岡田克也代表定例記者会見(3月11日)
岡田克也代表記者会見
2016年3月11日(金)16時31分~17時15分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=v12zSrN8Y-U
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■冒頭発言
○東日本大震災から5年に当たって
○維新の党との合流について
○地球温暖化対策について(配布資料添付)
■質疑
○東日本大震災から5年に当たって
○維新の党との合流について
○地球温暖化対策について
○待機児童問題について
○衆議院北海道5区・京都3区補欠選挙について
○野党5党連携協議について
○特例公債法案について
○アベノミクスについて
○普天間基地移設問題について
○高浜原発の運転差し止め仮処分決定について
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■冒頭発言
○東日本大震災から5年に当たって
【代表】
東日本大震災5周年記念式典に参加してまいりました。あの時のこと
がまざまざと思い出されます。
あの当時、与党の幹事長をしており、連日、自民党・公明党はじめ野
党の皆さんと合計20回近く実務者協議を開きました。野党も含む各党
からさまざまなお声を聞いて、その場に政府も呼んで、政府の施策に反
映させる協議を行っておりました。同時に、週末は現地視察に、何度も
足を運んだことを思い出します。
今考えると、もっとあの時にできたのにということはたくさんあります。
もっといろいろなことができたはずだと、そういう思いを常に持っており
ますが、しかしそれだけ言っていても仕方がない。一日も早い復興がな
されるように、これも与党とか野党とかではなくて、互いに力を尽くして
いかなくてはならないと、改めて感じています。
我々、東日本大震災からの復興についても、今国会に法案を提出す
ることにしております。特に土地の権利関係が明確でないという中で、
復興の遅れにつながっている。つまり所有者がはっきりしない、あるい
は所在もわからない、そういった土地について一定の要件のもとで、そ
の土地も含めて復興の用に供することができる仕組みをつくっていくこ
とが大事ではないかと、改めて感じています。
○維新の党との合流について
【代表】
2番目、新党協議ですが、昨日(10日)も両院懇談会で綱領につい
てはさまざまご意見をいただきました。
党名も、話し合いでなるべく一致したいという思いはありましたが、昨
日の「党名検討チーム」の4者の検討の中で、客観的な手法でというこ
となったと、私も夜、赤松さんから電話で報告をいただいて了解した。
二つの名前が挙がっております。私ももちろん民主党の代表ですから、
民主党の提示した「立憲民主党」がいいと思いますが、これからまさしく
国民の皆さんの声を聞きながら最終決定をしていきたいと思っておりま
す。
○地球温暖化対策について(配布資料添付)
【代表】
3番目に温暖化対策について。政府は先週、地球温暖化対策計画を
公表して、地球温暖化対策法の改正案も国会に提出をいたしました。
この中で、代表質問でも私、指摘したが、「2050年に80%削減」、こ
れは政府の従来からの約束、たしか福田内閣だったと思いますが、こ
の約束を明示したということは評価できると思います。政府の中でもい
ろいろ議論がいまだにあったようで、そのことに非常に驚くが、しかし最
終的には書かれたことは評価できます。
ただ、代表質問でも申し上げたように、現在の2030年の数字が小さ
過ぎるために2050年とつながらないという根本問題を抱えている。誰
が見ても、これはできないということが一見明白な数字です。ここはやは
り2030年の数字が低過ぎることによってこういう結果になっているわけ
ですから、再度見直すことが必要ではないかと強く思っております。
お手元の資料(添付資料)で2030年度の全体の数字が書いてありま
す。これは産業部門が非常に低い。他は、例えば業務部門40%カット
とか、家庭部門も39%、運輸部門・エネルギー転換部門は28%と、全
体で25%を確保しているが、産業部門はなぜか6.5%しかカットでき
ていない。一番大きなポーション、固まりであるにもかかわらずマイナス
6.5%。これを、2050年・80%カットだとするとトータルで2億4700
万トンになる。仮に業務部門以下の4部門をゼロと置いたとしても、産
業部門は2億4700万トンで42%カットということになります。他が排
出ゼロとしても、産業部門は42%カット。
これを見て、全く無理な数字ではないか。4部門はゼロというのも、あ
る意味非現実的です。CO2が発生しないというふうにすると。産業部門
も42%カットと。もし(2050年度で)42%カットができるならば、なぜ2
030年度は6.5%しかカットできないのか。
そういう意味で、2030年が低過ぎることで2050年とつながってない、
整合的でない数字になっていることは一見明らかで、ここは国会などで
もしっかりと議論していかなければいけない。やはり2030年の産業部
門をもう少し深掘りする中で、より現実的な数字になっていくと思ってお
ります。
■質疑
○東日本大震災から5年に当たって
【時事通信・小松記者】
自民党が、東日本大震災発生時の政府の対応を検証する組織の設
置を決めた。主に福島第1原発事故が起きた時の閣僚の行動を検証
するというものだが、震災から5年目の検証作業として意義のあるもの
とお考えか。
【代表】
自民党がそういった検証をされること自体が悪いということではない。
問題はそれが公正・公平な、そういった評価にたえ得る検証かどうかと
いうことだと思います。
私達も反省は当然あります。しかし同時に、我々はあまり言わないの
ですが、それまでの例えば原発への対応について、残念ながら自民党
時代にさまざまな問題があったことも事実。私、よく例に取り上げるので
すが、なぜ予備電源が地下にあって、水没して使えなくなったのか。(な
ぜ)そういうものを認めていたのか。それからもう一つは、IAEA(国際原
子力機関)が原発の、推進する政府組織と、規制する政府組織をきち
んと分けるべきだという勧告をしたにもかかわらず、いずれも現在の経
済産業省が所管してきた。そういう勧告を無視してきた。そういう過去の
ことも含めてきちんと検証されるということであれば、意味のあることだ
と思います。
【「FACTA」・宮嶋記者】
改めて、やはり1F事故がなかりせばという思いがする。いまだに故郷
に帰れない人が10万人いる。1週間前に代表が浜通りに行ったことは、
私はやはり心ある代表だと評価している。今日はそういう日なので、や
はり先週浜通りを歩かれてどのような感想を持たれたのか伺いたい。そ
れから辻元さんも浜通りに行かれたようなので、代表がお許しいただけ
るのであれば、女性の議員として、浜通りを歩かれてどういう感想を持た
れたか伺いたい。
【代表】
私からは2点申し上げたいと思います。まだまだ傷跡が深いというか、
まだ傷跡ということではなくて続いているということだと思う。
そのうちの一つは中間貯蔵。これから政府が進めると言っていますが、
2%しか土地の買収が進んでいない。しかも虫食い的な買収で、予定ど
おり行うことが本当に可能なのか、非常に難しい状況。ということは、県
内に持ち込むべき汚染されたものが引き続き仮に置かれているという
状況が続いてしまう。何とかこれをスピードアップしないといけないと、改
めて感じました。環境省も頑張っていると思いますが、必ずしもそういっ
た土地の買収などを、環境省任せではなくて、政府全体で取り組んでい
かないと難しいのではないかと思いました。
もう1点は、非常に多くの人が引き続き苦しんでいるということを、いろ
いろな場所で見聞きした。もちろん明るい話もあります。明るい話を強調
したいという、例えば安倍総理の気持ちもわかりますが、現実は非常に
厳しい。そこをしっかりわかった上で、一日も早い復興を目指していかな
ければならないと思いました。
【辻元役員室長】
私は、福島で「心の復興がますます難しくなっている」という言葉を聞い
たことです。他の被災地に比べ、原発事故というのは時がたてば経つほ
ど事態が深刻化していく。これは土地の荒廃と心の荒廃、そこから立ち
上がることが難しいという特殊性を感じました。
【フリーランス・横田記者】
一昨日・3月9日に小泉純一郎元首相が福島で講演をして、原発推進
の安倍政権を批判し、実質的な倒閣宣言に近いことをおっしゃったが、5
年振り返ってみて、原発事故の教訓を生かそうということが崩れていると
いうことが1点。
5年間ほぼ原発ゼロでやってきたにもかかわらず、安倍政権は税金を
投入してでも原発推進、原発産業のほうに立っているということを言う一
方で、野党第1党の民主党は「原発ゼロ」イエスかノーかの選挙を仕掛
けるといいのではないか。既に民主党は「原発ゼロ」を掲げているので
実質的にそうなのかもしれないが、その2点、安倍総理の姿勢と、参院
選に向けて原発ゼロを争点にするかどうかを伺いたい。
【代表】
わが党は新たな原発はつくらないということは明言している。安倍総理
はここの部分、私は代表質問で質問しましたが、答えはあいまいです。
あるいは40年ルールを延ばすということで対応するのかもしれませんが、
いずれにしろ現時点ではあいまいにしつつ、次第になし崩し的に原発に
回帰していくということだと思います。そこは、わが党は一定の要件のも
とで再稼働を認めることがあっても新たにつくることはしないと、考え方の
違いは明白。そのことをしっかりと伝えていかなければいけないと思いま
す。
再稼働についても、避難計画がきちんとできていないまま(現政府は)再
稼働を認めている。この現状は福島第1原発の教訓を活かしていないと
言わざるを得ない。
小泉さんがおっしゃったことにコメントしないほうがいいと思いますが、小
泉さんも、総理の時代におっしゃったのであればよりよかったのではない
かと思います。
【フリーランス・横田記者】
確認だが、参院選の大きな争点として、もちろん原発ゼロだけでないと
思うが、戦争法廃止に加えて原発ゼロも争点にするということでよろしい
か。再稼働一つとってみても安倍政権は仮処分の決定が出たらすぐケチ
をつけるのに対して、岡田代表は今、避難計画が不十分だという、仮処
分に寄り添った指摘をしたが、現時点でのずさんな再稼働は認めないと
いう違いをはっきり打ち出して参院選の大きな争点の一つにするという理
解でよろしいか。
【代表】
我々は再稼働について、避難計画を国が責任を持って作るべきだとい
う法案(原子力災害対策特別措置法改正案)も提出しております。したが
って立場の違いは明確です。
ただ、原発に反対する中で「即ゼロ」の方もいらっしゃいます。そういう
意味では我々は「即ゼロ」ではないので、そこが各党それぞれポジション
が違うというところがあると思います。
○維新の党との合流について
【「FACTA」・宮嶋記者】
(代表の)立場で「立憲民主党」がいいというのは非常にわかりやすい
が、「民主党」と「立憲民主党」、この「立憲」が付く・付かないで、どこが
セールスポイントになっているか。「立憲」、当たり前のことだが、やはり
これは安倍政権が非立憲というかアンチ立憲というか、その対立軸が
はっきりするという意味で、これがいいとおっしゃっているのか。「立憲」
が付くこと・付かないことの意味を代表はどういうふうに解釈をして世論
調査を受けたいとお考えか伺いたい。
【代表】
立憲主義、これは当然のことではあります。ただ、安倍政権がはたし
て立憲主義というものを尊重しているのか、とてもそうは思えない。です
から我々、綱領の中でも最初に立憲主義を掲げた。あえてこういう時代
だからこそ立憲主義を強調して、民主党の名前に立憲主義を加えた、
「立憲民主党」にした。その重要性というか、私は今の安倍政権の憲法
に対する姿勢は、歴史の大きな転換点だとも思っております。それだけ
の価値のある名前だと思います。
【日本経済新聞・宮坂記者】
今日の自民党の会合で高村副総裁が、党名の世論調査をすること
について、「『立憲民主党』という名は鳩山一郎元首相のように自主憲
法を目指す政党にふさわしい名前だと思う。党名を世論調査で決める
のはザ・ポピュリズム、選挙互助会にふさわしいものだ」と、この民主
党・維新の党の取り組みについて相当否定的な、批判するようなこと
を言った。これについて代表としてどう受け止めるかということと、これ
について反論などがあれば伺いたい。
【代表】
反論は特にいたしません。我々も世論調査で決めるのではなくて、
それを参考にして決めると申し上げている。これは事実関係として申
し上げておきたい。
高村さん、申しわけないですが、私、安全保障法制でテレビやいろ
いろな場でご一緒することも多かったが、他党に対して言うことが、ち
ょっと常軌を逸していると思います。それだけです、私が申し上げたい
のは。
【フリーランス・宮崎記者】
新党の会計責任者に関して伺いたい。民主党の会計責任者は菊田
真紀子財務委員長だが、3月27日の新党結成日、4月20日の政党
交付金支給日、それから参議院選挙の公認料を支払う日、6月23日
でしょうか、それぞれの時の会計責任者はどなたか。代表の考えを伺
いたい。
【代表】
これからのことです。まだ何も決まっていません。
【産経新聞・松本記者】
先ほどの日経新聞さんの質問に関連して。「世論調査で決めるので
はなく、それを参考にして決める」とおっしゃったが、昨日の赤松さん・
江田さんの会見では、世論調査の結果、どういう結果が出ようともそ
れを受け入れるという説明だった。「参考にして決める」というと、ちょ
っとニュアンスが違うようにも思うが。
【代表】
それはチームとしてはそういうことなのでしょう。最終的に決めるの
は新党協議会ですから、そこに上がってきて最終的に決定する。
【産経新聞・松本記者】
チームが世論調査の結果を受けて「何々党」と決めても、それが協
議会で覆る可能性もあるということか。
【代表】
例えば調査結果が食い違うとかいうことはあるかもしれません。そ
ういう時に判断が必要になります。
【日本テレビ・原記者】
党名の件で確認だが、チームで世論調査の結果が同じで決まっ
た場合は、特に協議会としても結果を覆すようなことはしないという
理解でよろしいか。
【代表】
世論調査という手法を取り入れることにしたわけですから、尊重し
なければならないことは事実です。それ以上の、たらればの議論を
今する必要はないと思います。
【毎日新聞・田所記者】
昨日の両院議員懇談会で、「30年代原発ゼロ」と時期を綱領に明
記するのはよくないという趣旨の発言が複数あったと聞いているが、
代表はそれについて何かお考えはあるか。
【代表】
これは書き方の問題で、我々は30年代ゼロを目指してあらゆる政
策的資源を投入するということは決まっていることです。それをほぼ
そのまま踏襲して綱領に書くべきなのか、それは政策であって、綱
領というのは具体的というよりはもう少し概念的な、抽象的なことを
書くべきなのか、そこの違いです。党の中でも、昨日も議論が分か
れましたので、これからどうしていくか、判断していきたいと思います。
○地球温暖化対策について
【東京新聞・宮尾記者】
こういうことを言うと、たぶん原発を動かしたい人は、「だから原発
が必要だ」というプロパガンダを展開してくることが予想される。原発
は必ずしも、フロントエンド・バックエンドを含めたらCO2が出ないとは
私は思わないが、そういう予想される原発推進派からの反論に対して、
どのような論理で反論していくかということを伺いたい。
【代表】
まずは省エネルギー、それから自然エネルギー。その分、自然エ
ネルギーで埋めていけばいい。世界の潮流を見た時に、例えば風
力はむしろ原発よりもコストがかからないとか、最近の風力発電に
対する投資、世界の主要国でアメリカとかヨーロッパ。太陽光発電
もですが、日本だけかなり遅れてしまっているという気がします。
民主党の時に固定価格買取制度、これもいろいろな議論はあっ
たとは思いますが、しかしそういう仕組みをしっかりつくり、あるいは
炭素税を入れた。これも代表質問で安倍総理に質したが、「そうい
うのは大事だ」とはお答えになったが。そういったことをやっていくこ
とによって、原発に頼らなくても実現できる、2050年・80%削減は
可能であると私は思います。
○待機児童問題について
【フリーランス・宮崎記者】
今週、「保育園落ちた日本死ね!!!」というブログが大変話題に
なり、2万7000筆の署名が提出された。今週はTPPも条約の承認
の案件などが提出されたが大した話題になっていないようなので、ど
うやら後半国会は、この保育園の件になるのではないかと思う。まず
ブログへの感想、それと保育士の報酬を月1万円程度上げる法案を
来週の火曜日には決定すると伺っているが、出すならば明言をして
いただきたい。
【代表】
法案は、既に準備されております。介護士についても(介護・障害
福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案を)今国会に提出し
て(衆議院で審議入りして)おりますので、それを追って提出する。そ
れは既定路線です。
結局、子どもさんを持って働いているお母さんが、そもそも妊娠した
時から必死になって、預けるところ、保育園を探す。死に物狂いにな
って探して、見つからなければ仕事を辞めなければいけない。そうい
う大変な状況にあるということを、はたして安倍総理初め厚労大臣も
含めて、どこまで理解しておられるのかということを疑わせるに足る、
国会での山尾志桜里さんの質問に対する答えだったと思います。
【フリーランス・上出記者】
やはり私の周りでも、予想していないぐらいものすごいインパクトの
ある反応が起きている。最近の中でも、あの山尾さんのやり取りは大
ヒットではないか。安倍さんがそれで大変焦って、次の日国会でデモ
をやって、新しい形態の運動、あるいはそれにSEALDsが一緒にな
るとか、高齢者も一緒に今度は介護施設、いろいろな問題が重なり
合ってきて。あの手応え、山尾さんの質問を通した一連の、自民党
の反応も含めて、どの辺をどう評価されているか、もう少し具体的に。
今後、民主党としてはどういう盛り上がりをつくっていくというか、それ
を受け止めていくか。
【代表】
子ども・子育ては民主党政権時代に非常に力を入れた部分です。
我々は消費税を引き上げる中で、年間7000億円を子ども・子育て
に充てる。それから社会保障3事業「年金・医療・介護」、これを「子
ども・子育て」を加えて4事業に変えることを決定した。
ただ、その時に、私も質問した、山尾さんも取り上げておられました
が、7000億円では十分ではなくて、保育の質の充実のためにはプ
ラス3000億円必要。しかし、その財源の手当てがなされていない。
これは宿題になっている。今回、軽減税率1兆円、そのための手当
てはちゃんとしますと期限付きで安倍総理がおっしゃったが、私が
予算委員会で「3000億円と、この1兆円と、どちらを優先するのか」
と聞いたら、明確にはお答えにならなかった。その後、答弁の中で、
この3000億円というのは、他にもやらなければいけないことがい
ろいろあると、明らかに軽減税率より優先度が低いという答弁をさ
れた。
我々としては、それは到底認められない。3党で合意したことでは
ないか。したがって、むしろ軽減税率で1兆円も使うくらいなら、保育
のプラス3000億円をしっかりと、優先してやるべきだと考えます。
あと、民主党が最初につくった「こども園」の原案では、こども園に
保育園あるいは幼稚園を基本的に一つにしていこう。特に保育園
は完全に一つにして、幼稚園はいろいろ歴史もあったりするので幼
稚園のままの存在を認めるが、基本的にはこども園にまとめてい
こうと、そういう発想で取り組んでいたのが、3党で協議する段階に
なって、いろいろな団体の声もあったのだと思いますが、だんだん
こども園の影が薄くなってしまった。
特に私が残念に思っているのは、株式会社の参入を認めないと
いうのが自民党の強い主張で、つまりこども園というのは幼稚園の
部分と保育園の部分が一緒になっていると。ということは、幼稚園
のやっている「教育」も含まれているから、株式会社だめと。法案
を通すために我々残念ながら同意せざるを得ませんでした。その
ことによってこども園に株式会社が参入できないという事態になっ
て、確保が非常に難しくなってしまった。保育園ならできるのですが、
こども園という新しい形態に株式会社が参入できなくなったのは非
常に残念なことだと、今でも思っています。そういうところをもう一度
きちんと、どこかで議論したいと考えています。
【TBS・牧野記者】
保育園の話が今、大変注目を集めているが、参議院選挙の争
点になるとお考えか。
【代表】
それは、これからの政府の対応次第ということもあると思います。
これは選挙のためにやっているわけではない。もしこれで(政府・与
党が)間違いに気がついて、しっかり取り組むということになれば、
それはそれでいいことだと思います。
○衆議院北海道5区・京都3区補欠選挙について
【北海道新聞・津田記者】
明日で北海道と京都の補選の告示までちょうど1ヵ月だが、新党
になって初めての国政選挙になる。また参院選に向けても、この補
選が新党にとってどういう位置づけなのか。戦いへの意気込みを含
めて伺いたい。
【代表】
重要な選挙であることは間違いありません。参議院選挙の前哨
戦のような位置づけになると思います。京都3区と北海道5区、こ
の二つの選挙をしっかり戦い抜いていきたいと思います。私も北
海道に日曜日(13日)に行く予定にしております。
○野党5党連携協議について
【時事通信・小松記者】
5野党党首で合意した確認事項について伺いたいが、国政選挙
で可能な限り協力していくという部分は、参議院選挙だけでなく衆
議院選挙、特に小選挙区での候補者調整なども含まれているとい
う理解でよろしいか。
【代表】
国政選挙の前に、国会対応というのが入る。「国会における対応
や国政選挙等あらゆる場面でできる限りの協力を行う」と。ここに
書かれたととおりです。その中身がどこまで含むかということは特
に決まっているわけではありません。我々としては可能な限り協力
していきたいと考えています。
【時事通信・小松記者】
代表は2月28日の三重県での記者会見で、国政選挙での可能
な限りの協力の部分について、「『選挙協力』だとか書いたメディア
もあるけれども、私の言ったことを正確に伝えていただきたい」と
おっしゃった。これはつまり確認事項に選挙協力は含まれていな
いということでよろしいか。
【代表】
「選挙協力」という表現は使っておりません。国政選挙について、
できるだけ協力していくということです。
「選挙協力」、これは前回の総選挙でもメディアの皆さんが、私
の言うことを正確に書いていただけなくて私がたびたび苦情を申
し上げのですが、その当時は維新と民主の関係で「選挙協力」と
書かれたメディアがあったのですが、「選挙協力ではありません。
候補者調整です」と申し上げました。
現時点では、民主党と他の野党との関係は候補者調整まで行
っていない段階というところがほとんどではないかと思います。
【時事通信・小松記者】
共産党も今回の合意について選挙協力と受けとめていて、公
式に「選挙協力」と表現しているが、「選挙協力」という表現は適
切か、それとも不正確か。
【代表】
我々の合意の中では、「選挙協力」という言葉は使っておりま
せん。
【フリーランス・横田記者】
TPPについて、山田正彦元農水大臣、民主党を離れた方だが、
明日民主党の国会議員の先生と一緒に、TPPの問題点、段階的
な関税撤廃は明らかに国会決議違反だという話をすると聞いてい
るが、民主党を離れても連携しているケースではないかと思う。一
方で、小沢一郎さんに対しては、合流して連携することに拒絶反
応を示す一部の声があるが、その点についてどうお考えか。
【代表】
かなり飛躍した議論だと思う。山田さんは、民主党の一部の議
員が、話を聞いてTPPについて彼の知見を共有するということ。
一緒の党になるとか、そういう話は全く次元の違う話ですから、今
のご質問にはお答えしかねます。
【時事通信・小松記者】
小沢代表と2日に会っていたということだが、夕刊フジの「岡田
克也のスバリ直球」という10日付けのコラムで代表は、「私が2日、
生活の党の小沢一郎代表と会談したことが話題となっている。お
互いの考え方を述べて、これからの野党協力について確認した」
と書いておられるが、1週間前のこの場の記者会見では、「私は
、誰と、いつ会って、どういう話をしたかということは言わないこと
にしております」とおっしゃっている。何か心境に変化でもあった
のか。(笑い声)
【代表】
かなり報道がなされていて、公知の事実になりましたので、申し
上げました。
【フリーランス・横田記者】
小沢一郎さんに対する率直な考えを伺いたいが、民主党を一
旦離れたとはいえ、協力できるところは協力するとか、過去のい
きさつは水に流して次の選挙を一緒に考えるべきだとか、そうい
う率直なご意見・見方を伺いたい。
【代表】
これは5党で確認したとおりです。国会対応や国政選挙について、
可能な限り協力するということです。
○特例公債法案について
【共同通信・関記者】
本日、生活の党と共同で民主党が参院のほうで出されたかと
思うが、政府のほうが5年単位での延長を目指す一方で、単年
度主義に基づく提案だと思うが、今回の法案提出の考えと、政
府の姿勢に対しての考えがあれば伺いたい。
【代表】
2020年PB(プライマリーバランス)黒字化という道筋が見えな
い中で、きちんと財政再建していくという姿勢が明らかであれば、
毎年毎年必ずしも法律を必要とするものではない。しかし今の安
倍政権の姿勢を見ていると、財政が膨張し赤字が膨張しかねな
い。たまたま今税収が増えていますから、それは覆い隠されてい
るかもしれませんが、非常に問題がある。5年間、チェックはする
のですが、やはり毎年毎年、本則に戻って法案を出すということ
にしたものです。
○アベノミクスについて
【毎日新聞・田所記者】
GDPや株価、経済指標が悪化している中で、アベノミクスの問
題点はどこにあると代表はお考えかということと、参院選の争点
になるか伺いたい。
【代表】
アベノミクスはもともと、「1本目の矢」の次元を超えた金融緩和
と、「2本目の矢」の機動的な財政出動、この二つで時間を稼いで、
その間に「3本目の矢」、構造改革をしっかりやって生産性を高め
るということにあったと思います。しかし、その1本目・2本目が、当
面の対策と言いながら、3年たってもまだそこに依存している。依
存してやっている間に、外部の環境が変わってきてしまった。
円安になったのは、そういう金融緩和の効果もあったと私は思っ
ています。その点では評価できるのですが、しかし、それだけで為
替レートが決まるわけではなく、先行きの見通しが不透明になる中
で円高に少し戻ったりしている。つまり外部環境が変わってきた。
その意味ではチャンスを逃しつつあるということではないかと思い
ます。「3本目の矢」をもっとしっかりとやらなければならなかった。
1本目・2本目の、当面の対策というか、一種の麻薬みたいなもの
で、そこに過度に依存し続けていると、この先に一体何があるの
か。非常にリスクが高まっていると思います。
○普天間基地移設問題について
【日本経済新聞・宮坂記者】
普天間の辺野古移設をめぐる話で、月内にも和解協議に国と県
が入るとも言われているが、その一方で国が埋め立て承認の取り
消しに対して是正命令を出した。こういった一連の国の対応につい
てどのようにお考えか。
【代表】
明らかにタイミングがおかしい。ですから、まずしっかり和解のた
めの議論をしなければいけない。和解のための議論をするために
は、お互いの信頼関係がしっかりとできないと話し合いはできない。
そこを飛ばして是正勧告を出して、それで和解のための話し合い
だと言っても、それはうまくいくはずがない。そういう意味では政府
のスタンスというのは結局変わっていないと言わざるを得ない。
これだと、何か参議院選挙が近いから、一時休戦にすると、そう
いう意図ではないかという話も一部にあります。私はそう思いたくは
ないですが、そう言われても仕方がない今回の対応ではないかと
思います。
○高浜原発の運転差し止め仮処分決定について
【フリーランス・上出記者】
9日に大津地裁が高浜原発(運転)差し止めの仮処分決定をした。
これについて、民主党としての受け止めを伺いたい。
【代表】
裁判所の判断ですので、しかも、まだ確定したものではない。その
ことについてズバリ言うことは避けたいと思いますが、ただ我々が従
来から言っている、避難計画を国がしっかりと関与して責任を持つ
形で策定すべきであるということについて言えば、今回の判決は共
通点があると思っております。