことの方向感、あまり時間がなさそ
うだが、それについて民主党は前向きなのかよくわからない。代表同士
で話してもいいし、橋下さんと話してもいいし、対案を出して、国民に「我
々はこういう案を持っているのだ」と野党第一党として示す気概がある
のか、その辺はどうなのか。
【代表】
まず対案というものが、法案の形で出すという意味なのか、考え方が
示されているという意味なのかよくわからないが、我々は既に考え方
(「安全保障法制に関する民主党の考え方」)を2ヵ月前に示している。
考え方は全部そこに書き尽くされておりますので、対案は既に出してい
る。
そういう上で、維新の党との違いは、先ほど申し上げたようなところが
違う。しかし(安倍政権の進める)集団的自衛権は認めないという点に
おいては一致している。我々の、集団的自衛権のところに対する対案
というのはない。今の法律でいいということですから、対案を出す必要
はない。
【「FACTA」・宮嶋記者】
代表のおっしゃることはよくわかるが、この2ヵ月間でこれだけ国民世
論を巻き上げて、憲法学者を含めて議論したわけだから、2ヵ月前の云
々ではなくて、自民党がなにがしか法案を成立させようとしているのなら、
それに対して「野党としてはこういう考え方がある」というのを、それも二
つかなにか数になってやらないと、本当の意味で議論する国会にならな
いと思う。対案を出すことについて民主党はやや消極的ではないかと思
うが、その辺はどうなのか。この2ヵ月の国会審議を含めて、もう一回野
党でまとまるという考えはあるか。
【代表】
2ヵ月前の考え方は全く変わっておりませんし、それは今、ほぼ法案
の形になっています。ですから、出そうと思えば出せる状況にあります
が、現実に出すかどうかというのはこれから党として決めていきたいと
思います。
今までは、それを出せばそちらに時間が取られて政府案の問題点を
明らかにすることができなくなるのではないかということで我々は控えて
きたが、維新がお出しになるということになれば残念ながら状況は変わ
る、その上で我々が法案を出すのか、あるいは考え方をもう一度、中身
は変わっていませんが示すのか。どちらかのことはすることになるだろう
と思います。
【NHK・花岡記者】
領域警備法案について、代表は別々に出すのはよろしくないとおっし
ゃったが、派遣法の時に同一労働同一賃金推進法案を(共同で)出し
ておいて、与党との協議を勝手に進められたという経緯もあった。領域
警備法案についても与党との協議の遡上に乗っているが、これについ
てはどうお考えか。
【代表】
まず、私の常識では中身が全く同じものだとすれば、別々に出すこと
はあり得ないのですが。少なくとも、お互いに議論してきて、同じものの
はず。ですから、どういう形になるか、現時点では私が勝手に決めるわ
けにはいかないのですが、いずれにせよ国会にそういうものが出たと。
同じものが二つ出るのか、一つになって出るのか、それはこれからです。
出た時に、与党はこの部分の法案がありませんから、しっかり国会で
議論してもらって、与党の質問もいただいて、そういう法案が必要なの
かどうか、あるいは手直しをして成立させるのか、そういったことは与党
も含めて議論したいと考えています。
【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
今までは維新との連携という話だったが、あるいは他の野党や場合
によっては公明党との連携を、今後も検討することはあるか。
【代表】
他の野党の皆さん、法案はたぶん準備されていないと思いますので、
我々は法案を国会に出せば、それに対して賛成を募っていくことにな
ると思います。
公明党さんは、領域警備法については政府が出しておられない部分
なので、ある意味では与党は「法律は要らない。運用でやります」とい
うのがお答えなのですが、公明党も含めて、あるいは自民党に対して
もしっかりと必要性を説明してご理解いただきたいと思っています。
【フリーランス・横田記者】
ある自民党国会議員から、「維新を与党に連れ込んで採決に出席さ
せて、強行採決ではなかったということで国会を乗り切ろう」という発言
が出ていると聞いているが、対案提出自体は政策論争を深めることに
なっても、結果的に与党にプラスになる面もあるかと思う。その辺に
ついて、野党第一党として維新と分断されずに自民党と対峙する戦略
があれば伺いたい。
【代表】
対案を出すことのメリット・デリット、双方ある。対案を出せば、政府案
の問題点を明確にする時間が、その分失われる可能性もある。それか
ら与党からの働きかけも出てくる。したがって、対案を出すか出さないか
ということは一つの大きな政治判断です。
それを一部のメディアの皆さんが、対案を出さないからだめだとか、そ
ういうレッテル貼り的に議論しているのは、全くおかしなことだと私は思
います。我々は出せます。出せますが、出すことが賢明かどうか、総合
的な判断をしています。
ただ、先ほども申し上げたように、維新がもう出すという状況の中で、
状況が変わってきている。
それから対案を出した時に、政府も与党も「出せ、出せ」と言っている
わけですから、じゃあ出した時はきちっと議論してください、ということは
当然前提になります。大阪の橋下さんも「対案を出すのだからちゃんと
議論しろ。そうでないと採決に出ないこともある」という趣旨のことを言っ
ておられます。誠実にきちんと、対案については議論してもらいたいと
思います。
【フリーランス・田中記者】
松野代表は昨日の会見で、「60日ルールは適用させない。もしそん
なことをするのだったら審議拒否も辞さない」ときっぱり言ったが、「6
0日ルール」を適用させないためにも民主党は一緒に対案を出して、
きっちり長い時間をかけて議論して、会期切れまで持ち込んだらどうか。
【代表】
いろいろな議論はあると思います。対案を出せばじっくり議論してくれ
ると考えるには、私も政治経験が長くなり過ぎましたので。
〇参議院選挙制度改革案の公明党との共同提出について
【読売新聞・前田記者】
民主党案の主な特徴は「定数削減」と「東京を二つに分ける」というと
ころだと思うが、これは今回、取り入れられないことになるが、この点に
ついてはどうお考えか。
【代表】
東京を割るかどうかは、そこは議論が双方あると思う。一つの都道府
県を割るというのは初の試みになります。
ですから、より問題なのは、やはり定数削減がなくなってしまうというこ
とです。ここは我々非常にこだわりがある、そういう意見が党の中でも出
ました。しかし、今これだけ時間的にも切迫していて、そして公明党もブロ
ック制を捨てて今の2倍以内で、合区で県を合わせることで対応するとい
う大きな決断をしてくれましたので、ここは我々もひとつ、考え方が全部が
入れられなくても、歩み寄らなければいけないだろうと考えます。
衆議院については、もちろん定数削減ということは生きています。参議
院の今回の改革については、そういうことで我々も納得した。
【NHK・花岡記者】
今回、与党・野党の枠組みを超えて参議院選挙の改革ということで公
明党と民主党で一致したと思うが、この枠組みは参議院の選挙制度改
革に限らず今後もあり得る選択肢としてお考えなのか。
【代表】
そこは必ずしもそういうふうに考えているわけではありません。これはや
はり選挙制度という、党派を超えた、いわば参議院全体としての問題。そ
の中でこれが全然進まないという危機感の中で公明党と民主党が一つの
案で合意したということであり、それが全体に広がっていくとか、そういうこ
とを今申し上げるつもりはありません。そういう政局的に考える話ではなく、
やはり非常に重要な局面に来ていて、議員一人一人が問われている問
題だと思います。したがって、私は自民党にも、あるいは他の野党の皆
さんにもしっかり考えてこの案に賛成してもらいたいと考えます。
〇《安保法制》あいまいな政府答弁と法解釈について
【フリーランス・横田記者】
憲法学者の小林節教授は政府案について、日本を北朝鮮のような独
裁国家の体制にするような法案だ、国会で政府がのらりくらり答えるの
だったら、もう有権者に直接訴えるしかないのではないかとおっしゃって
いた。小林教授のそういう北朝鮮化法案みたいな捉え方と、国民に直接
訴える運動も必要ではないかという2点について意見を伺いたい。
【代表】
前者は、どういう意味で言われたのかちょっとわかりませんので、コメン
トできません。
ただ、やはり憲法の平和主義、この前、私、国会でも申し上げたのです
が、やはり目指す方向が違うということは明らかです。
我々は憲法の平和主義というものを、国の、憲法の基本的な考え方で
すから、これをきちんとこれからも守っていく。もちろん現実の状況に対し
て、考え方を微修正していくとか、国民の理解を得ながら変えていくことま
で否定するつもりはありませんが、基本的には海外で武力行使すること
に抑制的であるというのが我々の基本的考え方です。
自民党、というか安倍さんに、戦後70年の平和、それに憲法の平和主
義が果たした役割は何ですかと聞いても、一度も答えてもらっていない。
私、今まで3回聞いているのです。憲法には平和主義と基本的人権の尊
重と国民主権があって、とか、そういう説明でいつもお茶を濁されてしまう。
安倍自民党が目指すのは、集団的自衛権をフルスペックでやると、これ
が憲法改正草案です。だから今は一時的な仮の姿、やがては集団的自
衛権を限定なく行使をして「普通の国」になる、こういうことです。目指す方
向は全然違うということです。そういうことは国民の皆さんにも是非わかっ
てもらいたい。
【フリーランス・横田記者】
小林教授はどういう流れでおっしゃったかというと、政府案の中にはホル
ムズ海峡だけとは全然書いていないのに、あたかもホルムズ海峡だけで
あるかのように勝手に限定して、法案を見ると他のところにも行けるよう
になっていると。これは法律が権力者を縛るという基本的な考えを全く理
解していないもので、権力者が広い解釈の法律を作っておいて勝手に解
釈できるというので、「国家は朕なり」という言葉を言いながら、北朝鮮と同
じ体制になる、と指摘している。こういう捉え方についてはどうお考えか。
【代表】
総理の答弁を聞いていて、これは憲法解釈として言っておられるのか、
法律の解釈として言っておられるのか、それとも総理自身の判断として「自
分ならこうする」という意味で言っておられるのか、全くわからなくなる答弁
が多い。総理も今日は、「非常に難しい法案だ」という中でいろいろ言って
おられましたが、総理ご自身がきちっとそこを分けて説明しておられない。
だから、聞いているほうも非常に混乱してしまう。
それから説明自身も日によって変わる。先ほど言ったホルムズ海峡や、赤
ちゃんを連れたお母さんの扱いなども、ピカピカの典型例だったはずが、い
つの間に一つの例にすぎない、みたいな話になって変わるわけです。
もう少しきちんと、まずは中身を固めて、その上で国会に法案を出し、答弁
されたほうがよかったと、一国会の中で同じ人の答弁がこれだけ動いている
ということだと、非常に法的安定性といいますか、法律ができた後も、どの解
釈をとればいいのだということになってしまうと思います。一旦(国会を)閉じて、
出し直して、きちんとした整合性ある答弁をして議論していただきたいと思い
ます。
〇JA全中の新会長人事について
【フリーランス・安積記者】
JA全中の会長に奥野さんが内定し、「信頼関係に努めたい」とおっしゃっ
たが、次期参院選で自民党は組織内候補を擁立する予定だが、こういった
候補に対しての比例票、それを民主党も狙いたいということか。
【代表】
選挙ということで申し上げたのではなくて、これからの日本の農業に対する
危機感、それは共通するものがある、そして地域における農協の果たす役
割ということについても、かなり共通の認識があると思います。そういった共
通の認識に立って、我々は政策を作っていくのが仕事ですから、JAの皆さ
ん、あるいは全中の皆さんともしっかりと意見交換を密にして、お互い意見
の合うところは法案を出して実現していきたいと。今までも、もちろん交流が
なかったわけではありませんが、より密にしていきたい。私の知る方がトップ
になられたという機会でもあり、そういうことを申し上げた。
〇記者会見・取材のオープン化について
【フリーランス・堀田記者】
JAの会長選挙について、JAというのは農政クラブ以外には取材させないと
言うのです。非常に古くさいところで、TPP関係もあっていろいろと取材してい
るが、全然取材させない。これくらい古い体質なものだから、岡田さんはJAの
新会長と知り合いなもので、こういったのは非常に古いと言っていただきたい。
【代表】
それぞれの組織の考え方があると思いますが、やはり「民主党みたいに会
見をオープンにしたらどうですか」ということは、お会いした時に申し上げてお
きたいと思います。
【フリーランス・堀田記者】
医師会も要するに日本医師会の加入クラブしかだめだと。そういったことが
あるので、岡田さんから強く言っておいてください。
【代表】
はい、わかりました。
【時事通信・越後記者】
本日の安全保障特別委員会の中で、報道規制の問題に関する枝野さんの
質問について、安部総理は「今の安倍政権が正式な記者会見からどこかの
社を排除したことはない」と言って、民主党が一時特定の社を会見から排除し
たことを当てこすった発言をされたが、この発言をどのようにお聞きになって
いたか。
【代表】
安倍政権がメディアに対していろいろなやり方で制約を加えているというこ
とは、多くの人の公知の事実です。そういう中でそういう発言をしても、誰もま
ともに受け止める人はいなかったのではないかと思います。
外務省の記者会見も私の時に完全にオープン化したが、今はそうでないと
聞きますし、官邸の総理会見も幹事社以外は数名しか当たらない。大体、当
たる人は事前に質問の調整もしているとも聞く。ですからそういうことに対して
は、是非メディアの皆さんも声を上げていただきたいと思います。
【フリーランス・堀田記者】
例えば、この前の(自民党の)青年局のは、取材してくれということで平河
の4階に紙が出ていた。だから私も行ったが、そうしたら木原さんの発言だ
けで終わりと。それではテレビにかわいそうだから、2分間くらい百田さんに
しゃべらせてくれと。そこまでは単なるマスコミ批判で終わった。そこからは
“壁耳”だ。
それとは別に、例えば政治家がパーティーをやる。柳田さんが法務大臣
の時にしゃべったというようなことがあるのでいろいろと(取材に)行くが、例
えば朝食会とか、そういったことを取材させないのは「報道の自由」を妨害
しているのではないか。
【代表】
そこはいろいろ意見があると思います。朝食会、あるいはパーティーさまざ
まですので、それを全部オープンにするかどうかはそれぞれの主催者の判
断だと思います。
【フリーランス・安積記者】
今の外相の会見は、一応連絡はいただくが、官邸の中でされているため
に事実上(記者クラブ以外の)参加はほとんど不可能だ。一方、民主党は
確かに会見の連絡はいただいているが、会見以外に大手の記者と懇談さ
れているようだが、これについて例えば議員会館の会議室などでされてい
る時に、連絡を受けていない我々が「参加したい」と言った時も、これはそ
の時その時で対応していただけるのか。
【代表】
私、懇談というのを週に1回開いております。それは記事にしないという
前提で、いろいろな背景説明などをしている。それに入っていない社とい
うかあるいは個人も確かに、完全にオープンにしているわけではありませ
ん。そういうものが必要だと、例えば記者会に入っておられない皆さんであ
る程度まとまっていただければ、それはそれで別途同じようなものを考え
ることは可能だと思います。
【フリーランス・安積記者】
この懇談というのはオフ懇ということだと思うが、記事にしないことを前提
に背景説明をしている。ということは、今呼びかけている人間以外の記者・
ライターなどは、このことについて約束を守らないという前提で呼ばれない
のか。「別途」とはどういうことなのか。
【代表】
この会見は当然記事になることを前提にお話をしているが、なかなか記
事にできないような背景の説明、それには他党の話とかいろいろなことが
出てくることもありますので、そのことについて懇談という形でお話しして
いる。だから信用する・しないという話ではなくて、それはそれで必要があ
れば開きますので、おっしゃっていただきたいと思います。
【フリーランス・堀田記者】
月曜日に参議院の講堂で、弾圧を許すなという集会が開かれ、そこに
琉球新報の東京支局長と沖縄タイムスの東京支局長なども来た。その
時に民法労連の岩崎貞明書記次長が、相手方と飯を食ったりゴルフを
やるのはとてもナンセンスだと言われた。例えば岡田さんの懇談で、飯
は岡田さんが出しているのか。
【代表】
いろいろなケースがあります。少人数の時は1回交代ということが多い
です。こちらが出せば、次は出してもらうというような場合です。それから、
こちらで出す、あるいは党で出すこともあります。あまり高価なものでは
ありませんが。
私はそれはあまり過度にならないようにしながら、常識の範囲でやって
います。
【フリーランス・田中記者】
岡田代表に助け舟を出すわけではないが、我々フリーの連中でこれま
で何度も岡田代表と食事会をしているが、それはすべて割り勘でした。
【代表】
そうでしたか、失礼しました。それでまた記事書かれたりするのですよね、
「割り勘の岡田」とか。
〇ロシア海域におけるサケ・マス流し網漁の禁止について
【フリーランス・安積記者】
先日、ロシアのサケ・マス流し網漁の禁止法案にプーチン大統領が署
名したが、日本のサケ・マス漁がかなり困難になってくるのではないかと
言われている。外相経験者として、この件についてどのようにお考えか。
【代表】
詳細を承知しておりませんが、従来は一定の許可のもとに行われてい
たと思いますが、そのルールを向こうが勝手に一方的に変えてきたとい
う話ではないかと思います。これは外交ルートを通じてしっかりと協議す
る、困る漁業従事者もいるし、国民も困るわけですから、しっかりと成果
を得ていただきたいと思います。
〇相次ぐ自民党議員の暴言について
【共同通信・光山記者】
自民党の「文化芸樹懇話会」の関連で、今日総理が平和安全保障特別
委員会で一連のことについて陳謝する場面があったが、自身の責任につ
いても「党本部で行われた勉強会で、最終的には私に責任がある」という
ところまで言及しているが、この発言について代表としてどう受け止めら
れているか。
【代表】
私も発言の詳細は承知しておりませんので、それについて現時点でコメ
ントはすべきではないと思いますが、ただ、従来、何もお認めになっていな
かった状況から、だいぶ遅れましたが、今回のご発言をされたことは一歩
前進だとは思います。あとは中身を精査してみないと、それ以上のこと申
し上げられません。
〇「漏れた年金情報」問題について
【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
年金番号の漏洩問題で民主党は対策本部を継続して開催しているが、
(漏洩件数が)120万件という最初の話が後に101万件というのが確定し
ているという話を聞いているが、民主党としてはそれ以外の番号漏洩はな
かったという確証を持っていて、この問題は収束に向けてのクロージング
に入っているのか、それともまだまだ確認ができていなくて、継続的に確
認していかなければいけないのか。これは代表の目から見ていかがか。
【代表】
この問題は蓮舫本部長のもとで議論していただいています。そういった
数の話と、それから漏れてしまったものが悪用され詐欺にひっかかると
いう、そういう問題の広がりもありますから、簡単に終わりとか大丈夫と
いう話ではないと思います。本部のほうでは積極的に取り組んでもらって
いますので、私としては基本的にまずはお任せしている。
【日本ジャーナリスト会議・吉野記者】
情報管理という意味では政府・立法等でも議論が尽くされていない状況
で、10月にマイナンバーの国民配付、1月からサービス開始が控える中
で、先週、情報学の研究者が集まった情報法制研究会では「議論が全く
進んでいない。与野党ともに、理解している人もいるが、全く理解ができ
ていない人がいて、まだら模様だ」と。こういった状況でスケジュールどお
りに(マイナンバー制度が)サービスインすることについて、代表はもう少
し待ったほうがいいというお考えなのか、それともここは今力を入れて関
係者の意見を整合して法律を整備していくのか、どのようなお考えか。
【代表】
マイナンバーについては、我々、与党の時から推進してきた話で、衆議
院ではもう賛成をしております。ただ、その後、今回の「漏れた年金」の事
件が発覚いたしましたので、やはりそのままというわけにはいかない。や
はり「漏れた年金」で明らかになった問題点が、マイナンバーではきちん
とクリアされているのかどうかという検証は最低限必要です。そして、もし
問題があるということであれば、そこはきちっと穴を塞ぐ、そういうことが
必要で、今そういったことについて党の中で議論している状況です。
〇次期衆議院選挙の対応について
【「FACTA」・宮嶋記者】
維新の松野さんは、おそらく来年の冬に解散だろうとおっしゃっているが、
「常在戦場」だと皆さんおっしゃるが、代表の相場感みたいなものがあれ
ば教えていただきたい。
あわせて、今日ちょうど玉木雄一郎さんがおられて、玉木さんは民主党
で最もチャーミングなホープの一人だと思うが、本人のおられる前で申しわ
けないが、玉木さんへの期待があれば伺いたい。
【代表】
まず、いつ解散があるかというのはわかりません。これは我々が決める
話ではないので、私は解散の時期を議論することはほとんど意味がないと
思います。むしろ我々が解散してもらいたくない時が解散のある時ですか
ら、あまり決め打ちしないほうがいいとは思います。ただ、衆参ダブル、あ
るいは参議院が終わった後の来年末、松野さんはそういう考えだと思いま
すが。それからこの長い国会。国会を長く開くということは、普通は与党に
とってはあまりいいことはないのですが、ただ一つ特権があるとしたら、い
つでもその間は解散ができるということです。ですから、我々は緊張感を
持って対応していかなければいけないと思います。これは衆議院議員とし
ては常識の話だとは思いますが、党内も心構えをしっかり持つようにと申
し上げている。
個人の話をこういうオープンな会見で言うのはどうかと思いますが、民
主党、若手で将来を担い得る人材はたくさんおります。玉木さんもその筆
頭の一人です。しっかり頑張ってもらいたいと思います。
〇岩手県知事選の対応について
【読売新聞・前田記者】
投開票が9月6日、国会会期が9月27日まで延長されて、安保法制の
審議が選挙に影響する、逆に言うと選挙戦が安保法制に影響することも
あると思うが、これは審議と選挙をどう連携させていくか伺いたい。
【代表】
選挙があるから審議をどうこうする、そういうのは私はあまり好きではな
いので、審議は審議でしっかりとやっていかなければいけないと思います。
その時、安保法制などがどういう状態なのかはわかりませんが、やはり
国民の皆さんが8割は「理解できない」とか「説明が不十分だ」とおっしゃ
っているわけですから、そこはしっかりと理解されるように、政府の側は政
府の案がしっかり理解されるように説明する責任があるし、我々は問題
点がどこにあるかを明確にこれまた説明していく責任があると思います。
【読売新聞・前田記者】
今度の選挙で知事選と(おそらく)参院補選があって、それの勝利が来
年の参院選にも続くという流れもあるかと思うが、今度の知事選を今後
の党勢拡大につなげる位置づけはどこら辺にあるか。
【代表】
知事選については我々、推薦とかそういったことを党として求められて
いるわけでは現時点ではない。ただ、岩手県連としては支持すると、現
実に達増選対にも地方議員の皆さん中心に入られて活動していると理
解しています。そういう意味では党本部として何か正式に機関決定する
とか、そういうことではありませんが、岩手県連のそういう決定もあります
ので、しっかりと連携しつつ、やっていきたいと思います。
〇田辺誠氏のご逝去に際して
【共同通信・光山記者】
昨日、旧社会党で委員長を務められた田辺誠さんが亡くなられたこ
とを受けての思いと、過去にお付き合いとか一緒に仕事をしたことが
あれば伺いたい。
【代表】
私と重なっている時期はあるのですが、あまり言葉を交わしたという
記憶はありません。私が記憶に残っているのは、金丸訪朝団で金丸さ
んと一緒に行かれて、(第18富士山丸事件で)捕まっていた紅粉船長
を日本に帰すきっかけになったと記憶しているが、いずれにしても直接
お話をした記憶はありません。
二大政党の一翼を担った社会党を先頭に立って引っ張られた、非常
に現実主義でもある、優れた政治家であったと思います。