岡田克也代表定例記者会見(7月17日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=ji17e4FA3-A
岡田克也代表記者会見
2015年7月17日(金)15時00分~15時36分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
〇安保関連法案の強行採決を受けて
〇イラン核協議の最終合意について
〇新国立競技場建設計画の見直しについて
■質疑
〇新国立競技場建設問題について
〇世論調査の結果の受け止めについて
〇《安保法制》参議院での論戦について
〇《安保法制》野党の対案について
〇《安保法制》安保関連法案の国会審議について
〇《安保法制》「安倍政権の暴走をただす全国キャンペーン」について
〇東九州道予定地の強制収用について
〇参議院選挙制度改革について
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■冒頭発言
〇安保関連法案の強行採決を受けて
【代表】
私から冒頭3点。
一つは、昨日、残念ながら安全保障法制が強行採決となりました。
この間の審議、長妻昭筆頭理事をはじめ関係者の皆さんには本当に
頑張っていただいたと、心から感謝しております。8割の国民が「政府は
説明不足だ」と答え、そして半数を超える人達が「違憲」、あるいは今国
会での採決に「反対」と、ほとんどのメディアの調査で答えている。2ヵ月
前、1ヵ月前、そして最近と比べますと、どんどん「反対」あるいは「違憲」
の声が増えている。大体10ポイントぐらい「反対」の声が増え、「賛成」の
声が10ポイントぐらい減り、20ポイントぐらい差が出ているというのが多
くのメディアの調査結果だと思います。それは国会を取り囲んでいる若い
人達も含めて、心からの声を上げていただいた結果だと思いますし、同
時に国会の場で民主党はじめ各党がしっかりと頑張った結果だと思いま
す。
これから参議院に移るが、むしろ我々は参議院の審議をしっかりサポ
ートしながら、なるべく外に出て訴えていきたいと考えております。今日も
これから有楽町マリオン前で幹事長とともに街頭演説いたしますが、土
曜日は仙台、月曜日祭日は京都で私自身は予定しています。8月はそう
いった形でいろいろなところで法案の問題をしっかりと訴えていきたいと
思います。
〇イラン核協議の最終合意について
【代表】
2番目はイランの核開発で、この問題は私が外務大臣の時にも大きな
関心事になり、経済制裁を国連安全保障理事会で決めました。私自身も
大きな関心を持って、イランの当時のモッタキ外務大臣、あるいはその他
の閣僚の方々と議論したり、関係国とも、イランの問題を何とかしようと取
り組んでまいりました。その辺は私の『外交をひらく 核軍縮・密約問題の
現場で』という著書を読んでいただくと書いてあるが、結果、まとまって本
当によかったと思います。
やはりアメリカがイランという国に対して、いろいろな経緯もあって非常
に厳しい見方をする、そういう見方があるが、やはり中東の大国で、いろ
いろな意味でポテンシャルを持ったイラン、しかも核を持つ・持たないで状
況は全く変わります。そういう中で、心を開いて協議をした、交渉をした、
その結果ではないか。オバマ外交の一つの大きな勝利だと思います。
この結果が、もちろん核の不拡散という意味で大きな一歩だと思います
が、例えば北朝鮮にいい効果を及ぼす可能性はある。その前提として制
裁をしっかりやるということがなければいけないが、中国と北朝鮮の関係
も一時ほどではないので、ここはやはり中国と連携プレーをする中で北朝
鮮を追い込んでいくことが、今、望まれることだと思います。
中東、イランとアメリカの距離がある意味で近づくと、いろいろな意味で
力関係が変わってまいります。いい面と心配な面と両方あると思いますが、
国際社会にとって非常に意味のある合意であったと思います。
〇新国立競技場建設計画の見直しについて
【代表】
3番目に、新国立競技場、見直しという話が出てきておりますが、これは
当然見直すべきだと思います。次の世代に重荷を背負わせることになりま
す。財政を何とかして立て直す、そういう強い気持ちがあれば、もっと早く
見直しの議論が出てきて当然だったのではないか。
国民の声に押されてこういった事態になった。日本の国の運営、特に財
政運営に最高の責任を持つのは総理大臣です。国民が総理大臣に決断
を促したという形になった。ある意味では、財政が非常に厳しいこの状況を
何とかするべきだという国民の健全な感覚が今回の見直しに至ったと思い
ます。非常によかったと考えています。
■質疑
〇新国立競技場建設問題について
【NHK・花岡記者】
安倍総理は国会の中で「この計画を決めたのは民主党だ」と批判してい
たが、この点についてどうお考えかということと、この問題について国会で
追及・議論していく考えはあるか。
【代表】
決めたのは野田内閣の最後。「決めた」という意味は、デザインを決めた
ことです。ですから、私たちは全く関係ないと言うつもりはありません。ただ、
それから3年近く経って、実際に詳細設計などを行い金額が決まってきた
のはその後です。3年近く安倍内閣はやっている、その間ずっとこの問題
はあった。そのことを棚に上げて民主党のせいにするというのは非常に恥
ずかしい話だ、内閣総理大臣として品格の落ちる話だと私は思います。
この問題はいかに無駄遣いをなくしていくかという問題ですから、国会の
中でも議論していかなければなりませんし、蓮舫さんを中心に我々民主党
としてもよりいいものができるように、そしてもう一つはなぜこうなってしまっ
たのかということを検証していきたいと思います。
【フリーランス・横田記者】
確かにデザインを決めたのは民主党政権時代かもしれないが、その後安
倍政権になって公共事業バラマキというか、巨大防潮堤を進めたり、民主
党時代に中止になったスーパー堤防を復活させたりとか、「国土強靭化」で
高速道路をどんどん造ったりして、資材不足・人手不足を招いたことが工事
費高騰につながったのではないか。その責任も安倍政権にあるのではない
かと思うが、その点と、もう一つ、今の安保法制で支持率が下がったこのタ
イミングでやっと見直すというのは、支持率挽回の手だてとして利用している
狙いが透けて見えるが、この2点についてどう思われるか伺いたい。
【代表】
資材価格が上がって全体の費用が上がったことは事実ですが、それは問
題の一つであって、それだけで金額が出てきているわけではありません。し
たがって、そのことだけで攻撃するつもりはない。やはりそういうことも含め
て全体として非常に対応が遅れてしまった。もっと危機感を持って早く見直
すべきだったと思います。
なぜ今(見直し)かというのは、私にはわかりません。私は憶測で物を言う
つもりはない。
【朝日新聞・渡辺記者】
「なぜこうなってしまったのか検証したい」とおっしゃったが、これだけずさ
んな処理がここまで容認されてきた、今考えられる理由として岡田代表はど
う考えているかということが1点。それから、この話、最初は1300億円から
始まった。その1300億円にしても他国の五輪のメイン競技会場と比べても
最初から高い数字だと思うが、その点について見解を伺いたい。
【代表】
スタートが高いと言われればそのとおりです。ただ、数字というのは、最初、
コンペをする前から、ある程度の枠としてはあったのではないかと思う。した
がって、それはいろいろな状況がありますから、スタートが高かったかどうか、
適切だったかどうかということは、私、専門家でないのでよくわかりません。
なぜそういう数字になったのかというのは、お答えしかねる。
一番の問題は誰も責任を持ってこの問題に対応しようとしなかったという
ことではないか。誰が責任者なのか、いろいろな段階があると思いますが、
最高責任者は総理大臣であり、そして文科大臣であるのでしょうけれども、
直接の担当者も含めて誰も声を上げられなかった。
ただ、やはり一旦決まって動き出して、そして総理もオリンピックでパネル
を掲げてやりましたので、これを本当に変えることができたのは政治家だけ。
つまり文科大臣か総理大臣ご自身でないと、簡単には変えられなかったの
だろう。あるいは声を上げるのすらはばかられたのではないかと思いますね。
【テレビ東京・橋本記者】
政府は今回の見直しに当たり、(デザイン監修者に)違約金等を支払う準
備があると言っている。違約金は15億円前後と巨額な金額になるが、それ
も結果的には税金ということになるが、違約金についての受け止めを伺い
たい。
【代表】
もちろんそれは税金ですから非常にもったいない話ではありますが、もしデ
ザインを変えることになれば、それは法的には免れない今回の決定のコスト
だと考えざるを得ないと思います。
〇世論調査の結果の受け止めについて
【時事通信・岡谷記者】
今月10日から13日の弊社の世論調査で、安倍政権の支持率が前月から
マイナス5.7ポイントの40.1%。不支持率がプラス5.5ポイントの39.5%
となった。他の報道機関の調査では支持率と不支持率が逆転しているものも
あるが、これらの数字を代表はどのように受け止めているか。
【代表】
逆転したかしないかというのは誤差の範囲で、私からコメントすることはござ
いません。内閣支持率が下がってきたのは、この(安保)法案のこともあるし、
あるいは今回の国立競技場の話もあるかもしれません、いろいろなことが複
合してこういう事態になっているのだと思います。詳細は私、自分が調査して
いるわけではないので、むしろ教えていただきたいと思います。
【フリーランス・安積記者】
国会周辺ではデモ・集会が行われていて、代表も参加されたと思うが、全国
的には「説明不足」が8割、50%以上が「違憲」という判断があるということだが、
これが民主党の支持につながっているかどうか。自民党の先生に聞くと、かな
り厳しくなっている、ビラを配っても拒否されると。維新の関係者に聞くと、維新
も同じような「戦争法案」を出したというイメージがついて、かなり厳しい状況だ
という話を聞いた。民主党としてはどんな感じか。
【代表】
ビラの取りなどは非常によくなっているという話は聞きます。ただ、支持率は
各社調査の結果ご覧のとおりであり、民主党が上がっているとか、そういう状
況にはありません。
数字には一喜一憂しない方針、考え方ですので、この法案に対する危機感
は国民の皆さんの中に強くあるが、それが民主党の支持に必ずしも直結する
わけではない、それは想定の範囲内だと思っています。
〇《安保法制》参議院での論戦について
【フリーランス・宮崎記者】
報道によると、参議院で特別委員会を設置することに自民党と民主党の参議
院国会対策委員長が既に合意したということだ。審議入りまで多少時間をかけ
る形にするのかなと思っていたが、どちらかというと徹底論戦路線で参議院では
対応していきたいとお考えか。
【代表】
国対の方針をこの場で私が言うつもりはありませんが、あれだけの強行採決
もありましたので、その抗議という気持ちは一方であります。ただ、やはり審議
も大事です。そのバランスの中で、参議院で、あるいは参議院国対で判断しな
がら交渉されていくものだと思います。
〇《安保法制》野党の対案について
【NHK・花岡記者】
維新の党は参議院でも独自案の提出を言っているが、民主党は領域警備法
案、そしてそれ以外のPKO法と周辺事態法の改正案についてはどうお考えか。
【代表】
領域警備法案は今つるされている状態ですから、これをどうするということは
あります。衆議院で関係大臣に出てきていただいて審議するということも一案。
ただ、参議院の審議への影響もあるかもしれませんので、どうするかということ
は、これから共同提出した維新と相談していきたいと思います。ただ、廃案に
なっていないので、参議院に出すのは中身を変えないとできない。
それから他の法案については、考え方(「安全保障法制に関する民主党の考
え方」)は既に4月に固め、若干、周辺事態法で片鱗のところがありましたが、
今や完全に固まっていますので、党内の手続を進め、法制局などとも最終的な
詰めをやる段階にある。
【NHK・花岡記者】
法案として提出するかどうかはまだフリーハンドで、決めていないということか。
【代表】
これにはいろいろな要素があります。できたらすぐ出しますということなのかど
うか。維新もどうされるかということがありますし、出せば政府案の問題点を解
明する、議論する時間がその分減ります。したがって、何が一番いいかというこ
とは状況を見ながら党として責任を持って判断していく。
【フリーランス・宮崎記者】
先ほどの発言の確認だが、維新は衆議院段階では「対案」ではなく「独自案」
と表現していたが、参議院で民主党と維新で独自案というか対案というか修正
案というか、何らかの修正に関わる法案を今後提出する準備はされているか。
【代表】
先ほどもうお答えしたと思います。
【フリーランス・宮崎記者】
先ほどの話の中で私が知らなかったものですから若干驚いたが、参議院段階
で維新と民主党の共同になるかどうかはわからないが、何らかの法律案とか修
正案を、衆議院に残っている領域警備法案とは別に提出するお考えはあるか。
【代表】
内容的には、私達の考え方ははっきりしています。それをどういう形で示すのが
いいのかということだと思います。
法案が出ないと「対案がない」「対案がない」と、それは全く間違った物言いです
が、私がこの前出たテレビでもそういう物の言い方をされました。対案がないの
ではない。対案はある。ただ、法案の形にして出していないだけ。それから、集
団的自衛権の部分は、我々の考え方は現行でいいという考えですから、当然対
案はない。にもかかわらず、対案がないと、非常に問題であるかのような物の言
い方を、わかってかわからずか、言われる方がいる。そういったところにどう、わ
かるように示していくかという、そういう技術的な問題だと私は思います。
【フリーランス・横田記者】
野党共闘がこれからのポイントになると思うが、独自案の提案を、領域警備法
案と同じように維新とすり合わせて共同でやることはお考えになっていないか。
【代表】
現時点ではありません。ただ、考え方はかなり似ている。我々4月に出したが、
PKOについても、駆けつけ警護は認める、ただし武器使用については基本的に
今を変えない、任務遂行のための武器使用は認めない。それからPKO以外の、
国連が関与した治安維持活動(停戦監視、武装解除等)を我々は認めない。あく
までもPKOの枠内でやる、そこは維新と今申し上げた点では同じだと思います。
周辺事態法も、後方支援について今の「非戦闘地域」、周辺事態法の場合には
「後方地域」ですが、その概念は変えない。それから具体的に活動できる中身も
そんなに違わない。「周辺事態」という考え方も残すと、かなり共通点はあります。
今後の課題ですが、一緒にやっているつもりでも、また勝手に走らされても困る。
そこは状況を見ながら考えていかなければいけないと思います。
【フリーランス・横田記者】
維新の記者会見で話を聞いても、今おっしゃったこととほぼ一致していて、遠く
は抑制的に、近くを重視するという基本的な哲学は維新も民主も同じではないか。
特に維新が強調する、政府のあいまいな「存立危機事態」に制限をかける、その
かわりに「武力攻撃危機事態」で歯止めをかけるという思想自体、やり方自体も
かなり共通するのではないかと思う。もう一歩踏み込んでそこで共闘すれば、より
野党共闘が強まるのではないか。安倍政権に対峙する姿勢が明確になるのでは
ないか。
【代表】
今おっしゃったのは、集団的自衛権かどうかは維新の答弁も幅があるが、いず
れにしても今の個別的自衛権以外に違う事態というものを設けようという維新の
考えです。これが集団的自衛権に当たるのか、個別的自衛権なのかというのは、
わからないが、我々はそういう気はない、そこははっきりしています。
周辺事態法やPKO法では共通点があります。
【「週刊金曜日」・伊田記者】
安保法案をどうやって止めるかということで、強行採決についてかなり怒りを
示されているが、本会議を欠席となればすんなり通るのは目に見えていた。例
えば記名投票にするとか、内閣不信任案とか、そのあたりは検討されたのか。
もし検討されて欠席ということであれば、どういう判断でなったのか伺いたい。
【代表】
これは国会での対応に関わることですから、私から言うつもりはありません。
あのとおりの「最終的な採決には退席する」、その一点で、次世代の党はともか
く、5党は完全に一致したということです。
【「週刊金曜日」・伊田記者】
16日の午後に、連合さんとともに緊急集会を国会前でされたが、一部組合か
らは政治スト、スト権確立というような動きも出始めているが、この時に連合会
長のほうから政治ストの話は出たか。
【代表】
いや、そういう話はしておりません。古賀連合会長とは言葉を交わした程度で、
そういう時間はありませんでした。
〇《安保法制》安保関連法案の国会審議について
【フリーランス・横田記者】
不信任案をこの前の段階では出さなくても、「60日ルール」を使うように衆院
に戻ってきた時に不信任案を出して徹底的に引き延ばせば、1~2週間延びて
廃案に持ち込めるということも考えられると思うが、その辺も含めて野党共闘を
維持しながら徹底抗戦するというお考えなのか。
【代表】
国会の戦術に関わる話はこういう場で申し上げることではないと思います。
【「週刊金曜日」・伊田記者】
衆議院特別委員会の委員長のほうから、10本を一まとめにして審議するの
はちょっと乱暴だったのではないかという話が新聞報道に出ている。参議院で
はバラして1本1本丁寧に審議することが必要だと思うが、そのあたりの対応は
いかがか。
【代表】
バラすということはもう一回出し直すということですから、政府からすれば簡単
ではない。手続をもう一回全部やり直すということですから。
ただ、やはりあのやり方は非常に問題を残したと思います。10本を1本にまと
めると、野党としては修正案も出せない。対案という形でしか出せない。非常に
大きなかたまり全体に、賛成するか反対するかしかない。10本のうち例えば5
本ぐらいは賛成する、あるいは3本ぐらいは協議に値するというような場合であ
っても、全部丸めて「反対」ということにしかならない。
本会議での反対討論で申し上げましたが、もともとそういった法案を野党の提
案を入れて議論しようという気はなかったと思わざるを得ない。
【フリーランス・宮崎記者】
昨日の衆議院本会議の反対討論の時に総理に呼びかける形で、「今からで
も遅くはない。やり直すべきだ」「あなたがアメリカ議会で演説した、今夏までに
成就するというやり方はよくない」と演説されたが、総理のその時の反応はいか
がだったか。
【代表】
ほぼ私の正面におられましたので、顔を見ながら演説しましたが、特に反応は
なかった。途中で、隣の石破さんか誰かとだいぶ談笑されていましたので、「ちゃ
んと私の話を聞け」と言おうかと思いましたが、ちょっと大人げないので、そこま
では言わなかった。
〇《安保法制》「安倍政権の暴走をただす全国キャンペーン」について
【フリーランス・田中記者】
明日から「安倍政権の暴走をただす全国キャンペーン」をやるということだが、
これは5野党一緒にやるぐらいしないと国民にアピールできないのではないか。
5野党一緒にやろうという声がどこかから上がったと聞いているが、それはい
かがか。
【代表】
具体的には今ありません。今までも市民団体とか日弁連などの団体が主催
されるところに各党が集まったということはありますが、政党だけでまとめて5
党が一緒にやるということは基本的にはない。それぞれ主張は同じではない。
「反対」というところは一致しています。
〇東九州道予定地の強制収用について
【フリーランス・横田記者】
先日、東九州自動車道のミカン農家の岡本栄一さんの土地が強制収用され
て、映像がニュースで流れた。そのミカン農家の方は、迂回する代替ルートを
作れば半額で済むと前から訴えており、安倍総理にも直訴状を出したが、工
事をゴリ押しし行政代執行に入った。新国立競技場と相通じるものがあると思
うが、このことについてのコメントをいただきたい。
【代表】
私も具体的な状況がよくわかりませんので、コメントは控えたほうがいいと思
います。
〇参議院選挙制度改革について
【読売新聞・前田記者】
自民党が、合区して出られなくなった県の候補者を救済する措置として、比
例選に拘束名簿式の導入を検討していると。これについてどのようにお考えか。
【代表】
前からそういう話はありましたが、この期に及んで急に出てきても本気度も
疑われます。党内対策として言っておられるかもしれません。
それから、今の(一票の格差が)3倍を辛うじて下回っている、実は上回って
いるのですが、そういう自民党の案です。だんだんその差を縮めていくと、県
が一緒になるのが今は2ヵ所かもしれませんが、これだって5人、我々の案で
は10とか、増えていく。そうすると他の比例の人の席がなくなる。本当に自民
党の中で合意できるのですか。各業界団体の方が自民党に随分いらっしゃる
が、そういう人たちの席がなくなってしまうわけで、本当に自民党として練られ
て出てきたものなのか疑問です。いずれにしても我々はそういう考え方には
立っておりません。
早くこの案件はきちんと決めないといけない、今回の強行採決のこともあ
るが、我々は参議院においてこの問題を本会議採決することについては協
力していく。むしろ急ぐべきだと考えております。
【朝日新聞・渡辺記者】
合区に該当する選挙区から出ている閣僚が「合区に反対だ」と言っている。
いわば最高裁判決に対して閣僚がちょっと違うのではないかと言っている
に等しいと思うが、こうした閣僚に関して国会で追及する考えはあるか。
【代表】
そういうことでこの改革が流れてしまったり大幅に遅れるということであれ
ば、それは当然追及も必要になります。ただ、さすがに何もしないで今月
を過ぎてしまうことはないのではないかと、自民党の最後の良識にちょっ
と期待しておりますが、それができないようなら、おっしゃることもあるの
だと思います。
ただ、それぞれ地元に帰れば「とんでもない」という声が当然あるわけで
すから、建前としてそれは認められないということは言わざるを得ない場面
はあるのだろうと思います。